要点男女雇用機会均等法 6 条は、配置・昇進・降格・教育訓練、省令で定める福利厚生、職種及び雇用形態の変更、退職勧奨・定年・解雇・契約更新について、性別を理由とする差別的取扱いを禁じる。賃金は労基法 4 条の担当。
Q · 均等法 6 条って、結局どこまでの差別を禁止しているの?
入社後の配置・昇進・教育訓練・定年・解雇など四号列挙事項
男女雇用機会均等法 6 条は、事業主が性別を理由に差別的取扱いをしてはならない事項を四つの号で列挙します。1 号が配置(業務の配分及び権限の付与を含む)・昇進・降格・教育訓練、2 号が住宅資金の貸付けその他厚生労働省令で定める福利厚生の措置、3 号が職種及び雇用形態の変更、4 号が退職の勧奨・定年・解雇・労働契約の更新です。募集及び採用は 5 条の担当で、賃金差別は労働基準法 4 条が扱うため、6 条には賃金が含まれません。
「性別を理由とする差別」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、採用面接の場面である。だが均等法 6 条が守っているのは、入社した後のあなたの十数年だ。配置(業務の配分及び権限の付与を含む)、昇進、降格、教育訓練、住宅資金の貸付け、職種及び雇用形態の変更、退職の勧奨、定年、解雇、労働契約の更新。この四つの号に並ぶ言葉を数えてほしい。会社員が職業人生で通過するイベントのほぼ全部が、ここに書き込まれている。しかも 2006 年(平成 18 年)改正で、この条文は「女性を守る規定」から「男女双方を守る規定」に変わった。男性が育児中を理由に補助的な部署へ回されるのも 6 条違反になりうる。そしてもう一つ、意図的にここへ書かれていないものがある。賃金だ。男女の賃金差別は労働基準法 4 条の担当であり、6 条には一文字も出てこない。昇進差別で年収が数百万円ずれたとき、あなたが引くべき条文は一本ではなく二本ある。
男女雇用機会均等法 6 条は、雇用関係成立後の処遇に関する性別差別を禁止する規定である。配置、昇進、降格、教育訓練、省令で定める福利厚生の措置、職種及び雇用形態の変更、退職の勧奨、定年、解雇、労働契約の更新の各事項について、労働者の性別を理由とする差別的取扱いを事業主に禁ずる。賃金は本条ではなく労働基準法 4 条が規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
入社後の処遇について性別差別を禁止する規定です。配置・昇進・降格・教育訓練、福利厚生、職種及び雇用形態の変更、退職勧奨・定年・解雇・契約更新の四号が対象です。
5 条は募集及び採用、つまり入社前の段階を規律します。6 条は入社後の配置・昇進・定年など雇用関係が続く間の処遇を規律します。時系列で担当が分かれています。
争えます。6 条 1 号が昇進を明文で挙げています。ただし昇進に伴う賃金差は労働基準法 4 条の領域なので、実務では二本立てで請求を組み立てます。
6 条違反自体に刑罰はありません。報告徴収、助言・指導・勧告、勧告に従わない場合の企業名公表、虚偽報告への過料という行政的な回路で担保されます。
6 条 4 号は定年を明文で挙げており、性別で定年を分ける就業規則は同条に反し、民法 90 条により私法上無効となります。無効なら定年は男女同一年齢になります。
適用されます。2006 年(平成 18 年)改正で女性保護規定から男女双方向の禁止規定に転換しました。ただし 8 条のポジティブアクションは適法な例外です。
6 条 2 号の福利厚生の措置に該当しうる論点です。省令で対象となる措置の範囲が定められており、性別で結果が分かれる運用は差別的取扱いと評価される余地があります。
都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。助言・指導・勧告と紛争調整委員会の調停が使え、相談や申立てを理由とする不利益取扱いは法律上禁止されています。
勝敗を分けるのは個人のエピソードではなく比較対象の設定です。同期入社・同学歴・同職種の男女で昇進年次と配置がどう違うかを示せれば、6 条 1 号の配置及び昇進についての差別的取扱いとして評価されます。業界裏話ヒント:コース別雇用管理をめぐる裁判例では、原告側が人事の集団データを引き出せたかどうかで結論が割れています。在職中に組織図と研修受講者名簿を淡々と保存しておくこと、退職後に取り寄せるのは格段に難しくなります
無効です。6 条 4 号は定年を明文で挙げており、性別で定年年齢を分ける就業規則は同条に反し、民法 90 条により私法上無効となります。均等法制定前から、最高裁は男女別定年制を公序良俗違反としてきました(最判昭和 56.3.24)。業界裏話ヒント:無効になった結果、あなたの定年は男性と同じ年齢になります。だから 55 歳で退職扱いにされた後でも、地位確認と未払賃金を請求する道が残る。退職届にサインする前に労働局へ行くかどうかが分岐点です
訴えられます。2006 年(平成 18 年)改正で、女性に対する差別の禁止から男女双方向の禁止へ変わりました。男性を育児中だからと補助的部署へ回す、男性にだけ転勤を命じるといった運用も 6 条の射程です。業界裏話ヒント:ただし 8 条により、女性が相当程度少ない雇用管理区分で女性を優遇する措置は適法とされ、男性側から差別だと争っても通りません。その優遇に 8 条の根拠があるかを先に確認するのが実務の順序です
6 条違反そのものに刑罰はありません。効くのは別の回路で、厚生労働大臣による報告徴収と助言・指導・勧告、勧告に従わない場合の企業名公表、報告をせず又は虚偽の報告をした場合の過料です。業界裏話ヒント:企業名公表の実例は極めて少ないものの、上場企業や新卒採用に力を入れる会社には強い抑止力があります。労働局への相談は無料で、相談・申立てを理由とする不利益取扱いは法律上禁止されています
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 6 条:入社後の配置・昇進・降格・教育訓練・福利厚生・職種変更・定年・解雇 | — |
| 禁止の構造 | 性別を理由とする直接的な差別的取扱いの禁止 | — |
| 賃金の扱い | 賃金は含まれない(労働基準法 4 条が担当) | — |
| 例外・適用除外 | 8 条のポジティブアクション(女性が相当程度少ない区分の女性優遇) | — |
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