前三条の規定は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となつている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずることを妨げるものではない。
要点男女雇用機会均等法8条は、男女の格差を改善する目的で女性労働者に行う措置を、5条から7条の差別禁止の適用外とする規定。免責されるのは女性に関する措置に限られる。
Q · 女性限定の採用や研修って、そもそも法律的にセーフなんですか?
女性比率が低い区分なら適法になりうるが、男性限定は原則違法
男女雇用機会均等法8条により、男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善する目的で女性労働者に関して行う措置は、同法5条から7条の差別禁止規定の適用を受けません。厚生労働省の指針(平成18年厚生労働省告示第614号)は、当該雇用管理区分の労働者に占める女性割合が4割を下回る状況を目安として示しています。判定単位は全社比率ではなく雇用管理区分ごとです。一方、8条が免責するのは女性に関する措置に限られるため、男性が少数の職場でも男性限定募集は5条違反になりえます。
女性限定採用は違法か。この問いに、人事担当者の多くは条文を見ないまま答えてしまう。均等法5条から7条は募集・採用、配置・昇進、そして間接差別まで性別による区別を全面的に禁じている。だが8条が、その壁に窓を一つ開けた。「均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善する目的」で「女性労働者に関して」行う措置は、前三条の適用を外れる。ここで押さえるべきは二点。第一に、この窓は片面的である。女性を優遇する措置だけが免責され、男性を増やす取組は保育でも看護でも8条の外に置かれる。第二に、「支障となっている事情」には行政の運用目安がある。厚生労働省の指針(平成18年厚生労働省告示第614号)は、その雇用管理区分の労働者に占める女性割合が4割を下回る状況を目安として示している。この4割と「雇用管理区分ごと」という二つの条件を知らずに女性限定募集を出した会社は、是正のつもりで差別を問われる側に回る。
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第8条は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として、女性労働者に関して行う措置を講ずることを、同法第5条から第7条までの規定が妨げないことを定める規定である。積極的差別是正措置の根拠規定である。
男女間の事実上の格差を解消するため、女性を優先的に取り扱う暫定的な措置のことです。均等法8条が根拠となり、5条から7条の差別禁止規定の適用が外れます。
男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善する目的で、事業主が女性労働者に関して行う措置を、前三条(5条・6条・7条)の適用外とする特例規定です。
職務内容、資格、勤務形態などが異なり、異なる雇用管理を行うと定めている労働者の区分です。総合職と一般職などが典型で、8条の女性比率判定はこの区分ごとに行います。
一律に違法ではありません。当該雇用管理区分の女性比率が低く、格差改善という目的があり、措置の程度が過大でなければ8条により5条の適用が外れます。
女性のみを対象とする募集・採用、女性の応募を促す情報提供、女性向け管理職候補研修、選考時に同等の能力であれば女性を優先する取扱いなどが指針に例示されています。
直接の刑事罰はなく、厚生労働大臣による助言・指導・勧告(29条)が行われ、勧告に従わない場合は企業名公表(30条)の対象となります。報告懈怠等には過料の定めがあります。
厚生労働省の指針(平成18年厚生労働省告示第614号)です。当該雇用管理区分の労働者に占める女性割合が4割を下回る状況が目安として示されています。法律本文にはありません。
まず雇用管理区分ごとの男女別人数を集計し、女性比率を算出します。措置を始める前にこの数字と目的を社内文書として残すことが、後の説明責任を大きく左右します。
その雇用管理区分や役職で女性比率が4割を下回っていれば、8条により5条から7条の差別禁止規定の適用が外れ、原則として違法になりません。具体的な措置例は厚生労働省の指針(平成18年厚生労働省告示第614号)が列挙しています。業界裏話ヒント:労働局が見るのは全社比率ではなく雇用管理区分ごとの比率。総合職と一般職を合算した資料を出した瞬間に根拠が崩れる。研修の企画段階で区分別の数字を出しておく
原則としてできません。8条が免責するのは「女性労働者に関して行う措置」だけで、男性優遇は対象外です。保育・看護・介護で男性を増やしたくても、男性限定募集は5条違反になりえます。業界裏話ヒント:実務では性別を書かず、職務内容を具体的に示して応募層を広げる方法をとる。ただし合理的理由のない体力要件などを付ければ、今度は間接差別(7条、施行規則2条の限定列挙)として別の違反になる
4割はあくまで指針上の目安で、下回れば自動的に適法になるわけではありません。目的が支障の改善にあるか、対象が女性労働者に限られるか、措置の程度が過大でないかの三点が問われ、能力要件を無視した固定枠は実務上、解釈が分かれています。業界裏話ヒント:紛争で効くのは措置を始めた時点の社内文書。募集開始後に作った説明資料は説得力が落ちる。人事会議の議事録に比率と目的を一行残すだけで、後の立場が変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 均等法8条:差別禁止の適用を外す特例(免責規定) | — |
| 対象となる性別 | 女性労働者に関して行う措置のみ(片面的) | — |
| 適用の前提 | 格差改善という目的+女性が対象+措置の程度が過大でないこと | — |
| 判定の単位・材料 | 雇用管理区分ごとの女性比率(指針の目安は4割) | — |
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