民事訴訟法 第3条の3(契約上の債務に関する訴え等の管轄権)
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次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定めるときは、日本の裁判所に提起することができる。
この条文の基本情報
契約上の債務に関する訴え等の管轄権とは何ですか?
定義契約上の債務に関する訴え等の管轄権とは、民事訴訟法第3条の3に定められた規定で、「次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定めるときは、日本の裁判所に提起することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第3条の3(契約上の債務に関する訴え等の管轄権)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第3条の3の条文原文は「次の各号に掲げる訴えは、それぞれ当該各号に定めるときは、日本の裁判所に提起することができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第3条の3は第一節 日本の裁判所の管轄権に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第3条の3の前の条は民事訴訟法第3条の2です。
- 民事訴訟法第3条の3の次の条は民事訴訟法第3条の4です。
- 民事訴訟法第3条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第3条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第3条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/3_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法3条の3は、契約の履行地や被告の財産所在地など13の管轄原因を列挙し、その一つが日本にあれば外国の相手にも日本の裁判所に提訴できると定める。
Q · 踏み倒した海外の取引先を、相手国まで行かずに日本の裁判所で訴えられますか?
13の事情の一つが日本にあれば日本で訴えられます
民事訴訟法3条の3は、財産権上の訴えについて13種類の管轄原因を列挙しています。契約債務の履行地が日本(1号)、相手の差押え可能な財産が日本にある(3号)、不法行為の結果が日本で生じた(8号)など、いずれか一つが日本にあれば、外国の相手でも日本の裁判所に提訴できます。ただし入口を通っても、3条の9の「特別の事情」により却下される余地が残る点に注意が必要です。
解説
海外のフリーランスに外注した制作物が納品されない。アメリカのネットショップで買った高額機材が壊れていたのに、連絡を無視される。国境をまたいだトラブルで、多くの人は『相手の国の裁判所まで行かなければ戦えない』と諦める。だが民事訴訟法3条の3は、日本の裁判所が外国の相手を裁ける場面を13種類、具体的に列挙している。たとえば契約の履行地が日本国内にあるとき(1号)、差し押さえ可能な相手の財産が日本にあるとき(3号)、不法行為の結果が日本で生じたとき(8号)。あなたが知るべきは、このどれか一つに当てはまれば、相手が外国企業でも外国人でも、日本の裁判所に訴状を出せるという点だ。相手国の言語で、相手国の弁護士を雇い、相手国の手続で戦うコストを丸ごと回避できるかどうかが、この条文のどの号に乗れるかで決まる。
法的な位置づけ
民事訴訟法3条の3は、財産権上の訴えに関する日本の国際裁判管轄を定める規定であり、契約債務の履行地、被告の差押え可能な財産の所在地、不法行為の結果発生地など13の管轄原因を列挙する。被告の住所等による一般管轄(同法3条の2)に対する個別的・付加的な管轄原因として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分のケースがどの号に乗るか洗い出す 契約書・取引記録から、債務の履行地(1号)、相手の日本国内資産(3号)、不法行為の結果発生地(8号)、不動産所在地(11号)など、日本との接点を一つでも特定する
- 2.相手の日本国内資産を確認し保全を準備 3号を足場にする場合、相手の在庫・売掛金・預金など日本国内資産が国外へ移される前に、提訴と仮差押え(民事保全法)を同時に走らせる準備をする
- 3.国際裁判管轄に強い弁護士に相談 管轄原因が立つかに加え、3条の9の「特別の事情による却下」リスク、外国当事者への送達、勝訴後の執行可能性まで一括で評価してもらう
- 4.執行可能性から逆算して提訴する 勝訴判決を日本国内資産に執行できるか、または相手国で承認執行できるかを先に確認し、回収まで見通したうえで訴状を提出する
よくある質問 AI による整理
Q1国際裁判管轄とは何ですか?
どの国の裁判所が事件を裁けるかという問題です。民事訴訟法3条の2以下が規律し、3条の3は財産権上の訴えについて13の管轄原因を列挙しています。
Q2民事訴訟法3条の3の13号にはどんなものがありますか?
契約債務の履行地(1号)、被告の財産所在地(3号)、日本での事業活動(5号)、不法行為の結果発生地(8号)、不動産所在地(11号)などです。いずれか一つに該当すれば管轄が生じます。
Q3海外の取引先への未払い金を日本で請求できますか?
契約上の支払先が日本の口座など、債務の履行地が日本(1号)なら日本の裁判所に提訴できます。契約書の支払条項が管轄の足場になります。
Q4不法行為地が日本なら外国人を日本で訴えられますか?
不法行為の結果発生地が日本(8号)なら管轄が生じます。海外サイトの中傷で日本の評判が害された場合などが典型例です。
Q5相手の財産が日本にあれば訴えられますか?
差押え可能な財産が日本国内にある(3号)なら提訴できます。資産が国外へ移される前の提訴・保全が回収の鍵になります。
Q6国際裁判管轄はいつの時点で判断されますか?
訴え提起の時を標準として判断されます(民訴3条の12)。提訴後に事情が変わっても、原則として提訴時の状況で決まります。
Q7海外通販でトラブルになった消費者はどこで訴えますか?
消費者契約には別枠の特則(3条の4)があり、消費者の住所地が日本にあれば、原則として日本の裁判所に提訴できる余地があります。
Q8国際裁判管轄と国内の裁判管轄は違いますか?
別物です。まず日本の裁判所が裁けるか(国際裁判管轄、3条の2以下)を判断し、その後どの裁判所か(国内管轄、4条以下)を決めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1契約書に何も書いていなくても、海外の相手を日本で訴えられますか?
可能な場合があります。管轄合意(3条の7)がなくても、債務の履行地が日本(1号)、相手の財産が日本にある(3号)、不法行為の結果が日本で生じた(8号)など、3条の3の13号のいずれかに当てはまれば日本の裁判所に管轄権が生じます。実務のポイント:契約書が無言でも、報酬の振込先が日本の口座なら『義務履行地は日本』と構成できる余地があります。取引記録の中に日本との接点を一つでも見つけられるかが、弁護士の腕の見せ所です
Q2日本の裁判所が管轄を認めても、結局却下されることがあるって本当ですか?
本当です。3条の3のどれかに当てはまって入口を通っても、3条の9の『特別の事情』により訴えが却下されることがあります。証拠や証人が外国にある、被告の応訴負担が過大、といった事情が考慮されます。実務のポイント:原告側は提訴の段階で、なぜ日本での審理が公平かを補強する証拠(日本国内の被害、日本での履行実態)を意識的に積んでおくと、この却下リスクを下げられます。管轄は『立てて終わり』ではなく『守り切る』もの
間違えやすい点 AI による整理
- 『外国の相手は外国でしか訴えられない』と思い込んでいる人が多いが、3条の3は逆を定める。履行地・財産所在地・不法行為地など13の接点のどれか一つが日本にあれば、日本の裁判所に管轄権が生じる。問題は『訴えられるか』ではなく『どの号を根拠に立てるか』だ
- 国際裁判管轄を『大企業の国際取引の話』と切り離して考えがちだが、越境EC・海外SaaS・海外向け副業が当たり前になった今、個人や零細事業者こそ当事者だ。あなたが見落としているのは、自分が原告にも被告にもなりうるという、その両面性である
- 『日本の裁判所が管轄を認めれば、必ず日本で審理される』と考えるのは早い。たとえ13号のどれかに当てはまっても、3条の9の『特別の事情』により、証拠の所在や当事者の負担を理由に訴えが却下されることがある。管轄の入口を通っても、奥にもう一枚の関門がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 管轄の根拠 | 3条の3:履行地・財産所在地・不法行為地など13の管轄原因 | 3条の2:被告の住所・主たる営業所による一般管轄 3条の7:当事者の管轄合意 |
| 適用前提 | 13号の管轄原因のいずれか一つが日本にあること | 被告(自然人・法人)の住所等が日本にあること 書面または電磁的記録による国際裁判管轄の合意 |
| 却下・調整の手段 | 3条の9「特別の事情による却下」で個別調整 | 原則そのまま管轄を認める 合意が無効・不公正なら争える余地 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾は国際裁判管轄の明文規定を欠き、国内土地管轄規定を類推適用する法理で処理する。日本の旧判例法理に近い
韓国は国際私法(국제사법)に国際裁判管轄の一般原則を置き、実質的関連性を基準とする。2022年改正で管轄規定を大幅に拡充した
中国は民事訴訟法の渉外編に管轄規定を置き、2023年改正で渉外管轄を拡大。財産所在地等を管轄原因とする点は日本と共通する
EU 域内は Brüssel-Ia 規則が統一管轄ルールを定め、域外は ZPO の国内管轄規定を国際管轄に転用する
米国は minimum contacts(最小限の接触)ドクトリンを基準に、デュープロセス条項の枠内で対人管轄の有無を判断する判例法理
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし海外のクライアントから受注したデザイン制作費が踏み倒されたら、相手国まで行かないと回収できないのか? 契約書に『報酬は日本の銀行口座へ支払う』とあれば、債務の履行地は日本(1号)。あなたは日本の裁判所に提訴できる。契約書の支払条項一行が、戦場を日本に引き寄せる
- あなたの会社が海外向けにアプリを配信していて、現地ユーザーから日本で訴えられた。被告はあなた側だ。相手は『日本において事業を行う者』(5号)としてあなたを日本の裁判所に引っ張り出せる。日本法人が国内で応訴義務を負う場面は、思っているより広い
- 海外のサイトに事実無根の中傷を書かれ、日本での評判が崩れた。不法行為の結果発生地が日本(8号)。日本の裁判所で損害賠償を請求できる。発信者の特定は別の壁だが、管轄の扉はもう開いている
- 相手の外国企業が日本国内に在庫や売掛金を持っているうちが勝負だ(3号)。資産が国外へ動けば、勝訴判決を取っても執行できない空証文になる。あと数日で相手が日本の倉庫を引き払うなら、提訴と仮差押えを同時に走らせる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分のトラブルがどの号の接点を持つか洗い出す。契約の履行地(1号)、相手の日本国内資産(3号)、不法行為の結果発生地(8号)、不動産所在地(11号)などを契約書・取引記録から特定2. 相手の日本国内資産を根拠にするなら、資産が国外移転される前に提訴と仮差押え(民事保全法)を同時に準備3. 国際裁判管轄に強い弁護士に相談、3条の9の『特別の事情』による却下リスクも事前に評価4. 勝訴後の執行可能性(相手国での承認執行 or 日本国内資産への執行)まで逆算してから提訴する
訴えられた側:1. 訴状が届いたら、まず日本の裁判所に管轄権があるかを争えるか検討。13号のどれにも当てはまらなければ管轄を否定できる2. 当てはまる場合でも、証拠や証人が国外にあり日本での審理が著しく不公平なら、3条の9の『特別の事情による却下』を主張3. 管轄合意(3条の7)で別の国の裁判所を指定していたなら、それを根拠に却下を求める4. 応訴するか管轄を争うかで戦略が分岐するため、第一回期日前に弁護人と方針を固める
時効(請求できる期限):管轄権の有無は訴え提起の時を標準として判断される(民事訴訟法3条の12)。管轄そのものに期限はないが、被告の財産が日本国内にあること(3号)を足場にする場合、相手が資産を国外へ移す前に提訴・保全する時間的余裕が勝負を分ける。請求権自体の消滅時効(民法166条、債権は権利を行使できると知った時から5年。最新の改正状況をご確認ください)にも注意
学説
通説:3条の3は管轄原因を13号に類型化して明確性を確保しつつ、なお過剰な管轄は3条の9の「特別の事情による却下」で個別調整するという二段構えの枠組みである、と理解される
改正沿革 AI による整理
- 平成23年(2011年)公布、平成24年(2012年)施行 本条を新設。従来は最高裁判例(マレーシア航空事件 最判昭和56.10.16、ファミリー事件 最判平成9.11.11)で形成されてきた国際裁判管轄の準則を、財産関係事件について13号の管轄原因として明文化した
改正の年表
- 1.平成23年(2011年)公布・平成24年(2012年)施行 新設:本条を新設。従来は最高裁判例(マレーシア航空事件・ファミリー事件)で形成されてきた財産関係事件の国際裁判管轄の準則を、13号の管轄原因として明文化した
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