要点雇用保険法 60 条の 4 は、教育訓練休暇給付金の受給者が休暇終了から六箇月以内に倒産・解雇で離職した場合に、一律九十日(就職困難者は百五十日)の基本手当を支給する特例である。
Q · 学び直し休暇の給付金をもらった後に会社を辞めたら、失業手当は出ますか?
倒産・解雇なら九十日出るが、自己都合ならゼロ
雇用保険法 60 条の 4 は、教育訓練休暇給付金を受けた人が、最後の休暇終了日から六箇月以内に倒産・事業所の縮小廃止・解雇で離職したときに限り、いったん計算から外れた被保険者期間を復活させ、基本手当を支給する特例です。日数は算定基礎期間や年齢に関係なく一律九十日(就職が困難な人は百五十日)で、二十三条一項の特定受給資格者の手厚い日数は適用されません。自己都合退職は対象外です。
教育訓練休暇給付金という新しい制度がある。仕事を辞めずに無給の休暇を取り、学び直しをしている間、基本手当に相当する額が支給される。ただしこの給付金には表に出にくい代償がある。受け取ると、それ以前に積み上げた被保険者期間は原則として受給資格の判定に通算されなくなる。復職して三か月後に会社が倒産したら、あなたの手元には失業手当を受ける資格が残っていない。六十条の四は、その落とし穴の下だけに張られた網である。最後の教育訓練休暇を終えた日から六か月以内に、倒産・事業所の縮小廃止・解雇によって職を失った場合に限り、消えたはずの過去の加入期間が計算に戻り、九十日分の基本手当が出る(就職が困難な人は百五十日)。条件は厳しい。自己都合退職は対象外。日数は勤続年数に関係なく固定で、二十三条一項の手厚い給付日数は適用されない。学び直しに踏み出す前に測るべきは、この網の面積である。
雇用保険法第 60 条の 4 は、特定教育訓練休暇給付金受給者に対する基本手当の特例規定である。教育訓練休暇給付金を受けた者が、最後の教育訓練休暇の終了日から六箇月以内に倒産・事業所の縮小廃止・解雇等により離職した場合、第十四条第二項および第二十二条の読み替えにより所定給付日数を九十日(就職困難者は百五十日)とし、第二十三条第一項の適用を除外する。
教育訓練休暇給付金の支給を受け、最後の教育訓練休暇の終了日から六箇月以内に離職した人のうち、受給資格者以外の者で、倒産・事業所の縮小廃止・解雇等に該当する人を指します(60 条の 4 第 2 項)。
同時受給はできません。休暇中は給付金、離職後は基本手当という順序になります。しかも給付金を受けた時点で、それ以前の被保険者期間は受給資格の判定から外れる構造になっています。
最後の教育訓練休暇を終了した日から起算します。休暇開始日ではありません。辞令や就業記録で終了日を書面に固定しておかないと、起算点そのものが争いになります。
休暇開始日から一年を経過する日までに二回以上取得した場合は、最後の教育訓練休暇を終了した日が基準になります。最初の休暇の終了日ではないため、判定日が後ろにずれます。
所定給付日数が九十日ではなく百五十日に読み替えられます(22 条 2 項の読み替え)。障害者手帳の保持など、厚生労働省令の定める就職困難者の要件に当たるかを窓口で確認してください。
教育訓練休暇給付金の創設に伴い令和 6 年改正で新設され、令和 7 年(2025 年)10 月 1 日施行とされています。制度が新しいため、省令や窓口運用の最新情報を必ず確認してください。
適用事業の縮小または廃止に伴う離職、および解雇その他厚生労働省令で定める理由による離職です。自己都合退職はいずれにも当たらず、この特例から外れます。
復活します。再就職して被保険者期間を積み直せば、13 条の通常の受給資格判定に戻ります。この特例は積み直しが終わるまでの空白期間だけを埋める規定です。
一生ではない。復職後に被保険者期間を積み直せば、通常どおり受給資格を得られる(雇用保険法十三条)。問題は積み直しが終わるまでの空白期間で、六十条の四はそこだけを埋める条文である。業界裏話ヒント:この特例の対象は条文上「受給資格者以外の者」と書かれている。通常の受給資格が認められた人には適用されない。自分がどちらの入口に立っているかを先に確認しないと、窓口と話が噛み合わないまま帰ることになる。
六十条の四第一項が、二十三条一項の適用を明示的に外しているからである。通常の特定受給資格者なら算定基礎期間と年齢に応じて日数が伸びるが、この特例では一律九十日(就職が困難な人は百五十日)に固定される。業界裏話ヒント:だからこそ、休暇終了から六か月を過ぎてから離職した場合との比較が効いてくる。通常の受給資格を満たせるならそちらの方が厚くなりうる。両方を自分で計算してから窓口に行く人だけが、この差に気付く。
詰みではない。離職票には本人が離職理由に異議を述べる欄があり、ハローワークは事業主と本人の双方の主張を聞いて離職理由を認定する。本条二項各号に当たるかどうかは、この認定にぶら下がっている。業界裏話ヒント:異議を出すと事業主に照会が飛ぶ。だから提出前に、退職勧奨のメール、面談のメモ、組織改編の社内通知を確保しておくこと。手ぶらで異議だけ出せば、書面を持っている事業主側が勝つ。
前条第三項の適用を受けていれば、六十条の四第三項により「一年」の部分が延長後の期間(最長四年)に読み替えられる。中断した分だけ判定の枠が伸びる仕組みである。業界裏話ヒント:延長は黙っていても付かない。中断の理由を裏付ける診断書や記録を、止まったその時点で残しておいた人だけがこの三項に乗れる。制度が新しいぶん、窓口の運用が固まりきっていない時期があることも織り込んでおくこと。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用される入口 | 60 条の 4:受給資格者以外の者で特定教育訓練休暇給付金受給者に当たる場合 | — |
| 所定給付日数 | 一律九十日(就職困難者は百五十日)、勤続年数・年齢と無関係 | — |
| 被保険者期間の扱い | 14 条 2 項を読み替え、給付金受給前の期間を計算に復活させる | — |
| 自己都合離職の扱い | 対象外(2 項各号のいずれにも該当しない) | — |
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