民事訴訟法 第6条の2(意匠権等に関する訴えの管轄)
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- 意匠権、商標権、著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。)、出版権、著作隣接権若しくは育成者権に関する訴え又は不正競争(不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第一項に規定する不正競争又は家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律(令和二年法律第二十二号)第二条第三項に規定する不正競争をいう。)による営業上の利益の侵害に係る訴えについて、第四条又は第五条の規定により次の各号に掲げる裁判所が管轄権を有する場合には、それぞれ当該各号に定める裁判所にも、その訴えを提起することができる。
- 一前条第一項第一号に掲げる裁判所(東京地方裁判所を除く。)東京地方裁判所
- 二前条第一項第二号に掲げる裁判所(大阪地方裁判所を除く。)大阪地方裁判所
この条文の基本情報
意匠権等に関する訴えの管轄とは何ですか?
定義意匠権等に関する訴えの管轄とは、民事訴訟法第6条の2に定められた規定で、「意匠権、商標権、著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第6条の2(意匠権等に関する訴えの管轄)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第6条の2の条文原文は「意匠権、商標権、著作者の権利(プログラムの著作物についての著作者の権利を除く。」で始まります。
- 民事訴訟法第6条の2は第二節 管轄に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第6条の2の前の条は民事訴訟法第6条です。
- 民事訴訟法第6条の2の次の条は民事訴訟法第7条です。
- 民事訴訟法第6条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第6条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第6条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/6_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法6条の2は、意匠・商標・著作権・不正競争などの知財訴訟について、通常の管轄に加えて東京地裁または大阪地裁にも提訴できる競合管轄を定める。特許の専属管轄とは異なり原告が選べる。
Q · 商標やデザインのパクリを訴えるとき、必ず東京地裁に行かないといけないの?
いいえ。地元でも東京/大阪の知財専門部でも選べます
民事訴訟法6条の2により、意匠・商標・著作権(プログラム以外)・不正競争などの知財訴訟は、第4条・第5条の通常の管轄裁判所に加え、東日本なら東京地方裁判所、西日本なら大阪地方裁判所『にも』提訴できます。これは特許権等の専属管轄(6条)と違い、原告が選べる競合管轄です。地元で戦うか、知財を連日扱う専門部のある東京/大阪で戦うかを選択でき、最初の裁判所選びが審理スピードと和解の相場観を大きく左右します。
解説
商標やロゴのパクリ、自社デザインの模倣、イラストや動画の無断使用。これらで誰かを訴えるとき、あなたには普通の人が知らない選択肢がある。本来なら相手の住所地や不法行為地の裁判所(4条・5条)で戦うところ、事件が東日本なら東京地裁、西日本なら大阪地裁『にも』訴えを起こせる。ここが肝心な分岐点だ。特許やプログラム著作権(6条)はこの二つの裁判所に行く『しかない』専属管轄だが、意匠・商標・著作権(プログラム以外)・不正競争は東京/大阪に行くこと『も』できる競合管轄。つまり地元で戦うか、知財を毎日扱う専門部のある東京/大阪で戦うか、原告であるあなたが選べる。専門部の裁判官は争点整理の速さも和解の相場観も一般部とまるで違う。勝てるかどうかは、最初にどの裁判所を選ぶかで半分決まる。
法的な位置づけ
民事訴訟法6条の2は、知的財産関係訴訟の競合管轄を定める規定であり、意匠権・商標権・著作権(プログラムを除く)・出版権・著作隣接権・育成者権に関する訴え、および不正競争による営業上の利益侵害の訴えについて、第4条・第5条の管轄に加えて東京地方裁判所または大阪地方裁判所にも提訴できる旨を規定する。特許権等の専属管轄(6条)に対する、原告選択型の上乗せ管轄として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.侵害された権利が6条の2の対象か特定する 意匠権・商標権・著作権(プログラム以外)・出版権・著作隣接権・育成者権・不正競争(不競法2条1項等)のいずれかを確認する。プログラム著作権・特許・実用新案は対象外(6条の専属管轄)なので、まずこの線引きを押さえる
- 2.東日本か西日本かを判定する 相手の所在地・不法行為地が民訴4条・5条でどの裁判所になるかを確認し、前条1項1号の区域(東日本)なら東京地裁、2号の区域(西日本)なら大阪地裁を競合管轄の選択肢に加える
- 3.地元か知財専門部かを比較衡量する 費用・距離(出廷の交通費・宿泊費)と、専門性(争点整理の速さ・和解の相場観・技術理解度)を天秤にかける。差止めを急ぐ局面では専門部のスピードの価値が最大化する
- 4.証拠を固めてから提訴する 侵害品・登録証・売上資料など証拠を確定させてから訴えを起こす。知財専門部は争点整理が速く、準備不足のまま専門部に入ると一気に不利になる
よくある質問 AI による整理
Q1知財訴訟はどこの裁判所に起こせますか?
意匠・商標・著作権(プログラム以外)・不正競争なら、通常の管轄(民訴4条・5条)に加え、東日本は東京地裁、西日本は大阪地裁にも提訴できます(6条の2)。
Q2競合管轄と専属管轄の違いは何ですか?
競合管轄は通常の裁判所にプラスして選べる管轄、専属管轄はそこ『でしか』訴えられない管轄です。6条の2は競合、特許等の6条は専属です。
Q3東京地裁と大阪地裁、どちらに起こすか決まっていますか?
前条1項1号の区域(東日本)なら東京地裁、2号の区域(西日本)なら大阪地裁です。原則として相手の所在地・不法行為地で東西が決まります。
Q4知財専門部とは何ですか?
東京地裁・大阪地裁に置かれた知的財産を専門的に審理する部です。連日知財を扱うため、技術的争点の理解・審理スピード・和解の相場観が一般部と大きく異なります。
Q5プログラムの著作権はこの条文で訴えられますか?
いいえ。プログラムの著作物に関する著作者の権利は6条の専属管轄で、東京地裁または大阪地裁『でしか』訴えられません。6条の2の競合管轄からは除外されています。
Q6被告は管轄を地元に移してもらえますか?
6条の2は競合管轄なので原則争えませんが、審理に著しい支障や負担過大がある場合、民訴17条の裁量移送を申し立てて地元等への移送を求める余地があります。
Q7不正競争はどの法律の不正競争を指しますか?
不正競争防止法2条1項の不正競争と、家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律2条3項の不正競争です。形態模倣・営業誹謗などが該当します。
Q8中小企業や個人でも知財専門部で戦えますか?
戦えます。会社規模や知財部の有無は関係なく、要件に該当すれば原告として東京/大阪の専門部を選択できます。費用・距離と専門性を天秤にかけて判断します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは地方の会社なのに、なんで東京地裁で訴えられるんですか?
あなたの会社の所在地が東日本(前条1項1号の管轄区域)なら、原告は4条・5条の通常の裁判所に加えて、6条の2で東京地裁も選べるからです。これは原告に与えられた選択肢で、被告のあなたは原則これに従うことになります。実務のポイント:東京地裁・大阪地裁には知財専門部があり、原告側が専門性を狙って意図的にこちらを選ぶことが多い。応訴する側も、知財専門部の運用に慣れた代理人でないと争点整理のスピードについていけず、実質的に不利になる
Q2特許とデザインで、訴える裁判所のルールが違うって本当ですか?
本当です。特許権・実用新案権・回路配置利用権・プログラム著作権は6条で東京地裁か大阪地裁の専属管轄、つまりそこ『でしか』訴えられません。一方、意匠・商標・著作権(プログラム以外)・不正競争は6条の2で東京/大阪に『も』訴えられる競合管轄で、地元でも戦えます。実務のポイント:この『専属か競合か』の線引きを知らずに、デザインや商標の事件をわざわざ遠い東京まで持っていって余計なコストを払う当事者がいる。逆に専門性が欲しいなら、あえて競合管轄を使って東京/大阪を選ぶ。違いを知る代理人とそうでない代理人で初動が分かれる
間違えやすい点 AI による整理
- 「知財の侵害は東京地裁に行かなきゃいけない」と思って相談に来る人が多いが、問いそのものがずれている。専属管轄で『行くしかない』のは特許・実用新案・回路配置・プログラム著作権(6条)だけ。意匠・商標・著作権・不正競争は東京/大阪に『も』訴えられる競合管轄で、行かなきゃいけないのではなく、選べる
- 東京地裁と大阪地裁に知財専門部があることは知っていても、その専門性の差の深刻さを知らない人は多い。一般部の裁判官が年に数件しか知財を扱わないのに対し、専門部は連日知財を審理している。技術的争点の理解度、和解の相場観、審理スピードがまるで違い、どちらを選ぶかが勝敗に直結する
- 「競合管轄だから、相手も好きな裁判所に応訴できる」と思いがちだが、戦場を決めるのは先に訴えを起こす原告だ。被告は原則それに従うしかない。先に動いた側が土俵を選ぶ、これが競合管轄の隠れた力学である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 管轄の性質 | 6条の2:競合管轄(東京/大阪に『も』提訴可、原告が選べる) | 6条:専属管轄(東京/大阪『でしか』提訴できない) 4条:普通裁判籍(被告住所地) |
| 対象となる権利 | 意匠・商標・著作権(プログラム以外)・出版権・著作隣接権・育成者権・不正競争 | 特許・実用新案・回路配置利用権・プログラム著作権 あらゆる訴え(被告の住所が基準) |
| 原告の選択余地 | 地元(4条・5条)か東京/大阪の専門部かを選べる | 選択不可、東京/大阪に強制 被告住所地に限定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2008年に智慧財產法院(現・智慧財產及商業法院)を設置し、知財民事・刑事・行政事件を一元的に集中させた。日本の専門部集中より一歩進んだ専門裁判所方式
韓国は2016年改正で特許権等の知財訴訟の第一審を高等法院所在地の地方法院に集中させ、控訴審を特허법원に一元化した。日本の東京/大阪集中と類似の集中方式
ドイツは州法(Landesrecht)による Konzentration で知財事件を特定の地方裁判所に集中させる。特許は連邦特許裁判所、無効と侵害を分離する二元主義が特徴
米国は特許・著作権事件を連邦裁判所の専属管轄とし、特許の控訴は CAFC(連邦巡回控訴裁判所)に一元化。商標は連邦・州が競合
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社の新商品パッケージが、大手メーカーから「うちの登録意匠に似ている」と東京地裁に訴えられた。会社は地方にあるのに、なぜ東京なのか。それは6条の2で、原告が東京地裁を選べるからだ。応訴のたびに東京へ通う交通費・宿泊費・出廷の負担を、最初から織り込んでおかないと足元をすくわれる
- もし、競合他社があなたの登録商標をそっくり真似たロゴで全国展開を始めたら? 差止めを急ぎたいあなたは、地元の地裁と東京の知財専門部、どちらに仮処分を申し立てるべきか。知財の仮処分を日常的に扱う専門部は判断が速い。一日の遅れが市場シェアを削っていく
- 個人クリエイターのあなたが、イラストを無断で商用利用された。地元の地裁でも、東京/大阪の専門部でも訴えられる。費用と専門性を天秤にかけるのは、あなた自身だ
- あなたが副業で育てている小さなブランドが、他社の形態模倣や営業誹謗(不正競争防止法2条の不正競争)に遭った。これに該当すれば6条の2の管轄拡大が使える。地元に知財専門部がなくても、東京/大阪に蓄積された判例運用に乗って戦える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 侵害された権利が意匠・商標・著作権(プログラム以外)・出版権・著作隣接権・育成者権・不正競争のどれかを特定。これらなら6条の2が使える2. 相手の所在地・不法行為地が4条/5条でどの裁判所になるか確認し、東日本なら東京地裁、西日本なら大阪地裁を選択肢に加える3. 専門性とアクセス(費用・距離)を天秤にかけ、急ぎの差止めなら専門部を優先4. 証拠(侵害品・登録証・売上資料)を固めてから提訴。専門部は争点整理が速く、準備不足だと一気に不利になる
訴えられた側:1. 訴状が届いたら管轄の根拠を確認。6条の2による東京/大阪の選択は競合管轄なので原則争えない2. ただし審理に著しい支障や当事者の負担が過大なら、17条の移送申立てで地元等への移送を求める余地がある3. 第一回口頭弁論期日前に管轄・移送の主張を整理する。本案について弁論を始めると不利4. 知財専門部が相手なら、こちらも知財に強い代理人を立てないと争点整理の土俵に乗れない
時効(請求できる期限):管轄自体に時効はない。ただし移送を求めるなら早期(本案の弁論前)に申し立てるのが実務上有利。なお根拠となる侵害・不正競争による損害賠償請求権自体には消滅時効があり、損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:6条の2は知財事件を東京/大阪の専門部に集中させ判断の質と統一性を高める要請と、当事者の裁判所アクセス保障の要請を調和させた競合管轄である。専属とした6条との役割分担により、技術専門性の高い類型は強制集中、それ以外は原告選択型とした
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)新設 知的財産関係訴訟の専門的処理を強化する改正(平成15年法律第108号)で新設。意匠・商標・著作権(プログラム以外)・不正競争等の訴えについて、東京地裁(東日本)・大阪地裁(西日本)の競合管轄を創設し、専属管轄の6条と役割を分けた
- 令和2年(2020年) 家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律(令和2年法律第22号)の制定に伴い、同法2条3項の不正競争を本条の対象に加える改正がなされた
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:知的財産関係訴訟の専門的処理を強化する改正(平成15年法律第108号)で新設。意匠・商標・著作権(プログラム以外)・不正競争等について東京地裁・大阪地裁の競合管轄を創設し、専属管轄の6条と役割を分けた
- 2.令和2年(2020年) 改正:家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律(令和2年法律第22号)の制定に伴い、同法2条3項の不正競争を本条の対象に加えた
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