民事訴訟法 第26条(訴訟手続の停止)
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除斥又は忌避の申立てがあったときは、その申立てについての決定が確定するまで訴訟手続を停止しなければならない。ただし、急速を要する行為については、この限りでない。
この条文の基本情報
訴訟手続の停止とは何ですか?
定義訴訟手続の停止とは、民事訴訟法第26条に定められた規定で、「除斥又は忌避の申立てがあったときは、その申立てについての決定が確定するまで訴訟手続を停止しなければならない。ただし、急速を要する行為については、この限りでない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第26条(訴訟手続の停止)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第26条の条文原文は「除斥又は忌避の申立てがあったときは、その申立てについての決定が確定するまで訴訟手続を停止しなければならない。ただし、急速を要する行為については、この限りでない。」で始まります。
- 民事訴訟法第26条は第三節 裁判所職員の除斥及び忌避に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第26条の前の条は民事訴訟法第25条です。
- 民事訴訟法第26条の次の条は民事訴訟法第27条です。
- 民事訴訟法第26条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第26条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第26条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/26
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法26条は、裁判官の除斥・忌避の申立てがあると、その決定が確定するまで訴訟手続を停止すると定める。ただし急速を要する行為は例外として停止中でも進められる。
Q · 裁判官の忌避を申し立てたら、その裁判は止まるの?
原則、決定が確定するまで訴訟手続は停止します
民事訴訟法26条により、除斥または忌避の申立てがあると、その申立てについての決定が確定するまで訴訟手続全体が原則として停止します。当事者が公正を欠く審理で不利益を受けないための安全装置です。ただし但書により「急速を要する行為」は停止中でも進められます。さらに実務では、訴訟の引き延ばしを目的とすることが明白な忌避は、停止効を生じないまま却下されます。停止効を狙うだけの空振り申立ては、かえって自分の心証を悪くします。
解説
法廷で裁判官が露骨に相手方寄りの訴訟指揮をしている。そう感じても、ほとんどの人は「当たった裁判官で我慢するしかない」と思い込む。だが、公正な裁判を妨げる客観的な事情があるなら、除斥(23条)や忌避(24条)で裁判官の交代を求められる。そして26条がその威力を決定づける。除斥(法律上当然に職務から排除される類型)や忌避(不公平のおそれを理由に申し立てる類型)を申し立てた瞬間、その判断が確定するまで訴訟手続そのものが止まる。あなたが反論の機会を失わないよう、時計の針を一旦止める安全装置だ。ただし但書を読み飛ばすな。急速を要する行為、つまり放置すれば取り返しのつかない手続は、停止中でも進む。さらに実務では、時間稼ぎが見え見えの忌避は停止効を生まないまま却下される。武器であると同時に、空振りすると自分の心証を削る諸刃でもある。
法的な位置づけ
民事訴訟法26条は、裁判官の除斥または忌避の申立てによる訴訟手続の停止を定める規定である。申立てがあれば、その決定が確定するまで手続全体が原則として停止し、当事者が公正を欠く審理で不利益を受けることを防ぐ。ただし急速を要する行為は停止の例外とされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.感想と客観的事実を切り分ける 「裁判官が相手寄りに見える」という感想ではなく、除斥事由(23条)や忌避事由(24条)にあたる客観的事情を洗い出す。裁判官と相手方・代理人の縁故、過去の事件関与など、疎明できる事実があるかを確認する
- 2.本案について弁論する前に申し立てる 忌避は事件について弁論等をした後は原則として申し立てられない(24条2項の失権)。偏りに気づいたら、反論や本案の意見を述べる前に書面で申立てと疎明資料を提出する
- 3.申立て受理で手続停止を発動させる 申立てが受理されれば、26条本文により決定が確定するまで訴訟手続が停止する。停止中に相手方が急速を要する行為として手続を進めようとしたら、その必要性を争う
- 4.却下に備えて控訴審の材料を残す 実務上、忌避が認められる確率は低い。却下に備え、不公平と感じる訴訟指揮はその都度調書化を求め、控訴審で争うための記録を並行して残しておく
よくある質問 AI による整理
Q1除斥と忌避の違いは何ですか?
除斥(23条)は配偶者や事件への関与など法定事由があれば法律上当然に職務から排除される類型です。忌避(24条)は不公平のおそれを理由に当事者が申し立てる類型で、認められて初めて排除されます。
Q2裁判官の忌避はいつまで申し立てられますか?
事件について裁判所に対し弁論等をした後は原則として忌避権を失います(24条2項)。偏りに気づいたら本案について意見を述べる前に申し立てる必要があります。
Q3急速を要する行為とは何ですか?
26条但書の例外で、放置すると取り返しのつかない手続を指します。時効完成が迫る場合や証拠保全など、停止中でも進めないと当事者に重大な不利益が生じる行為が該当します。
Q4忌避が却下されたらどうなりますか?
手続の停止は解け、審理が再開します。却下決定には即時抗告ができます(25条)。引き延ばし目的が明白な場合は、そもそも停止効を生じないまま却下されることもあります。
Q5忌避の申立ては誰が判断しますか?
忌避された裁判官が所属する裁判所が合議で判断し、その裁判官自身は判断に関与しません(25条)。簡易裁判所の裁判官の忌避は地方裁判所が決定します。
Q6裁判所書記官も忌避できますか?
できます。27条により除斥・忌避の規定が裁判所書記官に準用されます。鑑定人にも忌避制度があり(214条)、公正な手続を担保する仕組みになっています。
Q7家事事件でも裁判官を忌避できますか?
できます。家事事件手続法により民事訴訟法の除斥・忌避規定が準用され、裁判官だけでなく参与員や家事調停委員にも及びます。離婚や相続の調停・審判で偏りを感じたときの武器になります。
Q8忌避の申立てに費用はかかりますか?
申立て自体の手数料は高額ではありませんが、却下リスクと審理が長引くデメリットを比較する必要があります。客観的事実を疎明できる見込みがないまま出すと逆効果です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判官が明らかに相手寄りなんですが、別の裁判官に代えてもらえますか?
「気に入らない」だけでは無理です。忌避(24条)が認められるのは、公正な裁判を妨げるおそれを基礎づける客観的事情がある場合だけで、訴訟指揮への不満や不利な判断は原則として理由になりません。実務のポイント:実務で忌避が通る確率は極めて低い。多くのベテラン弁護士は忌避に賭けるより、不公平な訴訟指揮を調書に残して控訴審で争う道を選ぶ。
Q2忌避を申し立てたら、裁判はどれくらい止まるんですか?
原則として、その申立てへの決定が確定するまで手続全体が止まります(26条)。ただし但書で「急速を要する行為」は除かれ、放置できない手続は進みます。実務のポイント:時間稼ぎ目的が明らかな忌避は、停止効を生まないまま却下されるのが実務の扱い。裁判所は本気の忌避と引き延ばしの忌避を見抜くので、停止効だけを狙った申立ては逆効果になりやすい。
間違えやすい点 AI による整理
- 「判断を下す裁判官は選べない、当たった裁判官で我慢するしかない」と思い込んでいる人が多いが、法律上の理由があれば忌避を申し立てて交代を求められる。
- 忌避できること自体は知っていても、申し立てた瞬間に訴訟手続全体が止まる(26条)という威力までは知らない人が多い。これは単なる不服の表明ではなく、手続を凍結させる強力な装置だ。
- 「裁判官が気に入らないから忌避する」という発想そのものが誤り。忌避が認められるのは公正な裁判を妨げる客観的事情がある場合だけで、主観的な不満で申し立てると却下され、停止効も生じず、心証を悪くするだけに終わる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質 | 26条:除斥・忌避申立てによる訴訟手続の停止効 | 23条:除斥(法定事由で当然に排除) 24条:忌避(不公平のおそれを理由に申立て) |
| 発動の起点 | 除斥または忌避の申立てがあった時点 | 法定の除斥事由が存在する時点で当然 当事者の申立てと受理 |
| 時期的制限 | 申立てから決定確定までの間に停止効が生じる | 時期的制限なし、いつでも主張可 本案について弁論等をした後は失権(24条2項) |
| 例外・限界 | 急速を要する行為は停止しない/引き延ばし目的の忌避は停止効なし | 代替の裁判官による職務続行 却下決定に即時抗告(25条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
聲請迴避があると事件終結まで訴訟程序を停止する点で日本26条と同趣旨。ただし規定違反や訴訟遅延目的の申立ては停止しないと明文化しており、日本が実務運用で処理する部分を条文化している
제척·기피 신청があると原則として訴訟手続を停止する点で日本と類似。急速を要する行為の例外も置かれており、ドイツ法系の共通構造を示す
忌避された裁判官は決定前に『延期できない職務行為(unaufschiebbare Amtshandlungen)』のみ可能とする。日本26条但書の『急速を要する行為』と発想が一致する祖型
裁判官の回避(disqualification)は規定するが、申立てによる自動的な手続停止は明文化されず、個々の裁判所の運用に委ねられる。大陸法系の自動停止構造とは異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの離婚訴訟を担当する裁判官が、相手方の代理人とかつて同じ法律事務所にいたと判明したら? それは忌避の理由になりうる。申し立てれば、その判断が確定するまで審理は止まる。
- あなたが被告として訴えられ、次回期日まであと5日。初回から裁判官の訴訟指揮があからさまに原告寄りだ。忌避を申し立てて時計を止めるか、それとも反論を始めて忌避権を失う前に証拠を固めるか、判断のリミットが迫る。
- 証人尋問の直前、裁判官が相手方当事者の親族だと分かった。忌避を申し立てる。尋問は止まる(急速を要する部分を除く)。
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず感想と事実を分ける。除斥事由(23条)か忌避事由(24条)にあたる客観的事情、たとえば裁判官と相手方・代理人の縁故、過去の関与を具体的に洗い出す。2. 本案について弁論する前に、書面で申立てと疎明資料を提出する(24条2項の失権に注意)。3. 申立てが受理されれば、判断確定まで手続は停止する(26条本文)。4. 却下に備え、不公平な訴訟指揮はその都度調書化を求め、控訴審の材料を並行して残す。
訴えられた側:相手が引き延ばし目的で忌避を連発してきたら、1. その申立てが訴訟遅延を目的とすることが明らかだと主張し、停止効を伴わない却下を求める。2. 但書の「急速を要する行為」にあたる手続は停止中でも進められるため、時効や証拠保全など待てない手続は止めずに進行を求める。3. 自分が裁判官を忌避する側なら、感情ではなく客観的事実で疎明し、空振りで心証を損なうリスクを天秤にかける。
時効(請求できる期限):忌避は、当事者が事件について裁判所に対し書面又は口頭で弁論等をした後はできない(忌避権の喪失、24条2項。ただし忌避原因を知らなかった場合等は例外)。除斥には時期的制限はない。手続停止の効果は、申立てから決定確定までの間に生じる(26条)。
学説
通説:26条本文の停止効は、除斥・忌避制度が担保する裁判の公正性を実効化するためのもの。ただし但書の『急速を要する行為』と、訴訟遅延が明白な忌避を停止効なしに却下する実務運用により、停止の射程は二重に絞られ、引き延ばしの道具化を抑えていると解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法を全面的に現代語化・再編した全部改正により、除斥・忌避による訴訟手続停止の規定が現行26条として整理された。停止の原則と「急速を要する行為」の例外という基本構造は旧法から引き継がれている。
改正の年表
- 1.明治23年(1890年) 新設:ドイツ民事訴訟法(ZPO)を範とした旧民事訴訟法の制定により、裁判官の除斥・忌避と、その申立てによる手続停止の枠組みが導入された。
- 2.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により現代語化・再編され、除斥・忌避による訴訟手続停止の規定が現行26条として整理された。停止の原則と『急速を要する行為』の例外という基本構造は旧法から継受されている。
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