民事訴訟法 第281条(控訴をすることができる判決等)
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- 控訴は、地方裁判所が第一審としてした終局判決又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。ただし、終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴をしない旨の合意をしたときは、この限りでない。
- 2.第十一条第二項及び第三項の規定は、前項の合意について準用する。
この条文の基本情報
控訴をすることができる判決等とは何ですか?
定義控訴をすることができる判決等とは、民事訴訟法第281条に定められた規定で、「控訴は、地方裁判所が第一審としてした終局判決又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。ただし、終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴を…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第281条(控訴をすることができる判決等)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第281条の条文原文は「控訴は、地方裁判所が第一審としてした終局判決又は簡易裁判所の終局判決に対してすることができる。ただし、終局判決後、当事者双方が共に上告をする権利を留保して控訴を…」で始まります。
- 民事訴訟法第281条は第一章 控訴に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第281条の前の条は民事訴訟法第280条です。
- 民事訴訟法第281条の次の条は民事訴訟法第282条です。
- 民事訴訟法第281条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第281条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第281条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/281
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法281条は、地裁の第一審終局判決と簡裁の終局判決に控訴できると定める。当事者双方が書面で合意すれば高裁を飛ばす飛躍上告も可能。
Q · 第一審で負けたら、必ず高裁に控訴しないとダメなの?
いいえ、双方合意で高裁を飛ばし最高裁へ直行する道もある
民事訴訟法281条により、控訴は地方裁判所が第一審としてした終局判決と簡易裁判所の終局判決に対してできます。ただし終局判決後に当事者双方が、上告する権利を留保して控訴しない旨を書面(電磁的記録を含む、281条2項が11条を準用)で合意すれば、高裁を飛び越して最高裁へ直行する飛躍上告が可能です。事実認定に争いがなく法律解釈だけが争点なら、高裁の一審分の時間と費用を節約できます。ただし上告で争える理由は限定されます(民訴312条)。
解説
判決に負けた、では控訴すべきか。その問いの手前に、ほとんどの人が存在すら知らない第三の選択肢がある。民事訴訟法281条は、控訴できる判決を定めると同時に、ただし書で「飛躍上告(飛越上告)」という抜け道を用意している。地裁の第一審判決に不服があるとき、通常は高裁へ控訴し、さらに最高裁へ上告する三審制を辿る。ところが終局判決の後、当事者双方が書面で「控訴はしない、その代わり上告の権利だけは残す」と合意すれば、高裁を丸ごと飛び越えて一気に最高裁へ持ち込める。事実認定にもう争いがなく、争点が法律解釈だけに固まっているなら、高裁での一審分の時間と費用がそっくり消える。さらに見落としがちなのが、簡易裁判所の判決に対する控訴の行き先は高裁ではなく地方裁判所だという点。簡裁で争った貸金や敷金のトラブルで負けたとき、あなたが向かう控訴審は、多くの人が思い描く図とは違う場所にある。
法的な位置づけ
民事訴訟法281条は控訴の対象となる判決を定める規定であり、地方裁判所が第一審としてした終局判決および簡易裁判所の終局判決に対して控訴できるとする。同条ただし書は、終局判決後に当事者双方が上告権を留保して控訴しない旨を合意した場合に控訴を排除し、飛躍上告への道を開く例外を規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決書の送達日を確認し控訴期間を数える 判決書が届いた日を起点に、控訴期間は送達翌日から2週間(民訴285条)。不変期間で原則延長されないため、まずカレンダーに締切を記入する
- 2.争点が事実か法律かを仕分ける 事実認定で巻き返したいなら通常どおり控訴審へ。争いが法律解釈だけに固まっているなら飛躍上告の合意も選択肢に入る。仕分けがその後の進路を決める
- 3.控訴先と提出先を間違えない 地裁判決の控訴先は高裁、簡裁判決の控訴先は地裁。さらに控訴状は控訴審ではなく第一審裁判所に提出する(民訴286条)。軽微な不備は後から補正できる
- 4.飛躍上告なら書面で合意する 高裁を飛ばすなら、当事者双方が上告権を留保して控訴しない旨を書面または電磁的記録で合意する(281条2項が11条2項・3項を準用)。事実審が一段減る点を双方が理解しているか確認する
よくある質問 AI による整理
Q1飛躍上告とは何ですか?
終局判決後に当事者双方が上告権を留保して控訴しないと書面で合意し、高裁を飛び越えて最高裁へ直接上告する制度です。民訴281条1項ただし書と311条2項が根拠です。
Q2控訴の期限はいつまでですか?
判決書の送達を受けた日から2週間です(民訴285条)。これは不変期間で原則延長されず、過ぎると判決が確定して争えなくなります。
Q3控訴状はどこに提出しますか?
控訴審ではなく、判決をした第一審裁判所に提出します(民訴286条)。提出先を間違えると受理が遅れ、不変期間を食い潰す危険があります。
Q4飛躍上告するとどんなデメリットがありますか?
事実審が一段なくなり、上告で主張できるのは憲法違反や判例違反など法律問題に限られます(民訴312条)。事実認定を争う最後の機会を失います。
Q5飛躍上告の合意はやり直せますか?
一度有効に成立した合意の撤回は容易ではありません。事実認定に不満が残るなら、合意前に通常の控訴を選ぶべきです。
Q6終局判決とは何ですか?
その審級での審理を完結させる判決をいい、中間判決と区別されます。控訴や飛躍上告の対象になるのは終局判決です。
Q7相手だけが控訴し、自分は飛躍上告したい場合はどうなりますか?
飛躍上告は当事者双方の合意が要件です。一方だけの希望では成立せず、相手が通常の控訴を選べば高裁での審理になります。
Q8飛躍上告はどんな事件で使われますか?
国際取引や知的財産など、事実に争いがなく純粋な法律解釈だけが争点の事件で、最高裁の統一判断を早く得たいときに使われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1高裁を飛ばして最高裁に直接訴えられるって、本当ですか?
本当です。第一審判決の後、当事者双方が書面で『控訴せず上告の権利だけ残す』と合意すれば(民訴281条1項ただし書、311条2項)、高裁を飛び越して最高裁へ上告できます。これを飛躍上告(飛越上告)と呼びます。実務のポイント:使える場面は限られます。上告で主張できる理由は憲法違反や判例違反などに絞られる(民訴312条)ので、事実認定でまだ争う余地があるなら、まず損。争点が純粋な法律解釈に固まった事件でこそ生きる、玄人向けの一手です
Q2簡易裁判所で負けたら、控訴はどこの裁判所にすればいいんですか?
簡易裁判所の判決に対する控訴は、地方裁判所が控訴審になります(裁判所法24条、民訴281条)。地裁判決の控訴先である高等裁判所とは違うので注意が必要です。実務のポイント:控訴状は控訴審ではなく『第一審裁判所』、つまり簡裁に提出します(民訴286条)。提出先を間違えると受理が遅れ、2週間の不変期間内に正しく届かないリスクがある。期間ギリギリで出すなら、提出先の確認が命綱です
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴すれば事実も法律も全部もう一度見てもらえる」という理解そのものは正しい。だが飛躍上告に合意した瞬間、その続審の利益を放棄する。あなたから見れば「早く終わらせる合意」、法律から見れば「事実審をもう一段受ける権利の放棄」。この落差を理解せず署名すると、後で事実を争いたくなっても道は閉ざされている
- 「簡裁で負けたら高裁へ控訴する」と思い込んでいる人は多いが、簡裁判決の控訴先は地方裁判所。最初の行き先を間違えると、提出のやり直しで不変期間2週間を食い潰す危険がある
- 飛躍上告という制度名は知っていても、その制約の重さを知らない人がいる。合意すれば確かに高裁を省けるが、上告で主張できる理由は憲法違反や判例違反など法律問題に限られる(民訴312条)。第一審の事実認定の当否を広く争えるわけではない。時間短縮の対価として、争点の幅を大きく削っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 民訴281条:控訴の対象判決と飛躍上告の例外 | 民訴311条:上告の対象判決と飛躍上告の対応規定 民訴285条:控訴期間(送達から2週間) |
| 不服申立ての行き先 | 地裁判決→高裁、簡裁判決→地裁 | 高裁判決→最高裁、飛躍上告なら地裁判決→最高裁 (期間のみを規律、行き先は定めない) |
| 当事者合意の要否 | 通常控訴は不要、飛躍上告は双方の書面合意が必要 | 飛躍上告は双方の書面合意が必要 不要(法定の不変期間) |
| 審理範囲への影響 | 控訴は事実審、飛躍上告だと事実審が一段消える | 上告は法律審、争える理由は限定(民訴312条) 期間徒過で判決確定、審理機会を失う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も第二審上訴(控訴)を原則としつつ、当事者の合意による飛躍上訴(逕向第三審)を認める点で日本と類似する。
韓国も항소(控訴)を原則とし、当事者の合意による비약상고(飛躍上告)を認める。日本法と同系統。
ドイツは Berufung(控訴)と Sprungrevision(飛躍上告)を区別し、飛躍上告は相手方の同意と上告審の許可を要する。日本の母法にあたる。
米国では控訴裁判所の判断前に連邦最高裁が裁量で事件を取り上げる制度があるが、当事者の合意ではなく裁判所の裁量による点で日本の飛躍上告と異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 地裁で負けた判決書が今日届いた。控訴できるのは送達から2週間以内(民訴285条)。だがその前に相手の弁護士から「お互い控訴はやめて、上告だけ残しませんか」と打診が来たら、応じるべきか。事実の争いがもう尽きているなら、高裁を飛ばす方が早く決着する。判断の猶予は数日しかない。
- あなたが被告として勝った第一審。原告が控訴の構えを見せる。ここで飛躍上告の合意を逆に持ちかければ、長い高裁審理を回避し、法律論一本で最高裁の判断を仰げる。
- 簡易裁判所で90万円の請負代金を争って敗訴した。控訴したいが、行き先が地方裁判所だと知らずに高裁へ書類を出すと、手続が空回りし、貴重な2週間を無駄にしかねない。
- もし第一審判決の事実認定に不満が残っているのに、うっかり飛躍上告の合意書にサインしてしまったら? 上告審は法律問題しか審理しない。事実をひっくり返す最後のチャンスを、自分の手で捨てたことになる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 判決書の送達日を確認、控訴期間は送達翌日から2週間(民訴285条)、これは不変期間で原則延長されない2. 争点を仕分け:事実認定で巻き返したいなら通常どおり控訴審へ、争いが法律解釈だけなら飛躍上告の合意も選択肢に入る3. 控訴先を間違えない:地裁判決なら高裁、簡裁判決なら地裁4. 控訴状は控訴審ではなく第一審裁判所へ提出する(民訴286条)、軽微な不備は後から補正できる
訴えられた側:1. 第一審で勝ったなら、相手の控訴に備えつつ、争点が法律論だけなら飛躍上告の合意を逆に持ちかけ、長い高裁審理を回避する手もある2. 合意は書面(電磁的記録を含む、281条2項が11条を準用)で、双方が上告権を留保し控訴しない旨を明記3. 合意により事実審が一段減る点を双方が理解しているか確認4. 相手が通常どおり控訴してきたら、控訴審で第一審の有利な認定を維持する防御へ切り替える
時効(請求できる期限):控訴期間は判決書の送達を受けた日から2週間(民訴285条)。判決言渡し後・送達前の控訴も可能。これは不変期間で原則延長されず、徒過すれば判決は確定する。飛躍上告の合意は終局判決後にすること(281条1項ただし書)
学説
通説:281条1項本文は控訴の対象を地裁の第一審終局判決と簡裁の終局判決に限定し、ただし書は当事者双方の合意による控訴の放棄=飛躍上告を認める。飛躍上告は審級の利益という制度的保障を当事者の意思で放棄させるものであるため、合意は双方の意思かつ書面(電磁的記録を含む)に厳格に縛られると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により、旧法の規定を整理して現行281条として控訴の対象判決と飛躍上告の例外を定めた。
- 2.令和4年(2022年) 改正:民事訴訟手続の IT 化に伴う改正により、合意の方式に電磁的記録が取り込まれる流れが整理された(281条2項が準用する11条3項の電磁的記録規定)。
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