回路配置利用権者は、業として設定登録を受けている回路配置(以下「登録回路配置」という。)を利用する権利を専有する。
要点半導体集積回路の回路配置に関する法律 11 条は、回路配置利用権者が業として登録回路配置を利用する権利を専有すると定める。専用利用権を設定した範囲では権利者自身は利用できない。
Q · 特許を取らなくても、登録した半導体の配線を他社の模倣から守れるの?
守れる。設定登録すれば 11 条が業としての利用を独占する
守れます。半導体集積回路の回路配置に関する法律 11 条により、設定登録を受けた回路配置利用権者は、業として登録回路配置を利用する権利を専有します。特許のような審査や進歩性の判断は不要で、設定登録だけで独占権が発生します。ただし二つの限界があります。第一に効力は「業として」の利用に限られ、解析・評価を目的とする行為や独自に創作された同一配置には及びません。第二に専用利用権を他社に設定すると、その範囲では権利者自身が利用できなくなります。
あなたの会社が独自設計した半導体チップの配線パターン、その図面を設定登録すると、第11条が「業として利用する権利を専有する」という強力な独占権をあなたに与える。他社が無断であなたの登録回路配置を組み込んだ製品を製造・輸入・販売すれば、差止めと損害賠償の対象になる。特許を取っていなくても、この権利だけで競合を止められる。だが多くのエンジニアと経営者が見落とす二つの限界がある。第一に「業として」という文言。事業として使う行為だけが独占の射程で、大学や個人が解析・評価のために調べる行為には及ばない。第二に、ただし書きの罠。あなたが他社に専用利用権を設定した瞬間、その範囲では権利者であるあなた自身が、自分の登録回路配置を使えなくなる。権利を持っているのに使えない、この逆転が契約一本で起きる。特許の専用実施権とまったく同じ構造であり、半導体の世界では合意書の一行が自社製造ラインを止めかねない
回路配置利用権とは、半導体集積回路の回路配置について設定登録を受けた者が、業として登録回路配置を利用する行為を独占できる排他的権利をいう。特許権とは別個の専用法上の権利であり、設定登録により発生する。専用利用権が設定された範囲では、権利者自身の独占的利用権は当該範囲で制限される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
設定登録を受けた半導体の回路配置について、業として利用する行為を独占できる排他的権利です。特許とは別制度で、本法 11 条が根拠です。
経済産業大臣が指定する登録機関(SOFTIC)に出願して設定登録を受けます。本法 3 条が手続的根拠で、創作後一定期間内の出願が必要です。
設定登録の日から 10 年です。期間満了で権利は消滅し、その後は本条による差止請求はできなくなります(本法 10 条、最新の制度運用をご確認ください)。
ほぼ同じ概念です。マスクワークは米国 SCPA 由来の呼称で、日本法では「回路配置」を保護対象とし、本法 11 条がその独占的利用権を定めます。
事業として反復継続的に利用することを指します。大学や個人が解析・評価のために調べる行為は「業として」に当たらず、独占権が及びません。
差止請求と損害賠償請求が可能です。輸入品なら税関への水際差止申立ても並行できます。存続期間内であることが前提です。
財産権なので譲渡できます。専用利用権・通常利用権の設定も可能です(本法 12 条・13 条)。設定の選択が将来の自社利用の自由を左右します。
本法による独占権は設定登録が前提です。未登録の場合は不正競争防止法による営業秘密・形態模倣の保護に切り替えて対応することになります。
止められます。回路配置利用権は特許とは別の制度で、設定登録(本法3条)さえ済んでいれば第11条が業としての利用を独占する権利を与えます。特許のような審査や進歩性の判断は不要です。業界裏話ヒント:この権利は出願から登録までが速く費用も比較的軽いのに、半導体ファブレス企業ですら存在を知らずに使っていないことが多い。創作後2年以内という登録の時間制限があるので、量産前に登録を済ませておくかどうかで、後の紛争での立場が決定的に変わる(最新の制度運用をご確認ください)
解析・評価そのものを目的とする行為には、第11条の効力は及びません。半導体業界ではリバースエンジニアリングが許容されており、独自に創作した同一の回路配置も適法です。違法になるのは登録回路配置をそのまま組み込んで業として製造・販売した場合です。業界裏話ヒント:勝敗を分けるのは『解析した事実』ではなく『解析後に独自設計へ至った記録が残っているか』。設計プロセスのログを保存していない会社は、独自創作なのにデッドコピーを疑われて不利に立つ。開発履歴の記録こそが最大の保険になる
専用利用権を設定した場合は本当です。第11条ただし書きにより、専用利用権者がその範囲を独占し、権利者本人ですら登録回路配置を使えなくなります。特許の専用実施権と同じ構造です。業界裏話ヒント:これを避けたいなら、契約上『専用利用権』ではなく『独占的通常利用権』を使う。相手に独占を約束しつつ、自分の利用権は手元に残せる。法務にこの一語の違いを指示できるかどうかで、将来の自社生産の自由が生き死にする
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権利の性質 | 11 条:業としての独占的利用権(権利者本体の物権的独占) | — |
| 発生原因 | 設定登録(3 条)により当然に発生 | — |
| 権利者本人への影響 | 原則として登録回路配置を独占利用できる | — |
| 存続期間 | 設定登録の日から 10 年(10 条) | — |
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