職業安定機関及び公共職業能力開発施設は、労働者の雇入れ又は配置、適性検査、職業訓練その他の雇用に関する事項について事業主、労働組合その他の関係者から援助を求められたときは、雇用情報、職業に関する調査研究の成果等を活用してその者に対して必要な助言その他の措置を行わなければならない。
要点労働施策総合推進法 15 条は、事業主や労働組合が雇入れ、配置、適性検査、職業訓練について援助を求めたとき、職業安定機関等が雇用情報を活用して助言を行う義務を定める。
Q · ハローワークって求職者のための場所ですよね? 会社や労働組合が相談してもいいんですか?
できます。社長も組合も援助を請求でき、役所は断れません
労働施策総合推進法 15 条は、事業主、労働組合その他の関係者が、労働者の雇入れ又は配置、適性検査、職業訓練その他の雇用に関する事項について援助を求めたときは、職業安定機関及び公共職業能力開発施設が雇用情報や職業に関する調査研究の成果等を活用して必要な助言その他の措置を「行わなければならない」と定めています。裁量的な「できる」規定ではなく義務規定です。ただし援助は請求主義であり、こちらから求めない限り起動しません。また助言は行政指導であって行政処分ではないため、法的拘束力はなく、従った結果の責任も事業主側に残ります。
ハローワークの正式名称は公共職業安定所。求職者が番号札を持って並ぶ場所、というのが世間のイメージだろう。ところが 15 条を読むと、援助を求める側として条文に名指しされているのは求職者ではない。事業主、労働組合、その他の関係者である。しかも役所側の書きぶりは「行うことができる」ではなく「行わなければならない」。つまり、雇入れ、配置、適性検査、職業訓練について、あなたが会社の経営者でも組合の書記長でも、公的機関に助言を請求でき、機関側はそれを拒めない。しかも援助の中身として条文が挙げているのは「雇用情報、職業に関する調査研究の成果」。地域別の求人倍率、職種別の賃金水準、訓練コースの受講実績。民間のコンサルティング会社が資料代として請求してくる情報の相当部分が、この条文の射程に入っている。使われていない請求権は、存在しないのと同じ扱いを受ける。
本条は、職業安定機関及び公共職業能力開発施設の援助義務を定める規定である。事業主、労働組合その他の関係者が、労働者の雇入れ又は配置、適性検査、職業訓練その他の雇用に関する事項について援助を求めた場合、これらの機関は雇用情報及び職業に関する調査研究の成果等を活用し、必要な助言その他の措置を行わなければならない。援助は請求を端緒として起動する。
職業安定機関と公共職業能力開発施設に、事業主や労働組合等からの求めに応じて雇用に関する助言等を行う義務を課す規定です。裁量的な「できる」ではなく「行わなければならない」と書かれています。
本条は雇入れ、配置、適性検査、職業訓練その他の雇用に関する事項を挙げています。求人票の書き方だけでなく、配置転換の設計や訓練計画まで射程に入り、雇用情報や調査研究の成果を根拠に助言が行われます。
職業訓練を実施する公的施設の総称で、職業能力開発促進法に基づき設置されます。本条では職業安定機関と並ぶ援助義務の主体とされ、訓練関係の相談窓口になります。
本条の援助を求められるのは事業主、労働組合その他の関係者です。地域別・職種別の求人倍率や賃金水準などの雇用情報は、援助を求める形で公的機関から得られる射程に入っています。
できます。適性検査は本条が明示する援助対象事項の一つです。年齢や性別と相関の強い項目が紛れ込むと同法 9 条の年齢にかかわりない均等な機会の確保に触れる恐れがあるため、導入前の相談が有効です。
同法 27 条により、一の事業所で一か月以内に三十人以上の離職が生じる場合、最後の離職の日の一か月前までに公共職業安定所長へ届け出る必要があります。届出は義務、15 条の援助は請求主義という違いがあります。
公共職業安定所(ハローワーク)が入口です。雇用保険二事業を財源とする助成金が多く、人員削減を決める前に 15 条の援助を求めておくと、雇用維持系の選択肢が残ります。最新の要件は厚生労働省の公表内容をご確認ください。
職業安定機関は職業紹介・雇用情報・助成金を所管し、労働基準監督署は労働基準法等の監督を担う別系統の組織です。援助を求めた事実そのものが監督の端緒になる仕組みにはなっていません。
頼めます。本条は雇入れ、配置、適性検査、職業訓練その他の雇用に関する事項について、事業主等から援助を求められたとき、必要な助言その他の措置を行わなければならないと定めている。求人票の作成支援はその一部にすぎない。業界裏話ヒント:窓口で「相談したい」とだけ言うと一般的な案内で終わる。「配置転換の設計について、地域の職種別需給データを踏まえた助言が欲しい」と条文の言葉で具体的に指定すると、担当部署そのものが変わる。
本条は労働組合を援助を求められる相手として明記しており、組合が自らの名で援助を求めることは制度上想定されている。公務員には守秘義務があり(国家公務員法 100 条)、相談の事実や内容を無断で使用者側に通報する仕組みにはなっていない。業界裏話ヒント:それでも実務上は、相談内容が特定の企業の個別事案だと分かる形で持ち込むか、一般的な職種需給の照会として持ち込むかで、担当者側の慎重さが変わる。交渉前の情報収集段階では後者から入る組合が多い。
原則として取らない。本条の助言は行政指導であって行政処分ではないため、処分性がなく審査請求や取消訴訟の対象にもならず、従う法的義務もない代わりに結果責任は事業主に残る。ただし助言に明白な誤りがあり、それを信じたことで損害が生じた場合、国家賠償法 1 条の余地は理論上残る(認められる事例は限定的)。業界裏話ヒント:だからこそ助言は日付と担当者名つきで記録に残す。責任追及のためというより、後の助成金審査や労使交渉で「いつ、どの公的見解に基づいて判断したか」を示す材料になるからだ。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 起動のしかた | 15 条:関係者が援助を求めて初めて起動する請求主義 | — |
| 義務を負う主体 | 職業安定機関・公共職業能力開発施設(行政側) | — |
| 対象事項 | 雇入れ、配置、適性検査、職業訓練その他の雇用に関する事項 | — |
| 違反・不履行の効果 | 助言は行政指導であり処分性なし。従う義務も争う手段も原則ない | — |
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