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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事訴訟法 第3条の9(特別の事情による訴えの却下)

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裁判所は、訴えについて日本の裁判所が管轄権を有することとなる場合(日本の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意に基づき訴えが提起された場合を除く。)においても、事案の性質、応訴による被告の負担の程度、証拠の所在地その他の事情を考慮して、日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を害し、又は適正かつ迅速な審理の実現を妨げることとなる特別の事情があると認めるときは、その訴えの全部又は一部を却下することができる。

この条文の基本情報

特別の事情による訴えの却下とは何ですか?

定義特別の事情による訴えの却下とは、民事訴訟法第3条の9に定められた規定で、「裁判所は、訴えについて日本の裁判所が管轄権を有することとなる場合(日本の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意に基づき訴えが提起された場合を除く。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事訴訟法第3条の9(特別の事情による訴えの却下)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 民事訴訟法第3条の9の条文原文は「裁判所は、訴えについて日本の裁判所が管轄権を有することとなる場合(日本の裁判所にのみ訴えを提起することができる旨の合意に基づき訴えが提起された場合を除く。」で始まります。
  3. 民事訴訟法第3条の9は第一節 日本の裁判所の管轄権に置かれています。
  4. 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
  5. 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事訴訟法第3条の9の前の条は民事訴訟法第3条の8です。
  7. 民事訴訟法第3条の9の次の条は民事訴訟法第3条の10です。
  8. 民事訴訟法第3条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第3条の9
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 本サイト収録民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第3条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/3_9
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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事訴訟法3条の9は、日本に国際裁判管轄が認められても、証拠の所在や被告負担などの特別の事情があれば裁判所が訴えを却下できると定める。専属的合意管轄には適用されない。

Q · 日本の裁判所に管轄があれば、必ず日本で裁判できるの?

いいえ。特別の事情があれば訴えは却下されます

民事訴訟法3条の9により、日本の裁判所に国際裁判管轄が認められる場合でも、事案の性質、応訴による被告の負担、証拠の所在地その他の事情を総合し、日本での審理が当事者間の衡平を害し又は適正迅速な審理を妨げる特別の事情があると裁判所が認めれば、訴えの全部又は一部を却下できます。国内事件と違い国際事件には移送がないため、却下されると外国で一から訴え直すことになります。ただし日本の裁判所にのみ訴えを提起できる旨の専属的合意に基づく訴えには本条は適用されません。

解説

国際裁判管轄のルール(民訴3条の2から3条の8)を一つずつ当てはめて、「この事件は日本の裁判所で裁判できる」という結論が出た。普通ならそこで決着する。ところが本条が、その結論を最後にひっくり返すレバーになる。事案の性質、応訴による被告の負担の程度、証拠が国外にあること、その他の事情を総合して、日本で審理すると当事者間の衡平を害する、または適正かつ迅速な審理を妨げる「特別の事情」があると裁判所が認めれば、訴えの全部または一部を却下できる。ここで国内事件と決定的に違う点を押さえてほしい。国内なら管轄違いでも他の裁判所へ「移送」する(民訴16条)。だが相手が外国の裁判所では、日本の裁判所は移送できない。だから残る道は「却下」だけだ。あなたが海外の取引先を日本で訴えたつもりでも、証拠も証人も全部国外にあれば、この一条で門前払いされうる。逆にあなたが外国から日本で訴えられた側なら、この条文があなたの最後の防御線になる。

法的な位置づけ

民事訴訟法3条の9は、国際裁判管轄の特別の事情による却下を定める規定である。日本の裁判所に管轄が認められる場合でも、事案の性質、応訴による被告の負担、証拠の所在地その他の事情を考慮し、日本での審理が当事者間の衡平を害し又は適正迅速な審理を妨げる特別の事情があるときは、訴えの全部又は一部を却下できる。専属的合意管轄に基づく訴えには適用されない。

よくある質問 AI による整理

Q1国際裁判管轄の特別の事情とは?

日本に管轄があっても、事案の性質・被告の応訴負担・証拠の所在地などから日本での審理が不公平・不適正となる事情です。これがあると裁判所は訴えを却下できます(民訴3条の9)。

Q2民訴3条の9はいつ主張すべき?

被告は第一回口頭弁論期日において、本案について弁論をする前に特別の事情を主張すべきです。審理が本案に進むほど却下は認められにくくなります。

Q3国際裁判管轄はどの条文で決まる?

民訴3条の2から3条の8が管轄原因を定め、3条の9が最後の調整弁として特別の事情による却下を定めます。まず管轄原因、次に本条の順で検討します。

Q4国際事件で訴えを却下されたらどうなる?

国内事件と違い国際事件には移送がないため、外国の裁判所でその国の言語と手続を使い、ゼロから訴え直すことになります。費用も時効管理もやり直しです。

Q5越境 EC のトラブルは日本で訴えられる?

契約・決済・配送が国外で完結していると、特別の事情ありとして却下される余地があります。越境販売は紛争の戦場が国外に移るリスクを伴います。

Q6特別の事情は誰が立証する?

却下は裁判所が職権でも判断できますが、実務では特別の事情を主張する被告側が証拠の所在地リストや応訴負担の具体的資料を提出して立証します。

Q7民訴3条の9はいつ新設された?

平成23年(2011年)の法律第36号で新設され、平成24年(2012年)4月1日に施行されました。最判平成9.11.11の判例法理を条文化したものです。

Q8国内の管轄違いと国際事件の却下はどう違う?

国内では管轄違いでも他の裁判所へ移送します(民訴16条)。しかし外国の裁判所には移送できないため、国際事件では却下しか手段がありません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1日本の裁判所に管轄があると確認できたのに、なぜ却下されることがあるんですか?

管轄の有無と、その管轄を実際に行使するかは別問題だからです。民訴3条の2から3条の8で管轄が認められても、本条が、日本で審理すると当事者の衡平を害したり適正迅速な審理を妨げる特別の事情があれば却下できると定めています。実務のポイント:本条はもともと最判平成9.11.11が築いた判例法理を2011年改正で条文化したものです。だから「条文に管轄ありと書いてあるから安全」ではなく、裁判官が証拠の所在や被告負担を総合衡量して最後に却下できる、という二段構えを前提に戦略を組む弁護士が勝つ

Q2契約書に日本の裁判所を管轄と書いておけば、本条で却下される心配はないですよね?

それは専属的かどうかで結論が分かれます。本条は、日本の裁判所にのみ訴えを提起できる旨の専属的合意に基づく訴えには適用されません。逆に、単に「日本の裁判所を管轄とする」程度の非専属的な書き方だと、本条による却下の余地が残ります。実務のポイント:実務では英文契約の jurisdiction 条項が exclusive(専属的)か non-exclusive(非専属的)かを必ず確認します。この一語の違いが本条という抜け穴の有無を決める。テンプレを流用するときに最も見落とされ、最も高くつくのがこの点です(最新の改正状況をご確認ください)

間違えやすい点 AI による整理

  • 「日本の裁判所に管轄があれば、日本で裁判できる」という問いの立て方そのものが不完全だ。管轄が認められることは終点ではなく入口にすぎない。本条が控えている以上、管轄ありの結論が出てもなお、特別の事情で訴えが却下される余地が残る。管轄の有無だけを調べて安心するのは、半分しか調べていないのと同じ
  • 本条を「外国当事者の万能の逃げ道」と思い込むのは危険だ。日本の裁判所にのみ訴えを提起できる旨の専属的合意がある場合、本条は最初から適用されない。つまり相手が日本専属の管轄条項に合意していたなら、いくら証拠が海外にあると主張しても、本条で却下を勝ち取ることはできない
  • 「証拠が海外にあると不利になる」ことは知っていても、その不利の深刻度を見誤っている人が多い。国内事件なら不便でも移送で済むが、国際事件には移送がない。日本で却下されれば、あなたは外国の裁判所で、その国の言語と手続で、ゼロから訴訟を組み立て直すことになる。費用も時効管理も全部やり直しだ
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割3条の9:管轄ありでも却下できる調整弁(特別の事情)3条の7:当事者の合意による管轄原因
3条の8:応訴による管轄原因
効果訴えの全部又は一部を却下管轄を発生・固定させる
管轄を発生・固定させる
適用除外日本の裁判所にのみとする専属的合意があれば適用なし—(合意自体が管轄原因)
本案前に管轄違いの抗弁を出せば成立しない
国内事件の対応国際事件は移送不可、却下のみ民訴16条:国内は移送で処理
民訴16条:国内は移送で処理

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国民事訴訟法・不便利法庭原則(判例法理)

台湾は明文規定を持たないが、最高法院の判例により不便利法庭(forum non conveniens)原則を採用し、国際裁判管轄を調整する点で機能的に類似する

韓国
대한민국 국제사법 제12조

韓国は2022年改正国際私法で「예외적 사정에 의한 국제재판관할권 불행사」を明文化。日本の本条と同じく例外的事情による管轄不行使を認める

ドイツ
EU・Brüssel-Ia 規則(VO (EU) Nr. 1215/2012)

ドイツは EU 管轄規則の下、Owusu/NUGFER 判決の影響で forum non conveniens を原則否定。管轄ルールは硬直的に適用され、本条のような裁量的却下は基本的に認められない

アメリカ
Gulf Oil Corp. v. Gilbert, 330 U.S. 501 (1947)

米国は forum non conveniens を判例法理として広く認め、私的利益・公的利益要素を衡量して却下する。本条の利益衡量はこの英米法理に淵源を持つ

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • あなたが日本の中小企業で、海外サプライヤーの納品不良で損害を被った。日本の自社所在地で訴えようとしたが、契約も交渉も製造も全部相手国で行われ、証人も書類も向こうにある。もし相手が本条で却下を求めてきたら、あなたは一からその国で訴え直す羽目になる。時間も費用も振り出しに戻る
  • 外国企業から、ある日突然、日本の裁判所に訴状が届いた。応訴管轄(民訴3条の8)が成立しそうだが、よく見ると争点の証拠はほぼ国外にあり、あなた側の負担が異常に重い。本条の「特別の事情」を本案弁論の前に主張すれば、却下を勝ち取れる可能性がある。最初の期日までが勝負
  • あと2週間で第一回口頭弁論。被告側のあなたは、うっかり本案の主張を書面に書いて出すか、それとも先に「特別の事情による却下」だけを主張するか。順番を間違えると、却下のハードルが一気に上がる
  • 契約書に「日本の裁判所を管轄裁判所とする」とだけ書いた。これは専属的合意ではないので、相手は本条で却下を狙える。もし「日本の裁判所にのみ訴えを提起できる」と一語足していれば、本条の適用は排除され、却下されなかった

取るべき行動

被害を受けた側:1. 日本で訴える前に、証拠と証人が日本国内にどれだけあるかを棚卸しする。ほぼ国外なら本条で却下されるリスクを織り込む2. 契約書に専属的管轄合意(日本の裁判所にのみ)があれば、本条は適用されないので強気で日本提訴できる3. 専属合意がない場合は、義務履行地・不法行為地など日本との結びつきを示す事情(民訴3条の3等)を訴状段階で積み上げ、特別の事情の主張を先回りで封じる4. 却下リスクが高いなら、外国での提訴と費用を比較して提訴地を再検討する

訴えられた側:1. 訴状を受け取ったら、まず日本専属の管轄合意がないかを確認。あれば本条は使えないので別の防御を組む2. 専属合意がなければ、事案の性質・自社の応訴負担・証拠の国外所在を具体的資料で立証し、本条の特別の事情を主張3. これは本案前の抗弁なので、第一回口頭弁論期日で本案について弁論する前に申し立てる、順番を誤ると応訴管轄が固まる4. 却下が認められれば日本での審理は終わるが、相手は外国で訴え直せる点も見据えて全体戦略を立てる

時効(請求できる期限):本条による却下は裁判所が職権でも判断できるが、被告は第一回口頭弁論期日において本案について弁論をする前に「特別の事情」を主張すべきである。審理が本案に進むほど却下は認められにくくなる。なお実体法上の請求権の消滅時効(民法166条等)は本条と無関係に進行するため、却下後の外国提訴に備え時効管理は別途行う

学説

通説:本条の特別の事情は、事案の性質・被告の応訴負担・証拠の所在地を中心とする総合的利益衡量であり、明確な管轄ルール(3条の2以下)を骨格としつつ、極端に不衡平な事案のみを例外的に救済する安全弁と理解する。専属的合意がある場合に適用しないのは、当事者が自ら予測可能性を選択したからとされる

改正沿革 AI による整理

  • 平成23年(2011年)新設、平成24年(2012年)4月1日施行 財産関係事件の国際裁判管轄を明文化する平成23年法律第36号により新設。最判平成9.11.11が確立した特別の事情による管轄否定の判例法理を条文化し、専属的合意管轄の場合を適用除外とした

改正の年表

  1. 1.平成23年(2011年) 新設:財産関係事件の国際裁判管轄を明文化する平成23年法律第36号により新設。最判平成9.11.11が確立した特段の事情による管轄否定の判例法理を条文化し、専属的合意管轄の場合を適用除外とした
  2. 2.平成24年(2012年) 改正:平成24年4月1日施行。国際裁判管轄に関する一連の規定(3条の2 〜 3条の12)とともに運用が開始された

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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