民事訴訟法 第131条(当事者の故障による中止)
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- 当事者が不定期間の故障により訴訟手続を続行することができないときは、裁判所は、決定で、その中止を命ずることができる。
- 2.裁判所は、前項の決定を取り消すことができる。
この条文の基本情報
当事者の故障による中止とは何ですか?
定義当事者の故障による中止とは、民事訴訟法第131条に定められた規定で、「当事者が不定期間の故障により訴訟手続を続行することができないときは、裁判所は、決定で、その中止を命ずることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第131条(当事者の故障による中止)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第131条の条文原文は「当事者が不定期間の故障により訴訟手続を続行することができないときは、裁判所は、決定で、その中止を命ずることができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第131条は第六節 訴訟手続の中断及び中止に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第131条の前の条は民事訴訟法第130条です。
- 民事訴訟法第131条の次の条は民事訴訟法第132条です。
- 民事訴訟法第131条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第131条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第131条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/131
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法131条は、当事者が不定期間の故障で訴訟を続行できないとき、裁判所が決定で手続の中止を命じられると定める。中止中は期間の進行も停止する。
Q · 海外で足止めされて裁判に出られないとき、訴訟は勝手に止まってくれるの?
自動では止まらず、裁判所の中止決定が必要です
民事訴訟法131条1項により、当事者が不定期間の故障で訴訟手続を続行できないとき、裁判所は決定でその中止を命じることができます。海外で帰国できない、災害で連絡が途絶えたなど、死亡や訴訟能力喪失には至らないが現実に動けない状態が対象です。中止されれば期間の進行も停止し(132条2項)、上訴期間の徒過も防げます。ただし中止は裁判所の職権・裁量であり当事者の固有の申立権ではないため、上申書などで判断材料を示すことが重要です。
解説
裁判が始まったら、当事者の都合では止められない。そう思い込んでいないだろうか。131条はその常識に例外を開ける。当事者が「不定期間の故障」、つまりいつ終わるか見通せない障害で訴訟を続けられなくなったとき、裁判所は決定でその手続を中止できる。海外の紛争地域に取り残された、大規模災害で連絡が完全に途絶えた、そうした「死んでも訴訟能力を失ってもいないが、現実に一歩も動けない」状態がこれにあたる。重要なのは、当事者の死亡や訴訟能力喪失で法律上当然に止まる『中断』(124条)とは別物だという点。中断は自動で止まるが、中止は裁判所の裁量判断がなければ止まらない。あなたが当事者で動けなくなったとき、放置すれば欠席のまま不利な判決が出かねない。だが131条の存在を知っていれば、裁判所に中止を促す道がある。しかも中止中は期間の進行も止まる(132条)。上訴期間まで凍結されるのだ。
法的な位置づけ
民事訴訟法131条にいう故障による中止とは、当事者が不定期間の故障により訴訟手続を続行できない場合に、裁判所が決定でその手続を停止する制度をいう。当事者の死亡や訴訟能力喪失により法律上当然に停止する中断(124条)とは異なり、裁判所の職権・裁量による発動を要する点に特徴がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.故障判明後、次回期日が来る前に上申書を提出 動けない状態が判明した瞬間に、次回期日を迎える前に裁判所書記官へ連絡し、故障の内容と不定期間である事情、中止を求める旨を記した上申書を提出する。期日を欠席してからでは擬制自白や欠席前提の審理が先行してしまう
- 2.故障を裏付ける客観資料を添付 渡航制限の公的告知、被災証明、診断書など、不定期間の故障であることを示す客観資料を可能な範囲で添付し、裁判所に裁量判断の材料を与える
- 3.訴訟代理人(弁護士)の選任を優先検討 本人が動けなくても代理人が追行できる場合は中止より代理人選任が確実。中止はあくまで最後の手段と位置づけ、選任可能なら弁護士に訴訟追行を委ねる
- 4.中止後の期間停止を確認し取消しに備える 中止が認められれば期間の進行が停止する(132条2項)ことを確認する。故障が消滅すると裁判所は職権で中止を取り消せる(131条2項)ため、取消し後に残期間が進行することを見越して上訴等の準備を整える
よくある質問 AI による整理
Q1不定期間の故障とは何ですか?
いつ終わるか見通せない障害で当事者が現実に訴訟を追行できない状態です。海外での足止めや大規模災害による連絡途絶などが典型で、死亡や訴訟能力喪失には至らない場合を指します。
Q2訴訟手続の中止は誰が決めますか?
裁判所が決定で命じます(民訴131条1項)。当事者の固有の申立権ではなく職権・裁量事項のため、何もせず待っていても自動では中止されません。
Q3中止されると上訴期間も止まりますか?
止まります。中止中は期間の進行が停止し(民訴132条2項)、上訴期間など不変期間も凍結されます。中止が取り消された時点から残りの期間が再び進行します。
Q4中止の決定は取り消されることがありますか?
あります。裁判所は前項の中止決定を職権で取り消せます(民訴131条2項)。故障が消滅したと判断されれば取消しにより手続が再開します。
Q5法人が当事者でも中止は認められますか?
認められうる場面があります。訴訟を動かす中心人物(代表者等)が国外で拘束されるなど故障で続行が事実上不能になれば、法人当事者でも中止の対象となりえます。
Q6中止を求めるにはどうすればいいですか?
故障が判明した時点で、次回期日が来る前に裁判所書記官へ連絡し、事情と中止を求める旨の上申書を提出します。客観資料を添付して判断材料を与えるのが実務上の鉄則です。
Q7当事者が昏睡状態のときは中断ですか中止ですか?
死亡も後見開始もしていない長期昏睡は中断には当たらず、131条の故障による中止が検討される局面です。死亡や後見開始があれば中断(124条)になります。
Q8中止と期日の変更はどう使い分けますか?
終期が見通せる一時的な事情なら期日の指定・変更(民訴93条)で足ります。終期が見通せない不定期間の故障で初めて131条の中止が問題になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1海外で足止めされて裁判に出られません、勝手に負けにされますか?
出頭できないまま放置すれば、擬制自白や欠席を前提とした審理で不利になる危険があります。ただし帰国の見通しが立たない『不定期間の故障』にあたれば、131条で裁判所が手続を中止でき、中止されれば期間の進行も止まります(132条2項)。実務のポイント:中止は職権事項で固有の『申立権』ではないため、何もせず待っていても裁判所は動きません。事情を記した上申書を期日前に出して判断材料を与えるかどうかが分水嶺。さらに弁護士を代理人に立てれば、本人が動けなくても訴訟を進められるので、中止より代理人選任が優先される場面も多い
Q2『中断』と『中止』って何が違うんですか、どちらも止まるんでしょう?
止まる点は同じでも、止まり方が決定的に違います。中断(124条)は当事者の死亡や訴訟能力の喪失などで法律上当然に止まり、裁判所の判断は不要。中止(130条・131条)は災害や当事者の故障について裁判所が決定で止めるもので、職権・裁量です。実務のポイント:実務で怖いのは、自分のケースを中断だと思い込んで何もしないこと。単に動けないだけなら中断には当たらず、中止の決定がなければ手続は進み続けます。中断だと誤解して放置した結果、欠席を前提とした判決が確定する事故が現実に起こりうる。自分の状況がどちらかを早期に見極めるのが肝心
間違えやすい点 AI による整理
- 「当事者が動けなくなれば訴訟は自動で止まる」と思っているなら、その問いの立て方自体が中断と中止を混同している。死亡や訴訟能力の喪失は『中断』として当然に止まるが、単に物理的に動けないだけの『故障』は、裁判所が中止を決定しない限り止まらない。自動だと信じて何もしないと、手続は進み続ける
- 中止という制度があることは知っていても、その本当の威力を知らない人が多い。中止中は期間の進行が停止する(132条2項)。つまり上訴期間や各種の不変期間も凍結される。動けない間に取り返しのつかない期限を徒過する事態を防ぐ、そこが核心の効果である
- 「中止は当事者が申し立てれば当然に認められる」と思われがちだが、131条は裁判所の職権・裁量による。固有の申立権として保障されているわけではなく、裁判所を説得できる材料を出せなければ動かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 停止の原因 | 131条:当事者の不定期間の故障 | 124条:当事者の死亡・訴訟能力喪失等 130条:天災その他の事由による裁判所の職務執行不能 |
| 発動方式 | 裁判所の決定(職権・裁量)が必要 | 法律上当然に停止(裁判所の判断不要) 事由の発生により当然に中止 |
| 期間への効果 | 中止中は期間の進行停止(132条2項) | 中断中は期間の進行停止(132条) 中止中は期間の進行停止(132条) |
| 取消し・再開 | 裁判所が職権で取消し可(131条2項) | 受継の申立て等により再開 事由消滅により再開 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は当事者が天災その他不可避の事故で法院と交通隔絶した場合に、障害消滅まで裁定で停止できるとし、裁判所の裁定による点で日本の中止に近い。
韓国も当事者の障害による中止を法院の決定事項とし、日本の131条と構造が類似する。
ドイツは höhere Gewalt(不可抗力)等による Stillstand のときに裁判所が手続を中止できるとし、不可抗力型の停止の祖型にあたる。
米国には単一の対応条文はなく、stay of proceedings として裁判所の固有権限・裁量で手続を停止する運用が機能的に対応する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 係争中のあなたが海外出張先で紛争に巻き込まれ、帰国便が全便欠航。次回期日まであと10日。このまま欠席すれば不利な判決が出かねないこの状況こそ、131条の『不定期間の故障』にあたりうる。動けない事情を裁判所に伝えれば、中止の道が開く
- あなたが原告として訴えた被告が、大規模災害の被災地に住んでいて連絡が完全に途絶えた。手続を強行しても、後で『中止すべきだった』と上級審で覆されるリスクが残る。相手の故障も、めぐりめぐって自分の勝訴判決の安定性を揺るがす
- 当事者が長期の昏睡状態に陥った。意識はないが、死亡も後見開始もしていない。中断には当たらず、131条の中止が検討される局面である。
- あなたの取引先との訴訟中、相手の代表者が国外で身柄を拘束され、訴訟追行の指示を出せなくなった。法人が当事者でも、訴訟を動かす中心人物の故障が手続の続行を事実上不能にすれば、中止の対象になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 動けない状態が判明した瞬間、次回期日が来る前に裁判所書記官へ連絡し、事情と中止を求める旨を記した上申書を提出する2. 故障を裏付ける客観資料(渡航制限の公的告知、被災証明、診断書など)を可能な範囲で添付する3. 訴訟代理人(弁護士)を選任できるなら選任し、代理人に追行させる方が確実。中止はあくまで最後の手段4. 中止が認められれば期間の進行が止まる(132条2項)ので、上訴期間徒過の危険も同時に防げる
訴えられた側:1. 相手の『故障』が本当に不定期間か検証する。終期が見通せる一時的なものなら、中止要件を欠くと反論できる2. 中止決定が出ても裁判所は職権で取り消せる(131条2項)ので、故障の消滅を示して取消しを求める3. 不当に長い中止は自分の裁判を受ける権利を損なうため、期日指定や弁論再開を含めた手続促進を働きかける4. 相手の故障に乗じた手続の強行は後の上訴で覆されうるので、適正手続を優先する方が結局は有利
時効(請求できる期限):中止に固有の申立期間はない(裁判所の職権事項)。ただし故障が判明したら次回期日が来る前に動くのが実務上の鉄則。中止中は期間の進行が停止し(132条2項)、中止が取り消された時点から残りの期間が再び進行する
学説
通説:131条の『不定期間の故障』とは、終期を見通せない事由により当事者が現実に訴訟を追行できない状態をいい、当事者の死亡・訴訟能力喪失により当然停止する中断(124条)とは区別される。中止は裁判所の裁量的判断による点に特徴がある。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法の条文を整理し、当事者の故障による中止の規定を現行131条として配置。文言を現代語化し、1項で中止命令、2項で取消しの構造を明確化した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により旧法の規定を整理し、当事者の故障による中止を現行131条として配置。1項で中止命令、2項で取消しの構造を明確化した。
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