事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。
要点男女雇用機会均等法 5 条は、事業主に募集・採用で性別にかかわりなく均等な機会を与える義務を課す。違反に刑罰はなく、助言・指導・勧告と企業名公表で担保される。
Q · 求人票に「男性のみ」「женей歓迎」みたいに性別を書いたら、それだけで違法なんですか?
原則違法です。募集段階で性別により機会を奪うこと自体が 5 条違反です。
男女雇用機会均等法 5 条は、事業主に対し募集及び採用について性別にかかわりなく均等な機会を与える義務を課しています。したがって求人票の性別限定表示は、採用結果に至る前の募集段階で既に違反となります。例外は、8 条のポジティブ・アクション要件を満たす場合と、厚生労働省告示(平成 18 年厚生労働省告示第 614 号)が認める業務の性質上の例外に限られます。違反に刑罰はありませんが、助言・指導・勧告(29 条)を経て、勧告に従わない場合は企業名が公表されます(30 条)。
求人票に書かれた「男性歓迎」という一行、それ自体がすでに違法である。均等法5条は、募集と採用の段階で性別にかかわりなく均等な機会を与えることを事業主に義務づける。ここで押さえるべきことが二つある。一つ目、この条文は1985年の制定時、単なる努力義務だった。禁止規定になったのは平成9年(1997年)改正(1999年4月施行)、男女双方向の差別禁止に組み替わったのは平成18年(2006年)改正(2007年4月施行)である。つまり、今の管理職世代が新人だった頃の採用の常識は、法的にはとっくに失効している。二つ目、5条違反そのものに刑罰はない。効くのは厚生労働大臣の助言・指導・勧告(29条)と、勧告に従わなかった場合の企業名公表(30条)である。罰金は経費で落ちるが、公表された社名は採用市場で数年消えない。そこがこの条文の本当の刃だ。
男女雇用機会均等法 5 条は、労働者の募集及び採用の段階における性別を理由とする差別を禁止する規定である。事業主に対し、性別にかかわりなく均等な機会を与える義務を課す。採用後の配置・昇進・教育訓練等を扱う 6 条、性別以外の要件による実質的排除を捕捉する 7 条と並び、雇用の入口を規律する中核条項として位置づけられる。
事業主に対し、労働者の募集及び採用について性別にかかわりなく均等な機会を与える義務を課す規定です。採用後の待遇を扱う 6 条と異なり、雇用の入口だけを規律します。
都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。費用はかからず、企業への事実確認と助言・指導(29 条)が動きます。弁護士に依頼する前の最初の窓口として使えます。
30 条に基づき、厚生労働大臣の勧告に従わなかった事業主の名称を公表する制度です。刑罰ではありませんが、採用市場での評判とサプライチェーン監査に長く影響します。
原則できません。日本の裁判所は採用拒否に対して労働契約の成立を命じる救済を認めておらず、争えるのは民法 709 条の損害賠償です。認容額は慰謝料中心にとどまる例が多いです。
昭和 60 年(1985 年)の制定時は努力義務でした。平成 9 年(1997 年)改正により禁止規定へ転換し、平成 11 年(1999 年)4 月に施行されています。
8 条の要件を満たせば適法です。当該雇用管理区分の女性比率が 4 割を下回るなどの前提が必要で、要件を欠けば男性に対する 5 条違反になります。
条文上は性別と無関係でも、7 条と施行規則 2 条が定める間接差別の 3 類型に該当し得ます。業務上の必要性など合理的な理由を説明できなければ違法と評価されます。
5 条の名宛人は事業主ですが、職業紹介事業者には職業安定法 3 条の均等待遇義務がかかります。「あの会社は男性しか採らない」と応募を止める行為も自らのリスクになります。
原則として5条違反です。例外は、均等法8条のポジティブ・アクションの要件を満たす場合と、指針が認める業務の性質上の例外(防犯上・宗教上・スポーツ競技の性質上など)に限られます。業界裏話ヒント:行政は一語の差で判断します。「女性が活躍中の職場です」は職場状況の説明なので適法、「女性歓迎」は募集条件の表明なので違反、という線引きです。求人原稿を書く側は、この一語で立場が変わる
厚生労働省の指針は、女性に対してのみ結婚予定や出産後の継続就労意思を質問することを、5条違反の具体例として挙げています。訴訟より先に、労働局への相談が現実的な打ち手です。業界裏話ヒント:争点は質問の内容ではなく「男性応募者にも同じ質問をしたか」です。同じ日程で面接を受けた男性の証言や、就活コミュニティに残る他の応募者の投稿が、決定的な証拠になることがある
5条違反そのものに刑罰も過料もありません。動くのは助言・指導・勧告(29条)と、勧告に従わない場合の企業名公表(30条)です。ただし報告をしない、または虚偽報告をした場合は20万円以下の過料(33条)です。業界裏話ヒント:この過料は「差別したこと」ではなく「行政の報告徴収に応じなかったこと」に科されます。つまり企業にとって最悪の一手は差別の事実そのものではなく、労働局からの照会を放置することだ
民事訴訟では応募者側が立証責任を負うので確かに重いですが、行政ルートなら労働局が報告徴収(29条)で企業側の選考記録に触れます。あなたが持っていない資料を、行政が企業から出させる構造です。業界裏話ヒント:裁判所の文書提出命令と同じ効果を、費用ゼロ・数か月で得られるのが労働局ルートです。弁護士がこれを最初に勧めないことがあるのは、報酬が発生しない手続だからという事情もある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 5 条:募集及び採用(雇用の入口) | — |
| 判断の対象 | 性別を理由に応募・選考の機会を与えたか | — |
| 例外の根拠 | 8 条ポジティブ・アクション、平成 18 年厚生労働省告示第 614 号 | — |
| 救済の実像 | 契約成立の強制は不可、行政指導・企業名公表+民法 709 条賠償 | — |
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