民事訴訟法 第4条(普通裁判籍による管轄)
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- 訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。
- 2.人の普通裁判籍は、住所により、日本国内に住所がないとき又は住所が知れないときは居所により、日本国内に居所がないとき又は居所が知れないときは最後の住所により定まる。
- 3.大使、公使その他外国に在ってその国の裁判権からの免除を享有する日本人が前項の規定により普通裁判籍を有しないときは、その者の普通裁判籍は、最高裁判所規則で定める地にあるものとする。
- 4.法人その他の社団又は財団の普通裁判籍は、その主たる事務所又は営業所により、事務所又は営業所がないときは代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。
- 5.外国の社団又は財団の普通裁判籍は、前項の規定にかかわらず、日本における主たる事務所又は営業所により、日本国内に事務所又は営業所がないときは日本における代表者その他の主たる業務担当者の住所により定まる。
- 6.国の普通裁判籍は、訴訟について国を代表する官庁の所在地により定まる。
この条文の基本情報
普通裁判籍による管轄とは何ですか?
定義普通裁判籍による管轄とは、民事訴訟法第4条に定められた規定で、「訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第4条(普通裁判籍による管轄)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第4条の条文原文は「訴えは、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。」で始まります。
- 民事訴訟法第4条は第二節 管轄に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第4条の前の条は民事訴訟法第3条の12です。
- 民事訴訟法第4条の次の条は民事訴訟法第5条です。
- 民事訴訟法第4条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第4条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第4条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法4条は、訴えを原則として被告の住所地を管轄する裁判所に提起すべきと定める。法人は主たる事務所、外国法人は日本の事務所が基準となる。
Q · 人を訴えるとき、どこの裁判所に行けばいいの?自分の地元でいい?
原則は被告の住所地の裁判所。5条で自宅近くにできる場合も
民事訴訟法4条により、訴えは原則として被告の普通裁判籍の所在地、つまり相手の住所地を管轄する裁判所に提起します。法人なら主たる事務所、外国法人なら日本の事務所が基準です。ただしこれはあくまで「原則」で、5条の特別裁判籍(金銭請求の義務履行地・不法行為地など)を使えば、原告の自宅近くの裁判所で訴えられる場面が多くあります。訴状の管轄原因欄に何条を書くかで、戦う場所が変わります。
解説
貸した30万円が返ってこない、ネットで買った商品が偽物だった、相手を訴えたい。そう思ったとき、多くの人は「自分の住んでいる町の裁判所に行けばいい」と考える。そこが最初のつまずきだ。民事訴訟法4条は、訴えは原則として被告の住所地を管轄する裁判所に起こせと定める。つまり、訴える側のあなたではなく、訴えられる相手の本拠地が舞台になる。東京のあなたが、相手の住む鹿児島まで出向く構図だ。この「原告は被告の法廷地に従う」原則が、訴訟を起こすコストとハードルを静かに決めている。相手が法人なら主たる事務所、外国法人なら日本の事務所が基準になる。だが本当に重要なのは、これがあくまで「原則」にすぎず、5条の特別裁判籍という抜け道がいくつも用意されている点だ。その抜け道を知っているかどうかで、あなたが戦う場所が自宅の隣町になるか、新幹線で4時間先になるかが変わる。
法的な位置づけ
民事訴訟法4条は普通裁判籍を定める規定であり、訴えは原則として被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所に属するとする。人の普通裁判籍は住所、居所、最後の住所の順で決まり、法人その他の社団・財団は主たる事務所又は営業所、外国の社団・財団は日本における主たる事務所又は営業所により定まる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.請求の中身を仕分ける 訴えたい内容が金銭請求か、不法行為に基づく損害賠償か、不動産に関する請求かを最初に分類する。請求の性質によって4条の原則を回避できる特別裁判籍が変わる
- 2.自宅近くの管轄を取れないか5条を当たる 金銭請求なら義務履行地(民訴5条1号、民法484条で原則あなたの住所)、不法行為なら加害行為地・結果発生地(5条9号)を確認し、4条の被告住所地より先に自宅近くの裁判所を取れないか検討する
- 3.被告の住所・本拠地を特定する 被告が個人なら住所(不明なら居所・最後の住所)、法人なら登記簿で主たる事務所、外国法人なら日本の営業所を確認する。住民票・登記事項証明書で裏付けを取る
- 4.訴状の管轄原因欄に根拠条文を明記 訴状に4条(被告住所地)か5条(特別裁判籍)かを明示する。書類一枚の選び方が、その後の出廷負担を毎回左右する。60万円以下の金銭請求なら少額訴訟(1期日完結)も選択肢
よくある質問 AI による整理
Q1普通裁判籍とは何ですか?
被告に対する訴えを原則として起こせる場所のことです。人は住所地、法人は主たる事務所の所在地が基準となり、民事訴訟法4条が定めています。
Q2民事訴訟法4条はどこで訴えるか定めた条文ですか?
はい。訴えは原則として被告の普通裁判籍(住所地)を管轄する裁判所に属すると定め、誰を相手にどこで裁判するかの出発点になる規定です。
Q3被告の住所が分からないときはどこで訴えますか?
4条2項により、住所が知れないときは居所、居所もなければ最後の住所で普通裁判籍が決まります。相手が行方不明でも訴える場所は確保されます。
Q4会社を訴えるときはどこの裁判所ですか?
4条4項により、法人の普通裁判籍は主たる事務所又は営業所の所在地です。事務所がなければ代表者の住所が基準になります。
Q5外国の会社を日本で訴えられますか?
4条5項により、外国の社団・財団は日本における主たる事務所又は営業所が普通裁判籍になります。日本に営業所があれば日本で訴える足がかりが残ります。
Q6普通裁判籍と特別裁判籍の違いは何ですか?
普通裁判籍(4条)は被告の住所地という原則的な管轄、特別裁判籍(5条)は義務履行地や不法行為地など事件ごとに付加される管轄です。原告は両者を選べます。
Q7国を相手に訴えるときはどこの裁判所ですか?
4条6項により、国の普通裁判籍は訴訟について国を代表する官庁の所在地で定まります。多くは法務大臣の所在地である東京が基準になります。
Q8原告である自分の地元では訴えられないのですか?
普通裁判籍だけなら被告の住所地が原則ですが、金銭請求は5条1号の義務履行地(民法484条で原則あなたの住所)を使えば自宅近くで訴えられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1相手が遠くに住んでいると、必ずその住所地まで行かないとダメなんですか?
金銭の請求なら、行かずに済むことが多い。4条は被告住所地が原則ですが、5条1号は義務履行地での提訴を認めており、金銭債務は民法484条で持参債務、つまり債権者であるあなたの住所が履行地になります。結果として自宅近くで訴えられます。実務のポイント:実務では金銭請求のほぼすべてが、この義務履行地ルートで原告の地元に持ち込まれている。4条の原則だけ読んで遠方まで出向こうとするのは、抜け道を知らない人の動きです
Q2裁判所に毎回出向くのが無理なんですが、どうにかなりませんか?
近年の民事訴訟の IT 化で、ウェブ会議による期日参加やオンラインでの書面提出が広がっています。遠方の裁判所が管轄でも、出張せずに対応できる余地が出てきました。実務のポイント:それでも管轄が著しく不便なら、17条の移送申立で自分に近い裁判所へ移してもらう手がある。さらに少額訴訟や支払督促(簡易裁判所の手続)なら出廷負担そのものが軽い。「遠いから諦める」前に、手続の種類を変える発想を持つこと(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「自分の地元の裁判所で訴えられる」と思い込みがちだが、原則はむしろ逆で、被告の住所地が基準になる(4条1項)。原告のほうが相手の土俵に上がりに行く、これが大原則だ
- 「被告の住所地が原則」までは知っていても、その例外がどれだけ広いかを知らない人が多い。金銭請求の義務履行地(5条1号)、不法行為地、不動産所在地。特別裁判籍を重ねれば、実際には原告に有利な場所を選べる場面のほうが多い。原則を知って安心するのは早い
- 「相手が引っ越したり行方不明になったら訴えられない」と諦める人がいるが、問いの立て方が違う。4条2項は住所、居所、最後の住所と段階的に裁判籍を確保する仕組みになっている。相手が消えても、訴える場所がなくなるわけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 管轄の基準 | 4条:被告の普通裁判籍(住所地・主たる事務所) | 5条:特別裁判籍(義務履行地・不法行為地等) 11条:管轄の合意(当事者が契約で指定) |
| 誰に有利か | 被告(受け身の側を本拠地で防御させる) | 原告(自宅近くを選べる場面が多い) 事前合意した側(契約交渉力の強い側) |
| 適用前提 | 原則として常に妥当(出発点) | 金銭・不法行為・不動産等の事件類型に該当 書面又は電磁的記録による事前合意 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も被告住所地を普通審判籍の原則とし、法人は主たる事務所基準とする点で日本と同構造。日本旧民訴を経由した継受の名残が強い
韓国も被告の住所地を普通裁判籍の原則とする。植民地期に日本民訴を継受し、戦後に独自再編した経緯があり、条文構造は日本に近い
ドイツは allgemeiner Gerichtsstand として被告住所地を原則とする。日本の4条はこの ZPO 規定を源流とし、actor sequitur forum rei の原則を共有する
米国は管轄を personal jurisdiction(対人管轄)と venue(裁判地)に分けて規律。被告の住所地を venue の一基準とするが、minimum contacts 法理など独自の枠組みを採る
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 知人に貸した50万円が返ってこない。借用書はある。だが相手は北海道に引っ越してしまった。あなたが東京で訴えても、4条の原則だけなら相手の住所地である札幌地裁の管轄になる。出廷のたびに飛行機代と宿泊費がかさみ、請求額より旅費が高くつく事態すら起こりうる
- あなたが遠方の取引先から、ある日突然訴えられた。訴状を開くと、相手の地元の裁判所が指定されている。だが4条の原則では被告であるあなたの住所地が基準のはず。相手が特別裁判籍や合意管轄を持ち出していないか、訴状の「管轄原因」の記載をまず疑う
- もし相手が住所不定で逃げ回っていたら、どこで訴えればいい? 4条2項は、住所がなければ居所、居所もなければ最後の住所で裁判籍が決まると定める。相手が姿をくらましても、訴える場所そのものは消えない
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず請求の中身を仕分ける:金銭請求なら義務履行地(民訴5条1号、民法484条で原則あなたの住所)、不法行為なら加害行為地・結果発生地(5条9号)が使える2. 自宅近くの裁判所を管轄に取れないか、4条の原則より先に5条の特別裁判籍を当たる3. 訴状の「管轄原因」欄に根拠条文を明記する4. 60万円以下の金銭請求なら少額訴訟(1期日完結)も選択肢。請求額・相手の所在・回収見込みを最初に試算する
訴えられた側:1. 訴状を受け取ったら、相手が主張する管轄原因をまず確認する。あなたの住所地でないなら、特別裁判籍や合意管轄が本当に成立しているか精査する2. 管轄に疑義があれば、第一回口頭弁論期日で本案について弁論する前に「管轄違いの抗弁」を出す3. 管轄はあっても遠方で著しく不便なら、17条の移送(遅滞を避ける等のための移送)を申し立てる余地がある4. 抗弁の時機を逃すと応訴管轄(12条)が成立し、その裁判所での審理を受け入れたことになる
時効(請求できる期限):管轄そのものに時効はない。ただし管轄違いの抗弁は、第一回口頭弁論期日において本案について弁論をする前に申し立てなければならない(民訴12条、応訴管轄)。この一回を逃すと、管轄に問題があっても争えなくなる
学説
通説:4条の被告住所地主義は actor sequitur forum rei の原則に基づき、応訴を強いられる被告の防御利益を保護する趣旨と解される。5条以下の特別裁判籍はこの原則を維持しつつ原告の権利実現の便宜を回復する例外群として整合的に理解される
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法の普通裁判籍規定(旧1条・2条)を現行4条に再編。人の住所基準、法人の主たる事務所基準、外国社団・財団および国の裁判籍を一条に整理した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧民事訴訟法の普通裁判籍規定(旧1条・2条)を現行4条に再編し、人の住所基準、法人の主たる事務所基準、外国の社団・財団および国の裁判籍を一条に整理した
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化を柱とする改正。4条自体の管轄基準は維持されたが、ウェブ会議による期日参加・オンライン申立て等が整備され、遠方管轄の現実的負担が一部緩和された
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