民事訴訟法 第118条(外国裁判所の確定判決の効力)
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- 外国裁判所の確定判決は、次に掲げる要件のすべてを具備する場合に限り、その効力を有する。
- 一法令又は条約により外国裁判所の裁判権が認められること。
- 二敗訴の被告が訴訟の開始に必要な呼出し若しくは命令の送達(公示送達その他これに類する送達を除く。)を受けたこと又はこれを受けなかったが応訴したこと。
- 三判決の内容及び訴訟手続が日本における公の秩序又は善良の風俗に反しないこと。
- 四相互の保証があること。
この条文の基本情報
外国裁判所の確定判決の効力とは何ですか?
定義外国裁判所の確定判決の効力とは、民事訴訟法第118条に定められた規定で、「外国裁判所の確定判決は、次に掲げる要件のすべてを具備する場合に限り、その効力を有する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第118条(外国裁判所の確定判決の効力)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第118条の条文原文は「外国裁判所の確定判決は、次に掲げる要件のすべてを具備する場合に限り、その効力を有する。」で始まります。
- 民事訴訟法第118条は第五節 裁判に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第118条の前の条は民事訴訟法第117条です。
- 民事訴訟法第118条の次の条は民事訴訟法第119条です。
- 民事訴訟法第118条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第118条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第118条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/118
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法118条は、外国裁判所の確定判決が日本で効力を持つために、間接管轄・送達・公序良俗・相互の保証の四要件を満たすことを求める。一つでも欠けば承認されない。
Q · アメリカの裁判で勝った判決で、日本にある相手の財産をすぐ差し押さえられる?
いいえ。四要件の審査と執行判決が別途必要です
民事訴訟法118条により、外国判決が日本で効力を持つには、間接管轄・送達・公序良俗・相互の保証の四要件をすべて満たす必要があります。さらに実際に差押えへ進むには、民事執行法24条の執行判決を日本の裁判所で別途取得しなければなりません。判決書一枚では、相手の口座も不動産も一円も差し押さえられません。とりわけ懲罰的損害賠償の部分は公序良俗違反として承認されない点に注意が必要です。
解説
あなたが台湾やアメリカの裁判所で取引相手を訴え、勝訴判決を勝ち取ったとする。相手の主な財産は日本にある。だが、その判決書を握りしめて日本の銀行に行っても、口座は一円も差し押さえられない。外国の判決は、日本国内では当然には効力を持たないからだ。118条は、外国判決が日本で効力を持つための四つの関門を定める。第一に、その外国裁判所に裁判権(間接管轄、つまり日本から見てその国が裁く資格があったか)が認められること。第二に、敗訴した被告がきちんと訴状の送達を受けたこと(掲示板に貼るだけの公示送達は除外される)。第三に、判決内容と手続が日本の公序良俗(社会の基本的な価値観と最低限の手続正義)に反しないこと。第四に、その国と日本との間に相互の保証があること。この四つを一つでも欠けば、外国判決は日本では紙切れになる。しかも実際に差押えへ進むには、別途、日本の裁判所で執行判決(民事執行法24条)を取らねばならない。勝ったのに取れない、その落とし穴の正体がここにある。
法的な位置づけ
民事訴訟法118条は外国判決の承認を定める規定であり、外国裁判所の確定判決が日本国内で効力を有するための要件として、間接管轄、敗訴被告への送達、公序良俗適合性、相互の保証の四つを規定する。承認は自動的に生じるが、実際の強制執行には別途、民事執行法24条の執行判決を要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.外国判決の確定と確定証明書の取得 まず外国判決が現地で確定していることを確認し、確定証明書を取得する。控訴期間中や上訴係属中の判決は確定判決にあたらず、118条の承認対象にならない
- 2.相互の保証の有無を調査 提訴国と日本の間に相互の保証があるか、その国が日本の同種判決を承認・執行する制度かを過去の承認例で調査する。保証が否定される国の判決は内容が正当でも日本で効力を持たない
- 3.公序良俗違反部分の精査 判決に懲罰的損害賠償や過大な遅延損害金など日本の公序に反する部分がないか精査する。ある場合は実損を填補する部分のみに限定して執行を求める
- 4.執行判決訴訟の提起 日本の裁判所に民事執行法24条の執行判決を求める訴訟を提起し、外国判決の翻訳・送達記録・確定証明を証拠として提出する。裁判所は中身を再審理せず118条四要件のみを審査する
- 5.執行判決確定後の強制執行 執行判決が確定したら、これを債務名義として強制執行(不動産・債権の差押え等)に進む。ここで初めて相手の日本国内財産に手が届く
よくある質問 AI による整理
Q1外国判決の承認とは何ですか?
外国裁判所の確定判決を日本でも有効と認める制度です。民事訴訟法118条の四要件を満たせば、日本の裁判所で再審理せずに効力が認められます。
Q2外国判決の承認と執行判決はどう違いますか?
承認は118条で自動的に生じる効力認定、執行判決は民事執行法24条で強制執行を可能にする手続です。承認だけでは差押えできず、執行判決が別途必要です。
Q3公示送達だけで届いた外国判決は日本で有効ですか?
無効です。118条2号は公示送達その他これに類する送達を明文で除外しており、被告がきちんと呼出しを受けていなければ判決全体が承認されません。
Q4相互の保証がない国はどこですか?
一律には決まらず、判決の種類ごとに過去の裁判例で個別判断されます。最高裁は要件を緩やかに解し、米国・ドイツなど主要国とは概ね保証ありとされます。
Q5外国判決の承認に期限はありますか?
118条自体に期間制限はありませんが、執行には執行判決訴訟が必要で、被告が要件不備を争うなら口頭弁論終結時までが実質的な期限となります。
Q6間接管轄とは何ですか?
外国判決を承認する場面で、日本から見てその外国裁判所に裁判権があったかを審査する管轄概念です。118条1号の要件で、民訴3条の2以下が判断基準になります。
Q7外国の仲裁判断も118条で承認されますか?
いいえ。仲裁判断の承認・執行は仲裁法とニューヨーク条約が規律します。118条は裁判所の判決が対象で、仲裁とは別ルートになります。
Q8公序良俗違反で承認されない外国判決の例は?
米国型の懲罰的損害賠償を命じる部分が典型です。最高裁は制裁目的の賠償を日本の理念に反するとし、実損填補部分のみを承認しています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1アメリカで勝訴したら、その判決書を持って日本の銀行で相手の口座を差し押さえられますか?
できません。外国判決は118条の四要件を満たしたうえで、さらに民事執行法24条の執行判決を日本の裁判所で取って初めて執行できます。判決書だけでは差押えは一歩も進みません。実務のポイント:執行判決訴訟では外国判決の中身(事実認定の当否)は審査されず、118条の四要件だけが審理対象です。準備すべきは『事件の正しさ』ではなく『四要件を満たす証拠』。論点を取り違えると無駄に時間を失う
Q2懲罰的損害賠償ってやつで何億も命じられた外国判決、日本でも全額払わされるんですか?
全額ではありません。最高裁(最判平成9.7.11)は、米国型の懲罰的損害賠償は制裁と見せしめが目的で日本の損害賠償の理念に反するとし、118条3号の公序良俗違反として承認しません。実際の損害を填補する部分だけが日本で効力を持ちます。実務のポイント:米国訴訟で被告になったら、判決の内訳(実損と懲罰賠償)を明確に分けて記録させることが、日本での負担を抑える鍵になる
Q3相互の保証ってなんですか? 日本と仲が悪い国の判決は無効ってことですか?
外交関係ではなく、その国が日本の同種判決を自国で承認・執行してくれるかという法制度上の対応関係です(118条4号)。最高裁(最判昭和58.6.7)は要件をかなり緩やかに解しており、主要国とは概ね保証ありとされます。実務のポイント:保証の有無は国ごと、判決の種類ごとに過去の裁判例で蓄積されています。提訴国を選べる立場なら、執行先である日本との相互保証が確立した国で訴えるのが定石
Q4外国で離婚判決が出たんですが、日本でも離婚したことになりますか?
家事事件でも家事事件手続法79条の2が118条を準用し、四要件(特に手続保障と公序)を満たせば日本でも効力を持ちます。戸籍への反映には判決の謄本・確定証明・訳文を添えて市区町村へ届け出る必要があります。実務のポイント:相手があなたに知らせず外国で一方的に離婚や親権の判決を取るケースがあります。送達を受けていなければ118条2号で争えるので、『知らない間に外国で判決が出ていた』場合こそ放置せず確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 外国で確定判決を取れば日本でもそのまま執行できると思っている人が多い。実際は違う。118条の四要件をクリアし、さらに民事執行法24条の執行判決を別途取って初めて、日本国内で差押えができる。判決書一枚では一歩も進まない
- 「相互の保証なんて、どの国とでもあるだろう」と問題を軽く見がちだが、問いの立て方が逆である。重要なのは「その国が、日本の同種判決を自国で承認・執行してくれるか」という制度上の対応関係だ。これが否定される国の判決は、内容がどれほど正当でも日本では効力を持たない。あなたが見るべきは相手国の対日姿勢である
- 送達の要件は名前だけ知っていても、その深刻さを見落としている人が多い。被告が外国で公示送達(裁判所の掲示板に貼るだけの呼出し)でしか呼ばれていなかった場合、それは118条2号で明文除外され、判決全体が日本で無効になる。現地の手続上は適法でも、日本の承認はそこで止まる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 機能 | 民訴118条:外国判決を日本で有効と認める(承認) | 民執24条:承認された外国判決で強制執行を可能にする(執行判決) 民訴3条の2:日本の裁判所が国際的に裁判権を持つか(直接管轄) |
| 審理の対象 | 四要件(間接管轄・送達・公序・相互保証)のみ、中身は再審理しない | 118条の要件充足を確認し執行を許可、実体は審理しない 本案前の管轄原因の有無を審理 |
| 効果 | 効力の自動承認(差押えはまだできない) | 強制執行が可能な債務名義を付与 日本で訴えを提起できるかが決まる |
| 誰が使う場面 | 外国判決を持ち込む側・争う被告側の双方 | 外国判決で日本の財産を差し押さえたい債権者 日本で最初に提訴するか検討する当事者 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も間接管轄・送達・公序・相互保証の枠組みを採り、日本の118条とほぼ同型。要件を一つでも欠くと承認されない点も共通する
韓国も四要件型で、別途218条が執行判決を規律する。懲罰賠償の取扱いは個別判断で日本と類似の議論がある
ドイツ法が本条の沿革上のモデル。間接管轄・送達・公序・相互保証の構造はここに由来し、日本は明治期に継受した
米国は州ごとにモデル法を採用。相互主義を要件としない州が多く、日本より承認が広い場面がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- アメリカ法人を相手に米国で損害賠償訴訟を起こし、200万ドルの勝訴判決を得た。相手の資産は東京の不動産。判決書を持って日本で執行を試みるが、まず118条の四要件審査と執行判決手続が立ちはだかる。最初の関門は、その国と日本に相互の保証があるかどうかだ
- あなたが経営する日本企業が、行ったこともない国の裁判所で欠席判決を食らった。相手はその判決を日本に持ち込み、あなたの会社の口座を差し押さえようとしている。だが訴状があなたに公示送達でしか届いていなかったなら、118条2号で承認そのものを阻止できる
- もし離婚した元配偶者が外国で、あなたに不利な親権や養育費の判決を取って日本に持ち込んできたら? 家事事件でも家事事件手続法79条の2が118条を準用する。手続保障や公序を理由に争える余地がある
- 執行判決を求める訴訟で、相手の外国判決の問題点を主張できる期間は限られる。口頭弁論の終結まで。証拠が揃う前に審理が閉じれば、もう覆せない
- 米国で懲罰的損害賠償(実際の損害の何倍もの制裁金)を含む判決を取られた。だが日本の最高裁は懲罰賠償部分を公序良俗違反として承認しない(最判平成9.7.11)。日本で効くのは実損を填補する部分だけだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 外国判決が確定していることを確認し、確定証明書を取得2. 提訴国と日本の間に相互の保証があるか、過去の承認例を調査3. 判決に懲罰的損害賠償など日本の公序に反する部分がないか精査、ある場合は実損部分のみで執行を求める4. 日本の裁判所に執行判決訴訟(民事執行法24条)を提起し、判決の翻訳・送達記録を証拠として提出5. 執行判決の確定後、強制執行(差押え)へ進む
訴えられた側:1. その外国訴訟であなたへの送達が適法だったか確認、公示送達のみなら118条2号で承認を阻止できる2. 判決内容が日本の公序良俗(懲罰賠償・過大な遅延損害金等)に反しないか検討3. 提訴国と日本に相互保証がないことを立証できれば四要件を崩せる4. 執行判決訴訟の口頭弁論で以上を主張し、終結前に証拠を出し切る5. 並行して、その外国判決自体を現地で争う余地(控訴・再審)も検討する
時効(請求できる期限):118条自体に期間制限はないが、外国判決を日本で執行するには執行判決訴訟(民事執行法24条)が必要であり、判決確定後の権利行使には外国の時効や日本の消滅時効(民法166条等)が関わる。被告側が要件不備を主張するなら、執行判決訴訟の口頭弁論終結時までが実質的な期限となる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:118条の四要件(間接管轄・送達・公序・相互の保証)はいずれも承認の積極要件であり、一つでも欠ければ外国判決は承認されない。承認は自動的効果として生じ、執行には別途民事執行法24条の執行判決を要すると解する。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法200条から条文番号が現行118条へ移り、外国判決承認の四要件(間接管轄、送達、公序、相互の保証)を現代語で整理・明文化した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により、外国判決承認の規定が旧200条から現行118条へ移行。間接管轄・送達・公序・相互の保証の四要件を現代語で整理・明文化した。
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