民事訴訟法 第117条(定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴え)
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- 口頭弁論終結前に生じた損害につき定期金による賠償を命じた確定判決について、口頭弁論終結後に、後遺障害の程度、賃金水準その他の損害額の算定の基礎となった事情に著しい変更が生じた場合には、その判決の変更を求める訴えを提起することができる。ただし、その訴えの提起の日以後に支払期限が到来する定期金に係る部分に限る。
- 2.前項の訴えは、第一審裁判所の管轄に専属する。
この条文の基本情報
定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴えとは何ですか?
定義定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴えとは、民事訴訟法第117条に定められた規定で、「口頭弁論終結前に生じた損害につき定期金による賠償を命じた確定判決について、口頭弁論終結後に、後遺障害の程度、賃金水準その他の損害額の算定の基礎となった事情に著し…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第117条(定期金による賠償を命じた確定判決の変更を求める訴え)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第117条の条文原文は「口頭弁論終結前に生じた損害につき定期金による賠償を命じた確定判決について、口頭弁論終結後に、後遺障害の程度、賃金水準その他の損害額の算定の基礎となった事情に著し…」で始まります。
- 民事訴訟法第117条は第五節 裁判に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第117条の前の条は民事訴訟法第116条です。
- 民事訴訟法第117条の次の条は民事訴訟法第118条です。
- 民事訴訟法第117条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
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- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第117条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第117条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/117
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法117条は、定期金賠償を命じた確定判決について、口頭弁論終結後に算定の基礎事情が著しく変われば、訴え提起日以後の支払分に限り判決の変更を求められると定める。
Q · 確定した賠償判決でも、あとから症状が悪化したら金額を上げ直せるの?
定期金賠償の判決なら可能。ただし提起後の支払分のみ
民事訴訟法117条により、定期金による賠償を命じた確定判決は、口頭弁論終結後に後遺障害の程度・賃金水準など算定の基礎事情が著しく変われば、判決の変更を求める訴えを提起できます。これは確定判決の既判力に対する数少ない例外です。ただし変更できるのは訴え提起日以後に支払期限が来る定期金部分に限られ(1項但書)、過去に期限が来た分は遡って取り戻せません。一時金で受け取った賠償には適用されず、訴えは第一審裁判所の専属管轄です(2項)。
解説
交通事故で重い後遺障害を負い、将来の介護費用や逸失利益を毎月いくら、という定期金の形で支払えという判決を勝ち取った。普通ならそこで物語は終わる。確定判決は二度と動かせない、それが既判力という民事裁判の鉄則だ。ところが117条は、その鉄壁にたった一つ穴を開けている。口頭弁論終結後に、後遺障害の程度や賃金水準といった算定の土台が著しく変われば、もう一度裁判所に判決の変更を求められる。症状が予想以上に悪化したのに金額が固定されたまま、では被害者が救われない。逆に予想より回復したのに払い続けるのは加害者に酷だ。ただし変更できるのは、訴えを起こした日より後に支払期限が来る分だけ。動くのが遅れた過去の月分は、取り戻せない。
法的な位置づけ
民事訴訟法117条は定期金賠償判決の変更の訴えを定める規定であり、定期金による賠償を命じた確定判決について、口頭弁論終結後に後遺障害の程度・賃金水準その他の算定基礎事情に著しい変更が生じた場合に、訴え提起日以後に支払期限が到来する部分に限り判決内容の変更を認める。確定判決の既判力に対する例外として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.算定基礎の著しい変更を示す証拠を集める 後遺障害等級の再認定書、症状悪化を示す新しい診断書、介護実態の継続記録、賃金水準なら賃金センサス等の統計を集める。117条は「著しい変更」を要求するため、軽微な変化では足りない点を意識して立証材料を固める
- 2.変更の方向(増額・減額)と立場を確定する 被害者側は増額、加害者・保険会社側は減額の変更を求められる。自分がどちらの事由を主張するかを確定し、それに対応する算定基礎の変化(悪化または改善・就労再開・収入回復)を整理する
- 3.第一審裁判所に変更の訴えを提起する 117条2項により変更の訴えは第一審裁判所の専属管轄。元の判決を出した第一審裁判所に対し、変更を求める部分と理由を特定して訴えを提起する。他の裁判所には提起できない
- 4.悪化・改善が固まったら速やかに提起する 変更できるのは訴え提起日以後に支払期限が来る分だけ(1項但書)。一日遅れるごとに固定額のままの定期金が支払われ続け、取り戻せない過去分が積み上がる。事由が固まった月のうちに動く
よくある質問 AI による整理
Q1定期金賠償とは何ですか?
賠償金を一括ではなく毎月など定期的に支払わせる方法です。重度後遺障害の将来介護費や逸失利益で用いられ、民訴117条による後の変更の余地が残ります。
Q2確定判決の賠償額は後から変更できますか?
原則は既判力で変更できませんが、定期金賠償を命じた確定判決に限り、民訴117条で算定基礎の著しい変更を理由に変更の訴えを提起できます。
Q3民事訴訟法117条の変更の訴えはどこに提起しますか?
第一審裁判所の専属管轄です(117条2項)。元の判決を出した第一審裁判所に提起する必要があり、他の裁判所には起こせません。
Q4後遺障害が悪化したら賠償を増額できますか?
定期金賠償の判決なら、等級が上がるレベルの著しい悪化を立証して増額の変更を求められます。ただし増額は訴え提起日以後の支払分のみです。
Q5加害者側から賠償の減額を求められますか?
できます。被害者の症状改善・就労再開など算定基礎の著しい変更を立証すれば、加害者・保険会社も117条で減額の変更を求められます。
Q6定期金賠償と一時金賠償はどちらが有利ですか?
将来の悪化リスクが高い重度事案では、後の変更に117条で備えられる定期金が有利になりえます。一時金は確定後の悪化に対応できません。
Q7変更の訴えに時効や期限はありますか?
特定の出訴期間はありませんが、変更できるのは訴え提起日以後に支払期限が来る分だけです。提起が遅れた過去分は取り戻せず、スピードが重要です。
Q8賃金水準の上昇は賠償変更の理由になりますか?
なりえます。賃金水準は逸失利益の算定基礎であり、その著しい変動は117条の変更事由になります。賃金センサス等の統計資料で立証します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一時金でもらった賠償も、あとで症状が悪化したら追加請求できますか?
原則できません。117条が適用されるのは「定期金による賠償を命じた確定判決」だけです。一時金で和解・確定した場合、後の悪化は既判力で遮断されます。ただし判例上、示談当時に予見できなかった重大な後遺障害は別途請求の余地があります(最判昭和43.3.15)。実務のポイント:弁護士が一時金と定期金のどちらを勧めるかは依頼者の事情で変わる。将来の悪化リスクが高い重度事案ほど、定期金と117条で備える戦略が効く。最初の賠償方法の選択を、目先の金額だけで決めないこと
Q2「著しい変更」ってどのくらい変われば認められるんですか?
条文は具体的な数値を定めず、後遺障害の程度・賃金水準その他の算定基礎の「著しい」変動を要求します(117条1項)。小幅な物価変動や軽い症状変化では足りず、等級が変わるレベルの悪化や、算定の前提が崩れるほどの事情が必要です。実務のポイント:実務では後遺障害等級の再認定や、介護実態を裏付ける継続的な記録が決め手になる。判決後も症状と介護費用の記録を淡々と取り続けることが、数年後の訴えの武器になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「確定判決をもらったら賠償額は一生変わらない」と思って一時金での和解を急ぐ人がいる。だがそもそも定期金賠償を選んでおけば、後の事情変更に117条で対応できる余地が残る。問うべきは「いくらで決着するか」ではなく「一時金と定期金、どちらの形で受け取るか」だ
- 117条で変更を求められると知っていても、その射程の狭さを知らない人が多い。変更できるのは訴え提起日以後に支払期限が来る分だけ。提起が遅れた過去分は、症状が悪化していようと一円も取り戻せない
- 「事情が少し変われば金額を見直せる」と思われがちだが、条文は「著しい変更」を要求する。多少の物価変動や症状の小さな増減では足りず、ハードルは決して低くない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 確定判決への作用 | 民訴117条:定期金賠償判決を将来に向け変更(既判力の例外) | 民訴114条:既判力の客観的範囲(原則=蒸し返し禁止) 民訴338条:再審(手続の重大な瑕疵を理由に取消し) |
| 発動の理由 | 口頭弁論終結後の算定基礎事情の著しい変更 | —(確定により遮断) 再審事由(虚偽証拠・代理権欠缺等の法定事由) |
| 対象・射程 | 訴え提起日以後に支払期限が来る定期金部分に限る | 主文の判断全体に既判力 確定判決全体の取消し・再審理 |
| 管轄 | 第一審裁判所の専属管轄(2項) | — 原則として不服の対象判決をした裁判所 |
他国ではどう定めているか 4 か国
言詞弁論終結後の事情変更により原判決の給付が著しく不公平になった場合、当事者が変更を求めて再び起訴できる点で117条と同系統。台湾は定期金に限定せず給付判決一般に及ぶ点が広い。
定期金の支払を命じた確定判決後、算定基礎の著しい変化で当事者間の衡平を著しく害する特別の事情が生じた場合に、将来の定期金額の変更の訴えを認める。日本117条とほぼ平行の規律。
継続的・定期的給付を命じる判決一般について、判断の基礎事情の本質的変更を理由に変更の訴え(Abänderungsklage)を認める。日本117条の範型にあたる制度。
不法行為賠償の定期金支払判決について、一部の州が採用するモデル法。事情変更時の修正規定を含むが、採用州ごとに扱いが分かれる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 事故から5年、定期金の判決をもらったあと、症状が進んで後遺障害の等級が一段上がる診断が出たとしたら、月々の賠償額を増やせるのか? 答えはイエス、だが増額できるのは訴え提起後に支払期限が来る分だけ。動くのが一年遅れれば、その一年分は固定額のまま消えていく
- あなたが加害者側、または保険会社の担当者だとする。被害者の症状が当初の見込みより大きく回復し、就労も再開した。それでも毎月の定期金を払い続けるのは納得できない。117条はあなたの側からも使える、減額の変更を求める訴えを起こせる
- 判決当時から日本全体の賃金水準が大きく上がった。逸失利益の算定基礎が変わる。それだけで変更の訴えの理由になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 後遺障害の程度の悪化を示す新しい診断書、等級変更の認定、介護実態の記録を集める、これが「著しい変更」の立証の核2. 賃金水準の変動なら賃金センサス等の統計資料で算定基礎の変化を示す3. 変更の訴えは第一審裁判所に専属管轄(2項)、元の判決を出した裁判所へ提起する4. 重要なのはスピード、変更できるのは訴え提起日以後に支払期限が来る分だけなので、悪化が固まったら速やかに動く
訴えられた側:1. 加害者・保険会社側も117条で減額の変更を求められる、被害者の症状改善・就労再開・収入回復の客観資料を集める2. 「著しい変更」のハードルは高い、軽微な改善では認められないと心得る3. 元の判決の第一審裁判所へ変更の訴えを提起する4. 過去に払い過ぎた分は取り戻せない、変更は提起後の支払期限分のみなので、減額事由が固まり次第動く
時効(請求できる期限):特定の出訴期間(時効)の定めはない。ただし変更できるのは訴え提起日以後に支払期限が到来する定期金部分に限る(1項但書)。過去に支払期限が来た分は遡って変更できないため、提起の遅れがそのまま回収不能・過払いとして積み上がる
学説
通説:117条は確定判決の既判力(民訴114条)に対する明文の例外であり、定期金賠償という将来継続的給付判決の特殊性に着目した制度と理解される。法的安定性を原則としつつ、『著しい変更』要件と『提起日以後の支払分』への射程限定により例外を最小化する設計とされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 新設。旧民事訴訟法には存在しなかった定期金賠償判決の変更の訴えを創設し、確定判決の既判力に対する例外を明文化した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 新設:民事訴訟法全部改正により新設。旧民事訴訟法には存在しなかった定期金賠償判決の変更の訴えを創設し、確定判決の既判力に対する例外を明文化した。
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