雇用保険法 第64条の2(事業における留意事項)
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雇用安定事業及び能力開発事業は、被保険者等の職業の安定を図るため、労働生産性の向上に資するものとなるよう留意しつつ、行われるものとする。
この条文の基本情報
事業における留意事項とは何ですか?
定義事業における留意事項とは、雇用保険法第64条の2に定められた規定で、「雇用安定事業及び能力開発事業は、被保険者等の職業の安定を図るため、労働生産性の向上に資するものとなるよう留意しつつ、行われるものとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第64条の2(事業における留意事項)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第64条の2の条文原文は「雇用安定事業及び能力開発事業は、被保険者等の職業の安定を図るため、労働生産性の向上に資するものとなるよう留意しつつ、行われるものとする。」で始まります。
- 雇用保険法第64条の2は第四章 雇用安定事業等に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第64条の2の前の条は雇用保険法第64条です。
- 雇用保険法第64条の2の次の条は雇用保険法第65条です。
- 雇用保険法第64条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第64条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第64条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/64_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法64条の2は、雇用安定事業と能力開発事業を、被保険者等の職業の安定を図るため労働生産性の向上に資するよう留意しつつ行うと定める。平成29年改正で新設された留意規定。
Q · 毎月の給与から引かれている雇用保険料は、会社がもらう助成金に使われているの?
使われていません。二事業の財源は事業主だけが払う保険料です
雇用安定事業と能力開発事業(雇用保険二事業)の財源は、事業主のみが上乗せで負担する二事業分の保険料であり、労働者が給与から引かれる分は失業等給付などに充てられます。雇用保険法64条の2は、その事業主拠出を原資とする二事業について、被保険者等の職業の安定を図るため、労働生産性の向上に資するものとなるよう留意しつつ行うことを国に求める規定です。平成29年(2017年)改正で新設され、以後の雇用関係助成金に生産性を評価する仕組みが広がる政策的な起点となりました。
解説
毎月の給与明細から引かれている雇用保険料。あの中の一円も、企業が受け取る助成金には回っていない。雇用安定事業と能力開発事業、いわゆる雇用保険二事業の財源は、事業主だけが上乗せで負担する保険料(一般の事業で0.35% 前後。最新の料率はご確認いただきたい)で賄われている。64条の2は、その事業主の金の使い道に一本の線を引いた条文である。被保険者等の職業の安定という本来目的はそのままに、「労働生産性の向上に資するものとなるよう留意しつつ」行えと国に命じている。抽象的なお題目に見えるだろうか。実際には、この一文が助成金の設計思想そのものを動かしてきた。ただ雇用を維持した企業と、生産性を上げた企業とで支給額に差をつける仕組み。あなたが支給要領で見かける割増の要件は、ここから降りてきている。
法的な位置づけ
雇用保険法64条の2は、雇用安定事業及び能力開発事業(同法62条、63条)の実施方針を定める規定である。両事業は被保険者等の職業の安定を図ることを目的とするが、その遂行にあたり労働生産性の向上に資するものとなるよう留意すべきことを国に求める。名宛人は国であり、事業主に直接の義務を課すものではない。
よくある質問 AI による整理
Q1雇用保険二事業とは何ですか?
雇用安定事業(雇用保険法62条)と能力開発事業(同63条)の総称です。失業した人に給付する失業等給付とは別枠で、雇用の維持・創出や職業訓練を支える事業群を指します。
Q2雇用保険二事業の財源はどこから出ていますか?
事業主のみが負担する二事業分の保険料です。労働者が給与から引かれる保険料は失業等給付等に充てられ、二事業には原則として国庫負担も入りません。
Q3雇用保険料は労働者と会社でどう分担しますか?
失業等給付等の分は労使が分担しますが、二事業の分は事業主だけが上乗せで負担します。この二層構造が、助成金の財源が事業主拠出である理由です。料率は年度ごとに改定されます。
Q4助成金の生産性要件とは何ですか?
一定期間の労働生産性の伸びを評価し、支給額を割り増す仕組みです。64条の2の留意規定が政策的な起点とされます。ただし要件の設計は近年見直されており、最新の支給要領での確認が必要です。
Q5雇用保険法64条の2はいつできた条文ですか?
平成29年(2017年)の雇用保険法等改正で新設されました。それ以前の二事業には「労働生産性の向上に資するよう留意する」という明文の方針規定はありませんでした。
Q6留意規定に違反したら国を訴えられますか?
困難です。本条は国を名宛人とする方針規定で、事業主や労働者に具体的な請求権を与えるものではありません。効き目は法廷ではなく、省令・支給要領・予算査定の場面に現れます。
Q7雇用調整助成金の根拠条文はどこですか?
法律上の根拠は雇用保険法62条の雇用安定事業で、具体的な支給要件は雇用保険法施行規則に委任されています。64条の2は、その設計時に国が留意すべき方針を示す上流の規定です。
Q8能力開発事業には何が含まれますか?
公共職業訓練の実施や、事業主が行う職業訓練への助成、職業能力検定の推進などが含まれます(雇用保険法63条)。人材開発支援助成金はこの事業を財源とする代表例です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちも雇用保険料をちゃんと払ってるのに、助成金の話が全然回ってこないのはなぜですか?
雇用安定事業・能力開発事業(雇用保険法62条、63条)は完全な申請主義で、国から声がかかる制度ではありません。財源は事業主負担分の保険料ですが、配り方は各助成金の支給要領で決まります。実務のポイント:厚生労働省は年度替わりに雇用関係助成金の要件と予算枠を組み替えます。年度初めに要領を自分で確認する会社と、同業の噂で動く会社とで、受給率には目に見える差が出ます
Q2この条文、結局ただのお題目ですよね?
名宛人は国であり、事業主に義務を課す規定ではないので、裁判で直接争う場面はほぼありません。ただしこの一文が入って以降、多くの雇用関係助成金に生産性を見る割増要件が組み込まれてきました(割増要件の設計は近年見直されており、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:制度変更の前触れはまず法律の留意規定に現れ、一、二年遅れて省令と支給要領に降りてきます
間違えやすい点 AI による整理
- 「助成金は税金でしょう」という前提そのものが外れている。雇用安定事業・能力開発事業には原則として国庫負担が入らず、財源は事業主だけが負担する保険料である。問いを「なぜ税金でこんな企業を助けるのか」から「なぜ事業主同士が出し合った金の配り方に、国が生産性という条件を付けられるのか」へ置き換えたとき、この条文の意味が初めて立ち上がる
- 訓示規定だから効力はない、という理解は半分正しい。この規定に反したからといって取消訴訟を起こせるわけではない。だが深刻さを見落としている。この一文が効いてくるのは法廷ではなく、省令改正・支給要領・予算査定という行政の内側だ。効力がないのではなく、効く場所が法廷の外にあるだけである
- あなたから見れば雇用調整助成金は雇用を守る制度だが、この条文を通した政策側の視角では、生産性の低い雇用をそのまま維持し続けることへの警戒装置でもある。この落差に気付かないまま「雇用を守ったのだから当然もらえる」と構えていると、制度改正のたびに梯子を外される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 雇用保険法64条の2:二事業の実施方針(生産性向上への留意)を定める上流規定 | 雇用保険法62条:雇用安定事業の具体的内容を列挙 雇用保険法63条:能力開発事業の具体的内容を列挙 |
| 名宛人 | 国(政府)。事業主に義務を課さない | 国(政府)。ただし助成の相手方は事業主 国(政府)。ただし訓練実施主体は事業主・訓練機関 |
| 典型的な助成金 | 個別の助成金はない。各助成金の設計思想として作用 | 雇用調整助成金、特定求職者雇用開発助成金など 人材開発支援助成金、キャリアアップ助成金など |
| 実務上の使いどころ | 要件が改正されたとき「なぜ変わったか」を読み解く座標軸 | 雇用維持の局面で使える制度を探すときの入口 訓練・リスキリングの費用助成を探すときの入口 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も失業給付とは別に就業促進・職業訓練の財源枠を持つが、就業保険の保険料は事業主・被保険者・政府が分担する。事業主のみが負担する日本の二事業とは財源構造が根本的に異なり、「事業主の金の配り方に国が条件を付ける」という日本64条の2特有の緊張は生じにくい
韓国は日本の二事業構成をほぼ踏襲し、고용안정・직업능력개발사업 の保険料も事業主が負担する。日本と最も比較しやすい法域だが、生産性向上への留意を法律本文に明記する規定は日本64条の2に特徴的
ドイツは積極的労働市場政策を SGB III に体系化し、Kurzarbeitergeld(操業短縮手当)等を含む。ただし失業保険料は労使折半負担であり、事業主単独負担の助成財源という日本型の切り分けは採られていない
米国は職業訓練を WIOA という別法体系で扱い、失業保険財源の FUTA・州失業税は原則として事業主のみが負担する。事業主単独負担という点で日本の二事業に近いが、生産性への留意を給付要件に接続する発想は連邦法上明文化されていない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 来期の人材開発支援助成金、計画届の締切まであと二週間。割増の要件を今から満たせるかと社労士に聞いたら、判定に使うのは直近三年度の決算だと返ってきたら、どうする? 生産性の指標は申請直前に動かせない。だからこそ、要件の存在を三年前から知っていた会社と、締切二週間前に知った会社とで、同じ取り組みでも受け取る額が変わる
- 従業員十二人の運送会社で、社長が雇用調整助成金の書類を書いている。休業手当を払って雇用を守るための制度なのに、なぜ生産性の話が出てくるのかと苛立つ。その苛立ちの正体が、64条の2が二事業に埋め込んだ二つ目の物差しである
学説
訓示規定(方針規定)としての理解:本条は国を名宛人とする実施方針の規定であり、事業主や労働者に具体的な請求権や訴訟上の主張根拠を与えるものではないと一般に理解される。もっとも、省令改正・支給要領・予算配分という行政内部の設計段階では実質的な指針として機能する点で、効力がないのではなく効く場所が法廷の外にある、と整理される。
改正沿革 AI による整理
- 平成29年(2017年)雇用保険法等改正 新設。雇用安定事業及び能力開発事業を行うにあたり、労働生産性の向上に資するものとなるよう留意する旨を明記した。以後、雇用関係助成金に生産性を評価する割増要件が広く導入される政策的な起点となった
改正の年表
- 1.昭和49年(1974年) 新設:雇用保険法制定。従来の失業保険法を改組し、失業等給付に加えて雇用改善事業・能力開発事業・雇用福祉事業(三事業)を政府事業として内包した
- 2.平成19年(2007年) 改正:雇用福祉事業が廃止され、雇用安定事業と能力開発事業の二事業体制となる。以後「雇用保険二事業」の呼称が定着
- 3.平成29年(2017年) 新設:雇用保険法等改正により本条を新設。二事業を行うにあたり労働生産性の向上に資するものとなるよう留意する旨を明記し、以後の雇用関係助成金に生産性を評価する仕組みが広がる政策的起点となった
- 雇用保険法 第62条雇用安定事業の内容と被保険者等の定義
- 雇用保険法 第63条能力開発事業の内容、本条の直接の対象事業
- 雇用保険法 第64条就職支援法事業、二事業と並ぶ政府事業
- 雇用保険法 第68条二事業の費用に充てる保険料の負担構造(現行効力を要確認)
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第12条二事業率は事業主のみ負担とする根拠
- 職業能力開発促進法 第4条事業主の職業能力開発責務、能力開発事業の受け皿
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