民事訴訟法 第8条(訴訟の目的の価額の算定)
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- 裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)の規定により管轄が訴訟の目的の価額により定まるときは、その価額は、訴えで主張する利益によって算定する。
- 2.前項の価額を算定することができないとき、又は極めて困難であるときは、その価額は百四十万円を超えるものとみなす。
この条文の基本情報
訴訟の目的の価額の算定とは何ですか?
定義訴訟の目的の価額の算定とは、民事訴訟法第8条に定められた規定で、「裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)の規定により管轄が訴訟の目的の価額により定まるときは、その価額は、訴えで主張する利益によって算定する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第8条(訴訟の目的の価額の算定)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第8条の条文原文は「裁判所法(昭和二十二年法律第五十九号)の規定により管轄が訴訟の目的の価額により定まるときは、その価額は、訴えで主張する利益によって算定する。」で始まります。
- 民事訴訟法第8条は第二節 管轄に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第8条の前の条は民事訴訟法第7条です。
- 民事訴訟法第8条の次の条は民事訴訟法第9条です。
- 民事訴訟法第8条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第8条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第8条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法8条は、訴額を訴えで主張する利益で算定すると定める。140万円以下なら簡易裁判所、超えれば地方裁判所が管轄し、算定困難な請求は140万円超とみなされる。
Q · 請求する金額によって、訴える裁判所が変わるって本当?
本当。140万円以下なら簡裁、超えれば地裁になる
民事訴訟法8条により、訴額(訴えで主張する利益)が裁判所を決めます。裁判所法33条で140万円以下なら簡易裁判所、超えれば地方裁判所です。金銭請求はその額、建物明渡しなどは固定資産税評価額で算定します。価額を算定できない、又は極めて困難なときは8条2項により140万円を超えるものとみなされ、地裁で審理されます。訴額は印紙代や少額訴訟が使えるかも左右します。
解説
未払いの報酬120万円を取り戻したい。隣家との土地の境界でもめている。ネットの誹謗中傷で慰謝料を請求したい。これらの訴えを起こすとき、最初に決まるのが「どの裁判所に行くか」だ。その分かれ道を握るのが訴額、つまり訴えで主張する利益の金額である。民事訴訟法8条は、裁判所法が定める「140万円」という線引きに従い、訴額をどう計算するかを定める。140万円以下なら簡易裁判所、超えれば地方裁判所。さらに2項が効いてくる。金銭で測れない請求(差止め、地位確認など)で価額の算定ができない、または極めて困難なときは、訴額は140万円を超えるものとみなされ、自動的に地裁送りになる。この一行の計算ルールが、あなたの裁判の入口、印紙代、使える手続まで、すべてを最初に確定させる。
法的な位置づけ
民事訴訟法8条は訴額の算定方法を定める規定であり、裁判所法により管轄が訴訟の目的の価額で定まる場合に、その価額を訴えで主張する利益によって算定する旨を規定する。価額を算定できない又は極めて困難なときは140万円を超えるものとみなされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.請求の種類に応じて訴額を算定 金銭請求はその請求額、建物明渡しや所有権確認は固定資産税評価額など、請求の種類ごとの算定ルールに従って訴額を確定する(8条1項)。価額を算定できない又は極めて困難なときは140万円超とみなす(8条2項)
- 2.140万円基準で裁判所を判定 確定した訴額が140万円以下なら簡易裁判所、超えれば地方裁判所に訴状を提出する。裁判所法33条が簡裁の事物管轄上限を140万円と定めている
- 3.印紙代と簡易手続の可否を確認 訴額が決まると申立手数料(印紙代)も決まる(民事訴訟費用等に関する法律)。裁判所の手数料早見表で確認し、60万円以下の金銭請求なら少額訴訟を使えるかを検討する
- 4.訴額の誤りには移送・管轄違いで対応 被告側は訴状の訴額算定が不当に低くないか検証し、本来140万円超なのに簡裁に係属する場合は管轄違いを主張して地裁への移送を求める。管轄の主張は第一回口頭弁論で本案弁論する前に行う(民訴12条・16条)
よくある質問 AI による整理
Q1訴額とは何ですか?
訴えで主張する利益の金額のことです。民事訴訟法8条が根拠で、これにより簡易裁判所か地方裁判所か、印紙代、使える手続が決まります。
Q2訴額はどうやって計算しますか?
金銭請求はその請求額そのもの、建物明渡しや所有権確認は固定資産税評価額など、請求の種類ごとに算定ルールが決まっており、自由には決められません。
Q3建物明渡しの訴額はどう決まりますか?
原則として対象建物の固定資産税評価額を基準に算定します。賃料額や占有期間ではなく、明渡しで回復する利益を客観的に評価します。
Q4金額が決まらない請求はどの裁判所ですか?
差止めや地位確認など価額を算定できない又は極めて困難な請求は、8条2項により140万円を超えるものとみなされ、地方裁判所で審理されます。
Q5少額訴訟はいくらまで使えますか?
60万円以下の金銭支払請求であれば、原則1回の期日で終わる少額訴訟を簡易裁判所で利用できます。訴額の設計が手続選択を左右します。
Q6訴額が変わると印紙代も変わりますか?
変わります。申立手数料(印紙代)は民事訴訟費用等に関する法律により訴額を基準に算定されるため、訴額が上がれば手数料も上がります。
Q7一部請求で訴額を下げられますか?
本来の債権の一部だけを切り出して請求すれば訴額を140万円以下に抑えられます。ただし残額を別途請求できるか争いになる点に注意が必要です。
Q8訴額の基準時はいつですか?
訴え提起の時を基準に算定します(民訴15条)。提起後に物価や評価額が変動しても、原則として提起時点の価額で管轄が固定されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1請求額をちょうど140万円にしたら、簡易裁判所と地方裁判所どっちですか?
簡易裁判所です。裁判所法33条は「140万円を超えない」請求を簡裁の管轄とするので、140万円ちょうどは簡裁、140万1円から地裁になります。実務のポイント:簡裁は手続が簡易で早く、訴額60万円以下なら1回の期日で終わる少額訴訟も使えます。あえて請求額を抑えて簡裁を選ぶ実務家もいる
Q2慰謝料を少なめに請求すれば、簡裁で安く早く済むって本当ですか?
本当です。訴額が下がれば印紙代(民事訴訟費用等に関する法律3条)も安くなり、140万円以下なら簡裁、60万円以下なら少額訴訟も選べます。ただし一部請求は残りを別途請求できるか争いになる点に注意。実務のポイント:弁護士は『回収可能性』と『手続コスト』を天秤にかけ、満額請求より一部請求で早期決着を狙うことがある。全額勝っても取れなければ意味がないからだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「訴える金額は自分の言い値で決められる」と思いがちだが、訴額は「訴えで主張する利益」を客観的に算定する(8条1項)。建物明渡しなら固定資産税評価額、境界争いなら土地の価額など計算方法は決まっており、自由に盛ったり削ったりはできない。あなたが立てた「いくらにしようか」という問いそのものが、半分ずれている
- 140万円の線引きを単なる事務的な区分と軽く見る人が多いが、これは裁判所だけでなく、印紙代、上訴ルート、使える簡易手続のすべてを左右する。簡裁判決の控訴先は地裁、地裁判決の控訴先は高裁と、敗けた後の戦い方の地図まで変わる。区分の重さを知らないまま訴額を決めると、後で逃げ場が狭まる
- 「金額が決まらない請求は裁判にできない」と思われがちだが、逆だ。算定不能・極めて困難なときは140万円を超えるものとみなされ(8条2項)、地裁で堂々と審理される。差止請求や地位確認など、お金で測れない訴えこそ地裁の土俵になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 8条:単一請求の訴額の算定(主張利益で算定/算定困難は140万円超みなし) | 9条:一つの訴えで複数請求する場合の訴額の合算 裁判所法33条:簡裁の事物管轄(140万円)を定める基準 |
| 算定の起点 | 訴えで主張する利益(金銭額・評価額) | 各請求の価額を合算(附帯請求は不算入) 8条で算定された訴額を当てはめる対象 |
| 基準時 | 訴え提起の時(民訴15条による) | 訴え提起の時(同上) — |
| 誤算定時の手段 | 管轄違いの主張・移送申立て(民訴16条) | 合算誤りも移送で是正 上限超過なら地裁へ移送 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も訴訟標的の価額を核定して手続を区分し、50万元以下は簡易訴訟手続を用いる。価額を裁判所が核定する点で日本の客観的算定と類似する
韓国も訴価(소가)を算定して管轄を定め、3,000万ウォン以下は少額事件審判法による迅速手続を利用できる。日本の少額訴訟に対応する
ドイツは Streitwert(訴額)が5,000ユーロ以下なら Amtsgericht、超えれば Landgericht の管轄。価額を基準に第一審裁判所を振り分ける構造は日本とほぼ同型である
米国連邦の多様性管轄では amount in controversy が75,000ドル超であることが要件。金額基準で管轄を画する発想は共通するが、州・連邦の二重構造に組み込まれている点が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし請求したい金額が、ちょうど140万円を1円だけ超えたら? その瞬間、簡裁ではなく地裁が舞台になり、印紙代も上がり、手続も本格化する。1円の差が裁判所そのものを変える
- あなたが訴えられた側。原告が訴状で訴額を低く見せて簡裁に持ち込んできたが、実際の争いは140万円を超える価値がある。訴額の算定が誤っていれば、管轄違いを指摘して地裁への移送を求められる
- 未払い報酬130万円。あと数日で消滅時効が完成する。140万円以下だから簡裁、訴額を計算して訴状を今夜書き上げる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず請求の訴額を算定:金銭請求はその金額、明渡しや所有権確認は固定資産税評価額などのルールに従う(8条1項) 2. 140万円以下なら簡易裁判所、超えれば地方裁判所に訴状を提出3. 訴額が決まれば印紙代も決まる(民事訴訟費用等に関する法律)、裁判所の手数料早見表で確認4. 60万円以下の金銭請求なら一期日で終わる少額訴訟、140万円以下なら簡裁通常訴訟と、回収可能性と手続コストを天秤にかけて土俵を選ぶ
訴えられた側:1. 訴状の訴額の記載を確認、原告が簡裁に持ち込むため不当に低く算定していないか検証2. 実際の争いの価値が140万円を超えるのに簡裁に係属している場合、管轄違いを主張し地裁への移送を求める3. 算定方法(評価額の取り方)に争いがあれば、根拠資料を示して反論4. 管轄に関する主張は早い段階で出す、第一回口頭弁論で本案について弁論すると応訴管轄が成立しうる(民訴法12条)
時効(請求できる期限):訴額の算定は訴え提起の時を基準とする(民訴法15条)。本条自体に時効はないが、訴える前提となる請求権そのものに消滅時効(債権は権利を行使できると知った時から5年、民法166条)が走るため、算定して訴える前に元の請求権の時効を必ず確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:8条1項の「訴えで主張する利益」は原告の主観的評価ではなく客観的に算定すべきものとされ、請求の種類ごとに固定資産税評価額等の算定基準が定着している。2項の算定困難な場合のみなし規定は、金額で測れない請求にも本格的審理を確保する趣旨と解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から条文番号・体系が再編され、現行8条として訴額算定の基本ルール(主張利益による算定、算定困難な場合のみなし規定)が整理された
- 平成16年(2004年) 簡易裁判所の事物管轄上限が90万円から140万円へ引き上げられたのに連動し、2項のみなし基準額も「九十万円」から「百四十万円」へ改められた
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により旧法から条文体系が再編され、現行8条として訴額算定の基本ルール(主張利益による算定、算定困難時のみなし規定)が整理された
- 2.平成16年(2004年) 改正:簡易裁判所の事物管轄上限が90万円から140万円へ引き上げられたのに連動し、2項のみなし基準額も『九十万円』から『百四十万円』へ改められた
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