要点男女雇用機会均等法 11 条は、職場のセクハラについて事業主に相談体制の整備等の措置義務を課す。相談したことを理由とする不利益取扱いも 2 項で禁止される。
Q · セクハラを受けたとき、会社にはどこまで責任があるんですか?
争点は行為の該当性でなく、会社が措置義務を果たしたかです
男女雇用機会均等法 11 条 1 項は、事業主に対し、職場の性的な言動により労働者が労働条件上の不利益を受けたり就業環境が害されたりしないよう、相談に応じ適切に対応するための体制整備その他雇用管理上必要な措置を義務づけています。措置の具体的内容は第 4 項に基づく厚生労働大臣の指針(平成 18 年厚生労働省告示第 615 号)に定められ、方針の明確化・周知、懲戒規定の整備、相談窓口の設置、迅速な事実確認、被害者への配慮、行為者への措置、再発防止、プライバシー保護などが求められます。第 2 項は、相談したことや調査で事実を述べたことを理由とする解雇その他の不利益取扱いを禁止しています。
セクハラは加害者個人の問題だ、と多くの人が信じている。ところが11条が名指ししているのは加害者ではなく、あなたの会社の事業主である。求められているのは「気をつける」ことではない。厚生労働大臣の指針(平成18年厚生労働省告示第615号)は、事業主が講ずべき措置を10項目に具体化している。方針の明確化と周知、懲戒規定の整備、相談窓口の設置、迅速な事実確認、被害者への配慮、行為者への措置、再発防止、プライバシー保護、そして相談を理由に不利益に扱わない旨の明記。つまりあなたが会社と向き合うとき、真の争点は「あれはセクハラか」ではなく「会社は10項目のどれを飛ばしたか」になる。2020年6月からは、相談したことや調査で事実を述べたことを理由とする解雇その他の不利益な取扱いも2項で正面から禁止された。窓口に言った途端に評価が下がった、その一点だけで別の違法が立ち上がる。
男女雇用機会均等法第 11 条は、職場におけるセクシュアルハラスメントに関する事業主の雇用管理上の措置義務を定める規定である。事業主は、性的な言動への労働者の対応により当該労働者が労働条件上の不利益を受け、又は就業環境が害されることのないよう、相談に応じ適切に対応するための体制整備その他の措置を講じなければならない。措置の内容は第 4 項の指針で具体化される。
均等法 11 条 1 項が事業主に課す義務です。相談体制の整備など雇用管理上必要な措置を講ずることが求められ、努力目標ではなく法律上の義務です。
厚生労働大臣の指針(平成 18 年厚生労働省告示第 615 号)で 10 項目に整理されています。方針の明確化・周知、懲戒規定の整備、相談窓口の設置、迅速な事実確認などが含まれます。
あります。均等法 11 条に企業規模の除外はなく、労働者を雇用する事業主すべてが対象です。就業規則がない小規模事業所でも、方針の周知と相談対応の体制は求められます。
なります。条文に性別の限定はなく、指針は同性間の言動も、性的指向・性自認に関する言動(SOGI ハラ)も対象に含めています。
できます。労働者派遣法 47 条の 2 により派遣先も均等法上の事業主とみなされ、派遣元・派遣先の双方に 11 条の措置義務が及びます。
窓口担当者を定めて労働者に周知し、対応マニュアルを整備します。人事部門のほか、外部委託や産業医・顧問弁護士を窓口とする方法も指針上認められています。
都道府県労働局雇用環境・均等部(室)が助言・指導を行います。均等法 17 条の紛争解決援助、18 条の調停はいずれも無料で、訴訟より短期間で決着します。
11 条の措置義務は雇用する労働者が対象ですが、指針は求職者やフリーランスへの言動についても事業主が同様の方針を示すことが望ましいとしています。最新の改正状況をご確認ください。
11条2項が正面から禁じている行為に当たる可能性が高い。2020年6月施行の改正で、相談したこと、または調査に協力して事実を述べたことを理由とする解雇その他の不利益な取扱いは明文で禁止された。業界裏話ヒント:争点は必ず「異動理由は前から決まっていた」という会社側の主張になる。ここで効くのが相談日と内示日の近接性。だから最初の相談は口頭ではなくメールで出す、その一手間が半年後の勝敗を決める
何もしないこと自体が11条1項違反になりうる。指針は、事実関係の確認ができなかった場合であっても、再発防止措置と当事者への配慮措置を講ずるよう求めている。業界裏話ヒント:この「確認できなかった場合でも義務は残る」という一文を知っているかどうかで、会社への詰め方が変わる。人事にこの部分を指針の文言のまま示すと、社内の話が総務レベルから法務レベルへ一段上がる。それでも動かなければ労働局へ、費用はかからない
ある。指針上の「職場」は業務を遂行する場所全般を指し、出張先、取引先の事務所、業務の延長と評価される接待の場も含まれる。さらに11条3項により、他社から措置の実施について協力を求められた事業主には応ずる努力義務がある。業界裏話ヒント:就職活動中の学生やフリーランスへのセクハラ対策も近年の法改正で強化が進んでいる。自社の労働者以外への対応範囲は動いているので、最新の改正状況をご確認ください
11条違反そのものに直接の罰則はない。ただし厚生労働大臣の勧告に従わない場合は企業名を公表されうるし(30条)、報告徴収に応じない、または虚偽の報告をすれば20万円以下の過料(33条)。業界裏話ヒント:本当に効くのは行政ではなく民事のほうである。措置義務違反という事実は、民事訴訟で会社の職場環境配慮義務違反(民法415条)や使用者責任(民法715条)を認定する材料として使われる。「罰則がないから行政指導まで放置」と考えた会社が、賠償額で払わされる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護対象となる言動 | 均等法 11 条:職場における性的な言動(セクシュアルハラスメント) | — |
| 事業主の義務の性質 | 雇用管理上必要な措置を講ずる法的義務(措置義務) | — |
| 相談者への不利益取扱い禁止 | 11 条 2 項で明文禁止(2020 年 6 月施行) | — |
| 紛争解決の行政ルート | 都道府県労働局の助言・指導(17 条)、調停(18 条) | — |
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