要点半導体集積回路の回路配置に関する法律 14 条は、共有の回路配置利用権について、持分譲渡と第三者へのライセンスには共有者の同意を要し、自己利用は契約に別段の定めがなければ同意不要と定める。
Q · 共同開発した半導体の回路配置、共有持分は自由に他社へ売ったりライセンスしたりできる?
自由には不可。譲渡もライセンスも共有者の同意が必須
半導体集積回路の回路配置に関する法律 14 条では、回路配置利用権が共有のとき、持分の譲渡・質権設定(1項)と、第三者への専用利用権設定・通常利用権許諾(3項)には他の共有者の同意が必要です。一方、自分でその回路を使って製品を製造する自己利用は、契約に別段の定めがなければ同意なしに自由です(2項)。製造設備を持つ側は自己利用で価値を回収できるのに対し、設備を持たない側はライセンス収益を相手の同意に縛られる非対称が生じます。
スタートアップのあなたが、大手メーカーと半導体チップを共同開発した。その回路配置の利用権は二社の共有になる。「共有なら対等、フェアだ」と思ってサインした人ほど、後で足をすくわれる。共有といっても、三つの行為で扱いがまったく違うからだ。第一に、自分でその回路を使って製品を作るのは、相手の同意なしに自由(2項、ただし契約で別段の定めをした場合を除く)。第二に、自分の持分を他社に売る、または持分に質権(借金の担保として権利を差し出すこと)を設定するには、相手の同意が必須(1項)。第三に、第三者にライセンス(専用利用権・通常利用権)を出して稼ぐにも、相手の同意が必須(3項)。ここに残酷な非対称がある。製造ラインを持つ大手は「自分で作る」で価値を回収できる。だが設備を持たないあなたは「ライセンスで稼ぐ」しか道がなく、その道は相手の同意一つで封じられる。共有は対等に見えて、設備を持つ側に一方的に有利な構造なのだ。
半導体集積回路の回路配置に関する法律 14 条は、回路配置利用権が共有に係る場合の各共有者の行為を類型化して規律する規定である。持分の譲渡・質権設定(1項)と第三者への利用権の設定・許諾(3項)には他の共有者全員の同意を要する一方、登録回路配置の自己利用は契約上の別段の定めがない限り単独で行えると定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
複数人が一つの登録回路配置の利用権を持分割合で共同保有する状態です。物理的に分けられないため、何ができるかは持分の大小でなく 14 条の行為類型で決まります。
1項に例外はなく、持分譲渡・質権設定は常に他の共有者の同意が必要です。ただし共同開発契約で事前に包括同意を定めておけば、個別の同意取得は不要になります。
その持分の譲渡やライセンスは実行できません。打開策として、準共有規定(民法 264 条・256 条)に基づく分割請求で共有関係の解消を交渉する道があります。
IP の『共有』条項です。『各共有者が単独でライセンス・持分譲渡できる』旨の別段の定めがあるかを確認しないと、設備を持たない側はライセンス収益を相手の同意に封じられます。
回路配置利用権自体が設定登録で発生する権利です(10 条)。登録された利用権を複数人で保有するときに 14 条の共有規律が適用されます。
破産管財人が持分を第三者へ売ろうとしても、1項により他の共有者の同意が必要です。管財人との交渉が長引く間、ライセンス事業が宙に浮くリスクがあります。
ほぼ同じ構造です。特許法 73 条が立法モデルで、自己実施は自由、持分処分とライセンスは同意必須という枠組みが共通します。著作権法 65 条は自己利用にも全員合意を要する点で異なります。
持分への質権設定には 1項により他の共有者の同意が必要です。同意がなければ担保化できず、自由に動かせる資産だと思っていても融資の担保にできない場合があります。
売れない。回路配置利用権が共有のときは、他の共有者の同意を得なければ持分を譲渡できず、質権の設定もできない(1項)。設備を持つ相手は自己実施で回収できる一方、あなたは持分処分を縛られる非対称が生じる。業界裏話ヒント:この同意は事後に一件ずつ取る必要はなく、共同開発契約の段階で『持分譲渡・ライセンスを認める』という事前の包括同意を入れておける。揉めてから頼むのと、対等な交渉段階で書き込むのとでは、得られる条件が天と地ほど違う
単独での第三者への譲渡は1項で同意が要るが、共有関係そのものの解消は別の道がある。準共有には民法の共有規定が準用され(民法264条)、分割請求(民法256条・258条)が可能だ。ただし回路配置は分けられないので、現物分割ではなく持分の買取や代金分割になる。業界裏話ヒント:実務では裁判による分割まで行くより、相手に持分を買い取らせる交渉に持ち込むのが現実的。分割請求権があるという事実自体が、買取交渉のテコになる
断る必要はない。共有の場合でも、各共有者は契約で別段の定めをした場合を除き、他の共有者の同意なしに登録回路配置を利用できる(2項)。だからこそ製造設備を持つ側が圧倒的に有利になる。業界裏話ヒント:設備を持たない側がこの2項の自由を相手に丸取りされたくないなら、契約で『自己実施には対価条件を付す』という別段の定めを入れる。2項は強行規定ではなく、契約で上書きできる数少ない突破口だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 自己利用(自己実施) | 回路配置法 14 条 2 項:契約で別段の定めがなければ同意不要で自由 | — |
| 持分の譲渡・質権設定 | 回路配置法 14 条 1 項:他の共有者の同意が必須 | — |
| 第三者への利用許諾 | 回路配置法 14 条 3 項:専用利用権設定・通常利用権許諾に同意が必須 | — |
| 設計思想 | 外部の者を巻き込む行為のみ同意制、自己利用は原則自由 | — |
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