雇用保険法 第80条(経過措置の命令への委任)
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この法律に基づき政令又は厚生労働省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ政令又は厚生労働省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。この法律に基づき、厚生労働大臣が第十八条第四項の自動変更対象額その他の事項を定め、又はこれを改廃する場合においても、同様とする。
この条文の基本情報
経過措置の命令への委任とは何ですか?
定義経過措置の命令への委任とは、雇用保険法第80条に定められた規定で、「この法律に基づき政令又は厚生労働省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ政令又は厚生労働省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 雇用保険法第80条(経過措置の命令への委任)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
- 雇用保険法第80条の条文原文は「この法律に基づき政令又は厚生労働省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ政令又は厚生労働省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内に…」で始まります。
- 雇用保険法第80条は第七章 雑則に置かれています。
- 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
- 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 雇用保険法第80条の前の条は雇用保険法第79条の3です。
- 雇用保険法第80条の次の条は雇用保険法第81条です。
- 雇用保険法第80条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第80条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116 - 本サイト収録
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第80条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/80
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点雇用保険法80条は、政令・省令の制定改廃や自動変更対象額の改定に伴う経過措置を、合理的に必要な範囲内で下位法令自身が定められるとする委任規定である。
Q · 雇用保険の制度が変わったら、今の自分にも新しいルールがすぐ適用されるの?
変わる場合もあるが、附則の経過措置次第で旧ルールのままの人もいる
雇用保険法80条は、政令・厚生労働省令を制定改廃する場合、及び厚生労働大臣が第18条第4項の自動変更対象額その他の事項を定め改廃する場合に、合理的に必要と判断される範囲内で所要の経過措置を当該下位法令自身が定めることを認めています。したがって「いつから」「誰から」新ルールに切り替わるかは法律本則ではなく、改正政令・改正省令の附則に書かれます。離職日基準か、支給対象日基準か、申請日基準かで結論が変わるため、自分の日付を先に確定してから附則を読む必要があります。
解説
毎年8月1日、失業給付の上限額が静かに書き換わる。国会は開かれていない。雇用保険法の条文も一字も動いていない。それでも金額は変わる。この法律の80条が、政令・厚生労働省令・厚生労働大臣の告示に対して「切り替えのルールは自分で決めてよい」という権限を渡しているからだ。経過措置とは、制度が変わる瞬間に、誰が旧ルールのまま扱われ、誰が新ルールに乗るかを決める切替スイッチである。新旧の分かれ目が離職日なのか、支給対象日なのか、申請日なのか。その一点を書いているのは法律の本文ではなく、改正政令・改正省令の附則という、検索しても最後まで辿り着きにくい場所だ。あなたが自分の受給額や申請期限を正確に知りたいなら、読む場所を本則から附則へ一段ずらす必要がある。ずらせる人と、ずらせない人の差がそのまま金額の差になる。
法的な位置づけ
雇用保険法80条は、経過措置に関する委任規定である。同法に基づく政令又は厚生労働省令を制定・改廃する場合、及び厚生労働大臣が第18条第4項の自動変更対象額その他の事項を定め・改廃する場合に、合理的に必要と判断される範囲内で所要の経過措置を当該下位法令において定める権限を授権する。適用関係の基準日は下位法令の附則に置かれる。
よくある質問 AI による整理
Q1経過措置とは何ですか?
制度が変わる瞬間に、誰を旧ルールのまま扱い、誰から新ルールを適用するかを決める切替規定です。雇用保険では改正政令・改正省令の附則に置かれます。
Q2雇用保険の失業給付の上限額はいつ変わりますか?
賃金日額の上下限などの自動変更対象額は、厚生労働大臣の告示により毎年8月1日に切り替わるのが通例です。国会審議も条文改正も経ずに金額だけが動きます。
Q3自動変更対象額とは?
雇用保険法18条4項が定める、毎月勤労統計の平均給与額の変動に応じて自動的に改定される金額の総称です。80条後段は、その改廃に伴う経過措置も告示で定められるとしています。
Q4改正省令の附則はどこで読めますか?
e-Gov 法令検索で当該省令を開き、本則の末尾にある附則を確認します。施行前の改正案と附則案は e-Gov のパブリックコメント欄で公開されます。
Q5経過措置の基準日は離職日ですか、申請日ですか?
条文により異なります。離職日基準、支給対象日基準、申請日基準のいずれかが附則に明記されるため、一般論では判断できず、当該改正法令の附則を読む必要があります。
Q6政令と省令と告示の違いは?
政令は内閣が、省令は各省大臣が制定する命令で、告示は行政機関が決定事項を公示する形式です。雇用保険法80条は、この三つのいずれもが経過措置を定めうる根拠になっています。
Q7委任立法は違法になることがありますか?
あります。法律の委任の範囲を超えた命令は無効と判断されうるとするのが判例です。80条は「合理的に必要と判断される範囲内」と限界を明記しており、これが争うときの足場になります。
Q8雇用保険法の改正情報はどこで確認できますか?
e-Gov 法令検索の改正履歴と、衆議院・参議院の法案検索で確認できます。省令レベルの改正は e-Gov のパブリックコメントに施行の1〜2か月前から掲載されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1省令が変わったら、もう受給中の自分にも新しいルールが自動で適用されちゃうんですか?
一律ではない。改正省令の附則に置かれた経過措置が、施行日前に離職した者や既に受給資格を得た者を旧ルールに残すかどうかを個別に決めている。その権限の根拠が雇用保険法80条で、範囲は「合理的に必要と判断される範囲内」に限られる。実務のポイント:窓口の案内資料は最新版に差し替わっており、旧ルール適用者向けの説明が省かれることがある。自分の離職日を先に告げて「経過措置の適用はどうなりますか」と聞き直すと、参照される資料自体が変わる。
Q2経過措置の中身が理不尽だと思ったら、文句を言える先ってあるんですか?
二段階ある。制定前なら行政手続法39条の意見公募手続(パブリックコメント)で意見を出せる。制定後でも、委任の範囲を超える経過措置は裁判で無効を主張できる(最判平成3.7.9など)。実務のポイント:提出意見と行政側の考え方は公表され、後の訴訟や行政不服審査で「行政自身がこの点をどう説明していたか」の証拠として引用できる。どうせ通らないと出さない人が多いが、記録が残ること自体に価値がある。
間違えやすい点 AI による整理
- 経過措置という言葉自体は知っていても、それが「日付の線引き」そのものだと意識している人は少ない。附則にある一行、「施行日前に離職した者については、なお従前の例による」が、受給額も受給期間も申請期限も丸ごと決めている。本則を何時間読んでも、この一行を読まなければ自分の結論は出ない。
- 「改正はいつから適用されますか」という問い方そのものが粗すぎる。正しい問いは「何を基準日として新旧が分かれますか」である。離職日基準、支給対象日基準、申請日基準では答えが全く違う。前者の聞き方では一般論しか返ってこないが、後者の聞き方をすると担当者は附則を確認せざるを得なくなる。
- 政令や省令は法律より格下だから争いようがない、と思われがちだが実際は逆で、委任の範囲を超えた命令は裁判所に無効と判断されうる(監獄法施行規則の規定を委任の範囲外として無効とした最判平成3.7.9など)。本条自身が「合理的に必要と判断される範囲内」と限界を明記しており、この文言が争うときの足場になる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 80条:下位法令の制定改廃に伴う経過措置を定める権限 | 18条:賃金日額の上下限等(自動変更対象額)の改定 16条:基本手当の日額そのもの |
| 決める主体 | 80条:政令なら内閣、省令なら厚生労働大臣、告示なら厚生労働大臣 | 18条:厚生労働大臣が統計に基づき改定・告示 16条:法律本則の算定式(数値は17条・18条を経由して変動) |
| 変わるタイミング | 80条:改正法令ごとの施行日(附則が基準日を指定) | 18条:毎年8月1日の切替が通例 16条:上位の賃金日額改定に連動 |
| 争うときの足場 | 80条:「合理的に必要と判断される範囲内」を超えた委任逸脱 | 18条:改定の算定基礎となる統計の適否 16条:賃金日額の認定そのものへの不服 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は法律保留の原則を中央法規標準法で明文化し、法規命令の授権は具体的明確であることを要求する。手続進行中の法規変更については18條が処理原則を置く
韓国は2021年制定の行政基本法で法適用の基準と経過的取扱いの一般原則を法律レベルで統一的に定め、個別法の附則任せにしない方向をとる
ドイツは基本法80条1項で、法規命令への授権は内容・目的・程度を法律自体で明確に定めることを憲法上の要件とする。日本より授権規定への統制が形式的に厳格
米国は行政手続法により、規則制定に告示・意見提出手続を義務づけ、施行日と適用範囲も手続過程で争える。nondelegation doctrine による授権統制は近年再活性化の議論がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 退職日を今月末にするか来月頭にするかで迷っている。もし制度改正の施行日がその二日の間に挟まっていたら? 改正省令の附則に「施行日以後に離職した者について適用する」と書かれていれば、一日ズレただけで適用される世界が丸ごと変わる。退職届の日付を人事に出すまで、確認できる時間はあと数日しかない。
- 人事担当として、助成金の支給要領が変わったと聞いた。本則を何度読んでも変更点が見つからない。答えは改正省令の附則にあり、旧要領で申請できる経過期間が何日残っているかもそこに書いてある。
学説
通説(委任立法の限界論):経過措置の委任は、技術的・細目的事項に属し行政の機動性が要請される領域として、包括的委任の禁止に抵触しないと解される。ただし委任の趣旨を逸脱した経過措置は無効となり、本条の「合理的に必要と判断される範囲内」がその判断基準となる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和49年(1974年) 新設:失業保険法に代わる雇用保険法(昭和49年法律第116号)の制定に伴い、下位法令の制定改廃に伴う経過措置の委任規定として置かれた。個別の改正沿革は e-Gov 法令検索の改正履歴で要確認
- 雇用保険法 第18条本条後段が名指しする自動変更対象額の規定
- 雇用保険法 第17条賃金日額の算定、上下限変更の前提
- 雇用保険法 第16条基本手当日額、改定の影響が直撃する条文
- 雇用保険法 第60条の2教育訓練給付、給付率や上限を政令省令で規律
- 行政手続法 第39条経過措置を含む命令等制定時の意見公募手続
- 労働保険の保険料の徴収等に関する法律 第12条保険料率変更時の経過措置と連動(現行効力を要確認)
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