保険業法 第61条(募集社債に関する事項の決定)
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- 相互会社は、その発行する社債(この法律の規定により相互会社が行う割当てにより発生する当該相互会社を債務者とする金銭債権であって次に掲げる事項についての定めに従い償還されるものをいう。以下この款において同じ。)を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、募集社債(当該募集に応じて当該社債の引受けの申込みをした者に対して割り当てる社債をいう。以下この款において同じ。)について次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一募集社債の総額
- 二各募集社債の金額
- 三募集社債の利率
- 四募集社債の償還の方法及び期限
- 五利息支払の方法及び期限
- 六社債券を発行するときは、その旨
- 七社債権者が第六十一条の五において読み替えて準用する会社法第六百九十八条の規定による請求の全部又は一部をすることができないこととするときは、その旨
- 2.7_2 社債管理者を定めないこととするときは、その旨
- 八社債管理者が社債権者集会の決議によらずに第六十一条の七第四項第二号に掲げる行為をすることができることとするときは、その旨
- 3.8_2 社債管理補助者を定めることとするときは、その旨
- 九各募集社債の払込金額(各募集社債と引換えに払い込む金銭の額をいう。以下この款において同じ。)若しくはその最低金額又はこれらの算定方法
- 十募集社債と引換えにする金銭の払込みの期日
- 十一一定の日までに募集社債の総額について割当てを受ける者を定めていない場合において、募集社債の全部を発行しないこととするときは、その旨及びその一定の日
- 十二前各号に掲げるもののほか、内閣府令で定める事項
この条文の基本情報
募集社債に関する事項の決定とは何ですか?
定義募集社債に関する事項の決定とは、保険業法第61条に定められた規定で、「相互会社は、その発行する社債(この法律の規定により相互会社が行う割当てにより発生する当該相互会社を債務者とする金銭債権であって次に掲げる事項についての定めに従い…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第61条(募集社債に関する事項の決定)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第61条の条文原文は「相互会社は、その発行する社債(この法律の規定により相互会社が行う割当てにより発生する当該相互会社を債務者とする金銭債権であって次に掲げる事項についての定めに従い…」で始まります。
- 保険業法第61条は第七款 相互会社の社債を引き受ける者の募集に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第61条の前の条は保険業法第60条の2です。
- 保険業法第61条の次の条は保険業法第61条の2です。
- 保険業法第61条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第61条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第61条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/61
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法61条は、相互会社が社債の引受人を募集する都度、総額・利率・償還期限・社債管理者を定めない旨など14項目を決定すべきことを定める。
Q · 保険会社の社債って、必ず社債管理者がついているんですか?
必ずではありません。置かない選択が条文に明記されています
保険業法61条は、相互会社が社債の引受人を募集する都度、募集社債について14項目を定めることを求めています。その第八号は「社債管理者を定めないこととするときは、その旨」であり、管理者を置かない発行があり得ることを前提としています。その場合の受け皿として、第十号の社債管理補助者を定める選択肢があります。購入を検討する際は、利率より先に第八号と第十号を確認するのが実務的です。
解説
相互会社という言葉を、生命保険の契約者であるあなたはおそらく一度も意識したことがない。だが日本の大手生保のいくつかは株式会社ではなく相互会社であり、契約者はそのまま「社員」(出資者的地位を持つ構成員)である。その相互会社が資金調達のために社債を出すとき、この61条が発行の設計図になる。総額、金額、利率、償還方法と期限、社債券を出すか、社債管理者を置くか置かないか、社債管理補助者を使うか。募集を始める「その都度」、これら14項目を決めておけと法は命じる。ここであなたが押さえるべきは第八号だ。社債管理者を「定めないこととするとき」はその旨を決める、つまり管理者不在での発行があり得るということ。社債権者の利益を代弁して弁済を受け、訴訟を追行する人がいない状態で債券を買うのか、いるのか。その一行が、発行が決まった瞬間に確定している。目論見書の後ろの方に載っているその一行を読むかどうかで、あなたが引き受ける回収リスクは別物になる。
法的な位置づけ
保険業法61条は、相互会社による募集社債の発行事項の決定を定める規定であり、社債の引受人を募集する都度、総額、各社債の金額、利率、償還の方法及び期限、社債券発行の有無、社債管理者の不設置、社債管理補助者の設置、払込期日、割当てに関する一定の日など14項目を決定すべきものとする。株式会社における会社法676条に対応する相互会社版の規律である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起債方針を固め、決定機関と決議日を確定する 資金需要と償還原資を確認したうえで、募集事項を決定する機関と決議日を先に押さえる。保険業法61条は「その都度」の決定を求めるため、既存要項の流用を前提にしたスケジュールを組まない
- 2.14項目を一号ずつ潰し込む 総額、各社債の金額、利率、償還の方法及び期限、利息支払の方法及び期限、社債券の発行、会社法698条の請求制限、社債管理者の不設置、社債権者集会によらない行為の許容、社債管理補助者、払込金額または算定方法、払込期日、一定の日と全部不発行、内閣府令事項を、チェックリストで消し込む
- 3.第十四号の内閣府令事項を現行の施行規則で照合する 「その他事項」として空欄のまま決議に上げない。決定日時点の保険業法施行規則を直接開き、該当条番号を決議書に明記して一項ずつ突き合わせる。委任事項は改正で動くため、過去案件の写しに依拠しない
- 4.社債管理者を置くか、補助者で足りるかを明示的に決める 不設置とするなら第八号でその旨を、補助者を置くなら第十号でその旨を決定する。どちらも決めていない状態で募集を始めない。投資家への説明資料にも同じ内容を反映させ、要項との齟齬をなくす
- 5.決議内容と申込者への通知内容の一致を検証する 決定した募集事項は申込者への通知内容を規律し、割当ての基礎になる。決議書・要項・通知書面・引受契約の四点を突合し、利率や払込期日の数字が一字でも食い違っていないかを第三者の目で確認する
よくある質問 AI による整理
Q1募集社債とは何ですか?
募集に応じて社債の引受けを申し込んだ者に対して割り当てる社債をいいます。保険業法61条の括弧書きで定義され、同款の各条で一貫して用いられます。
Q2募集事項はいつ決めるのですか?
「その都度」決める必要があります。前回の起債の要項をそのまま流用すると、実態と乖離した条件で申込みを受けたという争いの余地を残します。
Q3社債券は必ず発行されますか?
いいえ。第六号は「社債券を発行するときは、その旨」と定めており、券面を発行しない設計が原則型です。振替制度による無券面の起債が一般的です。
Q4一定の日までに割当先が決まらないとどうなりますか?
第十三号でその日までに総額の割当先を定めない場合は全部を発行しない旨を決めていたときは、起債は不成立となり、調達を織り込んだ資金計画の修正が必要です。
Q5社債権者が社債券の発行を請求できないようにできますか?
できます。第七号は、保険業法61条の5で読み替えて準用する会社法698条の請求の全部または一部を制限するときは、その旨を定めよと規定しています。
Q6社債管理補助者はいつ導入された制度ですか?
2019年(令和元年)の会社法改正で新設され、関連法整備により保険業法にも読替えで組み込まれました。管理者より権限は限定的ですがコストが低いのが特徴です。
Q7保険業法61条は会社法の何条に当たりますか?
株式会社の募集社債事項を定める会社法676条が対応規定です。相互会社には株式がないため、保険業法が独自に同趣旨の規律を置いています。
Q8相互会社の社債は個人でも買えますか?
制度上の禁止はありませんが、実務では機関投資家向けの大口起債が中心です。個人はファンドを通じて間接保有していることがあり、組入銘柄の確認が有効です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相互会社って株式会社と何が違うんですか。社債を出せるのが意外なんですが
相互会社は保険業法に固有の法人形態で、株式ではなく保険契約者が社員となる。株式による資本調達ができない代わりに、基金の募集や社債の発行が制度化されており、61条以下がその手続を定めている。実務のポイント:株式会社化(相互会社から株式会社への組織変更)を選んだ大手生保もあり、その判断の裏には資本調達手段の広さがある。どちらの形態かは契約者にとって、破綻時の扱いにも関わる論点である
Q2社債管理者を置かないなんて許されるんですか。買う側は誰に頼ればいいんですか
許される。第八号がまさに「定めないこととするときはその旨」を決めよと規定しており、会社法702条の但書(各社債の金額が1億円以上である場合等)が読み替えで及ぶ。その場合の受け皿として第十号の社債管理補助者を置く選択肢がある。実務のポイント:管理者不在債は個人にはまず回ってこない設計だが、ファンド経由で間接保有していることはある。保有ファンドの組入銘柄まで見る投資家は少ない
Q3第十四号の「内閣府令で定める事項」って、結局何ですか
保険業法施行規則に委任された細目で、募集事項の記載として追加で決めるべき項目が定められている。委任事項は改正で変動するため、起案時点の施行規則を直接確認する以外に安全な方法はない。実務のポイント:この種の包括委任号を「その他事項」として空欄で決議に上げる実務が散見されるが、後日の紛争で最初に突かれるのがここである。決議書に府令の条番号を明記しておくだけで、手続の適正性の立証負担が激減する
間違えやすい点 AI による整理
- 「社債には必ず管理者がいて、いざというとき代わりに取り立ててくれる」と信じている個人投資家は多い。第八号は逆に、管理者を置かない選択があることを前提にした条文である。会社法702条の原則(各社債の金額が1億円以上などの場合は不設置可)が読み替えで及ぶため、大口向けの起債では管理者不在が珍しくない。あなたが見るべきは利率ではなく、まず八号と十号だ
- 相互会社は保険契約者のものだから社債など出さない、と考えるのは問いの立て方が誤っている。相互会社には株式という調達手段がない。だからこそ基金や社債といった債務性の調達手段が制度として用意されている。株式会社に比べて調達経路が狭いという構造こそが、この条文が独立して置かれている理由である
- 「募集事項を決める」を形式的な社内手続だと軽く見る担当者がいる。だが決めた内容は申込者への通知内容を規律し、割当ての基礎になる。募集の都度、決定が必要である以上、前回の要項を使い回した瞬間に、実態と乖離した条件で申込みを受けたという主張の余地を相手に与える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 保険業法61条:募集社債の発行事項を決定する段階 | 保険業法61条の2:申込みと割当ての手続段階 保険業法61条の7:社債管理者の権限と社債権者集会の運営段階 |
| 主たる名宛人 | 発行体である相互会社(決定機関) | 発行体と申込者の双方 社債管理者と社債権者 |
| 時間軸 | 募集開始前(その都度) | 募集開始後、払込みまで 発行後、償還または債務不履行の局面 |
| 欠落したときの影響 | 募集手続の瑕疵として後日の集会・償還時に蒸し返される | 割当ての効力や申込者の地位が争点になる 権利行使の主体と手続が定まらず回収が遅延する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の保険業の組織形態は株式会社または協同組合に限られ、相互会社という類型自体が存在しない。社債の募集事項は会社法の公司債規定で一般的に規律される
韓国は保険業法に相互会社の規定を置きつつ、社債の発行手続は商法の사채規定に依拠する構造をとる。日本のような読替準用の条文群を保険業法側に厚く置く形とは設計が異なる
ドイツの相互保険社団(VVaG)は監督法である VAG に組織規律が置かれ、債券発行は株式法および社債法の一般規律による。管理者に相当する制度は共同代表者(gemeinsamer Vertreter)が担う
米国は保険会社の組織規律を州法に委ね、公募社債については連邦法の信託証書法が受託者(indenture trustee)の設置を強制する。日本の「管理者を置かない選択」に相当する余地は公募では狭い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 運用担当としてあなたが相互会社の社債を検討している。利率だけ見て高いと判断したが、募集事項の第八号に「社債管理者を定めない」とある。デフォルト時、社債権者は自分で権利行使しなければならない。利率の上乗せ分は、その手間とリスクの対価だったと気付く
- あなたが発行側の企画部門にいて、募集要項の起案を任された。第十四号「内閣府令で定める事項」を漏らしたまま決議を通してしまったら、募集手続の瑕疵が後の社債権者集会や償還時に蒸し返される。決議前に内閣府令の項目表と一項ずつ突き合わせる作業は、誰かがやらなければ誰もやらない
- 社債管理補助者という制度を聞いたことがあるか。2019年会社法改正で新設され、保険業法にも読み替えで入った。管理者ほど強い権限を持たない代わりに、コストが低く「管理者不在」の穴を埋める。この選択肢の存在を知らずに管理者ゼロで組成した案件と、補助者を置いた案件では、投資家の応募状況が変わる
- 期限が迫っている。募集社債の総額について割当先が固まらないまま、第十三号で定めた「一定の日」まであと5日。ここまでに割当てを受ける者を定められなければ、全部を発行しないと決めていた以上、この起債は白紙に戻る。調達を織り込んだ資金繰り計画も同時に崩れる
取るべき行動
被害を受けた側:投資家として償還が滞った場合、まず購入時の募集要項で社債管理者の有無を確認する。管理者がいれば、その者が社債権者のために弁済受領・債権保全・訴訟追行を行うので、まず管理者へ連絡し集団的対応を求める。補助者のみの場合は権限が限定的なので、社債権者集会の招集を視野に他の保有者と連携する。管理者も補助者もいない場合は、自ら債権届出や訴訟提起を行う必要があり、時間との勝負になるため早期に弁護士へ相談する
訴えられた側:発行体側で募集手続の瑕疵を指摘された場合、まず決定された募集事項の記録(決議書、要項)と、実際に申込者へ通知した内容の一致を確認する。第十四号の内閣府令事項の欠落が争点になりやすいので、決定当時の府令の条文を特定して照合する。乖離があれば早期に社債権者への説明と是正を検討し、放置して償還期を迎えるより損失は小さい
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはないが、第十三号の「一定の日」を定めた場合、その日までに割当先が確定しなければ全部不発行となるため、実務上これが最も硬い期限になる。社債の償還請求権は一般消滅時効(民法166条、権利行使可能を知った時から5年または権利行使可能時から10年)の適用を受ける(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成7年(1995年) 新設:保険業法の全部改正により制定。相互会社の資金調達手段として社債の発行を制度化し、募集の都度に定めるべき事項を列挙する規律を置いた
- 2.令和元年(2019年) 改正:会社法改正による社債管理補助者制度の新設に伴う関係法律の整備により、募集事項に「社債管理補助者を定めることとするときは、その旨」が加わった
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