著作者でない者の実名又は周知の変名を著作者名として表示した著作物の複製物(原著作物の著作者でない者の実名又は周知の変名を原著作物の著作者名として表示した二次的著作物の複製物を含む。)を頒布した者は、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
要点著作権法 121 条は、偽の作者名を表示した著作物の複製物を頒布した者を一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処す。描き手ではなく頒布者が対象で、告訴を要しない非親告罪である。
Q · 贋作を描いた人と、それを売った人、著作権法ではどっちが捕まるの?
描いた人ではなく、偽の作者名で売った頒布者が罰せられます
著作権法 121 条は、著作者でない者の実名又は周知の変名を著作者名として表示した著作物の複製物を頒布した者を、一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又は併科すると定めます。罰せられるのは絵を描いた本人ではなく、偽の作者名をつけて世に流した頒布者です。しかも本罪は非親告罪で、名を冒用された作家が告訴しなくても捜査機関は起訴できます。贋作販売なら詐欺罪(刑法 246 条)も併発しえます。
街の画廊で「有名作家のサイン入り」と銘打たれた版画を数万円で買った。数年後、どうも本人の作ではなく、誰かが勝手に名を入れた複製だと気づく。この一枚を世に出した者を捕まえる条文が、著作権法 121 条である。ここで罰せられるのは「描いた人」ではない。「著作者でない者の実名又は周知の変名を著作者名として表示した複製物を頒布した者」、つまり偽の作者名をつけて世に流した人だ。あなたが知っておくべき急所は二つ。第一に、罰は一年以下の拘禁刑(刑務所に入る刑、2025 年 6 月施行の改正で懲役・禁錮を統合した呼称)か百万円以下の罰金、その両方を科すこともできる。第二に、この罪は告訴がなくても起訴できる「非親告罪」である。名を盗まれた有名作家が「騒ぎたくない」と黙っていても、捜査機関は動ける。贋作市場でもゴーストライティングの世界でも、作者の名は商品の値札そのものだ。その値札を偽る行為に、刑法とは別の角度から刃が向けられている。
著作権法 121 条は、著作者でない者の実名又は周知の変名を著作者名として表示した著作物の複製物を頒布する行為を処罰する規定である。保護法益は作者名表示に対する公衆の信頼および名を冒用された者の人格的利益であり、行為の主体は複製物を頒布した者に限られる。本罪は告訴を必要としない非親告罪である。
著作者でない者の実名や周知の変名を作者名として表示した複製物を頒布する行為を罰する著作権法 121 条の罪です。描き手ではなく、偽名を付けて流通させた頒布者が対象になります。
一年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金、又はその両方(併科)です。2025 年 6 月施行の改正で自由刑の呼称が懲役から拘禁刑に変わりました。
いいえ、非親告罪です。著作権法 123 条により本罪は告訴を要さず、名を冒用された作家が沈黙していても捜査機関が起訴できます。
一年以下の拘禁刑にあたるため公訴時効は 3 年です(刑事訴訟法 250 条)。起算点は最後の頒布行為が終わった時点です。
広く世間に知られたペンネームや芸名など、本名でなくても特定の著作者を指すと一般に認識される名称を指します。無名の変名は原則含まれません。
複製物を公衆に譲渡・貸与する行為で、販売・配布・展示即売などを広く含みます。頒布した時点で本罪は完成し、その前に流通を止めれば成立しません。
本人の作でない複製に自分で有名作家名を付けて出品・販売すれば、頒布した瞬間に 121 条の構成要件を満たします。個人の小遣い稼ぎでも刑事罰の射程です。
121 条は偽の作者名表示の複製物の頒布そのものを罰し、詐欺罪(刑法 246 条)は人を欺いて財物を交付させた点を罰します。贋作販売では両罪が併発しえます。
いいえ。売主には詐欺(刑法 246 条)の刑事責任が、あなたには不法行為(民法 709 条)に基づく代金相当額の返還・損害賠償の請求権があります。121 条自体は罰則規定で、あなたへの賠償を直接定めるものではありません。業界裏話ヒント: 決め手は真贋鑑定書の有無と来歴(プロヴェナンス)の記録です。購入時の領収書とやり取りを残しておくと、後の詐欺立証も返金交渉も一気に有利になる
条文の文言上は「著作者でない者の実名を著作者名として表示」にあたりうる行為です。ただし本人の同意があるタレント本などが直ちに摘発される運用にはなっておらず、実務上、解釈が分かれています。業界裏話ヒント: 出版契約で著作者表示を誰にするか明記し、実際の執筆者との権利関係を書面化しておくのが業界の防御線。曖昧なまま出すと、後の印税・著作権の紛争で必ず揉める
121 条は、偽の名を作者名として表示した複製物を『頒布』した点を捉えます。署名そのものの偽造は私文書偽造の問題になりうるが、両者は同じ行為を別の角度から捉えるものです。業界裏話ヒント: 検察は立証しやすい構成を選びます。贋作事件では詐欺・121 条・偽造のどれで起訴するかで時効も法定刑も変わるため、複数罪が成立する場面では捜査側の戦略が結末を左右する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる行為 | 偽の作者名を表示した複製物の頒布(121 条) | — |
| 法定刑 | 一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金(併科可) | — |
| 親告罪性 | 非親告罪(123 条で除外) | — |
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