要点半導体集積回路の回路配置に関する法律第2条は、回路配置を回路素子と導線の配置と定義し、利用を配置を用いた製造と製造品の譲渡・貸渡し・展示・輸入に限定する規定である。
Q · 他社のチップを真似て作ったら違法?解析して設計し直すのは?
配置の複製は違法、解析からの再設計は原則合法です
半導体集積回路の回路配置に関する法律第2条は、利用を二つの行為に限定します。すなわち、回路配置を用いて半導体集積回路を製造する行為と、その配置で製造したチップ(組込み製品を含む)を譲渡・貸渡し・展示・輸入する行為です。逆に、チップを単に使う行為や、他社チップを解析して独自に再設計する行為は利用に含まれず、原則として権利の射程外となります。この線引きが、自社の行為が侵害になるかどうかを分けます。
スマホ、パソコン、車、家電。あなたの周りのあらゆる製品の心臓部には半導体チップが入っている。そのチップの中の、目に見えないほど微細な回路素子と配線の並び方、それが「回路配置」だ。第2条はこの三つの言葉を定義する。半導体集積回路とは何か、回路配置とは何か、そして「利用」とは何か。最後の「利用」の定義が、この法律全体の射程を決める。利用とは(1)その回路配置を用いてチップを製造する行為、(2)その回路配置で作ったチップ(それを組み込んだ製品を含む)を譲渡、貸渡し、展示、輸入する行為。逆に言えば、ここに含まれないものは権利の外だ。チップを買って自分の製品に組み込んで使うだけの行為、これは利用に当たらない。さらに他人の回路を解析し、それを参考に自分で新しい配置を設計し直す行為も、その回路配置を用いていない以上、原則として権利侵害にならない。守られているのは配置そのものをコピーする行為だけ、この線引きを知っているかどうかで、あなたの会社が踏む地雷の位置が変わる。
半導体集積回路の回路配置に関する法律第2条は、保護対象の基礎概念を定める定義規定である。半導体集積回路を回路素子を不可分に集積し電子回路の機能をもつ製品と定め、回路配置を回路素子と導線の配置と定義し、利用を当該配置を用いた製造および製造品の譲渡・貸渡し・展示・輸入と画定する。
半導体チップ上の回路素子と導線の物理的な配置を独占的に利用できる権利です。本法に基づく専用の保護制度で、特許や著作権とは別系統の権利です(第2条)。
回路配置利用権の存続期間は設定登録の日から10年で、更新はありません。満了後は誰でも自由に利用できます。技術サイクルに合わせた短期保護が設計思想です。
原則そうです。回路配置利用権は設定登録によって発生します(第3条)。未登録の段階では利用権はなく、不正競争防止法による補完的保護を検討することになります。
そのチップが他社の回路配置を無断複製したものなら、輸入が第2条3項の利用に当たり侵害となりえます。回路配置と無縁に見える転売業も射程に入ります。
委託して製造させた配置が他社のものなら、委託元自身が製造する行為の主体として利用に問われうるとされます。委託は免罪符になりません。契約での保証・補償条項が要です。
分解して回路の並びを解析・評価する行為自体は利用に当たらず合法です。問題はその配置をそのまま用いて製造した場合で、解析と複製の間に境界があります。
侵害に基づく損害賠償請求権は不法行為の消滅時効に服します。損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年が目安です(民法724条、最新の改正状況を要確認)。
実質的にほぼ同義です。マスクワークは米国法由来の呼称で、日本法では回路素子と導線の配置を指す回路配置という用語を用います(第2条2項)。
「真似た」の中身次第です。分解して回路の並びを解析、評価する行為自体は権利侵害になりません。問題は、解析して得た配置をそのまま用いてチップを製造した場合で、これが第2条3項の「その回路配置を用いて製造する」利用に当たります。業界裏話ヒント:半導体業界ではリバースエンジニアリングは合法的な学習手段として公然と行われています。鍵は解析の成果を独自の新しい配置に落とし込んだ記録を残すこと。設計過程のログが、後の侵害否認の最大の武器になる
別制度です。特許は技術的アイデア(発明)を、著作権は表現を守りますが、回路配置はチップ上の素子と配線の物理的な並びそのものを守ります(第2条2項)。登録するだけで10年保護され、特許のような厳しい審査がありません。業界裏話ヒント:回路配置の保護は特許より取得が容易で安価。だが存続期間が10年と短く更新もない。技術サイクルの速い半導体ではこの10年がちょうど商業的寿命に合う、と制度設計者は計算している
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 第2条:利用の定義(配置を用いた製造・譲渡・貸渡し・展示・輸入) | — |
| 実務上の意味 | 自社の行為が侵害になるかどうかの線引き | — |
| 境界の位置 | 製造・組込み販売・輸入の内か外か | — |
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