要点商業登記法 96 条は、合名会社の社員の加入・退社による変更登記の申請書に、その事実を証する書面の添付を義務づける。法人社員の加入では 94 条 2 号・3 号の書面も要する。
Q · 合名会社で社員が入ったり抜けたりしたら、登記に何を付ければいいの?
事実を証する書面。同意書・戸籍謄本・確定判決書が典型
商業登記法 96 条により、合名会社の社員の加入・退社による変更の登記の申請書には、その事実を証する書面を添付します。加入なら総社員の同意書、死亡退社なら戸籍謄本、除名なら確定判決書が典型です。法人が社員として加入する場合は、同法 94 条 2 号・3 号の登記事項証明書や職務執行者に関する書面も必要です。登記期間は変更が生じた日から 2 週間(会社法 915 条 1 項)、退社社員の責任は退社の登記から 2 年で消滅します(同法 612 条 2 項)。
合名会社の「社員」は、給料をもらう従業員ではない。会社の借金を自分の全財産で背負う無限責任のオーナーである。ここを取り違えたまま名前を貸すと、人生の資産設計が変わる。96 条は一見、ただの添付書類リストに見える。社員が入った、抜けた、その事実を証する書面を付けろ、と。だが本当の重みは別のところにある。加入したあなたは、加入前に会社が作った債務まで弁済責任を負う(会社法 605 条)。逆に退社したあなたの責任は、辞めた日には消えない。退社の登記より前に生じた債務については、登記の日から 2 年が経過して、はじめて消える(会社法 612 条 2 項)。会社が登記を放置している限り、その 2 年の時計は 1 秒も動かない。96 条が求める「事実を証する書面」は、事務手続の紙ではなく、あなたの無限責任に終わりを与えるスタートボタンなのだ。
商業登記法 96 条は、合名会社における社員の加入・退社に伴う変更の登記の添付書面を定める手続規定である。1 項は加入または退社の事実を証する書面の添付を求め、法人社員の加入の場合は同法 94 条 2 号・3 号の書面を含む。2 項は法人社員の商号または本店の変更の登記につき、94 条 2 号イの書面の添付を要求する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
従業員ではなく出資者を指します。合名会社では社員全員が会社債務について無限連帯責任を負い(会社法 580 条)、個人の全財産が引当てになります。
変更が生じた日から 2 週間以内に本店所在地で申請します(会社法 915 条 1 項)。怠ると代表社員個人に 100 万円以下の過料が科されます。
辞めた日ではありません。退社の登記の日から 2 年以内に請求または請求の予告がなければ、2 年経過時に消滅します(会社法 612 条 2 項)。
背負います。加入した社員は、加入前に生じた会社債務についても他の社員と同一の責任を負います(会社法 605 条)。加入前の与信調査が不可欠です。
死亡は法定退社事由です。定款に持分承継の定めがなければ(会社法 608 条)、相続人が得るのは経営権ではなく持分払戻請求権にとどまります。
会社ではなく代表社員個人に 100 万円以下の過料が科されます(会社法 976 条 1 号)。加えて退社社員の 2 年の時計が動き出さない実害が生じます。
会社法によりなれます。法人社員が加入する登記では、商業登記法 94 条 2 号・3 号の登記事項証明書や職務執行者の選任・就任承諾書面が必要です。
申請は却下されます(商業登記法 24 条)。出し直しの間も 2 週間の登記期間は止まらないため、書面の事前確定が実務上の要諦です。
加入なら総社員の同意書である。社員の氏名・住所は定款の絶対的記載事項であり(会社法 576 条 1 項 4 号)、加入は定款変更を伴うため総社員の同意が要る(同 637 条)。死亡退社なら戸籍謄本、除名なら除名の訴えの確定判決書(同 859 条)。法人が加入するなら登記事項証明書と職務執行者関係書面まで必要(商業登記法 94 条 2 号・3 号)。業界裏話ヒント:登記事項証明書は申請書に会社法人等番号を書けば省略できる(同法 19 条の 3)。窓口で証明書を取り直している人は、この一行を知らないだけである
できない。申請人は会社であって退社した本人ではなく、損をする者と手続を動かす者が分離している。まず内容証明で申請を催告し、応じなければ会社を相手方とする登記手続請求を検討するが、商業登記には不動産登記のような代位申請の明文がなく、この訴えの可否と執行方法は実務上、解釈が分かれている。業界裏話ヒント:催告書に「登記懈怠は代表社員個人に 100 万円以下の過料」(会社法 976 条 1 号)と一行添えると動きが変わる。過料は会社経費ではなく個人の財布から出るからだ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 商業登記法 96 条:社員の加入・退社の変更登記の添付書面 | — |
| 適用場面 | 会社成立後に社員構成や法人社員の商号・本店が変わったとき | — |
| 求められる書面 | 事実を証する書面(+法人社員なら 94 条 2 号・3 号の書面) | — |
| 怠った場合の効果 | 登記懈怠として代表社員に過料、退社社員の 2 年が起算されない | — |
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