雇用保険法 第60条の5(給付制限)
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- 偽りその他不正の行為により教育訓練給付の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、教育訓練給付を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、教育訓練給付の全部又は一部を支給することができる。
- 2.前項の規定により教育訓練給付の支給を受けることができない者とされたものが、同項に規定する日以後、新たに教育訓練給付の支給を受けることができる者となつた場合には、同項の規定にかかわらず、教育訓練給付を支給する。
- 3.第一項の規定により教育訓練給付金の支給を受けることができなくなつた場合においても、第六十条の二第二項の規定の適用については、当該給付金の支給があつたものとみなす。
- 4.第一項の規定により教育訓練休暇給付金の支給を受けることができなくなつた場合においても、第十四条第二項及び第二十二条第三項の規定の適用については、当該給付金の支給があつたものとみなす。
この条文の基本情報
給付制限とは何ですか?
定義給付制限とは、雇用保険法第60条の5に定められた規定で、「偽りその他不正の行為により教育訓練給付の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、教育訓練給付を支給しない。ただし、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第60条の5(給付制限)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第60条の5の条文原文は「偽りその他不正の行為により教育訓練給付の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、教育訓練給付を支給しない。ただし、…」で始まります。
- 雇用保険法第60条の5は第五節の二 教育訓練給付に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第60条の5の前の条は雇用保険法第60条の4です。
- 雇用保険法第60条の5の次の条は雇用保険法第61条です。
- 雇用保険法第60条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第60条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第60条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/60_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法60条の5は、偽りその他不正の行為で教育訓練給付を受け、又は受けようとした者に、その日以後の給付を行わないと定める。やむを得ない理由があれば一部支給も可能。
Q · 教育訓練給付の不正受給って、お金を返せばそれで終わりですか?
返還だけでは終わらず、以後の教育訓練給付も止まります
雇用保険法60条の5により、偽りその他不正の行為で教育訓練給付を受け、又は受けようとした者は、その日以後、教育訓練給付を支給されません。返還命令(同法10条の4)とは別のレールで走る制裁です。ただし1項ただし書の「やむを得ない理由」があれば全部又は一部が支給され、2項により新たに受給資格を得たときは再び支給されます。3項・4項は、支給されなかった給付を60条の2第2項や14条2項等の適用上「支給があったものとみなす」と定めています。
解説
リスキリングブームでオンライン講座に申し込み、ハローワークに教育訓練給付の支給申請をする。そのとき「実際は通っていないのに修了扱いにしてもらった」「受講費用の領収書を水増しした」という一線を越えると、雇用保険法60条の5が起動する。この条文が怖いのは、返還を求めるだけの規定ではないという点にある。不正をした日以後、あなたは教育訓練給付そのものを受け取る資格を失う。しかも1項は「受けようとした者」も含む。つまり金を一円も受け取っていなくても、申請書を出した時点で制裁は成立しうる。ただし逃げ道は条文の中に書いてある。1項ただし書の「やむを得ない理由」と、2項の復活規定である。2項は、制限を受けた者が新たに受給資格を得た場合には支給すると定める。一生の永久追放ではない、そこが分かれ目だ。さらに3項・4項は、支給されなくなった給付を「支給があったものとみなす」と定める。制裁を受けた側にとってこれは追い打ちである。もらっていないのに、もらったことにされる回数制限が走る。
法的な位置づけ
雇用保険法60条の5は、教育訓練給付に係る不正受給者に対する給付制限を定める規定である。偽りその他不正の行為により支給を受け、又は受けようとした日以後、教育訓練給付は支給されない。やむを得ない理由がある場合の例外、新たな受給資格取得による支給の復活、及び支給されなかった給付を支給があったものとみなす擬制を併せて規定する。
よくある質問 AI による整理
Q1教育訓練給付を不正受給するとどうなりますか?
雇用保険法60条の5により、その日以後の教育訓練給付が支給されなくなります。10条の4の返還命令とは別に走る制裁で、返還しても給付資格は自動的には戻りません。
Q2不正受給の返還額はいくらになりますか?
雇用保険法10条の4により、受給した額の返還に加え、その額の2倍以下の納付を命じられることがあります。合計で受給額の最大3倍相当の負担となる場合があります。
Q3教育訓練給付の給付制限はいつまで続きますか?
期間の定めはありません。2項により、新たに教育訓練給付の支給を受けることができる者となった時点で解除されます。再就職して被保険者期間を積み直すことが実質的な条件です。
Q4スクールに言われて書類を出した場合も自分の責任になりますか?
申請名義人として給付制限を受ける立場になります。ただし施設が偽りの届出・証明をした場合、10条の4第2項により施設が連帯して返還義務を負う構造です。指示の記録を保存してください。
Q5教育訓練給付の不正受給に時効はありますか?
雇用保険法74条により返還請求権の消滅時効は2年とされています。ただし起算点や時効の完成猶予・更新の扱いは事案により異なるため、個別に確認が必要です。
Q6給付制限の対象になる給付はどれですか?
1項は「教育訓練給付」全体を対象とします。3項は教育訓練給付金について60条の2第2項、4項は教育訓練休暇給付金について14条2項・22条3項の適用上のみなし規定を置いています。
Q7処分に納得できないときはどうすればいいですか?
雇用保険審査官への審査請求ができます。期限は処分を知った日の翌日から3か月以内(雇用保険法69条、行政不服審査法18条)。処分通知末尾の教示欄を最初に確認してください。
Q8教育訓練給付の不正受給に刑事罰はありますか?
60条の5自体は行政上の給付制限規定ですが、態様によっては刑法の詐欺罪に問われる可能性があります。行政処分・返還命令・刑事責任は別の枠組みで並行します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うっかり書き間違えただけでも不正になるんですか?
1項の要件は「偽りその他不正の行為」であり、単純な誤記や事実誤認は原則として含まれない。問題は、行政側が調査でどう評価するかである。実務のポイント:故意を否定したいなら、指摘を受けてから訂正するのではなく、気付いた時点で自分から申し出た記録を残すこと。自主的な申出の有無は、故意の評価でも1項ただし書の「やむを得ない理由」の評価でも効いてくる
Q2一度制限されたら、もう二度と教育訓練給付は使えないんですか?
使える場合がある。2項は、制限を受けた者が新たに教育訓練給付の支給を受けることができる者となったときは、1項にかかわらず支給すると定める。永久追放ではない。実務のポイント:この2項の存在を知らずに「もう終わりだ」と諦める人は少なくない。再就職して被保険者期間を積み直せば再び資格が立ち上がる設計であり、諦める前にハローワークで受給資格の再取得要件を確認する価値がある
Q3もらっていない給付が「もらった」ことになるって、どういう意味ですか?
3項は教育訓練給付金について60条の2 2項の適用上、4項は教育訓練休暇給付金について14条2項・22条3項の適用上、支給があったものとみなす。次回申請までの間隔や被保険者期間の算定で、受け取っていない給付が受け取った扱いになる。実務のポイント:返還額の交渉に気を取られていると、この条項の影響は処分通知の文面から読み取りにくい。次にいつ申請できるのかを、処分の段階でハローワークに具体的に確認しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 不正受給は「返せば済む」と考える人が多い。だが返還命令(10条の4)と給付制限(60条の5)は別のレールで同時に走る。返還したからといって給付を受けられる資格が戻るわけではなく、2項の要件、つまり新たに受給資格を得るところまで進まなければ扉は開かない
- 「制裁を受けた期間の給付はゼロなのだから、回数のカウントもゼロだろう」という前提そのものが誤っている。3項は教育訓練給付金について60条の2 2項の適用上、4項は教育訓練休暇給付金について14条2項・22条3項の適用上、それぞれ支給があったものとみなす。受け取っていない給付が、次回申請の間隔計算や被保険者期間の算定では受け取った扱いになる
- 本人から見れば「多めに書いただけ」でも、行政から見れば「偽りその他不正の行為」に該当しうる。この落差が人を潰す。金額の大小や悪質性の程度は、不正か否かの入口では決め手にならず、むしろ1項ただし書の「やむを得ない理由」の段階で評価される。争う場所を間違えると、主張そのものが届かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制裁の内容 | 60条の5:以後の教育訓練給付を支給しない(給付制限) | 10条の4:受給額の返還命令+最大2倍の納付命令(金銭) 34条:基本手当の不正受給に対する給付制限 |
| 対象となる給付 | 教育訓練給付(教育訓練給付金・教育訓練休暇給付金) | 失業等給付全般の不正受給 基本手当(求職者給付) |
| 解除・回復の道 | 2項:新たに受給資格を得たときに支給が復活 | 返還・納付の履行で金銭債務が消滅(給付資格は戻らない) やむを得ない理由がある場合の一部支給等 |
| 受けなかった給付の扱い | 3項・4項:支給があったものとみなす(回数・期間の算定に影響) | みなし規定なし(金銭債権の問題) 基本手当固有の算定ルールによる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は詐欺その他不正な方法による給付受領について、追回(返還)と罰鍰を中心に構成する。日本のような「以後の給付を支給しない」型の給付制限を条文上正面から置く構造ではない点が対照的
韓国も거짓이나 부정한 방법による受給について支給制限を定めており、返還命令や追徴と併存する点で日本と近い設計
ドイツは不正受給を「違法な行政行為の取消し+返還」という一般的な社会法上の枠組みで処理し、将来の給付資格を一律に遮断する専用規定を置かない構成が基本
米国は州法ごとに不正受給者への失格期間(weeks of disqualification)を定め、期間で区切る例が多い。日本60条の5は期間ではなく新たな受給資格取得で解除される点が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 会社を辞めて専門実践教育訓練の講座に通い始めたが、途中で仕事が決まり出席日数が足りなくなった。スクールの担当者から「出席したことにしておきますよ」と言われる。ここで頷けば、あなたは60条の5の対象者になる。給付金額そのものより、この先の給付資格を丸ごと失うことの方が高くつく
- 訓練施設側の視点に立ってみる。受講生を集めたい教育機関が、修了認定を甘くする、あるいは実費より高い領収書を発行する。受講生が不正受給者として処分されるだけでなく、施設側が偽りの証明をしたと認定されれば、10条の4 2項により連帯して返還を命じられる立場になる
- もし、ハローワークから「支給決定を取り消します」という通知が届いたらどうなる? 返還金の請求と同時に、この条文による給付制限が並走する。返せば終わりではない
- 教育訓練支援給付金の申請書を出したが、審査中に記載ミスを職員に指摘された。あなたは慌てて「間違えただけです」と説明する。ここで問われるのは、単純な誤記なのか、偽りその他不正の行為なのか。線引きは故意の有無であり、その主張ができる時間はもう長くない、聴聞や弁明の機会は通知から数週間で締め切られる
取るべき行動
被害を受けた側:訓練施設の指示に従っただけで不正受給者とされた場合、まず誰がどの書類を作成したかを整理する。申込書、受講証明書、領収書、施設とのメールや LINE の履歴を時系列で保存し、施設側の指示があったことを示す。施設が偽りの届出・証明をしていれば、10条の4 2項により施設が連帯して返還義務を負う構造であり、あなた単独の負担ではない旨を主張材料にする
訴えられた側:調査の連絡が来たら、記憶だけで回答せず申請時の資料を揃えてから臨む。故意を否認するのか、故意はあったが1項ただし書の事情を主張するのか、方針を先に決める。両方を曖昧に混ぜると信用を失う。返還命令と給付制限は別処分なので、それぞれに審査請求の可否を検討し、期限を別々に管理する
時効(請求できる期限):給付制限自体に期間の定めはなく、2項により新たに教育訓練給付の受給資格を得たときに解除される。処分に不服がある場合、雇用保険審査官への審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(雇用保険法69条、行政不服審査法18条)。不正受給に係る返還請求権の消滅時効は2年(雇用保険法74条)だが、時効の起算点と中断の扱いは事案により異なるため、最新の改正状況をご確認ください
- 雇用保険法 第10条の4不正受給の返還命令と納付命令、施設の連帯責任
- 雇用保険法 第60条の2教育訓練給付金の受給要件、3項のみなし対象
- 雇用保険法 第34条基本手当における不正受給の給付制限、並行する制裁類型
- 雇用保険法 第14条被保険者期間の算定、4項のみなし対象
- 雇用保険法 第69条処分に対する審査請求の手続
- 行政不服審査法 第18条審査請求期間の一般則
- 行政手続法 第13条不利益処分における聴聞・弁明の機会の付与
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