民事訴訟法 第10条の2(管轄裁判所の特例)
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前節の規定により日本の裁判所が管轄権を有する訴えについて、この法律の他の規定又は他の法令の規定により管轄裁判所が定まらないときは、その訴えは、最高裁判所規則で定める地を管轄する裁判所の管轄に属する。
この条文の基本情報
管轄裁判所の特例とは何ですか?
定義管轄裁判所の特例とは、民事訴訟法第10条の2に定められた規定で、「前節の規定により日本の裁判所が管轄権を有する訴えについて、この法律の他の規定又は他の法令の規定により管轄裁判所が定まらないときは、その訴えは、最高裁判所規則で定…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第10条の2(管轄裁判所の特例)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第10条の2の条文原文は「前節の規定により日本の裁判所が管轄権を有する訴えについて、この法律の他の規定又は他の法令の規定により管轄裁判所が定まらないときは、その訴えは、最高裁判所規則で定…」で始まります。
- 民事訴訟法第10条の2は第二節 管轄に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第10条の2の前の条は民事訴訟法第10条です。
- 民事訴訟法第10条の2の次の条は民事訴訟法第11条です。
- 民事訴訟法第10条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第10条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第10条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/10_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法10条の2は、日本に国際裁判管轄がありながら国内の管轄裁判所が定まらないとき、訴えを最高裁判所規則の定める東京地方裁判所の管轄とする補充規定である。
Q · 海外の業者を日本で訴えられると分かったのに、どこの裁判所に訴状を出せばいいか決まらない場合はどうなる?
民訴10条の2で東京地裁が受け皿になります
民事訴訟法10条の2によれば、日本の裁判所が国際裁判管轄を有する訴えについて、同法の他の規定や他の法令で国内の管轄裁判所が定まらない場合、その訴えは最高裁判所規則で定める地の裁判所に属します。民事訴訟規則6条の2がその地を東京都千代田区と定めるため、実務上は東京地方裁判所が受け皿になります。被告が日本に住所も財産も持たない海外取引の紛争で、管轄の空白により訴えが頓挫するのを防ぐ補充規定です。
解説
越境 EC で海外の業者に粗悪品をつかまされた、日本に拠点のない外国企業との契約でトラブルになった。民訴3条の2以下のおかげで「日本の裁判所で訴えられる」ところまでは勝ち取った。ところが次の瞬間、思わぬ壁にぶつかる。日本のどの裁判所に訴状を出せばいいのか、決まらないのだ。普通裁判籍(被告の住所地を基準にする原則、民訴4条)は、相手が日本に住所も営業所も持たない以上使えない。財産所在地(民訴5条)も空振りなら、訴状の宛先が宙に浮く。この空白を埋めるのが10条の2だ。日本の裁判所に国際裁判管轄がありながら、他のどの規定でも国内の管轄裁判所が定まらないとき、その訴えは最高裁判所規則で定める地の裁判所に属する。そして規則が指定する地は東京都千代田区、つまり東京地方裁判所である。あなたが外国の相手と戦うとき、最後の受け皿は東京にある。
法的な位置づけ
民事訴訟法10条の2は、国際裁判管轄の補充的な土地管轄を定める規定である。日本の裁判所に国際裁判管轄が認められるにもかかわらず、同法の他の規定や他の法令によって国内の管轄裁判所が定まらない場合に、その訴えを最高裁判所規則の定める地を管轄する裁判所に帰属させる。民事訴訟規則6条の2がその地を東京都千代田区と定めるため、実務上は東京地方裁判所が受け皿となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.まず国際裁判管轄の有無を確認する 被告の住所、契約上の債務の履行地、不法行為地、消費者契約かどうかを民訴3条の2から3条の4に照らして確認し、日本の裁判所に国際裁判管轄があるかを判断する
- 2.他の規定で国内の土地管轄が立つか検討する 被告住所地(4条)、財産所在地・契約地等の特別裁判籍(5条)で国内の管轄裁判所が定まるかを先に検討する。ここで管轄が立てば10条の2は使わない
- 3.管轄が定まらなければ10条の2で東京地裁に提訴する 他のどの規定でも国内の管轄裁判所が定まらない場合、民事訴訟規則6条の2を根拠に東京地方裁判所へ訴状を提出する。国際事件に強い代理人を東京で選任すると移送の無駄を避けられる
- 4.国際送達と時効管理を並行で進める 外国にいる被告への領事送達・中央当局送達は数か月かかるため、実体の請求権の消滅時効を逆算し、起算点から余裕をもって着手する
よくある質問 AI による整理
Q1民事訴訟法10条の2とは?
日本に国際裁判管轄がありながら国内の管轄裁判所が定まらないとき、訴えを最高裁判所規則の定める地(東京地裁)の管轄とする補充規定です。
Q2国際裁判管轄と土地管轄の違いは?
国際裁判管轄は「日本で訴えられるか」、土地管轄は「日本のどの裁判所か」を決めます。前者をクリアしても後者が空白なら、10条の2が東京地裁で埋めます。
Q3民事訴訟規則6条の2はどこを管轄と定めている?
民事訴訟規則6条の2は、10条の2の委任を受けて「東京都千代田区」を定めます。これにより東京地方裁判所が管轄を担います(現行規則を要確認)。
Q4海外法人を訴えるとき管轄裁判所はどこ?
被告が日本に営業所や財産を持つならその所在地、なければ10条の2で東京地裁が受け皿です。まず他の管轄原因がないか確認するのが先です。
Q5国際裁判管轄が認められる条件は?
被告の住所、契約上の債務の履行地、不法行為地、消費者契約などが日本にあると、民訴3条の2以下により日本の裁判所に国際裁判管轄が認められます。
Q6特別の事情による却下とは?
民訴3条の9により、日本での審理が当事者間の衡平や適正・迅速を害する特別の事情があれば、国際裁判管轄を認めず訴えを却下できる制度です。
Q7外国にいる被告への訴状送達はどうする?
領事送達や中央当局送達などの国際送達によります。数か月かかることが多いため、時効管理と並行して早めに着手する必要があります。
Q810条の2はいつ新設された?
平成23年(2011年)法律第36号により、国際裁判管轄規定(3条の2以下)の新設に伴い設けられ、平成24年(2012年)4月1日に施行されました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1海外の業者に騙されたんですが、相手が日本にいなくても日本の裁判所で訴えられますか?
国際裁判管轄の要件(民訴3条の2以下、消費者契約なら3条の4)を満たせば日本で訴えられます。問題はその先で、被告が日本に住所も財産もないと国内のどの裁判所かが決まりません。そこで10条の2が働き、最高裁規則の定める東京地裁に管轄が集まります。実務のポイント:多くの人は『日本で訴えられるか』までしか調べず、『どこの裁判所か』で詰まる。国際事件は最初から東京地裁を前提に弁護士を探すと、この分野に強い事務所に当たりやすい
Q2なんで東京の裁判所なんですか? 自分は地方に住んでるのに不便です
10条の2は『最高裁判所規則で定める地』とだけ書き、その規則(民事訴訟規則6条の2)が東京都千代田区、つまり東京地裁を指定しているためです。国際事件の処理能力を一点に集約する趣旨です。実務のポイント:原告が日本の消費者の場合、3条の4や5条で別の管轄が立つこともあり、必ずしも東京に限られない。10条の2はあくまで『他の規定で決まらないとき』の最後の受け皿。先に他の管轄原因がないか確認すれば、地元で戦える余地が残る
間違えやすい点 AI による整理
- 「日本の裁判所で訴えられるかどうか」だけを心配する人が多いが、問いの立て方が片手落ちだ。国際裁判管轄(訴えられるか)と国内の土地管轄(どの裁判所か)は別問題で、前者をクリアしても後者が空白なら訴状は宛先を失う。10条の2はこの二段目の空白を埋める条文だ
- 10条の2で東京地裁に管轄が集まると知っていても、その重さを見落としがちだ。地方在住の原告にとって、東京での訴訟は交通費・宿泊費・出廷のたびの休業で数十万円が飛ぶ。条文が用意するのは「訴えられる場所」であって「便利な場所」ではない
- 「国際事件はすべて東京地裁」と思い込んでいる人がいるが、正確には違う。10条の2はあくまで他の管轄規定で裁判所が定まらないときの補充ルール。被告が日本に営業所を持つ、消費者の住所地で訴えられるなど別の管轄原因があれば、そちらが優先する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 国際裁判管轄はあるが他の規定で国内の管轄裁判所が定まらない | 被告の住所が国内にある(普通裁判籍) 財産所在地・契約地等の連結点が国内にある(特別裁判籍) |
| 管轄裁判所 | 最高裁規則の定める地=東京地方裁判所(民訴規則6条の2) | 被告の住所地を管轄する裁判所 財産所在地・不法行為地等を管轄する裁判所 |
| 性質 | 補充的・最後の受け皿 | 普通裁判籍(管轄の原則) 特別裁判籍(付加的な管轄) |
| 適用前提 | 他の規定で管轄が定まらないこと | 被告住所が判明していること 特別裁判籍の連結点が国内に存在すること |
他国ではどう定めているか 3 か国
被告に住所がない場合、中央政府所在地(台北)を住所とみなして管轄を確定させる点で、国際事件の受け皿を一点に集約する発想が近い
ドイツは管轄裁判所が定まらない場合に上級裁判所が個別に管轄裁判所を指定する方式で、東京へ法定集中させる日本とは仕組みが異なる
米国に居住しない被告はいずれの連邦地区でも提訴可能とし、外国被告に対する裁判地の空白を生じさせない点で機能的に類似
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外のショッピングサイトで高額商品を買ったら粗悪品が届き、業者は日本に支店も住所もない。日本の裁判所で訴えられると分かったのに、どこの裁判所に訴状を出せばいい? 普通裁判籍も財産所在地も使えないこの空白を、10条の2が東京地裁で埋める
- あなたが運営する小さな海外法人が、日本のユーザーから国際裁判管轄ありとして訴えられた。日本に拠点はないのに、訴状は東京地裁から届く。なぜ東京なのか、その根拠がこの条文だ。出廷も応訴も東京を起点に考えることになる
- 外国企業相手の請求権が時効目前。日本で訴えられるのは分かったが、管轄裁判所が定まらず訴状を出せない。あと数日。10条の2を知っていれば、迷わず東京地裁に駆け込める
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず国際裁判管轄の有無を確認:被告の住所、契約地、不法行為地、消費者契約か(民訴3条の2から3条の4) 2. 国内の土地管轄が他の規定(4条の被告住所地、5条の財産所在地など)で立つか検討3. どれも立たないなら10条の2で東京地裁に提訴、民事訴訟規則6条の2が根拠4. 外国にいる被告への国際送達(領事送達・中央当局送達)は数か月かかるため、時効管理と並行して早めに着手する
訴えられた側:1. 訴状が東京地裁から届いても、まず争うべきは国内の場所ではなく国際裁判管轄そのもの2. 日本との関連が薄ければ「特別の事情による却下」(民訴3条の9)を主張し、訴えを日本から外す3. 国際管轄を争えない場合、土地管轄は東京で固定されるため応訴を前提に準備4. 管轄を争う主張は第一回口頭弁論期日で本案の弁論をする前に出すこと、遅れると応訴管轄(民訴12条)が成立する
時効(請求できる期限):本条は管轄を定める規定で固有の時効はない。ただし管轄を争う側は、第一回口頭弁論期日において本案について弁論をする前に申し立てる必要がある(応訴管轄、民訴12条)。実体の請求権には各根拠法の消滅時効(債権は民法166条で原則5年または10年)が別途進行するため、国際送達の所要期間も見込んで起算点から逆算する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:10条の2は、日本に国際裁判管轄がありながら他の規定で国内の土地管轄が定まらない「管轄の空白」を補充する規定と解されている。最高裁判所規則(民事訴訟規則6条の2)への委任により管轄地を東京都千代田区とし、東京地裁に国際事件を集中させて処理能力の確保を図るものとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成23年(2011年)法律第36号 国際裁判管轄に関する規定(3条の2以下)の新設に伴い、本条を新設。日本の裁判所に国際裁判管轄が認められながら国内の管轄裁判所が定まらない場合の受け皿を設けた。平成24年(2012年)4月1日施行
改正の年表
- 1.平成23年(2011年) 新設:法律第36号により、国際裁判管轄に関する規定(3条の2以下)の新設に伴って本条を新設。国際裁判管轄がありながら国内の管轄裁判所が定まらない場合の受け皿を設けた。平成24年(2012年)4月1日施行
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