要点半導体回路配置法 15 条は、権利者の法人解散や相続人不存在で回路配置利用権が国庫に帰属すべきとき、その権利は国庫に承継されず消滅すると定める。
Q · 権利者の会社が潰れた回路配置設計、勝手に使ったら違法ですか?
解散して国庫帰属すべき状況なら権利は消滅し、自由に使えます
半導体集積回路の回路配置に関する法律 15 条によれば、回路配置利用権者である法人が解散して残余財産が国庫に帰属すべきこととなるとき、または個人が死亡して相続人が不存在で民法 959 条により国庫に帰属すべきこととなるときは、その権利は国庫に承継されず消滅します。消滅とは誰の所有でもなくなることであり、保護期間が残っていても、その回路配置は誰でも自由に利用できる公共財になります。ただし法人の「解散」と「清算結了」は別概念で、清算中は権利が存続するため、利用前に清算結了の登記を確認する必要があります。
半導体チップを開発した会社が倒産し、清算され、誰も後を継がなかった。あなたがその会社の回路配置(チップ上の素子の並べ方の設計)を自社製品に使いたいと思ったとき、普通はこう考える。権利者がいなくなったのなら、その権利は国が引き取ったはず、勝手に使えば訴えられる、と。だが 15 条はその常識を裏返す。法人が解散して回路配置利用権が国庫に帰属すべきこととなるとき、個人が死亡して相続人がなく民法 959 条で国庫に帰属すべきこととなるとき、その権利は国のものになるのではなく、消滅する。消滅とは、誰のものでもなくなること、つまり誰でも自由に使えるようになることだ。国は意図的にこの知的財産を受け取らず、公共財として社会に解放する。あなたが握っておくべきは、後継者のいない回路配置は、保護期間が残っていても法的に自由地帯になるという一点である。
半導体集積回路の回路配置に関する法律 15 条は、回路配置利用権の消滅事由を定める規定である。権利者である法人が解散して残余財産が国庫に帰属すべきこととなるとき、または権利者である個人が死亡し相続人不存在により民法 959 条で国庫に帰属すべきこととなるとき、当該権利は国庫に帰属せず消滅する。
半導体チップ上の素子の並べ方(回路配置)の設計を独占的に利用できる知的財産権です。設定登録により発生し、模倣を排除できます。半導体集積回路の回路配置に関する法律が定めています。
設定登録の日から 10 年です。期間満了でも権利は消滅しますが、15 条の消滅は権利者の解散・相続人不存在という別の事由による消滅で、期間満了とは区別されます。
回路配置は著作権ではなく、回路配置利用権という独自の権利で保護されます。登録が必要で、保護期間や消滅事由も著作権とは別建てです。著作権法 62 条と並行する消滅構造を持ちます。
国が独占権を引き継いでも公益に資さず、後続技術者が自由に使える方が産業発展に資すると判断されたためです。15 条は権利を死蔵させず消滅させ、社会へ解放します。
解散は会社が事業をやめて清算手続に入ること、清算結了は残余財産処理が完了し法人格が消滅することです。解散後も清算中は権利が存続し得るため、消滅の判断は清算結了で行います。
譲渡(移転)できます。16 条が移転を定めており、法人解散や相続人不存在で消滅する前に第三者へ譲渡すれば、価値ある権利を承継させ消滅を回避できます。
消滅します。特許法 76 条が相続人不存在の特許権を国庫帰属させず消滅させており、著作権法 62 条も同様です。日本の知財法は無主の知財を国でなく社会へ返す思想で一貫しています。
経済産業大臣が指定する登録機関(一般財団法人ソフトウェア情報センター=SOFTIC)で設定登録します。登録により回路配置利用権が発生します。詳細は経済産業省の案内を確認してください。
解散して残余財産が国庫に帰属すべき状況なら、15 条により回路配置利用権は消滅し、誰でも自由に使えます。国がその権利を引き継ぐことはありません。業界裏話ヒント:ただし「解散」と「清算結了」は別物で、解散後も清算中は権利が存続している扱いになりうる。登記簿で清算結了まで確認せず使い始めると、まだ生きている権利を侵害するリスクがある。確認すべきは解散日ではなく清算結了の登記だ
相続人がいれば通常どおり相続されます。問題は相続人が一人もいない場合で、民法 959 条で国庫に帰属すべきこととなり、結果 15 条で権利は消滅します。業界裏話ヒント:相続人がいなくても、遺言で受遺者(個人でも法人でも)を指定しておけば消滅を防げる。価値ある知的財産を持つ個人事業主は、生前に法人化するか遺言を残すかで、その資産が遺族に渡るか空中に消えるかが分かれる
あります。15 条の消滅は法人解散や相続人不存在という事実で生じ、登録の抹消とは別の話です。抹消手続が追いつかず、消滅した権利が登録上は生きて見えることがあります。業界裏話ヒント:登録があるからと安心してライセンス交渉に応じる前に、相手が本当に権利者として存続しているか登記で裏を取る。逆に自分が使う側なら、登録の見た目に怯えず権利者の実体を調べれば、消滅した公共財をタダで使える
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|---|---|---|
| 消滅・移転の原因 | 15 条:権利者の解散・相続人不存在による国庫帰属事由 → 消滅 | — |
| 権利のゆくえ | 誰のものでもなくなり、自由利用可能な公共財になる | — |
| 回避手段の有無 | 清算結了前の譲渡・遺言での受遺者指定で回避可能 | — |
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