行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為については、民事保全法(平成元年法律第九十一号)に規定する仮処分をすることができない。
要点行政事件訴訟法 44 条は、行政庁の処分について民事保全法上の仮処分を排除する規定。処分を止めるには執行停止(25 条)か仮の救済(37 条の 5)を用いる。
Q · 役所から処分が届いた。民事の仮処分で止められる?
止められません。執行停止(25 条)を使います。
行政事件訴訟法 44 条により、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為については、民事保全法上の仮処分をすることができません。さらに処分は訴えても自動では止まらず(執行不停止の原則、25 条 1 項)、止めるには執行停止(25 条)の申立てが必要です。役所にやらせる・差し止めるには仮の義務付け・仮の差止め(37 条の 5)を用います。いずれも要件は厳しく、本案訴訟と同時に動くのが鉄則です。
役所から営業停止命令が届いた。許可申請が却下された。退去強制令書が出た。多くの人の最初の反応は同じだ。「裁判所に駆け込んで、止めてもらおう」。ところが、民事の世界で当たり前に使える仮処分(裁判の決着がつくまで現状を凍結する緊急措置)は、行政の処分に対しては一切使えない。行政事件訴訟法44条が、その扉を塞いでいる。しかも行政処分は、訴えを起こしても自動では止まらない(執行不停止の原則、25条1項)。つまり間違った武器に手を伸ばしている間に、処分は粛々と効力を発し続ける。あなたが本当に握るべきは執行停止(25条)、あるいは処分の差止めや義務付けを仮に求める仮の救済(37条の5)だ。入口を間違えた瞬間、時間という最も貴重な資源を失う。
行政事件訴訟法 44 条は仮処分の排除を定める規定であり、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為については、民事保全法上の仮処分を行うことができない旨を規定する。行政処分に対する暫定的救済は、同法 25 条の執行停止および 37 条の 5 の仮の義務付け・仮の差止めに一元化される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為について、民事保全法上の仮処分を使えないとする原則です。行政事件訴訟法 44 条が根拠で、暫定救済は執行停止に一元化されます。
民事の仮処分ではなく、執行停止(25 条)の申立てを行います。役所に作為を求める場合は仮の義務付け、差止めなら仮の差止め(37 条の 5)を使います。
条文上の確定期限はありませんが、本案訴訟の係属が前提で、処分の効力が現実化する前に動く必要があります。実務では処分通知後ただちに申し立てるのが鉄則です。
行政処分は訴えを起こしても効力を失わないという原則です(25 条 1 項)。止めるには別途、執行停止の決定を裁判所から得る必要があります。
37 条の 5 により、処分がされることで「償うことのできない損害」が生じ、緊急の必要があり、本案について理由があるとみえることが要件です。執行停止より厳格です。
民泊・飲食・建設などの営業停止命令も行政処分なので民事の仮処分は不可です。執行停止を申し立て、廃業など回復不能な重大な損害を疎明できれば止まる余地があります。
民事の仮処分は使えません。取消訴訟などの本案と執行停止の申立てを同時に提起します。送還が目前のケースでは数日が勝負になります。
44 条が排除するのは「処分その他公権力の行使に当たる行為」です。処分性のない単なる行政指導や事実行為には、例外的に民事の仮処分の余地が残ることがあります。
できません。行政事件訴訟法44条が、行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為について、民事保全法の仮処分を明確に排除しています。代わりに執行停止(25条)や仮の差止め・仮の義務付け(37条の5)を使います。業界裏話ヒント:相手の行為に「処分性」があるかが争点になることがある。行政指導や単なる事実行為は『処分』に当たらないため、例外的に民事の仮処分が使える余地が残る。まず相手の行為が44条の言う『処分』に当たるかを見極めるのが第一歩だ
止まりません。行政処分は、訴えを起こしても効力を失わない『執行不停止の原則』(25条1項)が貫かれています。止めるには別途、執行停止の申立てをして裁判所の決定を得る必要があります。業界裏話ヒント:執行停止の要件『重大な損害を避けるため緊急の必要』(25条2項)は、損害が金銭で賠償できる程度だと認められにくい。廃業・健康被害・回復不能な不利益など『お金では戻らない損害』を具体的に疎明できるかが分かれ目になる
執行停止は『すでに出た処分の効力を止める』後ろ向きの救済、仮の義務付け(37条の5)は『役所にやらせる』前向きの救済です。許可申請を却下されて許可が欲しいなら仮の義務付け、営業停止命令を止めたいなら執行停止です。業界裏話ヒント:仮の義務付け・仮の差止めは2004年(平成16年)改正で新設された比較的新しい武器で、要件は『償うことのできない損害』とさらに厳格。だが従来は判決まで手が出せなかった申請型の処分にも、仮の救済の道を開いた点で画期的だった
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 救済の方向 | 44 条:民事の仮処分を排除(救済の入口を限定) | — |
| 主な要件 | 対象が「処分その他公権力の行使に当たる行為」であること | — |
| 前提 | 民事保全法上の仮処分の不可(排除規定) | — |
| ハードル | 処分性の有無が争点になり得る | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。