要点著作権法 37 条は、公表著作物の点字化・音声化等を権利者の許可なく認める障害者向けの権利制限規定。ただし政令指定の対象事業者に限られ、権利者が同方式で提供済みなら適用されない。
Q · 目が見えない家族のために本を音声にしても、著作権侵害にならないの?
対象事業者が作る場合は合法。個人が作るのは原則不可。
著作権法 37 条 3 項は、視覚障害者等のために本を音声化・テキストデータ化することを権利者の許可なく認めます。ただし製作できるのは著作権法施行令 2 条で定める対象事業者(公共図書館、点字図書館など)に限られ、個人が善意で作っても特例の枠外で侵害になりえます。2018 年改正で対象は全盲の人だけでなく、ディスレクシアや上肢障害など視覚による認識が困難な者全般に広がりました。権利者が既に音声版を出している作品には、3 項ただし書によりこの特例は及びません。
目が見えなくても本を「読める」社会は、たまたま存在しているわけではない。著作権法 37 条という一本の条文が、その土台を支えている。通常、他人の本を勝手に音声化したり点字に変えたりすれば著作権侵害だ。だがこの条文は、点字化(1 項)、コンピュータによる点字データ化と送信(2 項)、そして音声化など必要な方式での複製・公衆送信(3 項)を、権利者の許可なく認める。さらに 2018 年の改正で対象が広がった点を、ほとんどの人が知らない。「視覚障害者等」は全盲の人だけではない。ディスレクシア(読み書き障害)、発達障害、上肢の障害で本を持てない人、加齢による読書困難まで含む。あなたや家族が「字を追うのがつらい」状態なら、合法的に音声書籍を利用できる側にいるかもしれない。ただし権利者が既に音声版を出している作品には、この特例は及ばない(3 項ただし書)。
著作権法 37 条は障害者のための著作物利用に係る権利制限規定であり、公表された著作物の点字による複製(1 項)、点字データの記録・公衆送信(2 項)、政令で定める福祉事業者による音声化その他必要な方式での複製・公衆送信(3 項)を、著作権者の許諾なく認める。対象は視覚障害者に限らず、視覚による表現の認識が困難な者全般に及ぶ。
視覚障害者等のために、公表された本を点字化・点字データ送信・音声化することを権利者の許可なく認める権利制限規定です。1 項〜3 項の三段構えで、福祉目的の著作物アクセスを保障します。
全盲の人だけでなく、ディスレクシア(読み書き障害)、発達障害、上肢の障害で本を持てない人、加齢による読書困難など、視覚による表現の認識が困難な者全般を指します(2018 年改正で明確化)。
合法です。デイジー図書は 37 条 3 項の「必要な方式による複製」に該当し、対象事業者が製作したものを視覚障害者等が利用できます。サピエ図書館などで入手できます。
視覚障害者等本人または家族が、地域の点字図書館・公共図書館の障害者サービス窓口を通じて登録します。障害者手帳や読書困難を示す資料があると手続が速く進みます。
37 条 3 項で複製・公衆送信ができる者を政令で指定したもので、公共図書館、点字図書館、大学図書館、一定要件を満たす福祉団体などが該当します。個人は含まれません。
37 条は視覚障害者等のための点字化・音声化の特例、37 条の 2 は聴覚障害者等のための字幕・手話等の特例です。対象とする障害と変換方式が異なる姉妹規定です。
原則できますが、権利者が既に同じ方式で提供している作品には 3 項ただし書で特例が及びません。また複製は「専ら視覚障害者等のため」「必要な限度」に限られます。
できません。権利者が既に音声版を提供している作品は 3 項ただし書により特例の対象外です。この場合は市販品を購入するのが正しいルートになります。
違法ではない。2018 年改正で 37 条 3 項の『視覚障害者等』は読み書き障害(ディスレクシア)を含むよう広がった。学校や対象事業者が製作した音声教材・デイジー教科書を合法的に使える。業界裏話ヒント:教科書については別途バリアフリー教科書法(障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律)の支援制度もあり、法的根拠は二重に存在する。学校が『前例がない』と渋っても、診断書を添えて教育委員会に書面で求めると話が進みやすい
誰でもは無理だ。37 条 3 項で複製・公衆送信ができるのは、政令(著作権法施行令 2 条)で定める対象事業者に限られる。公共図書館、点字図書館、一定要件を満たす団体などだ。業界裏話ヒント:個人が独自に音声を作ってネット配布すると、福祉目的でも特例の枠外で侵害になりうる。多くの朗読ボランティアは、対象事業者である図書館の事業として活動することで合法性を担保している。『どの組織の事業として作るか』が適法と侵害の分かれ目だ
原則ダメだ。個人による製作は 37 条 3 項の対象事業者の要件を満たさず、私的使用の複製(30 条)も『その使用する者が複製する』のが原則なので、他人のための製作には当てはまりにくい。業界裏話ヒント:合法ルートは、まずサピエ図書館に既にその作品があるか確認すること。なければ対象事業者にリクエストする。さらに権利者が既にオーディオブックを出していれば、ただし書でそもそも特例は使えず、市販品を買うのが正解だ。善意の自作より、既存の仕組みを使う方が確実で速い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 目的・対象 | 37 条:視覚障害者等のための点字化・音声化等 | — |
| 誰が作れるか | 政令指定の対象事業者(施行令 2 条)/1 項の点字は誰でも可 | — |
| 適用が外れる場合 | 権利者が既に同方式で提供済み(3 項ただし書) | — |
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