民事訴訟法 第138条(訴状の送達)
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- 訴状は、被告に送達しなければならない。
- 2.第百三十七条の規定は、訴状の送達をすることができない場合(訴状の送達に必要な費用を予納しない場合を含む。)について準用する。
この条文の基本情報
訴状の送達とは何ですか?
定義訴状の送達とは、民事訴訟法第138条に定められた規定で、「訴状は、被告に送達しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第138条(訴状の送達)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第138条の条文原文は「訴状は、被告に送達しなければならない。」で始まります。
- 民事訴訟法第138条は第一章 訴えに置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第138条の前の条は民事訴訟法第137条の2です。
- 民事訴訟法第138条の次の条は民事訴訟法第139条です。
- 民事訴訟法第138条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第138条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第138条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/138
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法138条は、訴状を被告に送達しなければならないと定める。送達できない場合は137条が準用され、補正命令を経て訴状が却下されることがある。
Q · 訴状を裁判所に出せば、それで裁判はもう始まっているの?
いいえ。被告に送達されて初めて始まります
民事訴訟法138条は「訴状は、被告に送達しなければならない」と定めます。訴状を提出しただけでは足りず、裁判所が被告本人に正式に届ける「送達」が完了して初めて訴訟係属が生じます。送達ができない場合(送達費用を予納しない場合を含む)は前条137条が準用され、裁判長が住所などの補正を命じ、補正されなければ訴状は判決ではなく命令で却下されます。逆に被告が受け取りを拒否しても、付郵便送達(107条)や公示送達(110条)で送達済みとみなされ、欠席判決で負けることがあります。
解説
訴状を裁判所に出した、それで手続が動き出すと思っているなら、半分だけ正しい。民事訴訟法138条は「訴状は、被告に送達しなければならない」と定める。送達、つまり裁判所が被告本人に訴状を正式に届ける手続が完了して初めて、訴訟は本当に始まる。問題はここからだ。被告が引っ越して住所が分からない、わざと郵便を受け取らない、そういう場合に第2項が効いてくる。送達ができない(送達に必要な費用を予納しない場合も含む)と、前条137条が準用され、裁判長はあなたに住所などの補正を命じ、それでも直らなければ訴状を「命令」で却下する。判決ではなく命令での門前払いだ。逆の立場ならもっと怖い。あなたが郵便を受け取り拒否しても、付郵便送達や公示送達という仕組みで「届いたことにされ」、知らないうちに欠席判決で負けることがある。
法的な位置づけ
民事訴訟法138条は訴状の送達を定める規定であり、第1項は訴状を被告に送達しなければならない旨を、第2項は訴状の送達ができない場合(送達に必要な費用を予納しない場合を含む)に前条137条を準用する旨を規定する。送達は訴訟係属の発生要件であり、その不能は補正命令を経た訴状却下の根拠となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.訴え提起前に被告の現住所を固める 訴状を書く前に、被告の住民票や戸籍の附票を取得して現住所を確認する。送達先を最初から正確に記載すれば、送達不能による補正命令や却下のリスクを入口で断てる
- 2.送達費用(郵便切手)を必ず予納する 訴状提出時に裁判所指定の郵便切手を予納する。予納を怠ると「送達に必要な費用を予納しない場合」として137条が準用され、補正を経て訴状却下となる
- 3.送達不能の通知が来たら期限内に補正 裁判所から送達不能・補正命令の連絡が届いたら、裁判長の定めた期間内に新住所を調査して補正する。放置すると訴状が命令で却下される
- 4.住所不明なら公示送達へ切り替える 住所がどうしても判明しないときは、住所調査を尽くした記録を添えて公示送達(民訴110条)を申し立てる。掲示と一定期間の経過で送達があったとみなされ、被告不出頭でも審理を進められる
よくある質問 AI による整理
Q1訴状の送達とは何ですか?
裁判所が被告本人に訴状を正式に届ける手続です。民事訴訟法138条が根拠で、送達が完了して初めて訴訟係属が生じ、審理が動き出します。
Q2訴訟係属はいつ生じますか?
訴状を提出した時点ではなく、被告に訴状が送達された時点で生じます。提出と係属の間にはタイムラグがあり、その間に送達不能が起きると手続が止まります。
Q3付郵便送達とは何ですか?
就業場所等への送達もできない場合に、書留郵便等を発送した時点で送達完了とみなす方法です(民訴107条)。受け取らなくても効力が生じます。
Q4公示送達はどうやって申し立てますか?
被告の住所が不明な場合、住所調査を尽くした疎明資料を添えて裁判所に申し立てます。裁判所の掲示と一定期間の経過で送達があったとみなされます(民訴110条)。
Q5送達費用はいくら予納しますか?
郵便切手で予納します。金額は裁判所・事件種別で異なります。予納しないと「送達できない場合」として137条が準用され、訴状却下のリスクがあります。
Q6補正命令を無視するとどうなりますか?
裁判長が定めた期間(実務上おおむね2週間程度)内に住所等を補正しないと、訴状は判決ではなく命令で却下されます。印紙代と準備が無駄になります。
Q7擬制自白とは何ですか?
被告が答弁書を出さず第一回期日も欠席すると、相手の主張を認めたものとみなされる制度です。送達済みの場合、欠席は一方的敗訴に直結します。
Q8送達不能だと時効はどうなりますか?
訴え提起による時効の完成猶予は訴状提出時に生じますが、却下・取下げになるとその終了から6か月以内に再度の措置が必要です(民法147条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1訴状の郵便を受け取らなければ、裁判は始まらないんですか?
始まります。受け取りを拒否したり居留守を使ったりしても、裁判所は「付郵便送達」(書留郵便等に付する送達、民訴107条)として発送した時点で送達が完了したものと扱えます。住所自体が不明なら公示送達(民訴110条)もあります。実務のポイント:受け取り拒否は最悪手です。送達は成立しているのに反論の機会だけ失い、答弁書も出さず欠席すれば擬制自白で相手の言い分どおりの判決が出る。届いた郵便は必ず開け、争うなら答弁書を出す、これが鉄則です。
Q2相手が夜逃げして住所が分からない、もう訴えられないんですか?
訴えられます。まず住民票や戸籍の附票で転居先を追えます。それでも不明なら、相手の最後の住所地などを手がかりに公示送達(民訴110条)を申し立て、裁判所の掲示と一定期間の経過で送達があったものとみなせます。実務のポイント:公示送達は被告が実際には知らないまま進む手続なので、後で被告が現れて争われると判決が覆るリスクもある。だからこそ附票や現地調査など住所調査を尽くした記録を残しておくことが、勝ち取った判決を守る保険になります。
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「訴状を出した=訴訟が始まった」だが、法律から見れば「被告に送達された=訴訟係属」。この落差の間に被告が住所をくらませると、訴訟はスタートラインに立てないまま、137条準用で訴状が却下されうる。
- 「送達できなければ訴訟がしばらく止まるだけ」と知っている人は多いが、その深刻さまでは見ていない。送達不能を放置すれば訴状そのものが命令で却下され、再提訴にはまた印紙代がかかり、その間に時効が間に合わなくなる事態すら起こる。
- 郵便を受け取らなければ訴えられずに済む、と思っている被告は多い。実際は逆で、受け取り拒否や居留守は付郵便送達・公示送達の引き金になり、反論の機会だけを失ったまま欠席判決で負ける。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動場面 | 138条:通常の交付送達が原則、不能なら137条準用 | 107条:住所・就業場所への送達も不能なとき(付郵便送達) 110条:被告の住所が全く不明なとき(公示送達) |
| 送達完了時点 | 被告本人等への現実の交付時 | 書留郵便等を発送した時(到達不要) 掲示等から一定期間(原則2週間)の経過時 |
| 被告の認識 | 現実に受領し内容を認識 | 受領拒否・不在でも送達済みとみなす 実際には知らないまま送達済みとみなす |
| リスク | 不能なら137条準用で訴状却下 | 被告は反論機会を失い欠席判決で敗訴 後に被告が現れて争うと判決が覆る余地 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も送達を職権で行い、送達不能時の補正・公示送達を備える点で日本と同系統。起訴に伴う書類送達の構造が近い
韓国は訴状副本の送達を明文で規定し、送達不能時の公示送達制度も日本と類似。日本法を経由した独法系の継受が背景にある
ドイツでは訴えの提起そのものが訴状の送達によって行われると構成され、送達が手続開始のメルクマールとなる。日本の訴訟係属概念の母法
米国では原告側(または代理人)が送達責任を負う当事者主義的構造で、職権送達の日本とは送達の主体が大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ポストに不在票が何度も入っていたが、面倒で放置していた。ある日「付郵便送達」(民訴107条)で訴状が発送され、その発送の瞬間に送達が完了したことになる。受け取っていなくても、欠席すれば相手の主張がそのまま通って負ける。
- 貸した金を返さない相手が夜逃げして住所が分からない。訴状を出しても送達できなかったら、訴訟はどうなる? この場合、相手の住民票や戸籍の附票を調べて新住所を補正するか、それも不明なら公示送達(民訴110条)を申し立てる。どちらも動かなければ、137条準用で訴状そのものが却下される。
- 裁判所から「送達不能のため住所を補正せよ、期限は2週間」という連絡が届いた。この補正命令を放置すると、訴状は命令で却下され、あなたが払った印紙代も準備の手間も水の泡になる。さらに時効が迫っていれば、却下によって完成猶予の効果まで揺らぐ。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 訴え提起前に被告の現住所を住民票・戸籍の附票で確認し、訴状に正確に記載する2. 送達費用(郵便切手)は必ず予納する、未納だと「送達できない場合」として137条準用で却下される3. 送達不能の連絡が来たら、補正命令の期限内に新住所を調査して補正する4. 住所がどうしても不明なら公示送達(民訴110条)を申し立てる。動かずに放置すると訴状が命令で却下され、印紙代と時間を失う
訴えられた側:1. 裁判所からの郵便(特別送達)は必ず受け取り、中身を確認する。無視や受け取り拒否は付郵便送達・公示送達の引き金になり、欠席判決で一方的に負ける2. 身に覚えのない請求でも、答弁書を出さず第一回期日を欠席すると相手の主張を認めたとみなされる(擬制自白) 3. 訴状が届いたら、まず第一回期日と答弁書提出期限を確認する4. 反論があるなら答弁書を期限内に提出し、出廷または書面で争う
時効(請求できる期限):訴状送達それ自体に固有の時効はないが、送達不能による補正命令には裁判長の定めた期間(実務上おおむね2週間程度)があり、徒過すると訴状が命令で却下される(民訴137条準用)。また訴え提起による時効の完成猶予は訴状提出時に生じるが、却下・取下げの場合はその終了から6か月以内に再度の措置が必要(民法147条、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:送達は当事者の申立てによらず裁判所が職権で行う職権送達主義に立つ(民訴98条)。訴状の送達は訴訟係属の発生要件であり、その不能は137条準用による補正命令・訴状却下の根拠となる。被告の回避行動には付郵便送達・公示送達という擬制送達で対応し、手続保障と権利実現の均衡を図る。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧法の規定を整理し、訴状の送達と送達不能時の前条準用を現行138条として明文化
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化改正。電子情報処理組織を用いた申立てや電子的な送達(システム送達等)の枠組みが整備され、送達制度全体の運用が見直された
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