居住者に対し国内において匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)に基づく利益の分配につき支払をする者は、その支払の際、その利益の分配について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。
要点所得税法 210 条は、匿名組合契約に基づく利益の分配を支払う者に、支払時の源泉徴収と徴収の日の属する月の翌月十日までの納付を義務づける。納付義務者は投資家ではなく支払事業者である。
Q · ファンドの分配金から引かれた 20.42%、これを国に納めているのは誰なの?
投資家ではなく、分配金を支払った事業者です
所得税法 210 条により、匿名組合契約(政令で定める準ずる契約を含む)に基づく利益の分配を支払う者は、その支払の際に所得税を徴収し、徴収の日の属する月の翌月十日までに国に納付しなければなりません。税率は同法 211 条の 20% に復興特別所得税が上乗せされ 20.42% となります。徴収を失念しても納付義務は支払者に残り、不納付加算税と延滞税が課されます。投資家側では、この源泉徴収は前払いにすぎず、原則として確定申告による精算が必要です。
不動産クラウドファンディングやソーシャルレンディングの分配金が入金されたとき、明細には「源泉徴収税額 20.42%」と書かれている。その根拠が所得税法 210 条である。ここで見落とされているのは、国税を納める義務を負っているのが受け取った投資家ではなく、支払った事業者だという点だ。事業者は分配の支払時に税を天引きし、その月の翌月十日までに国に納付しなければならない。天引きを忘れれば、投資家に満額を渡してしまったあとでも、事業者は自腹で国に納めたうえ不納付加算税と延滞税を負担する。しかも対象は契約書に「匿名組合契約」と書かれたものだけではない。政令で定める「これに準ずる契約」(所得税法施行令 288 条)も同じ網にかかる。名前を変えれば逃げられる条文ではない。投資家の側にも罠がある。この 20.42% は前払いにすぎず、上場株式の配当のように源泉徴収だけで課税関係が完結するわけではない。
所得税法 210 条は匿名組合分配に係る源泉徴収義務を定める規定であり、居住者に対し国内において匿名組合契約(政令で定める準ずる契約を含む)に基づく利益の分配を支払う者に、支払時の所得税徴収義務と、徴収の日の属する月の翌月十日までの納付義務を課す。適用税率は同法 211 条が定め、これに復興特別所得税が併課される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
出資者が営業者に出資し、営業者の事業から生じた利益の分配を受ける契約です(商法 535 条)。出資者は表に出ず、事業の主体はあくまで営業者となります。不動産クラウドファンディングの多くがこの形式です。
徴収の日の属する月の翌月十日までです。3 月に分配金を支払って徴収したなら 4 月 10 日が期限になります。休日にあたる場合は翌開庁日にずれますが、期限管理は分配の稟議フローに組み込むのが安全です。
匿名組合契約に基づく分配は、継続的な事業として営んでいる場合を除き、原則として雑所得に区分されます。源泉徴収された 20.42% は前払いのため、確定申告で精算するのが原則です。
雑所得に区分される場合、給与所得や事業所得との損益通算はできません。同じ年の他の雑所得内での内部通算にとどまります。複数ファンドで損益が出ている場合は年単位で集計してください。
支払者は法定調書を作成し税務署に提出しますが、投資家本人への交付が常に義務づけられているわけではありません。多くの事業者は取引明細や年間報告書を提供するため、これを保管して申告資料にします。
210 条は居住者向けの規定であり、非居住者・外国法人への支払は所得税法 212 条が適用されます。租税条約の有無で税率が変わりうるため、送金前に居住者判定と条約適用の確認が必要です。
所定の納付書により金融機関または税務署の窓口で納付するほか、e-Tax によるダイレクト納付やインターネットバンキングでの電子納付も利用できます。納付手段より、期限を過ぎないことが最優先です。
国税通則法 67 条の不納付加算税が課され、税務署の納税告知を受ける前に自主納付すれば割合が軽減されます。加えて延滞税も発生します。具体的な割合は最新の改正状況をご確認ください。
原則として必要である。匿名組合分配の源泉徴収は上場株式配当のような申告不要制度の対象ではなく、通常は雑所得として申告し精算する。業界裏話ヒント:所得が低い年ほど申告した方が得になる。20.42% は一律の前払いなので、課税所得が小さい人は差額が還付される。面倒だからと放置している人は、毎年黙って払いすぎている
納付義務は消えない。事業者が自腹で国に納めたうえで、投資家に本来の税額分を求償することになる。加えて不納付加算税と延滞税が課される。業界裏話ヒント:税務署から納税告知を受ける前に自主的に納付すれば加算税の割合が下がり、法定納期限から一月以内であれば課されない場合もある。気付いたら、相談より先に納付書を切る(最新の改正状況をご確認ください)
関係ないとは言えない。210 条の括弧書きは「これに準ずる契約として政令で定めるもの」を含むと定め、所得税法施行令 288 条が範囲を示している。判定は契約名ではなく実質で行われる。業界裏話ヒント:出資を受けて事業を営み、その利益を出資者に分配する構造なら、契約書の表題を変えても網から外れない。表題だけを変えるスキームは、税務調査で最初に潰される類型である
所得税法 211 条が定める税率は 20% だが、これに復興特別所得税(東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法)が上乗せされて 20.42% になる。業界裏話ヒント:この上乗せには適用期限があり、また新たな付加税の制度改正も議論されている。分配計算のシステムに税率をハードコードしている事業者は、施行日をまたいだ瞬間に全件計算誤りを起こす(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる支払先 | 所得税法 210 条:居住者(国内における匿名組合分配) | — |
| 規定している内容 | 徴収義務と納付期限(翌月十日) | — |
| 租税条約の影響 | 原則として影響を受けない | — |
| 徴収漏れの場合 | 所得税法 221 条で支払者から徴収、222 条で受給者へ求償 | — |
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