民事訴訟法 第5条(財産権上の訴え等についての管轄)
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次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる。
この条文の基本情報
財産権上の訴え等についての管轄とは何ですか?
定義財産権上の訴え等についての管轄とは、民事訴訟法第5条に定められた規定で、「次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第5条(財産権上の訴え等についての管轄)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第5条の条文原文は「次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定める地を管轄する裁判所に提起することができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第5条は第二節 管轄に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第5条の前の条は民事訴訟法第4条です。
- 民事訴訟法第5条の次の条は民事訴訟法第6条です。
- 民事訴訟法第5条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第5条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第5条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法5条は、被告住所地(4条)に加え、義務履行地・不法行為地・不動産所在地など15種類の特別裁判籍を列挙し、原告が関連地の裁判所にも提訴できると定める。
Q · 相手が遠くに引っ越したら、自分の近くの裁判所では訴えられないの?
金銭請求なら義務履行地=自分の住所地で訴えられる場合が多い
民事訴訟法5条は、被告住所地(同法4条)以外にも訴えを起こせる「特別裁判籍」を15種類列挙します。なかでも1号の義務履行地が強力で、代金・貸金・返金などの金銭債務は民法484条により債権者の住所地が義務履行地となります。つまり請求する側は自分の住所地の裁判所で訴えられる場合が多いのです。ほかに9号の不法行為地、12号の不動産所在地もあります。ただし専属管轄が定められた類型では選べず、有効な管轄合意(11条)があると封じられる点に注意が必要です。
解説
貸した30万円が返ってこない。相手は札幌に引っ越した。「向こうの裁判所まで行かなきゃダメか」と諦めかけるかもしれない。だが、その前に民事訴訟法5条を見てほしい。原則として訴えは被告の住所地で起こす(4条)が、5条は「ここでも訴えられる」という選択肢を15種類も並べている。なかでもあなたの武器になるのが1号「財産権上の訴え、義務履行地」だ。お金を支払う債務は、民法484条で原則「債権者の住所地で支払う」持参債務とされる。つまり、貸金を取り立てるあなたは、あなた自身が住む町の裁判所で訴えられる。さらに9号は不法行為があった地、12号は不動産の所在地。事故や近隣トラブルなら現場の、土地の紛争なら土地の裁判所が使える。被告住所地という一本道だと思っていた入口が、実は複数あった。どこを選ぶかで、交通費も出廷負担も、弁護士の探しやすさも変わる。
法的な位置づけ
民事訴訟法5条は特別裁判籍を定める規定であり、普通裁判籍(同法4条)の被告住所地に加えて、財産権上の訴えの義務履行地、不法行為があった地、不動産の所在地など、事件と密接に関連する地の裁判所に訴えを提起できることを号ごとに列挙する。原告に提訴地の選択肢を与える特則として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.請求の性質を見極める 請求が金銭の支払い(貸金・売掛・返金・損害賠償)か、不法行為か、不動産がらみかを判定する。金銭請求なら財産権上の訴えとして5条1号の義務履行地が使える可能性が高い
- 2.義務履行地が自分の住所地か確認 その債務が持参債務か(民法484条、原則は債権者の現在の住所)を確認する。該当すれば自分の住所地の裁判所を提訴候補にできる
- 3.他の特別裁判籍と比較して提訴地を選ぶ 不法行為なら9号の不法行為地、不動産がらみなら12号の不動産所在地も候補に挙げ、出廷の近さ・証拠の集めやすさで最も有利な地を選ぶ
- 4.専属管轄と管轄合意の有無を確認 提訴前に、その訴えに専属管轄(人事訴訟・会社組織訴訟など)がないか、契約書に管轄合意(11条)がないかを必ずチェックする。専属管轄や有効な合意があると5条の選択肢は封じられる
- 5.提訴・少額訴訟の検討 60万円以下の金銭請求なら地元簡裁の少額訴訟も検討する。提訴と同時に支払督促や仮差押えの段取りを自分の生活圏で進められる
よくある質問 AI による整理
Q1特別裁判籍とは何ですか?
被告住所地という普通裁判籍(民訴4条)に加え、事件と関連する地でも訴えを起こせる例外的な管轄です。民訴5条が義務履行地・不法行為地など15種類を列挙しています。
Q2義務履行地とはどこですか?
債務を履行すべき場所です。金銭債務は民法484条で原則「債権者の住所地」とされる持参債務なので、請求する側の住所地が義務履行地になります。
Q3不法行為地の裁判所はどう決まりますか?
民訴5条9号により「不法行為があった地」を管轄する裁判所です。事故・損害・近隣トラブルなどは加害行為地または結果発生地で訴えられます。
Q4普通裁判籍と特別裁判籍の違いは?
普通裁判籍(4条)は被告住所地を基準とする原則、特別裁判籍(5条)は事件と関連する地を付加する特則です。両者は併存し、原則として原告が選べます。
Q5複数の裁判所で訴えられる場合どこを選びますか?
出廷の近さ、証拠・証人の集めやすさ、相手への圧力で選びます。一度提訴して係属すると変更は移送手続(民訴16・17条)が必要になります。
Q6不動産トラブルはどこの裁判所で訴えますか?
民訴5条12号により不動産の所在地を管轄する裁判所で訴えられます。現地調査や証人尋問がスムーズで、被告側にも遠征不要の利点があります。
Q7少額訴訟でも特別裁判籍は使えますか?
使えます。60万円以下の金銭請求は地元簡裁の少額訴訟が可能で、義務履行地が自分の住所地なら自宅近くで完結できます。
Q8売掛金の回収はどこの裁判所で訴えられますか?
売掛金は財産権上の訴えで、支払債務は持参債務になりやすいため、義務履行地である債権者(あなた)の住所地の裁判所で訴えられる場合が多いです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相手が遠くに住んでても、自分の近くの裁判所で訴えられるって本当ですか?
お金の支払いを求める訴えなら、本当のことが多いです。代金・貸金・返金・損害賠償などは財産権上の訴えで、5条1号により義務履行地の裁判所に出せます。金銭債務は民法484条で原則『債権者の住所地で支払う』持参債務なので、請求する側であるあなたの住所地が義務履行地になります。実務のポイント:弁護士はこの『義務履行地ルール』を交渉の段階から武器に使います。遠方の相手に『当方の地元で提訴する』と伝えるだけで、相手は出廷の手間と費用を計算し、強気から和解志向へ転じることが多い。場所は単なる手続ではなく、心理的なてこです
Q2契約書に『紛争は東京地裁』と書いてあったら、地元では訴えられないんですか?
有効な管轄合意(11条)があれば、原則としてその裁判所に縛られ、5条の便利な選択肢は使えなくなります。ただし合意は書面(電磁的記録を含む)が要件で、消費者契約の場合は消費者契約法10条で無効になる余地があります。実務のポイント:テンプレ契約書の管轄条項は相手が自社所在地を入れていることが多く、交渉の余地があります。契約前に『義務履行地(当社所在地)も管轄に含める』と一行交渉するだけで、紛争時に地元で戦える権利を確保できる。弁護士が契約書で真っ先に見るのは、実はこの管轄条項です
間違えやすい点 AI による整理
- 「訴えるなら相手の住所地の裁判所」と覚えている人は多いが、それは原則(4条)にすぎない。5条は財産権上の訴えなら義務履行地でも提訴できると定める。金銭債権は債権者の住所地が義務履行地になるため、貸主・売主・被害者の側が自分の地元で訴えられるケースは想像以上に多い。原則だけ知って選択肢を捨てている人が損をしている
- 義務履行地が使えるのは知っていても、その威力の大きさを軽く見ている人が多い。遠方の被告を自分の地元に呼び寄せられるということは、出廷負担と交通費を相手に背負わせるということ。これは和解交渉の圧力にもなる。単なる場所の問題ではなく、心理戦と費用戦の主導権を握る一手である
- 「複数の裁判所で訴えられるなら、好きにどこでも選べる」と思いがちだが、ここで問いの立て方を変える必要がある。専属管轄(会社の組織訴訟や人事訴訟など)が定められた類型では、5条の選択肢は使えず、その専属の裁判所に限定される。まず確認すべきは『この訴えに専属管轄があるか』であって、選択肢の数え方ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 管轄の根拠 | 民訴5条:特別裁判籍(義務履行地・不法行為地・不動産所在地等) | 民訴4条:普通裁判籍(被告住所地) 民訴11条:当事者の管轄合意 |
| 誰に有利か | 原告:事件と関連する有利な地を選べる | 被告:原則として自分の住所地で応訴できる 合意内容次第(多くは契約強者の所在地) |
| 選択権 | 普通裁判籍と併存、原則として原告が選択 | 原告は被告住所地で訴える必要 専属合意なら合意先のみ、付加合意なら原告選択 |
| 封じられる場合 | 専属管轄の類型、有効な専属管轄合意(11条) | 専属管轄の類型 書面要件不備、消費者契約法10条違反 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も契約の義務履行地・不法行為地を特別審判籍として認め、日本とほぼ同型。日本経由でドイツ法を継受した構造を共有する
韓国も義務履行地・不法行為地の特別裁判籍を備える。日本の民訴を母法とするため列挙の発想が近い
ドイツは義務履行地(§ 29)と不法行為地(§ 32)を besonderer Gerichtsstand として規定。日本5条の母法にあたる
米国は venue 制度で、被告所在地や事件の重要部分が生じた地を基準とする。大陸法の号別列挙とは構成が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ネット通販で買った家電が初期不良で、業者が代金を返さない。業者は東京、あなたは福岡。代金返還請求は財産権上の訴えで、返金債務は持参債務だから義務履行地はあなたの住所地。福岡地裁(または簡裁)で訴えられる。相手が遠方だからと泣き寝入りする前に、まずこの一手を確認する
- もし、自宅の隣で進む工事の振動で家にヒビが入ったら、どこで訴える? 不法行為に関する訴えは5条9号で「不法行為があった地」、つまり現場の裁判所が使える。被告の本社が県外でも、被害が起きたあなたの地元で戦える
- 賃貸トラブルで大家から建物明渡しを求められた。不動産に関する訴えは5条12号で不動産所在地の裁判所。物件のある町で審理されるので、現地調査も証人尋問もスムーズ。被告であるあなたにとっても遠征しなくて済む利点になる
- 相手の会社に売掛金を請求したいが、支払期日まであと数日で時効も近い。義務履行地(あなたの所在地)の裁判所なら、提訴と同時に支払督促や仮差押えの段取りも自分の生活圏で動かせる。遠隔地への移動で一日潰す余裕がないときこそ、5条1号が効く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 請求の性質を見極める。金銭の支払請求(貸金・売掛・返金・損害賠償)なら財産権上の訴えで、5条1号の義務履行地が使える可能性が高い2. その債務が持参債務か(民法484条、原則は債権者の現在の住所)を確認、該当すれば自分の住所地の裁判所を候補にする3. 不法行為なら9号の不法行為地、不動産がらみなら12号の不動産所在地も比較し、出廷の近さ・証拠の集めやすさで選ぶ4. 60万円以下の金銭請求なら地元簡裁の少額訴訟も検討。提訴前に専属管轄の有無と契約書の管轄合意(11条)を必ずチェックする
訴えられた側:1. 訴状が届いたら、まず訴えられた裁判所が本当に管轄を持つか確認。原告が主張する義務履行地や不法行為地が事実と合っているか精査する2. 管轄に疑義があれば、第一回口頭弁論期日で本案に答える前に管轄違いの抗弁を出す。これを過ぎると応訴管轄(12条)が成立して争えなくなる3. 管轄は適法でも遠隔地で著しく負担が重い場合、17条の移送(遅滞を避ける等のための移送)を申し立てる余地がある4. 専属管轄の事案なら、原告が誤った裁判所に出していないかも確認する
時効(請求できる期限):管轄の選択自体に時効はないが、訴え提起そのものには実体法上の消滅時効が働く(金銭債権は原則として権利行使できると知った時から5年、民法166条)。また被告として管轄を争うなら、第一回口頭弁論期日で本案について弁論する前に申し立てる必要がある(12条、応訴管轄)。最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:民訴5条の特別裁判籍は普通裁判籍(4条)と併存し、原告はいずれの裁判所にも提訴できる。義務履行地(1号)は実体法(民法484条)の弁済の場所に従い、金銭債権は持参債務として債権者の住所地となるのが原則と解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から条文を再編し、特別裁判籍を現行5条として号ごとに整理した。その後の電子記録債権や国際裁判管轄に関する改正の有無・内容は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧民事訴訟法から特別裁判籍に関する規定を再編し、義務履行地・不法行為地・不動産所在地などを現行5条として号ごとに整理した。
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