要点半導体回路配置法 38 条は、登録機関の役員・職員に設定登録等事務で知った秘密の保持義務を課し、これらの者を刑法の適用上は公務員とみなす。守秘義務は退職後も継続する。
Q · 登録機関の職員は民間人なのに、秘密を漏らしたら本当に公務員と同じ罪に問われるの?
問われます。刑法上は公務員とみなされ収賄罪の対象です。
半導体回路配置法 38 条により、登録機関の役員・職員は設定登録等事務で知った秘密を漏らしてはならず、退職後も同じ義務を負います。さらに 2 項で、刑法その他の罰則の適用上は公務に従事する職員とみなされるため、収賄罪(刑法 197 条)の主体になります。秘密を聞き出そうと金品を渡した外部の人間も贈賄罪(刑法 198 条)に問われ得ます。民間財団の職員でありながら、刑事責任は公務員水準に引き上げられている点に注意が必要です。
半導体チップの回路配置は、数十億円の開発費がかかる一方、現物を解析すれば容易に模倣できる。だからこそ日本は回路配置利用権という独自の権利を用意し、設定登録という手続でそれを守る。問題は、その登録事務を担うのが国の役所ではなく、経済産業大臣が指定した民間の登録機関だという点だ(長年その役割を担ってきたのが一般財団法人ソフトウェア情報センターである)。あなたは世界で最も価値ある設計データの一つを、民間団体の職員に預けることになる。第38条はその不安に二重の鍵をかける。第一に、登録機関の役員も職員も、退職後であっても、登録事務を通じて知った秘密を漏らしてはならない。第二に、彼らは民間人でありながら、刑法その他の罰則の適用上は公務に従事する職員とみなされる。つまり、あなたの設計を聞き出そうと職員に金を渡せば、渡した側も受け取った側も贈収賄罪に問われる。民間財団の職員が、刑法の世界でだけ公務員に変わる条文だ。
半導体集積回路の回路配置に関する法律 38 条は、登録機関の役員・職員およびその職にあった者に守秘義務を課し、設定登録等事務に従事する役員・職員を刑法その他の罰則の適用上は公務に従事する職員とみなす規定である。民間に委託された登録事務における秘密保護を、公務員水準の責任で担保する役割を持つ。
半導体チップの回路配置(レイアウト)を保護する独自の法律です。設定登録により回路配置利用権が発生し、保護期間は登録から 10 年。特許のような新規性審査はありません。
民間人でありながら、特定の事務に従事する限り刑法その他の罰則の適用上は公務員として扱われる制度です。本条 2 項では登録機関の役員・職員が収賄罪などの主体になります。
経済産業大臣が指定した民間の登録機関が担います。長年その役割を担ってきたのは一般財団法人ソフトウェア情報センター(SOFTIC)です。国の役所ではありません。
回路配置利用権を発生させる設定登録に関する一連の事務です。登録機関がこれを行い、職員はその過程で提出された設計データなどの秘密に触れます。
本条 2 項でみなし公務員とされるため、収賄罪(刑法 197 条)が成立します。秘密を聞き出すために金品を渡した側も贈賄罪(刑法 198 条)に問われ得ます。
競合製品の解析結果、登録時に提出した設計データの範囲、アクセスし得た登録機関職員、提出・閲覧の時系列を記録します。アクセスログの保全が立証の鍵です。
設定登録の日から 10 年です。特許の出願主義・審査主義と異なり、設定登録のみで権利が発生する点が特徴です。
罪の法定刑に応じて公訴時効が決まります(刑事訴訟法 250 条)。みなし公務員として問われる収賄罪は公訴時効 5 年です。具体的な時効は最新の改正状況をご確認ください。
回路配置利用権は、半導体チップの回路配置(レイアウト)そのものを保護する独自の権利で、特許のような新規性・進歩性の審査がなく、設定登録だけで発生します(本法3条)。保護期間は登録から10年。アイデアを守る特許と違い、レイアウトの「配置」を守るのが特徴です。業界裏話ヒント:この権利の登録機関は長年ソフトウェア情報センター(SOFTIC)が担ってきました。登録件数自体が少なく、知る人ぞ知る制度。だからこそ競合も見落としがちで、押さえておくと交渉カードになる
負います。第38条2項が「刑法その他の罰則の適用については、公務に従事する職員とみなす」と定めるため、収賄罪(刑法197条)などの適用上は公務員扱いです。身分は民間でも、設定登録等事務に関する限り公的な責任を背負います。業界裏話ヒント:この「みなし公務員」規定は、建築確認の指定確認検査機関、各種指定試験機関など、国が事務を民間委託した制度にほぼ必ず入っています。民間委託=責任が軽い、という直感は逆で、刑事責任はむしろ公務員並みに引き上げられている
罰せられます。第38条1項は「これらの職にあつた者」を明記し、在職中だけでなく退職後の元役員・元職員にも守秘義務を課しています。辞めれば義務が消えるという誤解は危険です。業界裏話ヒント:守秘義務違反そのものの罪は法定刑が比較的軽く公訴時効も短めですが、漏らした秘密を使って利益を得れば、不正競争防止法上の営業秘密侵害(こちらは刑事罰が重い)が別途成立し得ます。「古い話だから時効」と油断した瞬間、別の罪で立件される(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護する利益 | 本条 38 条:設定登録等事務で知った秘密の保持と登録事務の信頼 | — |
| 義務・処罰の主体 | 登録機関の役員・職員(退職後の元職員を含む) | — |
| 外部関与者の責任 | 2 項のみなし公務員規定により、秘密を聞き出した側も贈賄罪で巻き込む | — |
| 追及の入口 | 刑事(みなし公務員規定で入口が広い)+民事 | — |
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