受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

民事訴訟法 第24条(裁判官の忌避)

クイックジャンプ
  1. 裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。
  2. 2.当事者は、裁判官の面前において弁論をし、又は弁論準備手続において申述をしたときは、その裁判官を忌避することができない。ただし、忌避の原因があることを知らなかったとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。

この条文の基本情報

裁判官の忌避とは何ですか?

定義裁判官の忌避とは、民事訴訟法第24条に定められた規定で、「裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事訴訟法第24条(裁判官の忌避)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 民事訴訟法第24条の条文原文は「裁判官について裁判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者は、その裁判官を忌避することができる。」で始まります。
  3. 民事訴訟法第24条は第三節 裁判所職員の除斥及び忌避に置かれています。
  4. 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
  5. 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事訴訟法第24条の前の条は民事訴訟法第23条です。
  7. 民事訴訟法第24条の次の条は民事訴訟法第25条です。
  8. 民事訴訟法第24条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第24条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109
  • 本サイト収録民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第24条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/24

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事訴訟法24条は、裁判の公正を妨げる事情があるとき、当事者が裁判官を忌避できると定める。ただし本案の弁論をした後は、原則として忌避権を失う。

Q · 裁判官が相手寄りに見えるとき、その裁判官を替えてもらえるの?

原則できるが、本案を弁論した後は忌避権を失います

民事訴訟法24条1項により、裁判の公正を妨げるべき客観的事情があれば、当事者はその裁判官を忌避できます。ただし2項により、裁判官の面前で本案の弁論をし、又は弁論準備手続で申述をすると忌避権は消滅します。例外として、忌避の原因を知らなかった場合、又は原因が後から生じた場合は、本案弁論後でも申し立てられます。なお「訴訟指揮が厳しい」「不利な心証を示された」といった主観的不満だけでは忌避事由になりません。

解説

法廷で、相手方の代理人と裁判官が妙に親しげに言葉を交わしている。あるいは、裁判官が最初からこちらの話を聞く気がなく、結論が決まっているように感じる。そんなとき、ほとんどの当事者は、黙って耐えて判決後に控訴で争うしかないと思い込む。だが民事訴訟法24条は、もう一つの道を残している。「裁判の公正を妨げるべき事情」があるとき、当事者はその裁判官そのものを忌避できる。つまり、この事件からあなたの裁判官を外すよう求められる。ただし、ここに致命的な罠がある。第2項によれば、あなたが一度その裁判官の面前で本案について弁論をしてしまうと、忌避権は消える。知っていれば抜けるが、知らずに弁論を始めれば、抜く前に手を縛られている。武器そのものより、抜けるタイミングを知っているかどうかが、この条文の本当の中身だ。

法的な位置づけ

民事訴訟法24条は裁判官の忌避を定める規定であり、裁判の公正を妨げるべき客観的事情があるとき、当事者の申立てによってその裁判官を当該事件の職務から排除する制度を規律する。法律上当然に職務を失う除斥(23条)とは異なり、当事者の申立てを要件とし、かつ本案弁論後は原則として失権する点に特色がある。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.裁判官の氏名が判明したら利害関係を調べる 期日通知などで担当裁判官の氏名が分かったら、本案を弁論する前に、相手方代理人や過去の判決との利害関係、公正を疑わせる事情がないかを調べる。第一回期日の前が勝負どころ
  2. 2.忌避事由の有無を客観基準で判定する 「自分が不快か」ではなく「第三者から見て裁判の公正を疑う具体的事情があるか」で判定する。訴訟指揮が厳しい、不利な心証を示された、だけでは事由にならない点に注意
  3. 3.本案弁論の前に忌避を申し立てる 忌避事由があると判断したら、その裁判官の面前で本案の弁論をする前に、書面で申し立てる。弁論を始めてからでは24条2項により失権する。書面が確実
  4. 4.忌避の原因を疎明する 申立ては、その裁判官の所属する裁判所に対して行い、忌避の原因を疎明する(民訴25条)。具体的事情を明確に示し、訴訟遅延だけが目的と見られないよう客観的根拠を添える
  5. 5.原因を後で知った場合は知った時期を記録する 本案弁論後に忌避事由を知った、又は事由が後から生じた場合は、ただし書で権利が復活する。いつ知ったか・いつ生じたかを立証できるよう、判明した経緯を時系列で記録する

よくある質問 AI による整理

Q1除斥と忌避の違いは何ですか?

除斥(民訴23条)は親族関係など法定事由があれば法律上当然に職務から外れます。忌避(24条)はそれ以外の公正を妨げる事情について、当事者の申立てを待って判断される点が違います。

Q2裁判官の忌避はいつまでに申し立てればよいですか?

その裁判官の面前で本案の弁論をし、又は弁論準備手続で申述をする前です(民訴24条2項)。これを過ぎると失権します。原因を後で知った場合・後に生じた場合は例外です。

Q3忌避の申立ては誰が判断しますか?

原則として忌避された裁判官自身ではなく、その裁判所の別の裁判官や合議体が判断します(民訴25条)。報復を恐れて沈黙する必要はありません。

Q4忌避事由はどう疎明すればよいですか?

忌避の原因は疎明しなければなりません(民訴25条4項)。具体的事情を書面で示し、公正を疑わせる客観的根拠を提示します。単なる主観的不満では足りません。

Q5忌避が認められなかったら不服を言えますか?

忌避を理由がないとする決定に対しては即時抗告ができます(民訴25条5項)。一方、忌避を認める決定には不服を申し立てられません。

Q6本案を弁論した後でも忌避できる場合はありますか?

あります。忌避の原因を知らなかったとき、又は原因が後から生じたときは、本案弁論後でも申し立てられます(民訴24条2項ただし書)。

Q7裁判所書記官も忌避できますか?

できます。除斥・忌避の規定は裁判所書記官に準用されます(民訴27条)。記録作成などに関与する書記官にも公正性が求められるためです。

Q8刑事裁判でも裁判官の忌避はできますか?

できます。刑事訴訟法21条が同様の忌避制度を定めています。裁判員に対しても不公平な裁判のおそれがあれば忌避できます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1裁判官が明らかに相手の味方をしている気がします。忌避できますか?

「気がする」だけでは難しい。24条の忌避事由は当事者の主観ではなく、客観的に裁判の公正を妨げる事情が必要です。不利な心証を示された、訴訟指揮が厳しいというだけでは、判例上ほとんど認められません。実務のポイント:実務では民事の忌避はめったに認容されず、多くは却下される。それでも本案弁論の前に申し立てておけば、後の控訴審で「公正を疑う事情があった」と主張する布石になる。認められなくても、記録に残す意味はある

Q2忌避を申し立てたら、審理ってどうなるんですか。止まるんですか?

原則として、忌避の申立てがあると、その当否が決まるまで訴訟手続は停止します(民訴26条)。ただし急速を要する行為はこの限りでなく、停止中に判決はできません。実務のポイント:この停止効果ゆえに忌避は引き延ばし目的で濫用されることがあり、訴訟遅延だけが目的と明らかな申立ては、忌避された裁判官自身が簡易に却下できる(実務・判例)。だから「とりあえず時間稼ぎ」で出すと逆効果。正当な事由の疎明をきちんと添えることが、停止効果を実際に得る条件になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「裁判官が自分に冷たいから忌避できる」と問いを立てる人が多い。だがその問いの立て方自体がずれている。24条が求めるのは当事者の主観的な不満ではなく、第三者から見ても裁判の公正が疑われる客観的事情だ。訴訟指揮が厳しい、不利な心証を示された、それだけでは忌避事由にならない。問うべきは「自分が不快か」ではなく「公正を疑う具体的事情があるか」である
  • 忌避という制度の存在は聞いたことがあっても、その権利が一瞬で消えることまで知る人は少ない。第2項により、裁判官の面前で本案の弁論をした時点で忌避権は失われる。多くの当事者は第一回期日で何も考えずに主張を述べ、その瞬間に切り札を捨てている。制度を知っているだけでは足りない、いつ失効するかまで知って初めて使える
  • 「忌避を申し立てたら、その裁判官が逆上して余計に不利になる」と恐れて使わない人がいる。だが申立ての当否は、原則としてその裁判官本人ではなく、別の裁判官(合議体)が判断する(民訴25条)。報復を恐れて沈黙するのは、制度設計の誤解に基づく自縄自縛だ
比較の観点この条文ほかの条文
発動の要件24条:公正を妨げる事情について当事者の申立てが必要23条(除斥):親族関係等の法定事由で法律上当然に職務から除外
25条:除斥・忌避の申立てを審理し裁判する手続
判断する主体24条:別の裁判官・合議体(民訴25条による)23条:事由があれば判断不要で当然に効力
25条:原則として忌避された裁判官以外が決定
失権・時的制限24条2項:本案弁論後は原則失権(ただし書で例外)23条:時的制限なく当然に除斥
26条:申立てがあると原則として手続停止

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国民事訴訟法第32条・第33条

台湾は法定の除斥事由(第32条)と、その他公正を疑わせる事情についての聲請迴避(第33条)を区別し、日本の除斥・忌避の構造とほぼ対応する

韓国
대한민국 민사소송법 제43조(기피)

韓国も除斥(제41조)と忌避(제43조)を区別。忌避は公正を妨げる事情について当事者の申立てを要する点で日本と同じ系譜に立つ

ドイツ
ZPO § 42(Ablehnung wegen Besorgnis der Befangenheit)

ドイツは『偏頗のおそれ』を理由とする裁判官の忌避を定め、日本法の母法にあたる。当事者の弁論等による失権の発想も共通する

アメリカ
28 U.S.C. § 455

米国連邦法は裁判官の自己回避(disqualification)を広く義務づけ、公正が合理的に疑われる場合を含む。当事者の申立てを前提とする日本の忌避とは構造が異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 第一回口頭弁論期日、あと数分で自分の番。裁判官と相手方代理人が司法修習の同期だと廊下で知ってしまった。本案を弁論する前に忌避を口にするか、残された時間は数分しかない
  • もし、審理の途中で、担当裁判官が SNS であなたの業界を一方的に断罪していたと判明したら? それが「裁判の公正を妨げる事情」にあたるかは微妙だが、忌避の原因が後から生じた、又は後から知った場合は、すでに弁論していても忌避権はただし書で復活する(24条2項ただし書)
  • あなたが被告で、原告が第一回期日の直前に忌避を申し立ててきた。審理は止まり(民訴26条)、解決が数か月遠のく。これは正当な忌避なのか、それとも引き延ばし戦術なのか。訴訟遅延だけを目的とすることが明らかな忌避は、簡易に却下されうる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 裁判官の氏名が判明したら、本案の弁論を始める前に、相手方や過去の判決との利害関係、偏頗をうかがわせる事情を調べる2. 忌避事由があると判断したら、第一回期日で本案を弁論する前に申し立てる(書面が確実) 3. 申立ては、その裁判官の所属する裁判所に対し、原因を疎明して行う(民訴25条) 4. 申立てがあると審理は原則停止するが(民訴26条)、訴訟遅延目的のみと見られると簡易却下されうるので、具体的事情を明確に疎明する

訴えられた側:1. 相手方が忌避を申し立ててきたら、まず申立てが本案弁論の後かを確認、24条2項で失権していれば不適法を主張2. 忌避事由の具体性を精査し、単なる訴訟指揮への不満や主観的な不公平感は事由にならないと反論3. 明らかな訴訟遅延目的なら、簡易却下を求める意見を述べる4. 自分が申し立てる側であっても報復を恐れる必要はない、当否は原則として別の裁判官が判断する(民訴25条)

時効(請求できる期限):忌避は、その裁判官の面前で本案の弁論をし、又は弁論準備手続で申述する前に申し立てなければならない(民訴24条2項)。これを過ぎると忌避権を失う。例外として、忌避の原因を知らなかった場合、又は原因が後に生じた場合は、それを知った時、生じた時から失権せず申立てできる。特定の日数制限ではなく、本案弁論という行為の前後で権利の有無が決まる起算構造である

学説

通説:24条の忌避事由は当事者の主観的不満では足りず、第三者から見て裁判の公正を疑わせる客観的事情を要するとされる。厳しい訴訟指揮や不利な心証の開示それ自体は、原則として忌避事由にあたらないと解されている。

改正沿革 AI による整理

  • 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法を全部改正し(平成8年法律第109号、平成10年施行)、現代語化とともに条文を再編。忌避に関する規定が現行の24条として整理され、本案弁論後の失権(2項)と、原因を知らなかった場合・後に生じた場合のただし書が明文の形で置かれた

改正の年表

  1. 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正(平成8年法律第109号、平成10年施行)。旧法を現代語化・再編し、忌避に関する規定を現行24条として整理。本案弁論後の失権(2項)と、原因不知・後発の場合のただし書を明文化した。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

民事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第三節 裁判所職員の除斥及び忌避

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›