行政事件訴訟法 第46条(取消訴訟等の提起に関する事項の教示)
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- 行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分又は裁決をする場合には、当該処分又は裁決の相手方に対し、次に掲げる事項を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない。
- 一当該処分又は裁決に係る取消訴訟の被告とすべき者
- 二当該処分又は裁決に係る取消訴訟の出訴期間
- 三法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、その旨
- 2.行政庁は、法律に処分についての審査請求に対する裁決に対してのみ取消訴訟を提起することができる旨の定めがある場合において、当該処分をするときは、当該処分の相手方に対し、法律にその定めがある旨を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない。
- 3.行政庁は、当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものを提起することができる処分又は裁決をする場合には、当該処分又は裁決の相手方に対し、次に掲げる事項を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない。
- 一当該訴訟の被告とすべき者
- 二当該訴訟の出訴期間
この条文の基本情報
取消訴訟等の提起に関する事項の教示とは何ですか?
定義取消訴訟等の提起に関する事項の教示とは、行政事件訴訟法第46条に定められた規定で、「行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分又は裁決をする場合には、当該処分又は裁決の相手方に対し、次に掲げる事項を書面で教示しなければならない。ただし、当該処…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 行政事件訴訟法第46条(取消訴訟等の提起に関する事項の教示)は、日本の行政事件訴訟法に含まれる条文です。
- 行政事件訴訟法第46条の条文原文は「行政庁は、取消訴訟を提起することができる処分又は裁決をする場合には、当該処分又は裁決の相手方に対し、次に掲げる事項を書面で教示しなければならない。ただし、当該処…」で始まります。
- 行政事件訴訟法第46条は第五章 補則に置かれています。
- 行政事件訴訟法の公布日は昭和37年5月16日です。
- 行政事件訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 行政事件訴訟法第46条の前の条は行政事件訴訟法第45条です。
- 行政事件訴訟法第46条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第46条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000139 - 本サイト収録
行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第46条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000139/46
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点行政事件訴訟法46条は、行政庁が取消訴訟で争える処分をする際、相手方に被告・出訴期間・審査請求前置の有無を書面で教示する義務を定める。口頭処分には適用されない。
Q · 役所の決定通知が届いた。どこに、いつまでに、誰を相手に争えばいい?
通知書末尾の教示欄に被告と期限が書かれています
行政事件訴訟法46条により、行政庁は取消訴訟で争える処分・裁決を書面でするとき、相手方に①被告とすべき者、②出訴期間、③審査請求前置の有無の三点を書面で教示しなければなりません。これが教示制度です。通知書末尾の教示欄に、誰を相手にいつまでに争うかの地図が描かれています。ただし口頭でされた処分には教示義務がなく(但書)、教示が欠けたり誤っていた場合は行訴法14条の「正当な理由」で出訴期間の徒過が救済される余地があります。
解説
役所から不許可通知や課税処分の書類が届いた。内容に納得がいかない。だが多くの人はそこで止まる。どこに、いつまでに、誰を相手に争えばいいのか分からないからだ。行政事件訴訟法46条が、その壁を崩す。役所は取消訴訟で争える処分をするとき、相手方に対して三つのことを書面で教えなければならない。誰を被告にすべきか、いつまでに訴えるか(出訴期間)、先に審査請求を経る必要があるか。これが教示制度(役所があなたに「争い方の地図」を渡す義務)だ。あなたが受け取った通知書の末尾、見落としがちなあの欄に、訴訟の入口の地図が描かれている。重要なのは、口頭でされた処分には教示義務がない(但書)という点と、教示が間違っていた場合の救済が行政不服審査法とは違う形で動くという点だ。この一条を知っているかどうかで、あなたが処分に泣き寝入りするか、期限内に反撃するかが変わる。
法的な位置づけ
行政事件訴訟法46条は教示制度を定める規定であり、行政庁が取消訴訟の対象となる処分または裁決を書面で行う際、その相手方に対して被告適格者・出訴期間・審査請求前置の有無を書面で知らせる義務を課す。口頭による処分にはこの義務が及ばない。国民の出訴の機会を手続的に保障する装置である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知書を受け取ったら末尾の教示欄を確認 本文より先に末尾の教示欄を読み、①被告とすべき者、②出訴期間、③審査請求前置の有無の三点を押さえる。窓口に何度通っても期限は止まらない
- 2.教示欄を撮影し受領日を記録 教示欄を撮影し、通知を受け取った日(出訴期間の起算点になりうる)を記録する。教示が欠けている・誤っている場合はその事実こそが後の武器になるため原本を保全する
- 3.審査請求前置の有無で順番を決める 教示の第三項目に審査請求前置の定めがあれば、まず審査請求を期限内に提起する。なければ直接取消訴訟へ進む。順番を誤ると争う権利を失う
- 4.出訴期間から逆算して弁護士相談 原則6か月の出訴期間(行訴法14条)から逆算し、早めに弁護士へ相談する。被告は処分庁ではなく国・公共団体である点(行訴法11条)も確認する
- 5.教示の欠如・誤りなら原本を保全 教示欄が無い、または被告・期間の記載が誤っている場合、その通知書原本を保全する。出訴期間を過ぎても14条の「正当な理由」を立証する命綱になる
よくある質問 AI による整理
Q1教示制度とは何ですか?
行政庁が処分をする際、相手方に被告・出訴期間・審査請求前置の有無を書面で知らせる義務をいいます。行訴法46条が根拠で、争い方の地図を渡す制度です。
Q2取消訴訟の出訴期間はいつまでですか?
処分があったことを知った日から6か月(主観的期間)、処分の日から1年(客観的期間)です(行訴法14条)。いずれも正当な理由があれば延長されえます。
Q3審査請求前置主義とは何ですか?
法律に定めがある場合、先に審査請求の裁決を経なければ取消訴訟を提起できない仕組みです。教示欄の第三項目で前置の有無が示されます。
Q4教示が誤っていた場合の救済方法は?
行訴法には誤教示の明文救済がない代わりに、14条の「正当な理由」で出訴期間の徒過が救済されえます。誤った通知書は原本を保全しておきましょう。
Q5行政不服審査法の教示制度との違いは?
行政不服審査法(82条)は誤教示への救済規定が手厚いのに対し、行訴法46条は明文救済がなく14条の正当な理由で補う構造になっています。
Q6教示欄は通知書のどこにありますか?
多くは本文の後、末尾の欄外に小さく記載されます。被告とすべき者・出訴期間・審査請求前置の三点を最初に確認してください。
Q7行政処分に納得できないときの争い方は?
審査請求前置があればまず審査請求を、なければ直接取消訴訟を提起します。順番と期限を間違えると争う権利を失うため教示欄の確認が起点です。
Q8出訴期間を過ぎてしまったら諦めるしかない?
即諦める必要はありません。教示が欠如・誤っていた場合は14条の正当な理由を主張でき、その通知書が徒過を争う最強の証拠になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1役所の通知に教示が書いてなかったら、いつまでも訴えられるんですか?
無期限ではありませんが、救済の余地は広がります。行訴法には教示懈怠への明文救済がない代わりに、14条の「正当な理由」で出訴期間の徒過が救われます。教示がなかったこと自体が正当な理由として認められやすい。実務のポイント:行政不服審査法(82条)は教示制度が手厚く、誤った教示でも救済規定があります。行訴法はそこが手薄。だからこそ通知書に教示欄がなかった事実は、必ずスクショと原本で残す。後で「知らなかったのは役所のせい」と立証する材料になる
Q2教示欄に書いてある『被告とすべき者』って、役所の名前じゃないんですか?
違います。2004年改正後、取消訴訟の被告は処分をした行政庁ではなく、その行政庁が所属する国または公共団体です(行訴法11条)。例えば税務署長の処分なら被告は国。ここを間違えると訴訟が紛糾します。実務のポイント:被告を誤って訴えても、裁判所が被告の変更を許す運用(行訴法15条)があり、即座に却下されるわけではない。ただし教示欄に正しい被告が書いてあるので、まずそこを写すのが確実
Q3口頭で言い渡された処分には教示がないって本当ですか?
本当です。46条但書により、処分を口頭でする場合は書面教示の義務がありません。ただし口頭処分でも取消訴訟は提起できます。実務のポイント:口頭で不利な処分を告げられたら、その場で日時・担当者・内容をメモし、可能なら書面の交付を求める。後で『いつ知ったか』(出訴期間の起算点)が争われたとき、あなたのメモが起算点を有利に動かす証拠になる
間違えやすい点 AI による整理
- 教示欄があることは知っていても、そこに書かれた「出訴期間」を軽く見る人が多い。原則6か月(行訴法14条)。これを1日でも過ぎると、処分がどれだけ不当でも、裁判所は中身を審理せず門前払いにする。期間制限の重さを甘く見た瞬間、勝てたはずの事件が消える
- 「教示がなければ訴えられない」と思い込む人がいるが、問いの立て方が逆だ。教示は訴える権利を生む条件ではない。教示があろうとなかろうと取消訴訟は提起できる。教示の意味は、期間や被告をあなたに分かりやすく示し、間違えさせないための装置である。教示がなかったことは、むしろあなたに有利に働きうる
- 「教示の通りに動けば絶対に安全」と思っているが、教示そのものが間違っていることがある。被告を誤記したり、出訴期間を取り違えたり。行政不服審査法と違い、行訴法には教示の誤りに対する明文の救済規定がない。代わりに14条の「正当な理由」で救済される。間違った教示を信じて期間を過ぎても、諦めるのは早い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 46条:教示義務(被告・出訴期間・前置を書面で告知) | 11条:取消訴訟の被告適格(国・公共団体) 14条:出訴期間(6か月/1年と正当な理由) |
| 誰の負担か | 行政庁が国民に情報を提供する義務 | 原告が誰を被告とするかの判断基準 原告がいつまでに提訴するかの制限 |
| 違反・不備の効果 | 教示の欠如・誤りは14条の正当な理由となりうる | 被告を誤っても15条で変更が許される運用 期間徒過は原則門前払い(正当な理由で救済余地) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も処分書に救済方法・期間の教示を求める。記載を欠く場合の効果は手続規定で別途調整される。
韓国は行政審判法に告知制度を置き、誤告知・無告知の救済も法律で手当てしている点で日本の行政不服審査法に近い。
ドイツは不服申立ての方法・期間の教示を欠くと出訴期間が原則1年に延びるなど、無教示の効果を明文化している。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、建築確認の不許可通知が届いて、内容に納得できなかったら? まず末尾の教示欄を見る。被告とすべき者(多くは国または自治体)と出訴期間(原則6か月)が書いてある。ここを読まずに役所の窓口へ何度通っても、期限は止まらない
- 生活保護の廃止決定通知が届いた。教示欄には出訴期間がある。だが審査請求前置の定めがあれば、先に審査請求をしなければ訴訟に進めない。残された時間で順番を間違えると、争う権利そのものを失う。あと数か月で起算点から期限が来る
- 外国人の在留資格更新が不許可。通知書の教示欄を撮影しておく。被告と期限、それが次の一手の起点になる。
- 役所の処分が口頭で告げられた。この場合、46条但書により書面教示の義務はない。だからこそ、その場で日付と内容をメモし、後で書面の交付を求めることが、あなた自身を守る動きになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知書を受け取ったら即座に末尾の教示欄を確認、被告とすべき者・出訴期間・審査請求前置の有無の三点を押さえる2. 教示欄を撮影し、受領日を記録(出訴期間の起算点になる) 3. 審査請求前置があればまず審査請求を期限内に、なければ直接取消訴訟へ4. 出訴期間(原則6か月、行訴法14条)から逆算し、弁護士相談を早めに。期間は窓口交渉では止まらない(最新の改正状況をご確認ください)
訴えられた側:1. 出訴期間を過ぎたと言われても即座に諦めない、教示がなかった・誤っていた場合は14条の「正当な理由」を主張できる2. 受け取った通知書に教示欄があったか、内容が正確だったかを精査、なければその事実が武器になる3. 口頭処分だった場合は教示義務がない(46条但書)ため、別途いつ処分を知ったかが争点になる4. 起算点(処分を知った日)の認定を争う余地がないか弁護士と検討
時効(請求できる期限):取消訴訟の出訴期間は、処分または裁決があったことを知った日から6か月(主観的出訴期間)、処分または裁決の日から1年(客観的出訴期間)。いずれも「正当な理由」があれば延長されうる(行訴法14条)。教示の欠如・誤りはこの正当な理由の典型例(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:46条の教示は国民の出訴機会を手続的に保障する制度であり、教示の欠如・誤りそれ自体は処分の効力を左右しないが、行訴法14条の『正当な理由』を基礎づけ、出訴期間徒過の救済根拠となると解されている。書面処分に限り、口頭処分には及ばない。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年)行政事件訴訟法改正(平成17年4月1日施行) 教示制度を新設。それまで行政事件訴訟法には取消訴訟の被告・出訴期間等を相手方に知らせる義務がなく、国民が誰を相手にいつまでに訴えるかを誤る例が多かった。被告適格を行政庁から国・公共団体へ改める改正(11条)と併せ、相手方保護のため書面教示を義務づけた
改正の年表
- 1.昭和37年(1962年) 新設:行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)制定。ただし取消訴訟の被告・出訴期間等を相手方に知らせる教示義務はまだ置かれていなかった。
- 2.平成16年(2004年) 改正:行政事件訴訟法改正(平成17年4月1日施行)。被告適格を行政庁から国・公共団体へ改める改正(11条)と併せ、相手方保護のため46条に書面教示義務を新設した。
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