事業主は、募集及び採用並びに前条各号に掲げる事項に関する措置であつて労働者の性別以外の事由を要件とするもののうち、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置として厚生労働省令で定めるものについては、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。
要点男女雇用機会均等法 7 条は、性別以外の中立的要件でも実質的に性別差別となるおそれがある措置を、合理的理由がなければ禁止する。対象は厚生労働省令で三類型に限定列挙されている。
Q · 求人票に性別を一切書いていなければ、均等法違反にはならないのでしょうか?
意図がなくても、合理的理由を説明できなければ違法になりえます
男女雇用機会均等法 7 条は、性別以外の中立的な要件を用いた措置でも、要件を満たす男女の比率その他の事情から実質的に性別差別となるおそれがあるものを、合理的理由がなければ禁止します。対象は施行規則 2 条の三類型(募集採用時の身長・体重・体力要件、募集採用・昇進・職種変更における転勤可能要件、昇進における転勤経験要件)です。差別の意図は要件ではなく、業務遂行上または雇用管理上とくに必要であることを事業主が説明できるかどうかが分かれ目になります。
「身長 160cm 以上」「全国転勤に応じられる方」。この一行に、性別を示す文字は一つもない。だが均等法 7 条は、まさにこういう中立を装った条件を撃つために置かれている。要件を満たす男女の比率に大きな差が出る措置は、業務遂行上または雇用管理上とくに必要だという合理的理由を示せない限り、講じてはならない。握っておくべき事実が二つある。一つ、対象は厚生労働省令(均等法施行規則 2 条)で三類型に限定列挙されている。募集採用時の身長・体重・体力要件、募集採用と昇進と職種変更における転勤可能要件、昇進における転勤経験要件、この三つだ。二つ、リスト外なら適法が確定するわけではない。国の指針は、省令に列挙されていない措置も司法の場で違法と判断されうると明記している。三類型は行政が確実に指導できる範囲であって、違法の上限ではない。
男女雇用機会均等法 7 条は、間接差別の禁止を定める規定である。性別以外の中立的な事由を要件とする措置であっても、要件を満たす男性および女性の比率その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがあるものとして厚生労働省令に定められた措置については、合理的な理由がない限り実施が禁止される。事業主の差別的意図の有無は要件とされない。
性別以外の中立的な条件を用いながら、結果として一方の性を著しく不利に扱う措置のことです。均等法 7 条は、合理的理由がない限りこれを禁止します。
刑罰はありませんが、都道府県労働局長の助言・指導・勧告があり、勧告に従わなければ企業名が公表されます(均等法 30 条)。別途、民法 90 条・709 条で民事責任も生じます。
施行規則 2 条 2 号の転勤可能要件に当たります。当然に違法ではなく、その職務に転勤が真に必要だと業務実態で説明できない場合に均等法 7 条違反となります。
施行規則 2 条 3 号が名指しする類型です。転勤経験が昇進後の職務遂行に本当に必要だという合理的理由を示せなければ、7 条違反と評価されます。
都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。助言・指導(17 条)と調停(18 条)があり、いずれも無料。申請を理由とする不利益取扱いは禁止されています。
厚生労働大臣の勧告を受けた事業主がこれに従わなかった場合に、その旨を公表できると定められています(均等法 30 条)。実務上は最終手段として運用されます。
要件が三類型に当たることを示せば、業務遂行上または雇用管理上とくに必要という合理的理由の説明は事実上事業主側の負担になります。前例や慣行は理由になりません。
平成 18 年改正で新設され、平成 19 年(2007 年)4 月 1 日に施行されました。平成 26 年(2014 年)7 月からは省令改正で転勤要件の射程が大きく広がっています。
募集採用における身長・体重・体力要件は、施行規則 2 条 1 号が名指しした間接差別の類型である。業務遂行上とくに必要(日常的に一定重量の運搬が発生し、設備での代替が困難など)と説明できなければ均等法 7 条違反になる。業界裏話ヒント:合理的理由の説明は事実上事業主側の負担で、「昔からこの基準」は通らない。実際の作業データがない会社ほど脆い
そこが最大の誤解である。厚生労働省の指針(平成 18 年厚生労働省告示第 614 号)は、省令に列挙されていない措置についても、司法の場で違法と判断される可能性があると明記している。業界裏話ヒント:省令の三類型は行政が確実に指導できる範囲を切り出したものにすぎない。列挙外は労働局では動きにくいが、民法 90 条や 709 条のルートで裁判所に持ち込める
賃金は均等法の守備範囲外である。均等法 6 条の列挙に賃金は入っておらず、担当するのは労働基準法 4 条で、こちらは 6 か月以下の拘禁刑または 30 万円以下の罰金という罰則付きだ(労働基準法 119 条)。業界裏話ヒント:賃金は労働基準監督署、配置や昇進は労働局の雇用環境・均等部と、駆け込む窓口が別。間違えると「当署の管轄ではない」と返される
均等法 18 条に基づき都道府県労働局の紛争調整委員会(機会均等調停会議)が行う無料の手続で、当事者の一方の申請だけで始められる。申請を理由とする解雇その他の不利益取扱いは禁止されている(均等法 17 条 2 項、18 条 2 項)。業界裏話ヒント:調停は非公開で、名前も紛争内容も外に出ない。在職したまま争いたい人にとって、訴訟との決定的な差はここにある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規制する差別のかたち | 7 条:性別以外の中立的要件による実質的な差別(間接差別) | — |
| 事業主の意図 | 一切問わない。比率その他の事情と合理的理由の有無のみを見る | — |
| 対象範囲 | 厚生労働省令(施行規則 2 条)が定める三類型に限定列挙 | — |
| 適法となる余地 | 業務遂行上・雇用管理上とくに必要である等の合理的理由があれば実施可 | — |
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