雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第8条(女性労働者に係る措置に関する特例)
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前三条の規定は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となつている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずることを妨げるものではない。
この条文の基本情報
女性労働者に係る措置に関する特例とは何ですか?
定義女性労働者に係る措置に関する特例とは、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第8条に定められた規定で、「前三条の規定は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となつている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずること…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第8条(女性労働者に係る措置に関する特例)は、日本の雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律に含まれる条文です。
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第8条の条文原文は「前三条の規定は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となつている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずること…」で始まります。
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第8条は第一節 性別を理由とする差別の禁止等に置かれています。
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の公布日は昭和47年7月1日です。
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第8条の前の条は雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第7条です。
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第8条の次の条は雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第9条です。
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第8条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和四十七年法律第百十三号)第8条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000113 - 本サイト収録
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和四十七年法律第百十三号)第8条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/347AC0000000113/8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点男女雇用機会均等法8条は、男女の格差を改善する目的で女性労働者に行う措置を、5条から7条の差別禁止の適用外とする規定。免責されるのは女性に関する措置に限られる。
Q · 女性限定の採用や研修って、そもそも法律的にセーフなんですか?
女性比率が低い区分なら適法になりうるが、男性限定は原則違法
男女雇用機会均等法8条により、男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善する目的で女性労働者に関して行う措置は、同法5条から7条の差別禁止規定の適用を受けません。厚生労働省の指針(平成18年厚生労働省告示第614号)は、当該雇用管理区分の労働者に占める女性割合が4割を下回る状況を目安として示しています。判定単位は全社比率ではなく雇用管理区分ごとです。一方、8条が免責するのは女性に関する措置に限られるため、男性が少数の職場でも男性限定募集は5条違反になりえます。
解説
女性限定採用は違法か。この問いに、人事担当者の多くは条文を見ないまま答えてしまう。均等法5条から7条は募集・採用、配置・昇進、そして間接差別まで性別による区別を全面的に禁じている。だが8条が、その壁に窓を一つ開けた。「均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善する目的」で「女性労働者に関して」行う措置は、前三条の適用を外れる。ここで押さえるべきは二点。第一に、この窓は片面的である。女性を優遇する措置だけが免責され、男性を増やす取組は保育でも看護でも8条の外に置かれる。第二に、「支障となっている事情」には行政の運用目安がある。厚生労働省の指針(平成18年厚生労働省告示第614号)は、その雇用管理区分の労働者に占める女性割合が4割を下回る状況を目安として示している。この4割と「雇用管理区分ごと」という二つの条件を知らずに女性限定募集を出した会社は、是正のつもりで差別を問われる側に回る。
法的な位置づけ
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律第8条は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として、女性労働者に関して行う措置を講ずることを、同法第5条から第7条までの規定が妨げないことを定める規定である。積極的差別是正措置の根拠規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1ポジティブ・アクションとは何ですか?
男女間の事実上の格差を解消するため、女性を優先的に取り扱う暫定的な措置のことです。均等法8条が根拠となり、5条から7条の差別禁止規定の適用が外れます。
Q2男女雇用機会均等法8条とは何ですか?
男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善する目的で、事業主が女性労働者に関して行う措置を、前三条(5条・6条・7条)の適用外とする特例規定です。
Q3雇用管理区分とは何ですか?
職務内容、資格、勤務形態などが異なり、異なる雇用管理を行うと定めている労働者の区分です。総合職と一般職などが典型で、8条の女性比率判定はこの区分ごとに行います。
Q4女性限定の求人は違法ですか?
一律に違法ではありません。当該雇用管理区分の女性比率が低く、格差改善という目的があり、措置の程度が過大でなければ8条により5条の適用が外れます。
Q5ポジティブ・アクションの具体例は?
女性のみを対象とする募集・採用、女性の応募を促す情報提供、女性向け管理職候補研修、選考時に同等の能力であれば女性を優先する取扱いなどが指針に例示されています。
Q6均等法に違反するとどうなりますか?
直接の刑事罰はなく、厚生労働大臣による助言・指導・勧告(29条)が行われ、勧告に従わない場合は企業名公表(30条)の対象となります。報告懈怠等には過料の定めがあります。
Q7女性比率4割という目安はどこに書いてありますか?
厚生労働省の指針(平成18年厚生労働省告示第614号)です。当該雇用管理区分の労働者に占める女性割合が4割を下回る状況が目安として示されています。法律本文にはありません。
Q8男女比の偏りを是正したい会社は何から始めればいいですか?
まず雇用管理区分ごとの男女別人数を集計し、女性比率を算出します。措置を始める前にこの数字と目的を社内文書として残すことが、後の説明責任を大きく左右します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1女性だけを対象にした社内研修って、男性社員から訴えられませんか?
その雇用管理区分や役職で女性比率が4割を下回っていれば、8条により5条から7条の差別禁止規定の適用が外れ、原則として違法になりません。具体的な措置例は厚生労働省の指針(平成18年厚生労働省告示第614号)が列挙しています。実務のポイント:労働局が見るのは全社比率ではなく雇用管理区分ごとの比率。総合職と一般職を合算した資料を出した瞬間に根拠が崩れる。研修の企画段階で区分別の数字を出しておく
Q2男性が少ない職場で、男性限定の募集をかけるのはダメなんですか?
原則としてできません。8条が免責するのは「女性労働者に関して行う措置」だけで、男性優遇は対象外です。保育・看護・介護で男性を増やしたくても、男性限定募集は5条違反になりえます。実務のポイント:実務では性別を書かず、職務内容を具体的に示して応募層を広げる方法をとる。ただし合理的理由のない体力要件などを付ければ、今度は間接差別(7条、施行規則2条の限定列挙)として別の違反になる
Q3うちは女性が3割なので、女性限定採用をしても安全ですよね?
4割はあくまで指針上の目安で、下回れば自動的に適法になるわけではありません。目的が支障の改善にあるか、対象が女性労働者に限られるか、措置の程度が過大でないかの三点が問われ、能力要件を無視した固定枠は実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:紛争で効くのは措置を始めた時点の社内文書。募集開始後に作った説明資料は説得力が落ちる。人事会議の議事録に比率と目的を一行残すだけで、後の立場が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「女性限定は合法か違法か」という問いの立て方そのものが誤っている。8条は二択の許可証ではなく、目的(支障の改善)、対象(女性労働者)、措置の程度という三条件を満たす限りで前三条の適用を外す条件付き構造だ。だから同じ女性限定採用でも、女性1割の技術職では通り、女性7割の事務職では通らない
- 8条が女性のみを対象とする片面規定であることは比較的知られているが、その帰結の重さは知られていない。男性が極端に少ない看護、保育、介護の現場で「男性職員を増やしたい」と考えても、男性限定募集は8条の保護を受けず、5条違反として助言・指導・勧告(29条)の対象になりうる。男女の偏りを直す目的でも、直せる向きが法律上一方向しかない
- 男性社員のあなたから見れば女性限定研修は「差別されている」場面だが、法律から見れば差別の成否を判断する土俵にすら上がっていない。8条により前三条の適用が外れるからだ。この落差を知らずに社内で感情のまま抗議すると、正当な制度論が「理解が足りない人」という評価にすり替わって終わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 均等法8条:差別禁止の適用を外す特例(免責規定) | 均等法5条:募集・採用における性別差別の禁止 均等法7条:間接差別の禁止 |
| 対象となる性別 | 女性労働者に関して行う措置のみ(片面的) | 男女双方に適用(双方向の差別禁止) 男女双方に適用(実質的不利益を受ける側を保護) |
| 適用の前提 | 格差改善という目的+女性が対象+措置の程度が過大でないこと | 募集・採用の場面で性別を理由とする取扱いがあること 施行規則2条が限定列挙する三類型に該当すること |
| 判定の単位・材料 | 雇用管理区分ごとの女性比率(指針の目安は4割) | 求人票・選考基準の文言と運用実態 要件の合理性と業務上の必要性 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は募集・採用から昇進まで性別による差別待遇を禁じるが、日本8条のような女性優遇措置の一般的免責規定を明文で置いていない。積極的是正措置は主に個別の行政施策や公部門の目標設定として運用される。
韓国は差別の定義規定そのものの中で、現存する差別を解消するために特定の性を優待する暫定的措置を差別から除外する。日本が例外条項で処理する問題を、定義段階で処理する立法技術の違いがある。
ドイツの一般平等待遇法5条は、既存の不利益を防止・解消する目的の措置を性別に限らず年齢・障害等も含めて許容する。日本8条が女性に限定する片面構造であるのに対し、より中立的な建て付けとなっている。
フランス労働法典は、機会の平等を確立することを目的として女性のみを受益者とする暫定的措置を差別禁止規定の妨げとしない。女性に限定する片面性という点で日本8条と最も近い構造をとる。
米国は制定法上の免責条項ではなく判例法により、任意の是正計画が暫定的で多数派の利益を不当に害しない限り許容されるという枠組みを形成した。行政指針ではなく訴訟で境界が画される点が日本と大きく異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 募集要項の入稿締切まであと2日、上司から「女性エンジニアを増やしたいから女性限定で出せ」と指示されたら、あなたは何を確認する? 開発職の女性比率が4割を下回るなら8条の射程に入る。だが判定は全社比率ではなく雇用管理区分ごと。総合職と一般職を合算して「4割ある」と説明した瞬間、根拠は崩れる
- あなたが保育園の園長で、職員21人中20人が女性だとする。バランスを取ろうと「男性保育士募集」と掲げた瞬間、5条違反の側に立つ。8条が免責するのは女性に関する措置だけで、男性を増やす取組には及ばない。善意の是正が、そのまま行政指導の対象になりうる構造だ
- 社内の管理職候補者研修が「女性のみ」で開催された。男性社員が逆差別だと人事に抗議する。だが管理職の女性比率が1割なら、この研修はまさに8条が想定した措置である。
- 同期の女性が先に昇進し、あなたは見送られた。上司が「女性管理職比率の目標があるから」と漏らす。ここが8条の限界線だ。8条は機会を広げる措置(研修、募集、選考機会の付与、優先的な取扱い)を守るが、能力評価を度外視した固定枠までを無条件に守るとは限らず、実務上、どこまでが支障の改善でどこからが行き過ぎかは解釈が分かれている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 排除された理由を書面またはメールで求める、口頭説明は後で消える2. その職種の男女比率を求人票、有価証券報告書、女性の活躍推進企業データベースで確認3. 男性であるあなたを排除する措置は8条で免責されないので、5条違反として都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談4. 労働局の紛争解決の援助(17条)や調停(18条)は無料で、訴訟より短期間で動く
訴えられた側:1. 措置の目的と対象を文書化:どの雇用管理区分で女性比率が何%か、4割の目安を下回るか2. その措置が女性に関する措置か点検、男性を排除・不利益に扱う要素が混ざれば8条の外3. 措置の程度が目的に照らして過大でないか確認、能力要件を無視した固定枠は解釈が分かれる領域4. 指針(平成18年厚生労働省告示第614号)の該当箇所を社内規程に引用し、判断過程を議事録に残す
時効(請求できる期限):8条自体に特定の期限はなく、労働局の紛争解決の援助・調停にも法定の申請期限はない。ただし性差別を理由とする損害賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年(民法724条)。措置実施時点の区分別比率データは社内で早期に保全すること、時間が経つほど当時の状況の立証が困難になる
学説
通説:8条は差別禁止の例外を無条件に認める許可規定ではなく、格差改善という目的、女性労働者という対象、措置の程度という三条件を満たす限りで前三条の適用を外す条件付き免責規定と解されている。
片面性をめぐる議論:本条が女性に関する措置のみを免責することについて、多数派が例外を逆用して優位を回復する道を封じる立法選択と評価する見解と、男性が少数である職域で是正手段を欠く機能不全を指摘する見解がある。
改正沿革 AI による整理
- 平成9年(1997年)改正 女性に対する差別禁止規定の強化に伴い、女性労働者に係る措置の特例(ポジティブ・アクションの許容)が明文化されたとされる。当時の条番号、および新設か既存規定の改正かは要検証
- 平成18年(2006年)改正 性差別禁止が男女双方向化され、募集・採用、配置・昇進等、間接差別の規定が整理された。現行の「前三条」を参照する構造はこの整理を前提とするが、条番号の変遷経緯は要検証
改正の年表
- 1.昭和47年(1972年) 新設:勤労婦人福祉法(昭和47年法律第113号)として制定。現行の男女雇用機会均等法はこの法律を改正・改称したものである。
- 2.平成9年(1997年) 改正:募集・採用、配置・昇進等について女性に対する差別的取扱いが努力義務から禁止規定へ強化され、これに伴い女性労働者に係る措置の特例(ポジティブ・アクションの許容)が整理された。当時の条番号は要検証。
- 3.平成18年(2006年) 改正:性差別禁止が男女双方向化され、募集・採用、配置・昇進等、間接差別の規定が整理された。現行の「前三条」を参照する条文構造はこの整理を前提とするが、条番号の変遷経緯は要検証。
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第5条募集・採用の性別差別禁止、本条が適用を外す対象
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第6条配置・昇進・教育訓練等の差別禁止、同じく適用除外対象
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第7条間接差別の禁止、前三条の一つとして適用除外
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第14条女性に係る措置に対する国の援助
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 第17条措置の適否を争う紛争解決の援助手続
- 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律 第8条行動計画の実施は本条の免責を前提とする
- 労働基準法 第4条賃金の男女差別は本法でなく同条が規律
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