民事訴訟法 第130条(裁判所の職務執行不能による中止)
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天災その他の事由によって裁判所が職務を行うことができないときは、訴訟手続は、その事由が消滅するまで中止する。
この条文の基本情報
裁判所の職務執行不能による中止とは何ですか?
定義裁判所の職務執行不能による中止とは、民事訴訟法第130条に定められた規定で、「天災その他の事由によって裁判所が職務を行うことができないときは、訴訟手続は、その事由が消滅するまで中止する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第130条(裁判所の職務執行不能による中止)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第130条の条文原文は「天災その他の事由によって裁判所が職務を行うことができないときは、訴訟手続は、その事由が消滅するまで中止する。」で始まります。
- 民事訴訟法第130条は第六節 訴訟手続の中断及び中止に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第130条の前の条は民事訴訟法第129条です。
- 民事訴訟法第130条の次の条は民事訴訟法第131条です。
- 民事訴訟法第130条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第130条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第130条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/130
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法130条は、天災その他の事由で裁判所が職務を行えないとき、訴訟手続がその事由の消滅まで当然に中止すると定める。申立ては不要で、期間の進行も停止する。
Q · 大地震で裁判所が止まったら、迫っている控訴の期限はどうなるの?
申立て不要で自動的に止まり、再開後にまた丸ごと与えられる
民事訴訟法130条により、天災その他の事由で裁判所が職務を行えないときは、訴訟手続はその事由が消滅するまで当然に中止します。当事者の申立ても裁判所の決定も不要で、法律上当然に止まります。中止中は控訴・上告・準備書面提出などの期間の進行も停止し、再開後は残り日数ではなく全期間が新たにゼロから進行します(132条2項)。災害直前に控訴期間2週間のうち13日が過ぎていても、再開後にまた丸2週間が与えられます。
解説
東日本大震災のとき、被災地の裁判所は実際に業務を止めた。もしあなたがそのとき訴訟の真っ最中で、控訴の期限が迫っていたらどうなるか。答えは、何もしなくていい、だ。民事訴訟法130条は、天災その他の事由で裁判所が職務を行えないとき、訴訟手続はその事由が消滅するまで自動的に中止すると定める。裁判所の決定も、あなたの申立ても要らない。法律上、当然に止まる。そして止まっている間、控訴・上告・準備書面の提出といったあらゆる期間は進行を停止し、再開後は残り日数ではなく全期間が新たにゼロから動き出す(132条2項)。つまり、災害で2週間の控訴期間のうち13日が過ぎていても、再開後にまた丸2週間が与えられる。多くの人が「裁判が止まったら自分が不利になる」と恐れるが、この条文はむしろあなたを守る側に立っている。
法的な位置づけ
民事訴訟法130条は訴訟手続の当然中止を定める規定であり、天災その他の事由によって裁判所が職務を行うことができないとき、訴訟手続はその事由が消滅するまで中止すると規定する。当事者側の故障を理由とし裁判所の決定を要する131条の中止とは異なり、裁判所自体の職務執行不能を理由とする点で、申立ても決定も要しない自動的な手続停止である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.管轄裁判所が本当に職務執行不能か確認する 係争事件の管轄裁判所が実際に職務を行えない状態か、閉庁公告・裁判所 HP・書記官室への連絡で確認する。単なる自分の被災(131条)か、裁判所自体の機能停止(130条)かを切り分ける
- 2.中止に当たるなら手続を無理に急がない 職務執行不能なら130条で期間は当然に止まる。控訴・上告・書面提出を慌てて行わない。機能停止中の訴訟行為は効力が後で問題になりうるため、再開を待つ
- 3.再開の起算点を確認する 再開後は132条2項で全期間が新たに進行する。再開の通知日・公告日を起算点として書面で記録し、残り日数ではなく全期間が与えられることを前提にスケジュールを組む
- 4.中止の証拠を保存する 罹災証明・閉庁公告・裁判所 HP のスクリーンショットを保存する。後日、相手から『期限が過ぎた』と主張されたとき、中止期間中は時計が止まっていた事実の反証材料になる
- 5.微妙なときは早期に裁判所へ確認し記録を残す 中止か否か微妙なときは、再開後すぐに書記官室へ期間の取扱いを確認し、書面でメモを残す。後で『あの期間は進行していたか』が争点になったとき、97条の追完を持ち出す余地が変わる
よくある質問 AI による整理
Q1訴訟手続の中止とは何ですか?
天災その他の事由で裁判所が職務を行えないとき、訴訟手続がその事由の消滅まで止まることです。民事訴訟法130条が根拠で、申立て不要・法律上当然に中止します。
Q2中止と中断はどう違いますか?
中止は裁判所側の職務執行不能(130条)が原因、中断は当事者の死亡などの事情(124条)が原因です。いずれも手続は止まりますが、原因の所在が異なります。
Q3130条と131条はどちらを使いますか?
裁判所そのものが機能停止なら130条(自動中止)、当事者が被災して動けないだけなら131条(裁判所の決定が必要)です。原因の所在で振り分けます。
Q4コロナで期日が取り消されたのも中止ですか?
運用上の措置であって厳密な130条の中止とは限りません。ただし感染症の蔓延が裁判所機能を実際に止める事態は130条の射程に入りうるとされます。
Q5特定非常災害に指定されると期間はどうなりますか?
特定非常災害特別措置法により、法定期間の満了日が延長される措置が別途とられることがあります。最新の指定状況は政令で確認が必要です。
Q6中止だったことはどう証明しますか?
裁判所の閉庁公告、裁判所 HP の業務停止案内、罹災証明などを保存します。後日『期限を守らなかった』と言われたときの反証材料になります。
Q7中止中に提出した書面は有効ですか?
裁判所が機能停止している間の訴訟行為は、その効力が後で問題になりうるため、無理に動く必要はありません。再開を待つのが原則です。
Q8期限を過ぎても追完できますか?
130条の中止が及ばない場面でも、責めに帰せない事由で不変期間を徒過したときは、民事訴訟法97条の追完を別途主張できる余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1災害で裁判所が止まったら、私のほうから『手続を止めてください』って申し立てるんですか?
130条の中止は申立て不要です。天災等で裁判所が職務を行えない状態になれば、法律上当然に中止し、当事者も裁判所も決定をする必要はありません。これが当事者側の事情で動けない131条(裁判所の決定が必要)との決定的な違いです。実務のポイント:実務では、再開後に『あの期間は中止だったのか』を巡って争いになることがあります。心配なら再開直後に書記官室へ期間の取扱いを確認し、メモを残しておくと、後の主張の裏付けになります
Q2中止が終わったあと、残っていた期限の日数だけ動き出すんですか?
いいえ。民事訴訟法132条2項により、中止が解けると期間は残り日数からではなく、全期間が新たにゼロから進行します。災害直前に控訴期間2週間のうち13日が経過していても、再開後にまた丸2週間が与えられます。実務のポイント:この『全期間リセット』を知らずに、再開後すぐ慌てて提出してしまう人がいますが、急ぐ必要はありません。逆に、相手の期間も同じくリセットされるので、相手がまだ動けると油断していると足をすくわれます
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判所が止まったら、自分も急いで期限内に書類を出さなきゃ」と焦る人が多いが、逆だ。中止中は期間が進まないので、無理に動く必要はない。むしろ機能停止中に出した訴訟行為は、その効力が後で問題になりうる
- 中止になること自体は知っていても、その効果の大きさを見落としている人が多い。再開後は残り日数ではなく全期間が新たに進行する(132条2項)。災害直前に期限がほぼ尽きていても、再開で時間が丸ごと戻る、この回復力の大きさが認識されていない
- 「自分が被災して裁判所に行けない」のと「裁判所そのものが機能停止する」のは、別の条文の話だ。前者は当事者側の故障で131条(裁判所の決定が必要)、後者が130条(自動中止)。どちらに当たるかで、自分から申し立てる必要があるかどうかが正反対になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 止まる原因 | 130条:天災等で裁判所が職務執行不能 | 124条:当事者の死亡・法人合併等の中断事由 131条:当事者の天災等による故障 |
| 手続 | 申立て・決定とも不要(法律上当然に中止) | 受継の手続により進行を再開 裁判所の決定が必要(職権または申立て) |
| 原因の所在 | 裁判所側(庁舎・機能の停止) | 当事者側(訴訟追行者の不存在) 当事者側(当事者の故障) |
| 期間の効果 | 進行停止、再開後に全期間が更新(132条2項) | 進行停止、受継・続行で全期間が更新(132条) 進行停止、再開後に全期間が更新(132条2項) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も不可抗力等による手続停止の枠組みを訴訟程序の停止の章で規律する。停止中の期間進行の扱いは別途規定される。
韓国も裁判所の職務執行不能を事由とする中止を明文化し、日本130条と発想が近い。
ドイツは戦争その他の高権的事由による裁判の停止を規定。日本130条の継受元に連なる発想を持つ。
米国は単一の明文規定ではなく、災害時に各裁判所が緊急命令で期間の tolling や審理の continuance を行う運用で対応する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 控訴期限まであと3日というその朝、震度6の地震で管轄の地方裁判所が閉鎖されたら、あなたの控訴はどうなる? 答えは、期限は止まり、再開後にまた丸ごと与えられる。慌てて被災地の裁判所に押しかける必要はない
- あなたが被告で、原告が「期限内に手続をしなかったから失権だ」と攻めてきた。だが台風でその週、裁判所は閉庁していた。中止期間の存在を示せば、原告の失権主張は崩れる
- あなたの会社が起こした売掛金回収訴訟の最中、大規模水害で裁判所が長期閉鎖。回収判決を当てにしていた資金計画が狂う。中止はあなたの手続を守る一方で、決着を遅らせる副作用も持つ。味方であり、同時に時間の敵にもなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず自分の係争事件の管轄裁判所が実際に職務執行不能か確認する(閉庁公告、書記官室への連絡、裁判所 HP)。2. 職務執行不能なら130条で期間は当然に止まる。控訴・上告・書面提出を無理に急がない。3. 再開後は132条2項で全期間が新たに進行するので、再開の通知・公告日を起算点として確認する。4. 罹災証明や閉庁公告を保存し、後日『期限を守らなかった』と言われたときの反証材料にする
訴えられた側:1. 相手が『中止だった』と主張してきたら、本当に裁判所が職務執行不能だったか(単なる当事者側の被災=131条ではないか)を切り分ける。2. 裁判所が動いていたのに相手の都合で遅れたなら130条の中止は成立せず、相手は97条の追完を別途立証する必要がある。3. 中止の成否は期間の起算に直結するので、閉庁の事実と期間の関係を時系列で整理し、書面で裁判所に確認を求める
時効(請求できる期限):特定の期間は定められていない。中止は『天災その他の事由』が消滅するまで継続し、消滅後に手続が再開する。再開時点で中止前の期間は更新され、全期間が新たに進行する(民事訴訟法132条2項)。特定非常災害に指定された場合は別途満了日の延長措置がありうる(最新の指定状況をご確認ください)
学説
通説:130条の中止は、裁判所の職務執行不能という客観的事由を要件とし、当事者の申立てや裁判所の決定を要さず法律上当然に生じる。中止中は期間が進行せず、事由消滅後の再開時に132条2項により全期間が更新される。当事者側の故障を事由とする131条とは要件・手続が区別される。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から全部改正される際に現行130条として整理された。天災その他の事由による裁判所の職務執行不能を理由とする訴訟手続の当然中止を規定。実質的内容は旧法の趣旨を引き継いでいる
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正により現行130条として整理。天災その他の事由による裁判所の職務執行不能を理由とする訴訟手続の当然中止を規定。実質的内容は旧法の趣旨を引き継いでいる。
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