要点半導体回路配置法 24 条は、模倣品と知らず過失のない善意者の過去の流通を侵害とみなさないが、模倣を知った後の販売には通常のライセンス料相当額の支払義務を課す。
Q · 知らずに仕入れたチップが模倣品だったら、賠償させられるんですか?
知る前の分は不問。知った後に売れば料金が発生します
半導体集積回路の回路配置に関する法律 24 条 1 項により、模倣の事実を知らず、知らないことに過失もなかった善意者が業として行った過去の譲渡・貸渡し・輸入は、侵害行為とみなされません。賠償義務すら生じません。しかし 2 項により、模倣の事実を「知った後」も業として売り続けると、権利者は通常受けるべき金銭の額(ライセンス料相当額)の支払を請求できます。さらに 3 項により、その支払をすればその在庫は適法に流通できます。知った日付が無償の盾と有償の通行料を分ける分水嶺です。
電子部品の卸をやっているあなたが、仕入れたマイコン基板を取引先に流した。半年後、あるメーカーから内容証明が届く。「その基板のチップは、当社の登録回路配置を模倣した違法コピーだ」。指先が冷たくなる。だが落ち着いてほしい。半導体集積回路の回路配置に関する法律 24 条 1 項は、あなたのような「善意者」を守る。受け取った時点で模倣品だと知らず、知らなかったことに過失もなかったなら、それまでの譲渡・貸与・輸入は侵害行為とみなされない。過去に流した分の損害賠償も差止めも食らわない。ところが、この条文には冷たい後半がある。あなたが「知った後」も業として売り続けるなら、権利者は通常のライセンス料相当額を請求できる(2 項)。知った瞬間が分水嶺だ。知る前は無償の盾、知った後は有償の通行料。あなたが今やるべきは、その内容証明の到達日を記録し、在庫を売り続けるか凍結するかを即断することである。
半導体集積回路の回路配置に関する法律 24 条は善意者特例を定める規定であり、模倣の事実を知らず、かつ知らないことに過失のない者が業として行った半導体集積回路の譲渡・貸渡し・輸入を侵害行為とみなさない一方で、模倣を知った後の継続的流通には通常受けるべき金銭の額に相当する支払義務を課す。
模倣品と知らず過失なく半導体集積回路を受け取った者の、業としての譲渡・貸渡し・輸入を侵害行為とみなさない制度です。半導体回路配置法 24 条 1 項が根拠です。
知る前の流通は侵害そのものに当たらないため、損害賠償も差止めも負いません。争点は賠償ではなく、知った後も売り続けるかの一点です。
24 条 2 項で「通常受けるべき金銭の額」、つまり正規のライセンス料相当額です。損害賠償や懲罰的な額ではありません。
24 条 3 項により、支払えばその半導体集積回路は権利者が譲渡したものとみなされ、その在庫は適法に流通させることができます。
輸入も 24 条 1 項の対象行為です。引渡しを受けた時点で模倣を知らず過失もなければ、過去の輸入・転売は侵害とみなされません。
24 条 4 項が民法 724 条を準用します。権利者が損害と善意者を知った時から 3 年、模倣品の譲渡等の時から 20 年で消滅します。
24 条が対象とするのは「業として」の行為です。私物の一回限りの売却は対象外ですが、反復継続する転売は業として評価され得ます。
過失の有無は取引上当然払うべき注意を尽くしたかで判断します。検収記録や仕入れ先の保証書の有無が善意無過失の立証を左右します。
24 条 1 項が守るのは「知らず、かつ知らないことに過失がない」善意者だけです。単に知らなかったでは足りず、取引上当然の注意を払っても気付けなかったことが必要で、立証責任は善意を主張するあなた側にあります。業界裏話ヒント:実務では、仕入れ時の基本契約に「第三者の知的財産権を侵害しない」旨の表明保証条項を入れ、仕入れ先の保証書を保管しておくことが、後で『過失なし』を裏付ける最強の証拠になる。これがあるかないかで、善意者と認められるかが分かれる
24 条 2 項で請求できるのは「通常受けるべき金銭の額に相当する額」、つまり正規のライセンス料相当額です。損害賠償ではないので、相手の利益全部や懲罰的な額ではありません。しかも 3 項で、支払えばその在庫は権利者が譲渡したものとみなされ、堂々と売れる。業界裏話ヒント:このライセンス料相当額は交渉余地が大きい。知った後の在庫数と単価を正確に記録しておけば払う額を最小化できる。逆に記録が曖昧だと、相手の主張する高い料率を呑まされやすい
24 条が対象にするのは「業として」の譲渡・貸渡し・輸入です。個人が私物を一回限り手放す程度なら『業として』に当たらず、そもそも議論の外。ただし反復継続して転売すれば『業として』と評価され得ます。業界裏話ヒント:『業として』の線引きは回数と規模で決まる。趣味の延長のつもりでも、同種のジャンク基板を仕入れて継続的に転売していると、ある日から事業者扱いになり、24 条 2 項の料金所に立たされる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護の対象 | 24 条 1 項:模倣を知る前の善意者の流通行為 | — |
| 金銭的責任 | なし(侵害とみなされず賠償義務も生じない) | — |
| 前提となる主観 | 受領時に善意かつ無過失 | — |
| 在庫の扱い | 適法に流通可能 | — |
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