要点男女雇用機会均等法 10 条は、5 条から 7 条・9 条 1 項から 3 項の差別禁止について、厚生労働大臣が事業主向けの指針を定めると規定する。策定には審議会の意見聴取が必要となる。
Q · 均等法の条文を読んでも「何が差別か」が書いてないのはなぜ?
具体的な判断基準は条文ではなく大臣の指針にあるため
均等法 5 条から 7 条、9 条 1 項から 3 項は「差別してはならない」としか定めておらず、当てはめの具体的基準は本法 10 条 1 項に基づき厚生労働大臣が定める指針(告示)に置かれています。募集要件、コース別雇用管理、妊娠報告後の配置変更などが違法かどうかは、指針の列挙で判断されます。指針の策定・変更には労働政策審議会の意見聴取と公表が準用され(10 条 2 項、4 条 4 項・5 項)、国会審議は経ません。
均等法の条文を最初から最後まで読んでも、「何が差別に当たるのか」の具体例は一行も出てこない。募集で女性にだけ自宅通勤を条件にするのはアウトか、コース別雇用管理はどこまで許されるか、妊娠を報告した社員の担当替えは不利益変更か。答えはすべて条文の外側、厚生労働大臣が本条に基づいて定める「指針」に書いてある。つまり、あなたが会社と争うとき、あるいは人事として線を引くとき、実際に効く物差しは法律ではなく告示なのだ。しかも指針は国会を通らない。労働政策審議会の意見を聴けば、大臣の判断で書き換えられる。募集・採用(5条)、配置・昇進(6条)、間接差別(7条)、妊娠出産等を理由とする不利益取扱い(9条1項から3項)という、職場で最も揉める領域の運用基準が、この委任一本にぶら下がっている。
男女雇用機会均等法 10 条は指針の策定を定める委任規定であり、5 条から 7 条および 9 条 1 項から 3 項の差別禁止規定について、事業主が適切に対処するために必要な指針を厚生労働大臣が定めるものとする。その策定・変更には、4 条 4 項・5 項の準用により労働政策審議会の意見聴取と公表が必要となる。
均等法 10 条 1 項に基づき厚生労働大臣が定める告示で、5 条から 7 条・9 条の差別禁止規定について何が違法に当たるかの具体的な判断基準を列挙したものです。
厚生労働省サイトの告示・通達ページで公表されています。均等法 10 条 2 項が 4 条 5 項を準用し、指針の策定・変更時には公表が義務づけられています。
法律ではなく厚生労働大臣の告示です。指針自体に罰則はありませんが、労働局長の助言・指導・勧告の基準となり、裁判所も差別判断の解釈基準として参照します。
厚生労働大臣が変更します。ただし 10 条 2 項が準用する 4 条 4 項により、労働政策審議会の意見聴取が必須です。国会審議は経ません。
均等法 7 条を受けた施行規則 2 条が限定列挙し、その判断枠組みを 10 条の指針が補充しています。条文本体には具体的類型は書かれていません。
均等法 9 条 3 項が禁じる不利益取扱いの具体例は指針が列挙しています。妊娠・出産等の事由の終了から 1 年以内の不利益取扱いは、原則としてその事由を契機とすると扱われます。
できます。均等法 17 条により都道府県労働局長が助言・指導・勧告を行い、指針の該当項を特定して相談すると初動が具体化しやすくなります。
労働局長の助言・指導・勧告(17 条)、厚生労働大臣の勧告に従わない場合の企業名公表(29 条、30 条)へ進みます。報告徴収の無視には過料の定めもあります。
指針違反それ自体への罰則はない。だが都道府県労働局長は指針を物差しに助言・指導・勧告を行い(17条)、厚生労働大臣の勧告に従わなければ企業名の公表まで進む(29条、30条)。裁判所も差別の有無を判断する解釈基準として参照する。業界裏話ヒント:罰則がないのは指針違反の話であって、労働局の報告徴収を無視すれば20万円以下の過料(33条)。照会文書を放置した時点で、別の土俵に立たされている
9条3項が禁じる不利益取扱いの中身は条文になく、降格・減給・不利益な配置変更・契約更新拒否といった具体例は指針が列挙している。実務上重要なのは、妊娠・出産等の事由の終了から1年以内の不利益取扱いは原則としてその事由を契機とするものと扱う、という運用が示されている点だ。業界裏話ヒント:会社は業務上の必要性を主張してくるが、1年以内なら説明責任の重心は会社側へ移る。まず通知やメールの日付を確定させて保存する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 10 条:指針の策定を大臣に委任する規定 | — |
| 手続要件 | 労働政策審議会の意見聴取+公表(4 条 4 項・5 項を準用、知事照会は読み替えで除外) | — |
| 対象範囲 | 5 条から 7 条および 9 条 1 項から 3 項 | — |
| 実務での使い方 | 指針の該当項を根拠に会社・労働局と交渉する | — |
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