要点労働施策総合推進法 27 条の 2 は、常時雇用する労働者が 300 人を超える事業主に、中途採用比率を定期的に公表する義務を課す。罰則はなく、助言・指導・勧告の対象にとどまる。
Q · 気になっている会社の「中途採用の割合」って、法律で公表が義務づけられているんですか?
301 人以上の会社なら公表義務あり。ただし罰則はない
労働施策総合推進法 27 条の 2 により、常時雇用する労働者が 300 人を超える事業主は、雇い入れた通常の労働者及びこれに準ずる者に占める中途採用者の割合を定期的に公表しなければなりません。2021 年 4 月 1 日施行で、厚生労働省令により直近 3 事業年度分をおおむね年 1 回以上、求職者が容易に閲覧できる方法で示すこととされています。違反しても罰則はなく、同法 33 条に基づく助言・指導・勧告の対象にとどまるため、対象企業なのに数字が見当たらないという事実自体が、求職者にとっての判断材料になります。
求人票の「中途入社が活躍中」という一文には、何の根拠もない。だが 2021 年 4 月から、常時雇用する労働者が 301 人以上の事業主には、正社員として雇い入れた人数のうち何割が中途採用だったのかを、直近 3 事業年度分、おおむね年 1 回以上、誰でも閲覧できる形で公表する義務が課された。ここで効いてくるのが分母と分子のずれである。301 人という線引きにはパートも有期も頭数として入るのに、公表対象の分母は「通常の労働者及びこれに準ずる者」、つまり正社員相当に限られる。あなたが転職を検討している会社が対象企業なのに数字がどこにも見当たらないなら、それは探し方が下手なのではなく、その会社が義務を果たしていない可能性がある。罰則はない。だからこそ、公表していないという事実そのものが、あなたにとって最初の判断材料になる。
労働施策総合推進法 27 条の 2 は中途採用比率の公表義務を定める規定であり、常時雇用する労働者の数が 300 人を超える事業主に対し、厚生労働省令の定めるところにより、雇い入れた通常の労働者及びこれに準ずる者の数に占める中途採用により雇い入れられた者の数の割合を、定期的に公表することを求める。第 2 項は、国による自主的公表への支援を規定する。
労働施策総合推進法 27 条の 2 に基づき、常時雇用する労働者が 300 人を超える事業主が、正社員等の採用者数に占める中途採用者の割合を定期的に公表する義務です。2021 年 4 月 1 日から適用されています。
令和 2 年法律第 14 号(雇用保険法等の一部を改正する法律)により新設され、令和 3 年(2021 年)4 月 1 日から施行されました。それ以前は公表義務そのものが存在しません。
分子は中途採用により雇い入れられた者の数、分母は雇い入れた通常の労働者及びこれに準ずる者の数です。新規学卒等採用者は中途採用に含まれず、分母側にのみ計上されます。
学校教育法 1 条の学校(小学校・幼稚園を除く)その他厚生労働省令で定める施設の卒業見込み者であることを条件とした求人により雇い入れられた者です。それ以外の雇入れがすべて中途採用になります。
期間の定めなく雇用されている者に加え、1 年以上引き続き雇用される見込みのパート・有期労働者も含みます。判定は事業所単位ではなく事業主(法人)単位で合算します。
厚生労働省令により、直近の 3 事業年度分を示すこととされています。単年だけでは採用方針の傾向が読めないため、推移で公表することが制度の前提になっています。
おおむね 1 年に 1 回以上、公表した日を明らかにして更新することとされています。事業年度終了後に速やかに更新するのが実務上の運用です。
対象規模と公表項目が異なります。本条は 301 人以上の事業主に中途採用比率のみを求めるのに対し、女性活躍推進法 20 条は 101 人以上の事業主に女性活躍に関する複数項目の公表を求めます。
省令上は求職者が容易に閲覧できる方法とされ、多くは自社の採用ページか、厚生労働省の職場情報総合サイトに掲載されている。業界裏話ヒント:実務では採用ページ最下部の PDF や、IR のサステナビリティ欄に紛れ込ませている企業が非常に多い。面接で「御社の中途採用比率の推移を拝見しました」と言うと、人事が即答できるか詰まるかで、その会社が数字を経営指標として扱っているのか、義務消化で貼っただけなのかが分かる
罰則はない。法第 33 条に基づく助言・指導・勧告の対象にとどまり、パワハラ措置義務違反のような勧告不服従時の企業名公表の仕組みも本条には及ばない。業界裏話ヒント:罰則のない公表義務は、労働局が単独で動くより、女性活躍推進法や育児介護休業法の指導に入ったときにまとめて指摘される。だから中途採用比率を出していない企業は、他の情報公表義務も揃って抜けていることが多い。欠落は単独では起きない
そう単純ではない。高い比率は中途に開かれた組織を意味することもあれば、定着せず補充を繰り返している状態の裏返しでもある。本条が求めるのは 3 事業年度分の公表なので、必ず推移で読む。業界裏話ヒント:単年の跳ね上がりを見つけたら、若者雇用促進法 13 条に基づく青少年雇用情報(新卒 3 年以内離職率、平均勤続年数)と突き合わせる。拡大なのか流出なのか、二つの数字を重ねた瞬間に判別できる
条文は「三百人を超える」なので 301 人以上が対象であり、かつ数えるのは常時雇用する労働者である。期間の定めなく雇用されている者に加え、1 年以上引き続き雇用される見込みのパート・有期も算入されるため、正社員 300 人でも合計で超えれば対象になる。業界裏話ヒント:この判定は事業所単位ではなく事業主単位。支店ごとに小規模でも全社合算で線を越えるため、多店舗展開の企業ほど自覚のないまま対象になっている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 義務の内容 | 27 条の 2:中途採用比率を定期的に公表する | — |
| 対象事業主 | 常時雇用する労働者が 300 人を超える事業主のみ | — |
| 情報の宛先 | 求職者・一般(公表=外向き) | — |
| 違反時の帰結 | 罰則なし。33 条の助言・指導・勧告にとどまる | — |
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