民事訴訟法 第136条(請求の併合)
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数個の請求は、同種の訴訟手続による場合に限り、一の訴えですることができる。
この条文の基本情報
請求の併合とは何ですか?
定義請求の併合とは、民事訴訟法第136条に定められた規定で、「数個の請求は、同種の訴訟手続による場合に限り、一の訴えですることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第136条(請求の併合)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第136条の条文原文は「数個の請求は、同種の訴訟手続による場合に限り、一の訴えですることができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第136条は第一章 訴えに置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第136条の前の条は民事訴訟法第135条です。
- 民事訴訟法第136条の次の条は民事訴訟法第137条です。
- 民事訴訟法第136条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第136条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第136条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/136
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法136条は、数個の請求を同種の訴訟手続による場合に限り一つの訴えで提起できると定める。手続の種類が異なる請求は併合できない。
Q · 取引先への代金請求と損害賠償、別々に訴えないとダメ?
同じ通常訴訟どうしなら一通の訴状にまとめられます
民事訴訟法136条により、数個の請求は「同種の訴訟手続による場合に限り」一つの訴えで提起できます。代金請求も損害賠償も貸与品の返還も、どれも通常の民事訴訟で処理できるなら、一通の訴状に束ねられます。印紙代は単純合算ではなく原則として最も高い請求額を基準に算定され(民訴9条)、別々に訴えるより安く済むことが多いです。ただし手続の種類が違う請求(人事訴訟・行政訴訟・手形訴訟)が混じると併合できません。
解説
取引先に対して、未払いの代金、納品不良による損害賠償、貸していた備品の返還、この三つを別々に訴えると、訴状を三通書き、印紙代を三回払い、期日も三回バラバラに入る。民事訴訟法136条は、これを一つの訴えに束ねてよいと定める。条件はただ一つ、「同種の訴訟手続による場合に限り」。どれも通常の民事訴訟で処理できる請求なら、何個でも一通の訴状に詰め込める。逆に言えば、性質の違う手続(家事審判、行政訴訟、手形訴訟)が混じると束ねられない。あなたが知っておくべきは、束ね方に三つの型があること。全部まとめて判断を求める単純併合、A か B どちらかでよいとする選択的併合、A が認められなければ B を判断してほしいと条件をつける予備的併合。どの型を選ぶかで、印紙代も、一部敗訴したときの控訴の組み立ても変わる。訴状の冒頭で請求をどう並べるかは、書式ではなく戦略そのものだ。
法的な位置づけ
民事訴訟法136条は請求の併合(訴えの客観的併合)を定める規定であり、原告が同一の被告に対する数個の請求を、同種の訴訟手続による場合に限り、一つの訴えで提起できる旨を規定する。手続の種類が異なる請求の混入を禁じ、単純併合・選択的併合・予備的併合の三類型を許容する基礎となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相手への請求を全部書き出す 同じ被告に対する請求を、代金・損害賠償・返還など漏れなく書き出し、それぞれの法的根拠と金額を整理する。頭の中で一つずつ別々に考えず、全部を机に並べるのが出発点
- 2.各請求が同種の訴訟手続かを分類 各請求が通常訴訟・手形訴訟・人事訴訟・行政訴訟のどれに属するか分類する。同じ手続のものだけが併合可能で、手続の種類が違う請求を混ぜると一部が却下される
- 3.併合の型を選ぶ 確実に全請求を判断してほしいなら単純併合、どれか一つでよいなら選択的併合、順位をつけるなら予備的併合を選ぶ。型の選択で印紙代と控訴の組み立てが変わる
- 4.訴額を算定し印紙代を試算 訴額は民訴9条で算定し、同一被告への複数請求は原則として最も高い請求額一本で算定する(吸収)。提出前に裁判所窓口で訴額算定を確認すると補正を防げる
- 5.一通の訴状にまとめて提起 請求の趣旨欄に複数の請求を選んだ型で並べ、一通の訴状として管轄裁判所に提起する。冒頭での請求の並べ方は書式ではなく戦略そのもの
よくある質問 AI による整理
Q1請求の併合とは何ですか?
一人の原告が同じ被告に対する複数の請求を、一通の訴状にまとめて提起することです。民事訴訟法136条が根拠で、同種の訴訟手続による場合に限り認められます。
Q2複数の請求を一つの訴えにまとめる要件は?
「同種の訴訟手続による場合に限り」という一点だけです。どれも通常訴訟で処理できる請求なら何個でも束ねられますが、手続の種類が違うと併合できません。
Q3単純併合と予備的併合の違いは何ですか?
単純併合は全請求の判断を求める型、予備的併合は主位的請求が認められなければ予備的請求を判断してほしいと順位をつける型です。控訴の射程が変わります。
Q4選択的併合はどんなときに使いますか?
同じ目的を達する複数の法律構成のうち、どれか一つが認められればよい場合に使います。例えば契約に基づく代金と不当利得返還のどちらでもよいときです。
Q5手続の種類が違う請求は併合できますか?
できません。通常訴訟と手形訴訟、民事事件と行政事件、地裁案件と人事訴訟を混ぜると併合は不適法となり、一部が却下されます。
Q6訴え提起後に請求を追加できますか?
訴えの変更(民訴143条)の手続により、事実審の口頭弁論終結前であれば追加できます。最初の訴状で束ねておく方が手間と争いを避けられます。
Q7客観的併合と共同訴訟(主観的併合)の違いは?
客観的併合(136条)は一対一で請求を複数束ねること、共同訴訟(38条)は当事者が複数いる場合です。前者は請求の数、後者は人の数の問題です。
Q8予備的併合で主位的請求が認められたら予備的請求はどうなる?
主位的請求が認められれば予備的請求は判断されず、その部分は控訴の対象にもなりません。型の選択を誤ると判断してほしかった争点が宙に浮きます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一つの裁判で複数のことを請求したら、その分だけ印紙代も高くなりますか?
原則として高くなりません。同一被告への複数請求は、民訴9条1項により最も高い請求額を基準に算定する(吸収)のが基本で、単純合算ではありません。むしろ別々に訴える方が印紙も手間も増えます。実務のポイント:ただし請求が経済的に別個独立(貸金とは無関係の別の損害など)の場合は合算になることもあり、この線引きは実務家でも判断が割れる。訴状提出前に裁判所の窓口で訴額算定を確認すると、後の補正を防げる
Q2離婚と慰謝料は別々の裁判所に申し立てないといけないんですか?
いいえ。離婚そのものは人事訴訟(家庭裁判所)ですが、離婚に伴う慰謝料や財産分与は、人事訴訟法17条・32条により離婚訴訟に併合して家庭裁判所で一括して扱えます。136条の『同種の手続』原則に対する特則です。実務のポイント:慰謝料を離婚訴訟に併合するか別途地裁で起こすかは戦略次第。家裁に併合すれば一回で済むが、慰謝料額を独立の主戦場として大きく立てたい場合は、あえて分離を選ぶ弁護士もいる
間違えやすい点 AI による整理
- 「請求が多いほど裁判所に納める印紙代も増える」と思われがちだが、同一被告への複数請求は原則として最も高い請求額一本で算定する(民訴9条、吸収の考え方)。バラバラに訴える方がむしろ高くつく
- 併合できること自体は知っていても、「単純・選択的・予備的」三類型の使い分けの重大さを知らない人が多い。予備的併合で主位的請求が認められれば予備的請求は判断されず、その部分は控訴の対象にすらならない。型の選択を誤ると、判断してほしかった争点が宙に浮く
- 「とりあえず全部一緒に訴えればいい」という発想そのものが落とし穴になる。手続の種類が違う請求(手形訴訟と通常訴訟、行政事件と民事事件)を混ぜると、併合が不適法とされ一部が却下され、その分の印紙も時間も無駄になる。問うべきは『まとめられるか』ではなく『同じ手続に乗るか』だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 束ねる対象 | 民訴136条:同一原告・被告間の数個の請求(客観的併合) | 民訴38条:複数の当事者(共同訴訟・主観的併合) 民訴146条:被告から原告への請求(反訴) |
| 問題の本質 | 請求(訴訟物)の数 | 当事者(人)の数 攻守を一つの訴訟で完結させるか |
| 時期 | 訴え提起時に併合、後からは訴えの変更(民訴143条) | 訴え提起時、または弁論併合 口頭弁論終結前に反訴提起 |
| 共通要件 | 同種の訴訟手続によること | 権利義務の共通・同一の事実上法律上の原因等 本訴の請求または防御方法と関連すること |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も同一被告に対する数宗訴訟の客観的併合を認め、いずれかの訴訟に管轄権のある裁判所に合併提起できる点で日本と類似する
韓国も同種の訴訟手続によることを要件として請求の併合を認め、単純・選択的・予備的の類型構成も日本とほぼ同じである
ドイツは同一の裁判所が管轄権を持ち同種の訴訟手続によることを要件として客観的訴の併合(objektive Klagehäufung)を認める。日本法の母法にあたる
米国連邦民事訴訟規則18条は当事者が相手方に対する請求を制限なく併合できると定め、手続同種性の要件を課さない点で大陸法系と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、同じ相手に貸したお金の返還と、その相手があなたの店の評判をネットで落としたことへの慰謝料、両方を請求したくなったら? どちらも通常訴訟だから、一通の訴状に束ねられる。印紙代は単純合算ではなく、原則として最も高い請求額を基準に算定される(民訴9条)ので、別々に起こすより安く上がることが多い
- あなたが被告として訴状を受け取ったら、請求の趣旨欄に複数の請求が並んでいた。一つ一つ争点が別で、防御の組み立ても別だが、期日は一回にまとめられる。すべての請求に対する答弁を同時に用意しなければならない。
- 離婚を決め、慰謝料も財産分与も請求したい。だが離婚は人事訴訟(家庭裁判所)、ただの金銭請求は地裁、と手続が違う。ここで136条の原則だけ見ると束ねられないが、人事訴訟法17条が特則を用意していて、関連する慰謝料は離婚訴訟に乗せられる。別居期間の進行や調停申立ての段取りを考えると、どの請求をどこに束ねるかを早く決めないと、二重に時間を失う
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず相手への請求を全部書き出す。代金、損害賠償、返還、それぞれの法的根拠と金額2. 各請求が通常訴訟・手形訴訟・人事訴訟・行政訴訟のどれに属するか分類、同じ手続のものだけが併合可能3. 単純・選択的・予備的のどの型で束ねるか決める。確実に全部判断してほしいなら単純併合4. 訴額は民訴9条で算定、原則は吸収(最高額一本)。印紙代を試算してから訴状を確定する
訴えられた側:1. 訴状の請求の趣旨欄を読み、いくつの請求が併合されているか、それぞれの型(単純・予備的・選択的)を見極める2. 併合が不適法(手続の種類違い)なら、その点を主張して一部を却下に追い込める3. 各請求ごとに争点と防御を整理し、一通の答弁書で全請求に同時に応答する4. 反訴(民訴146条)でこちらの請求をぶつけられないか検討、攻守を一つの訴訟内で完結させる
時効(請求できる期限):請求の併合自体に特定の期限はないが、訴え提起後に請求を追加する場合は訴えの変更(民訴143条)の手続により、事実審の口頭弁論終結前であることが要件。各請求の実体的権利にはそれぞれ消滅時効(民法166条、債権は権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)が走っているため、束ねる前に各請求の時効を個別に確認する
学説
通説:請求の併合(訴えの客観的併合)は、同種の訴訟手続によることを要件として、単純併合・選択的併合・予備的併合の三類型に整理される。選択的併合・予備的併合では各請求の審判順位や条件関係が控訴審の審判範囲を画する点が重視される。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 現行民事訴訟法の全部改正により、旧法の請求併合規定を引き継いで本条に整理し、現代語化した。『同種の訴訟手続による場合に限り』という併合要件は維持された
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:現行民事訴訟法の全部改正により、旧法の請求併合規定を引き継いで本条に整理し現代語化した。『同種の訴訟手続による場合に限り』という併合要件は維持された
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