雇用保険法 第67条の2
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国庫は、毎会計年度において、労働保険特別会計の雇用勘定の財政状況を踏まえ、必要がある場合(徴収法第十二条第四項第一号に規定する失業等給付費等充当徴収保険率が千分の八以上である場合その他の政令で定める場合に限る。)には、当該会計年度における失業等給付及び第六十四条に規定する職業訓練受講給付金の支給に要する費用の一部に充てるため、予算で定めるところにより、第六十六条第一項、第二項及び第四項並びに前条の規定により負担する額を超えて、その費用の一部を負担することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第67条の2は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第67条の2の条文原文は「国庫は、毎会計年度において、労働保険特別会計の雇用勘定の財政状況を踏まえ、必要がある場合(徴収法第十二条第四項第一号に規定する失業等給付費等充当徴収保険率が千分…」で始まります。
- 雇用保険法第67条の2は第五章 費用の負担に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第67条の2の前の条は雇用保険法第67条です。
- 雇用保険法第67条の2の次の条は雇用保険法第68条です。
- 雇用保険法第67条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第67条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第67条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/67_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法67条の2は、保険料率が千分の八以上となった場合等に限り、国庫が法定の負担額を超えて失業等給付と職業訓練受講給付金の費用を負担できると定める。
Q · 雇用保険に国はもっとお金を出せないんですか?
保険料率が千分の八以上のときだけ、国は追加で出せる
雇用保険法67条の2により、国庫は66条・67条で定められた法定の負担額を超えて、失業等給付および64条の職業訓練受講給付金の費用の一部を負担できます。ただし発動条件があり、徴収法12条4項1号の失業等給付費等充当徴収保険率が千分の八以上である場合その他政令で定める場合に限られます。しかも「負担することができる」という任意規定であり、実際に支出するかどうかは毎会計年度の予算で決まります。労使の保険料負担が先に上がってから、国の追加出動がはじめて土俵に乗る設計です。
解説
給与明細の「雇用保険」の欄、去年と今年で金額が違っていたことはないだろうか。あの数字を直接決めているのは保険料率だが、その料率を押し上げているのは、国が財布を開けるかどうかである。雇用保険法67条の2は、国庫が66条・67条で定められた法定の負担額を「超えて」追加で費用を出せる、と定めた条文だ。ただし無条件ではない。徴収法12条4項1号の失業等給付費等充当徴収保険率が千分の八以上である場合、その他政令で定める場合に限られる。つまり国の追加出動は、労使の保険料負担が高い水準まで上がった後に、はじめて選択肢として立ち上がる。しかも条文の語尾は「負担することができる」であって義務ではなく、実際に出るかどうかは毎年度の予算で決まる。あなたの天引き額と財務省の予算査定は、この一条で直結している。
法的な位置づけ
雇用保険法67条の2は、国庫による追加的な費用負担を認める任意規定である。労働保険特別会計雇用勘定の財政状況を踏まえ、失業等給付費等充当徴収保険率が千分の八以上である場合その他政令で定める場合に限り、66条1項・2項・4項および67条により負担する額を超えて、失業等給付と職業訓練受講給付金の費用の一部を予算で定めるところにより負担することを認める。
よくある質問 AI による整理
Q1雇用保険の国庫負担はどこに規定されていますか?
66条が失業等給付等に対する法定の負担割合、67条が事務執行費、67条の2がその額を超える追加負担を定めます。三本立てで、性質も発動条件も異なります。
Q2雇用保険法67条の2の発動条件は?
徴収法12条4項1号の失業等給付費等充当徴収保険率が千分の八以上である場合その他政令で定める場合に限られ、さらに毎会計年度の予算で定める範囲でしか支出できません。
Q3失業等給付費等充当徴収保険率とは?
労働保険料のうち失業等給付等の費用に充てる部分の率で、徴収法12条4項1号が定めます。67条の2はこの率が千分の八以上かどうかを追加負担の入口条件にしています。
Q4雇用保険料率はいつ決まりますか?
労働政策審議会の雇用保険部会での議論を経て年末には方向が固まり、年度替わりから適用されます。国庫負担の扱いも同じ部会資料に示されます。
Q5千分の八という数字は何を意味しますか?
保険料率0.8% の水準を指します。この線に達すると労使の負担が高い局面と評価され、国庫の追加負担という選択肢が制度上立ち上がります。
Q6国庫の追加負担は義務ですか?
義務ではありません。条文は「負担することができる」という任意規定で、要件を満たしても自動的には支出されず、毎年度の予算編成で決まります。
Q7求職者支援制度の給付金も対象ですか?
対象です。本条は64条の職業訓練受講給付金を明示的に挙げており、雇用保険の被保険者でない人が受け取る給付も追加負担の射程に入ります。
Q8雇用保険の積立金が減るとどうなりますか?
保険料率の引き上げ圧力が高まります。率が千分の八以上になると67条の2の要件に触れ、国庫の追加負担が議論の俎上に載る構造です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1雇用保険料って、国も一緒に出してくれてるんですよね?
出している。ただし出し方が二段構えである。66条が法定の負担割合、67条が事務費、そしてこの67条の2が「それを超えて出せる」という別枠だ。別枠は義務ではなく、予算で定める範囲でのみ動く。実務のポイント:報道が「国庫負担」と一括りにする額は、この三本のどれで出た金かで意味がまるで違う。恒久的な負担割合の話なのか、その年度限りの追加投入なのかを区別して読むと、翌年度に同じ額が続く保証があるかどうかが判別できる。
Q2自分は雇用保険に入ってないんですけど、この条文って関係あります?
ある。この条文は失業等給付と並んで64条の職業訓練受講給付金を名指ししている。これは求職者支援制度、つまり雇用保険を受給できない人が職業訓練を受けながら月額の給付を受ける仕組みの根拠だ。実務のポイント:被保険者でない人向けの給付が、被保険者の保険料を財源とする勘定から支出されている点は、制度の見直し議論のたびに火種になる。給付の水準や要件が動くときは、この財源構造の議論が半年ほど先行しているので、部会資料を追えば改正を先に察知できる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「雇用保険の財源は国が四分の一を出している」という理解から出発する人が多いが、その問いの立て方自体がずれている。本則の負担割合と、実際に投入される額は別の条文が支配しており、67条の2はまさに「本則の額を超えて出す」ための別ルートとして置かれている。いくら出しているかではなく、どの条文で出しているかを見ないと、財政の実像は見えない
- 「できる規定だから義務ではない」ところまでは分かっている人でも、その深刻度までは降りていないことが多い。発動条件は保険料率が千分の八以上であること、つまり労働者と事業主の負担が先に上がりきってからでないと国の追加出動の土俵に乗らない。負担の順番が労使が先、国が後という設計になっている点が、この条文の本質である
- あなたから見れば失業給付は「自分が払ってきた保険料の払い戻し」に見える。だが法律から見れば、これは各年度の収入で各年度の給付を賄う社会保険であり、あなたの拠出累計と受給額は結びついていない。積立金が細れば料率が上がるだけで、個人口座のような残高はどこにもない。この落差を知らないまま料率改定のニュースを読むと、話の筋が最後まで噛み合わない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 負担の性質 | 67条の2:法定額を超える追加負担(任意規定) | 66条:失業等給付等に対する法定の負担割合 67条:事務の執行に要する経費の負担 |
| 発動条件 | 雇用勘定の財政状況+保険率が千分の八以上等(政令) | 条文所定の割合で当然に発生 事務費が生じる限り当然に発生 |
| 対象となる費用 | 失業等給付および64条の職業訓練受講給付金 | 失業等給付等(給付の種類ごとに割合が異なる) 事務執行費(給付そのものではない) |
| 支出の決まり方 | 毎会計年度の予算で定めるところによる | 法定割合により算定される 予算の範囲内で措置される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は失業給付を就業保険法で制度化し、保険料の一定割合を政府が負担する構造。日本のような「法定額を超える追加負担」を料率の閾値に紐づける仕組みは持たない
韓国は国が毎年、保険事業に要する費用の一部を一般会計から負担する旨を定める。日本のように保険料率の数値を発動要件とする明文はない
ドイツは連邦資金による負担に加え、連邦雇用エージェンシーの資金が不足した場合の連邦による流動性支援(貸付)を制度化しており、支援の入口が「不足の発生」に置かれている
米国は州の失業給付基金が枯渇した場合に連邦が貸付を行う方式で、補助ではなく返済を要する資金供給である点が日本の国庫負担と根本的に異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし来年度の雇用保険料率が動くとしたら、それはいつ、どこで決まるのか。答えは労働政策審議会の雇用保険部会で、年末には方向が見える。そこから給与計算システムの料率改定、社員への通知、人件費予算の組み替えまで、実質三か月しか猶予がない。部会資料の「国庫負担」の欄を読めるかどうかで、その三か月の見通しが変わる
- 従業員40名の会社を経営していて、保険料の事業主負担が上がると年間で数十万円が消える立場だとする。料率上昇のニュースを「決まったこと」として受け取るか、それとも千分の八という閾値と国庫の追加負担が同じ盤上の話だと理解しているかで、業界団体を通じた意見表明の中身が変わる
- 会社を辞めた友人が求職者支援制度の月10万円で職業訓練に通っている。彼は雇用保険の被保険者ではない。それでも彼の給付費の一部は、この条文の射程に入っている
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)雇用保険法等改正 本条を新設。国庫が66条・67条の法定負担額を超えて費用の一部を負担できる任意の枠組みを設け、その発動要件を徴収法12条4項1号の失業等給付費等充当徴収保険率が千分の八以上である場合等に限定した。同時期の徴収法改正で導入された保険率の概念を引用しており、それ以前には存在し得ない条文である
改正の年表
- 1.昭和49年(1974年) 新設:雇用保険法制定(昭和49年法律第116号)。この時点で国庫負担は66条の法定割合と67条の事務費負担のみであり、本条は存在しない
- 2.令和4年(2022年) 新設:本条を新設。国庫が66条・67条の法定負担額を超えて費用の一部を負担できる任意の枠組みを設け、発動要件を徴収法12条4項1号の失業等給付費等充当徴収保険率が千分の八以上である場合等に限定した。同時期の徴収法改正で導入された保険率の概念を引用しており、それ以前には存在し得ない条文である
- 雇用保険法 第66条国庫が負担する法定割合の原則
- 雇用保険法 第67条事務執行費についての国庫負担
- 雇用保険法 第64条職業訓練受講給付金の根拠規定
- 雇用保険法 第10条失業等給付の種類の画定
- 雇用保険法 第68条保険料の徴収を徴収法に委任
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第12条発動要件となる保険率の算定
- 職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律 第7条職業訓練受講給付金の支給要件(通称 求職者支援法)
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