民事訴訟法 第7条(併合請求における管轄)
クイックジャンプ
一の訴えで数個の請求をする場合には、第四条から前条まで(第六条第三項を除く。)の規定により一の請求について管轄権を有する裁判所にその訴えを提起することができる。ただし、数人からの又は数人に対する訴えについては、第三十八条前段に定める場合に限る。
この条文の基本情報
併合請求における管轄とは何ですか?
定義併合請求における管轄とは、民事訴訟法第7条に定められた規定で、「一の訴えで数個の請求をする場合には、第四条から前条まで(第六条第三項を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第7条(併合請求における管轄)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第7条の条文原文は「一の訴えで数個の請求をする場合には、第四条から前条まで(第六条第三項を除く。」で始まります。
- 民事訴訟法第7条は第二節 管轄に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第7条の前の条は民事訴訟法第6条の2です。
- 民事訴訟法第7条の次の条は民事訴訟法第8条です。
- 民事訴訟法第7条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第7条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第7条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/7
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法7条は、一つの訴えで複数の請求をする場合、いずれか一つの請求に管轄権を持つ裁判所へ全請求をまとめて提起できると定める。数人が関わる訴えは第38条前段の関係が必要。
Q · 同じ相手に種類の違う請求が複数あるとき、別々の裁判所に分けて訴えるしかないの?
いいえ、民訴7条で一つの裁判所にまとめて訴えられます
民事訴訟法7条により、被告が同一人なら、種類の違う複数の請求でも、いずれか一つの請求に管轄が立つ裁判所へまとめて提起できます(客観的併合・関連裁判籍)。金銭債権は持参債務なら義務履行地である債権者の住所地に管轄が立つため(民訴5条1号)、これを軸に他の請求を合流させれば地元で戦えます。ただし被告が複数(数人)になると、第38条前段の関係(権利義務の共通・同一の原因)が必要で、無関係な請求は併合できません。
解説
取引先に売掛金200万円、別件で貸した50万円。請求の根拠は違うが、相手は同じ一社だ。普通に考えれば管轄が別々の裁判所に割れることもある。だが民訴7条を使えば、どちらか一方について管轄権を持つ裁判所に、両方まとめて訴えを起こせる。これが「関連裁判籍」だ。あなたにとって何が嬉しいか。金銭の義務履行地があなたの地元なら、もう一方の請求も一緒にその地元へ引っ張れる。遠方の相手を呼び出す側に回れる。ただし注意がいる。相手が複数(被告が数人)になると話は変わり、第38条前段の関係、つまり権利義務が共通するか同一の原因に基づく場合に限られる。無関係な第三者をついでに巻き込むことはできない。一の訴えに複数の請求をどう束ねるか、その設計が裁判の土俵を決める。
法的な位置づけ
民事訴訟法7条は併合請求の管轄(関連裁判籍)を定める規定であり、一つの訴えで複数の請求をする場合に、第4条から第6条まで(第6条第3項を除く)により一つの請求について管轄権を有する裁判所へ全請求を併合して提起できる旨を規定する。数人が関わる訴えでは第38条前段の関係を要件とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.抱えている請求を洗い出し各管轄を特定 同じ相手に対する複数の請求(売掛金・貸金・違約金など)をすべて書き出し、それぞれどの裁判所に管轄が立つかを確認する。請求原因が違っても相手が同一なら併合の余地がある
- 2.自分に有利な管轄が立つ請求を軸に選ぶ 金銭債権は持参債務なら義務履行地である債権者(自分)の住所地に特別裁判籍が立つ(民訴5条1号)。この地元管轄が立つ請求を一つ軸に据え、他の請求を7条で合流させる設計をする
- 3.被告が複数なら38条前段の関係を確認 数人を相手にまとめる主観的併合では、権利義務の共通または同一原因という第38条前段の関係があるか個別に検討する。関係のない請求を巻き込むと管轄違いで切り離される
- 4.一通の訴状に併合して提起 軸とした請求の管轄裁判所へ、全請求を一通の訴状にまとめて提起する。各請求の趣旨・原因と管轄原因を明示し、各請求の時効完成猶予も一括で図る
よくある質問 AI による整理
Q1併合請求の管轄とは何ですか?
一つの訴えで複数の請求をするとき、いずれか一つの請求に管轄権を持つ裁判所へ全請求をまとめて提起できる制度です。民訴7条が定め、関連裁判籍とも呼ばれます。
Q2併合請求で複数の時効をまとめて止められますか?
はい。一通の訴状に複数の請求を併合して提起すれば、各請求の消滅時効の完成猶予を同時に図れます。ただし時効は請求ごとに進行するため、対象を漏らさないことが重要です。
Q3関連裁判籍はどの条文に定められていますか?
民事訴訟法7条です。第4条から第6条まで(第6条第3項を除く)により一つの請求に管轄が立つ裁判所へ、他の請求も併せて提起できると規定します。
Q4複数の被告をまとめて一つの裁判所で訴えられますか?
可能ですが条件があります。数人に対する訴え(主観的併合)は、第38条前段の関係(権利義務が共通、または同一の事実上・法律上の原因)がある場合に限られます。
Q5併合した請求の管轄はいつまで争えますか?
第一回口頭弁論期日で本案について弁論する前までです。これを過ぎると応訴管轄(民訴12条)が成立し、管轄違いを主張できなくなります。
Q6第38条前段の関係とは何ですか?
共同訴訟の要件の一つで、訴訟の目的である権利義務が複数人に共通する場合、または同一の事実上・法律上の原因に基づく場合をいいます。主観的併合の管轄の前提です。
Q7提訴後に請求を追加して管轄を変えられますか?
併合管轄の設計は提訴前が肝心です。訴え提起後は管轄が固定されるのが原則で、後から有利な土俵へ動かすのは困難です。訴状を出す前に組み立てましょう。
Q8専属管轄の請求も7条で併合できますか?
専属管轄の定めがある請求は併合に制限があります。7条は第6条第3項を適用除外とするなど、専属管轄を優先する構造です。個別に管轄の有無を確認しましょう。
この条文についての質問 AI による整理
Q1同じ相手に二つの貸金があるんですが、別々に裁判するんですか?
いいえ、被告が同一人なら民訴7条で一つの裁判所にまとめて訴えられます(客観的併合)。どちらか一方の請求に管轄が立つ裁判所へ、両方を一緒に提起できる。実務のポイント:金銭債権は義務履行地(民法484条、持参債務なら原則として債権者の住所地)に特別裁判籍が立つ(民訴5条1号)。これを軸にすれば、複数債権をまとめて自分の地元へ持ち込める。弁護士は訴状を書く前にこの組み立てを設計するが、本人訴訟だとバラバラに出して何度も遠方へ出張してしまう
Q2相手が遠くにいると、こっちが出向いて裁判するしかないんですか?
必ずしもそうではありません。金銭の支払いを求める訴えは義務履行地でも提起でき(民訴5条1号)、持参債務ならあなたの住所地が義務履行地になります。別の請求があれば7条で合流させ、まとめて地元で戦えます。実務のポイント:契約書に管轄合意(民訴11条)があるとこの組み立ては封じられる。だから取引相手は契約段階で「自社所在地を専属管轄」と入れてくる。提訴を考えるなら、まず契約書の管轄条項を確認するのが順番だ
間違えやすい点 AI による整理
- 複数の請求はそれぞれの管轄裁判所に別々に出すしかないと思われているが、被告が同一人なら7条で一つの裁判所に束ねられる(客観的併合)。一方の請求に管轄が立てば、もう一方を引き連れて同じ法廷に持ち込める
- 「請求さえまとめれば誰でも一緒に訴えられる」と考えがちだが、その問いの立て方自体が落とし穴だ。被告が一人か複数かで条件が一段変わる。被告が複数になると第38条前段の関係が必要で、それがなければ束ねた請求は管轄違いで切り離される。まとめられる範囲を見誤ると、入口で足をすくわれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 管轄の根拠 | 民訴7条:一請求の管轄に他請求を合流(関連裁判籍) | 民訴4条:被告の住所地(普通裁判籍) 民訴5条:義務履行地・不法行為地等(特別裁判籍) |
| 適用場面 | 一の訴えで数個の請求をする場合 | 単一請求の原則的管轄 単一請求の事件性質に応じた管轄 |
| 被告が複数のときの制限 | 第38条前段の関係(権利義務の共通・同一原因)が必要 | 各被告の住所地ごとに管轄 各事件の発生地等ごとに管轄 |
| 原告の戦術価値 | 土俵を有利地へ集約できる(提訴前のみ) | 受動的に決まる 一定の選択余地あり |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も共同訴訟の管轄と訴の客観的併合を規律する。複数被告の管轄は牽連性で調整する点で日本と近い
韓国は関連裁判籍を明文で定め、一つの請求に管轄があれば関連請求も同一裁判所で審理できる点が日本7条に近い
ドイツは客観的併合につき、全請求について同一裁判所が管轄を持つことを要件とする構成で、日本の関連裁判籍とは技術が異なる
米国は補充的管轄により、本来管轄のない関連請求も同一訴訟で審理できる。共通の事実関係を要件とする点で機能が類似
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし同じ取引先に売掛金と貸金の二つの債権があったら、二つの裁判所に分けて訴えるしかないのか? 7条を使えば、一方に管轄が立つ裁判所へ両方まとめて提起できる。出廷も主張立証も一本化、回収にかかる手間とコストは半分以下になる
- あなたが被告側で、原告が本来こことは無関係な請求まで束ねて一つの裁判所へ引っ張ってきた。被告が複数なら第38条前段の関係(権利義務の共通・同一原因)が必要だ。その関係がない請求は、管轄違いを主張して切り離せる。動けるのは第一回口頭弁論前まで
- 貸金の時効が迫っている。別件の売買代金と一緒に、義務履行地である地元の裁判所へ一括提訴する。一通の訴状で二つの請求の時効完成を止められる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 抱えている複数の請求を洗い出し、それぞれの管轄裁判所を特定する2. 自分に有利な裁判所(地元など)に管轄が立つ請求を一つ見つけ、それを軸にする3. 被告が同一人なら客観的併合で7条が広く使える。被告が複数なら第38条前段の関係(権利義務の共通・同一原因)があるか確認4. 契約書に管轄合意(民訴11条)がないか先に確認、あればそちらが優先される5. 一通の訴状にまとめて提起し、各請求の時効完成猶予も一括で図る
訴えられた側:1. 訴状が届いたら、束ねられた各請求にその裁判所の管轄が本当に及ぶか個別に確認する2. 被告が複数なのに第38条前段の関係がない請求が混ざっていれば、管轄違いを主張して分離・移送を求める3. 主張は第一回口頭弁論期日で本案について弁論する前に出すこと、過ぎると応訴管轄(民訴12条)が成立して争えなくなる4. 管轄が適法でも著しく不便なら、第17条の移送申立てを検討する
時効(請求できる期限):管轄違いの抗弁は、第一回口頭弁論期日で本案について弁論する前に申し立てなければならない(民訴12条、応訴管轄)。これを過ぎると束ねられた請求の管轄を争えなくなる。請求併合そのものに固有の出訴期間はないが、各請求の実体的な消滅時効(民法166条、債権は権利行使可能を知った時から5年または権利行使可能時から10年)は個別に進行する
学説
通説:民訴7条は、被告が同一人の客観的併合では広く関連裁判籍を認める一方、数人が関わる主観的併合では第38条前段の関係を要求して被告の管轄利益を保護する、と解する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により旧法の規定を整理し、現行7条として併合請求の管轄(関連裁判籍)を明文化。ただし書で主観的併合を第38条前段の場合に限定した。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める