要点所得税法 140 条は、青色申告の居住者が純損失を出した年に、前年分の所得税の還付を請求できる繰戻し還付を定める。前年・当年とも青色申告と期限内申告が要件となる。
Q · 今年赤字なら、去年払った所得税を現金で取り戻せるって本当?
青色申告なら前年分の所得税を還付請求できます
所得税法 140 条により、青色申告書を提出する居住者は、その年に純損失が生じた場合、確定申告と同時に前年分の所得税の還付を請求できます。これが純損失の繰戻し還付です。純損失の繰越控除(同法 70 条)が来年以降の黒字を待つのに対し、繰戻し還付は去年の黒字に払った税金を現金で取り戻せます。前年・当年とも青色申告で、期限内申告であることが条件です(4 項)。事業の全部譲渡・廃止の年は、前々年分まで遡れます(5 項)。
去年は事業が絶好調で、しっかり所得税を納めた。今年は一転して赤字。多くの人は「今年の損は、来年以降の黒字と相殺するしかない」と思い込む。それが繰越控除(所得税法70条)の発想だ。だが青色申告をしている居住者には、もう一本の道がある。今年の純損失を去年に遡らせて、去年納めた所得税を現金で取り戻す道だ。来年の黒字を待つ必要はない。確定申告と同時に還付請求を出せば、去年の黒字に払った税金が手元に戻る。事業が傾いている人、廃業を決めた人にとって、来年以降の黒字を前提とする繰越控除は絵に描いた餅だ。だが繰戻し還付なら、今この瞬間のキャッシュになる。この一本の差を知っているかどうかで、赤字の年の資金繰りがまるごと変わる。
所得税法 140 条は純損失の繰戻しによる還付を定める規定であり、青色申告書を提出する居住者に純損失が生じた場合、確定申告と同時に前年分の所得税の還付を請求できる制度である。純損失の繰越控除(同法 70 条)と選択関係に立ち、将来の黒字を待たずに現金還付を受ける点に特徴がある。
AI 輔助整理,以條文原文為準
青色申告の居住者が純損失を出した年に、前年に納めた所得税の還付を確定申告と同時に請求できる制度です。所得税法 140 条が根拠で、繰越控除と選択関係にあります。
その年分の青色申告書の提出期限(原則翌年 3 月 15 日)までに、申告書と同時に還付請求書を提出する必要があります。期限を過ぎると原則適用できません。
税務署長が請求内容を調査して還付額を決定した後に振り込まれます(同法 142 条)。現金が出る手続のため、通常の還付より審査に時間がかかる傾向があります。
所得税法 140 条が定めるのは所得税の還付です。住民税は繰戻し還付の対象外で、翌年度以降の課税で調整される点に注意が必要です。
使えます。事業の全部の譲渡・廃止等があった年は、同法 140 条 5 項により前年分に加えて前々年分の所得税まで遡って還付を請求できます。
青色申告なら前年分を還付請求できます。将来の黒字を待つ繰越控除と違い、確定申告と同時の請求で現金が手元に戻る点が資金繰りに効きます。
純損失の金額の繰戻しによる所得税の還付請求書を、青色申告の確定申告書と同時に納税地の所轄税務署長へ提出します。損失を裏付ける帳簿・証憑も整えます。
還付金には還付加算金が付く場合があります。一方で繰越控除は将来の黒字を待つため、時間軸で損得が変わり、両者の比較検討が重要です。
その傾向はある。142条は税務署長が請求内容を調査して還付額を決定すると定めており、現金が出ていく手続だけに審査は厳しめだ。ただ調査を恐れて正当な還付を諦めるのは本末転倒。業界裏話ヒント:税理士があえて繰越控除を勧める背景には、繰戻し還付が調査の呼び水になりやすいという事情もある。だが帳簿がきちんとしていれば通る話で、調査回避のためだけに数十万円の還付を捨てる必要はない
使えない。本条は冒頭で青色申告書を提出する居住者に限定し、しかも前年と当年の両方で青色申告している必要がある(4項)。業界裏話ヒント:白色から青色への切替は、その年の3月15日までに承認申請を出せば間に合う。赤字が見えてから慌てても遅い。黒字の年のうちに青色にしておくことが、翌年赤字になったときの還付の前提になる。逆算して動く人だけが使える制度だ
事業の先行き次第だ。来年以降しっかり黒字が見込めるなら繰越控除で将来の税を減らせる。だが回復が不透明、あるいは廃業なら、現金が今戻る繰戻し還付が確実だ(70条が繰越、本条が繰戻し)。業界裏話ヒント:見落とされがちだが、還付金には還付加算金という利息が付く。一方で繰越控除の期限は3年。将来の黒字が3年以内に出なければ、繰り越した損は宙に消える。時間軸で損得が逆転する(最新の繰越期間をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 損失の当て先 | 140 条 繰戻し還付:去年の黒字に遡らせて現金還付 | — |
| 効き方 | 今この瞬間のキャッシュ(還付加算金が付く場合あり) | — |
| 適用要件 | 前年・当年とも青色申告+期限内申告(4 項) | — |
| 向いている人 | 下り坂・廃業で来年の黒字が見込めない事業者 | — |
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