民事訴訟法 第137条(裁判長の訴状審査権)
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- 訴状が第百三十四条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。
- 2.前項の場合において、原告が不備を補正しないときは、裁判長は、命令で、訴状を却下しなければならない。
- 3.前項の命令に対しては、即時抗告をすることができる。
この条文の基本情報
裁判長の訴状審査権とは何ですか?
定義裁判長の訴状審査権とは、民事訴訟法第137条に定められた規定で、「訴状が第百三十四条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第137条(裁判長の訴状審査権)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第137条の条文原文は「訴状が第百三十四条第二項の規定に違反する場合には、裁判長は、相当の期間を定め、その期間内に不備を補正すべきことを命じなければならない。」で始まります。
- 民事訴訟法第137条は第一章 訴えに置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第137条の前の条は民事訴訟法第136条です。
- 民事訴訟法第137条の次の条は民事訴訟法第137条の2です。
- 民事訴訟法第137条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第137条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第137条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/137
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法137条は、訴状に不備があるとき裁判長がまず補正を命じ、補正されなければ命令で訴状を却下できると定める。却下命令には即時抗告ができる。
Q · 訴状にミスがあったら、裁判はすぐ門前払いになるの?
いいえ、まず補正の機会が与えられます
民事訴訟法137条により、訴状が必要的記載事項(民訴134条2項)を欠くか、提訴手数料の印紙が不足している場合、裁判長はいきなり却下せず、まず相当の期間を定めて補正を命じなければなりません。期間内に直せば訴訟はそのまま進みます。直さなければ裁判長は命令で訴状を却下しますが、その命令には告知から1週間以内に即時抗告ができ、不備を直して再提訴することも可能です。
解説
裁判を起こそうと訴状を提出した数日後、裁判所から「補正命令」という一枚の書面が届く。当事者の住所が抜けている、請求の趣旨があいまい、あるいは収入印紙(提訴手数料)が足りない。民事訴訟法137条は、こうした訴状の不備を裁判長が見つけたとき、いきなり門前払いにするのではなく、まず「相当の期間」を定めて直す機会を必ず与えなければならないと定める。ここが肝心だ。あなたが期間内に直せば、訴訟はそのまま走り出す。だが直さなければ、裁判長は「命令」で訴状を却下する。注意してほしいのは、これが裁判官の合議による「判決」ではなく、裁判長一人が下す「命令」だという点。そして却下されても、あなたには即時抗告という反撃手段が一週間だけ残されている。多くの人は、この一週間を知らないまま諦めて引き下がる。
法的な位置づけ
民事訴訟法137条は裁判長の訴状審査権を定める規定であり、訴状が必要的記載事項(民訴134条2項)を欠くか提訴手数料が未納のとき、裁判長が相当の期間を定めて補正を命じ、補正がなければ命令で訴状を却下し、その命令に即時抗告を認めるという三段の手続を規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.補正命令が届いたら最終日を真っ先に確認 茶封筒を開けたら本文より先に『補正期間』の欄を探し、却下までの残り日数をカレンダーに赤で記入する。補正命令は単なるお知らせではなく、却下に向けたカウントダウンの合図
- 2.何が不備かを特定する 命令書を読み、当事者の特定漏れ・請求の趣旨や原因の不明確・提訴手数料(印紙)不足のどれが原因かを切り分ける。複数の不備が同時に指摘されることもある
- 3.分からなければ書記官に手続案内を求める 不備の趣旨が読み取れないときは、命令書記載の係属部の書記官に電話する。書記官は法的助言はできないが、提出書類や印紙額などの手続案内には応じる
- 4.期間内に補正書と不足印紙を提出 最終日を待たず早めに補正書を作成し、不足していた収入印紙を追貼して再提出する。期限ギリギリだと郵送遅延や再不備でやり直しが効かなくなる
- 5.却下されても1週間以内に即時抗告 期間を過ぎて訴状却下命令が出ても、告知から1週間以内なら即時抗告できる(137条3項・332条)。抗告状の提出と同時に不備を補正すれば、抗告審で原命令が取り消される可能性が高まる
よくある質問 AI による整理
Q1補正命令とは何ですか?
訴状の不備を直すよう裁判長が相当の期間を定めて命じる手続です(民訴137条1項)。印紙不足や記載漏れが対象で、期間内に直せば訴訟はそのまま進みます。
Q2訴状却下と訴え却下の違いは何ですか?
訴状却下は裁判長単独の命令で形式不備が理由、不服申立ては即時抗告(1週間)。訴え却下は合議体の判決で訴訟要件欠如が理由、不服申立ては控訴(2週間)です。
Q3即時抗告はいつまでにできますか?
訴状却下命令の告知を受けた日から1週間以内です(民訴137条3項・332条)。これは不変期間で、一日でも過ぎると命令が確定し争えなくなります。
Q4本人訴訟で訴状に不備があったらどうなりますか?
いきなり却下されず、まず補正命令が届きます。期間内に記載漏れや印紙不足を直せば審理に進みます。分からなければ書記官に手続案内を求められます。
Q5印紙が足りないと訴状は却下されますか?
手数料未納も補正命令の対象です(137条1項後段)。期間内に不足分の印紙を追貼すれば却下を免れます。直さなければ命令で却下されます。
Q6補正命令の相当の期間は何日ですか?
法律で日数は固定されておらず、裁判長が事案に応じて定めます。命令書に最終日が示されるので、まずその日付を確認することが最優先です。
Q7訴状却下命令は判決ですか?
判決ではなく裁判長一人が下す命令です。口頭弁論を開かずに出され、合議体の審理を経ません。そのため不服申立ても控訴ではなく即時抗告になります。
Q8却下された訴状は出し直せますか?
出し直せます。137条の訴状却下は形式不備による門前払いで請求の中身は判断していません。不備を直して再提訴できますが、時効や出訴期間には注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1訴状が却下されたら、もう同じ裁判は起こせないんですか?
起こせます。137条の訴状却下は形式不備による門前払いで、請求の中身を判断したものではありません。不備を直して訴状を出し直せば、また審理を求められます(時効や出訴期間には注意)。実務のポイント:訴状却下命令と『訴え却下判決』は別物です。後者は訴えの利益などを欠くという本案前の判断で、不服申立ては控訴(二週間)。前者の即時抗告は一週間。同じ『却下』でも期間も方法も違うので、届いた書面の表題を必ず確認する
Q2補正命令を無視したらどうなりますか?
裁判長が命令で訴状を却下します(137条2項)。判決ではなく裁判長単独の命令なので、口頭弁論を開かずに出されます。ただし却下されても、告知から一週間以内なら即時抗告(同3項、民事訴訟法332条)が可能です。実務のポイント:補正期間内に間に合わないと分かったら、期間内に裁判所へ事情を伝え、提出方法や扱いを相談する。書記官への一本の電話が、却下の回避につながることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「訴状が却下された=裁判に負けた」と思い込む人が多いが、137条の訴状却下は形式不備による門前払いであって、請求に理由がないという判断(請求棄却)でも、訴えの利益を欠くという判断(訴え却下判決)でもない。不備を直して出し直せば、また一から争える
- 補正命令が来ること自体は知っていても、その「相当の期間」を一日でも過ぎれば却下されうるという深刻さを軽く見ている人が多い。補正命令は単なるお知らせではなく、却下に向けたカウントダウンが始まった合図だ
- 「訴状却下と訴え却下は同じこと」と考えるのは、問いの立て方そのものが誤っている。あなたから見れば両方ただの「却下」だが、法律から見れば不服申立ての方法が全く違う。訴状却下命令には即時抗告(一週間)、訴え却下判決には控訴(二週間)。この落差を取り違えると、不服を申し立てる手段ごと失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 却下の性質 | 137条:裁判長単独の命令(訴状却下命令) | 140条:合議体の判決(口頭弁論を経ない訴え却下) 138条:不備なし→訴状送達へ進む |
| 却下の理由 | 訴状の形式不備・手数料未納(補正なし) | 訴えが不適法でその不備を補正できないとき —(適式な訴状の被告への送達) |
| 不服申立ての方法 | 即時抗告(告知から1週間・332条) | 控訴(送達から2週間) — |
| 前提となる規定 | 134条2項(訴状の記載事項)・民訴費用法3条(手数料) | 訴訟要件の欠缺 134条の適式性具備 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も裁判長が補正を命じ、補正されなければ訴えを却下する構造で日本と類似。ただし却下の形式は『裁定』で抗告手続が対応する
韓国も재판장の소장심사권として補正命令と訴状却下命令を定め、即時抗告に相当する不服申立てが用意されており、日本と構造がほぼ並行する
ドイツは訴状の必要的記載を § 253が定め、裁判官の釈明・指摘義務(§ 139)を通じて不備の補正が促される。日本のような独立した『訴状却下命令』類型とは構成が異なる
米国では訴状(complaint)が曖昧な場合、被告が more definite statement の申立てを行い、応じなければ却下(strike)されうる。職権による補正前置という日本型とは出発点が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 本人訴訟で自分で書いた訴状を出したら、一週間後に補正命令が届いた。指定された補正期間はあと5日。請求の趣旨を書き直し、不足していた印紙を貼って再提出しなければ、訴状ごと却下される。期間を一日でも過ぎれば、裁判長は命令で却下できる
- もし補正命令の存在に気付かず、指定期間を過ぎてしまったら? 裁判長は訴状却下命令を出せる。だが諦めるのはまだ早い。命令の告知を受けてから一週間以内なら即時抗告ができ、抗告審で不備を補正すれば救済される余地が残る
- あなたが被告として訴えられた。相手の訴状を見ると当事者の特定が甘い。だがこれを理由に逃げ切れると期待しないほうがいい。形式不備は通常、補正命令を経て相手が直してしまえば、そのまま訴訟は進む
取るべき行動
被害を受けた側:1. 補正命令が届いたら真っ先に『補正期間』の最終日を確認し、カレンダーに赤で記入2. 何が不備かを命令書で特定(当事者の特定、請求の趣旨・原因、印紙不足のどれか) 3. 分からなければ裁判所書記官に電話で確認できる、書記官は手続案内には応じる4. 期間内に補正書と不足印紙を提出5. もし期間を過ぎて訴状却下命令が出ても、告知から一週間以内に即時抗告(民事訴訟法332条)、抗告と同時に補正する
訴えられた側:1. 訴えられた側として相手の訴状に重大な形式不備があっても、被告から積極的に却下を求める制度ではない2. 形式不備は通常補正で治癒されるため、これだけで訴訟を終わらせる期待は持たない3. むしろ訴状送達後は答弁書の提出期限(第一回口頭弁論期日の前)に集中する4. 相手が補正に応じず訴状却下命令が出れば、その時点で手続は終了する
時効(請求できる期限):補正命令の補正期間は裁判長が定める『相当の期間』で事案により異なる。訴状却下命令に対する即時抗告は、命令の告知を受けた日から一週間の不変期間(民事訴訟法332条)。一日でも過ぎると命令が確定し、争えなくなる
学説
通説:137条の訴状審査は形式的審査であり、請求の当否という本案の判断には立ち入らない。補正前置を経ずに却下することは許されず、裁判を受ける権利の保障の観点から補正の機会付与は必須と解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 現行の条文構成を整備。裁判長の訴状審査権として、補正命令、補正なき場合の訴状却下命令、即時抗告の三段構造を明確化した
- 令和4年(2022年)IT 化改正 訴え提起・訴状の記載事項に関する条文の番号が繰り下がり、本条が引用する条文番号が改められた(訴状の記載事項を定める条文を参照)。電子的な訴状提出への対応に伴う体系的整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。裁判長の訴状審査権として、補正命令、補正なき場合の訴状却下命令、即時抗告の三段構造を明確化した
- 2.令和4年(2022年) 改正:IT 化改正に伴い、訴え提起・訴状の記載事項に関する条文番号が繰り下がり、本条が引用する記載事項規定の番号が改められた。電子的な訴状提出への体系的対応
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