要点半導体集積回路の回路配置に関する法律第17条は、回路配置利用権者が他人に通常利用権を許諾できると定める。通常利用権は非独占的で、移転や質権設定には権利者の承諾を要する。
Q · 他社の回路配置を借りる「通常利用権」って、自由に使ったり売ったりできるの?
使えるが非独占。移転や質権設定には権利者の承諾が必要
半導体集積回路の回路配置に関する法律17条の通常利用権は、設定行為で定めた範囲内で登録回路配置を業として利用できる権利です。ただし専用利用権と違い非独占で、同じ配置を競合も借りているかもしれません。さらにこの利用権は単独では譲渡できず、事業とともにする場合・権利者の承諾を得た場合・相続その他の一般承継の場合に限り移転できます(3項)。質権を設定して資金調達する場合も権利者の承諾が必要です(4項)。
半導体チップの回路パターン、つまり配線のレイアウトには、特許とは別の独立した権利が存在する。回路配置利用権だ。第17条は、その権利者が他人に「通常利用権」を与える仕組みを定める。あなたが他社の登録回路配置を自社製品に使う許可を得る、まさにその根拠条文である。ここで見落とされがちな三つの罠がある。第一に、この通常利用権は単独では譲渡できない。事業ごと譲るか、権利者の承諾を得るか、相続その他の一般承継でしか移転できない(第3項)。製品ラインを売却・分社化するとき、ライセンスがついてこない事態が起きる。第二に、この権利を担保(質権)に入れて資金調達するにも、権利者の承諾がいる(第4項)。第三に、専用利用権と違い、あなたは「独占」していない。同じ配置を競合他社も借りているかもしれない。一枚の許諾書が、あなたの事業の出口戦略と資金調達の余地を静かに規定している。
半導体集積回路の回路配置に関する法律第17条は通常利用権を定める規定であり、回路配置利用権者が他人に対し、設定行為で定めた範囲内で登録回路配置を業として利用することを許諾する非独占的な権利をいう。専用利用権と異なり独占権ではなく、同一の回路配置を複数人に重ねて許諾することができる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
半導体チップの回路パターン(配線レイアウト)に認められる、特許とは別の独立した知的財産権です。登録から10年で存続し、第三者の無断利用を排除できます。
登録は対抗要件等の場面で意味を持ちます。利用権の効力や第三者対抗の扱いは最新の登録制度をご確認ください。設定行為(契約)自体は当事者間で成立します。
用途・地域・期間・数量などライセンス契約で取り決めた利用の枠です(2項)。範囲外で使えば許諾があっても侵害になりうるため、契約文言の確認が重要です。
可能ですが、4項により回路配置利用権者の承諾が必要です。承諾なしの質権設定は効力を否定されえます。IP担保融資の前に承諾の可否を確認すべきです。
専用利用権(16条)は登録範囲で独占でき、原権利者すら使えなくなります。供給の安定を重視するなら早めの交渉が有利ですが、先約があれば取得できません。
相続その他の一般承継であれば、権利者の個別承諾がなくても移転できます(3項)。法人の合併・会社分割なども一般承継に含まれ得ます。
設定登録の日から10年です(10条)。母権が消滅すれば通常利用権もそれに連動して消滅するため、ライセンスの残存期間を確認しておく必要があります。
設定行為で定めた範囲を超える用途・地域での利用は、許諾があっても侵害となりうるため、差止めや損害賠償の対象になる可能性があります。
通常利用権(第17条)は『使ってよい』という許可で、同じ回路配置を権利者が他社にも重ねて許諾できます。専用利用権(第16条)は登録された範囲で利用権者が独占し、原権利者すら使えなくなります。業界裏話ヒント:契約書に『独占的通常利用権』と書いてあっても、登録された専用利用権でなければ第三者に独占を対抗できないことがあります。『独占』の文字を信じる前に、それが登録済みの専用利用権かを確認するのが実務では決定的です
渡せますが条件つきです。第3項により、通常利用権は『回路配置の利用の事業とともに』移転する場合、原権利者の承諾を得た場合、相続その他の一般承継の場合に限られます。事業譲渡なら可能性はありますが、別途承諾を求められるのが通常。業界裏話ヒント:M&Aのデューデリでは、ライセンスの移転可否やチェンジ・オブ・コントロール条項が必ずチェックされます。承諾を後回しにすると買収直前に交渉カードを握られる。早期に内諾を取るのが鉄則です
通常利用権に質権を設定することは可能ですが、第4項により原権利者の承諾が必要です。承諾なしの質権設定は効力を否定されえます。業界裏話ヒント:知財を担保にする融資は近年広がっていますが、ライセンス(利用権)を担保にする場合、原権利者の承諾という第三者の意思が絡む点が、自社保有の権利を担保にする場合との決定的な違いです。担保価値を見積もる前に、承諾が取れる関係かを先に確認すべきです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 独占性 | 通常利用権(17条):非独占、複数人に重畳許諾可 | — |
| 移転の可否 | 事業とともに・権利者承諾・一般承継に限り移転(3項) | — |
| 質権設定 | 権利者の承諾が必要(4項) | — |
| 存続 | 母権(10条・登録から10年)に連動して消滅 | — |
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