民事訴訟法 第311条(上告裁判所)
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- 上告は、高等裁判所が第二審又は第一審としてした終局判決に対しては最高裁判所に、地方裁判所が第二審としてした終局判決に対しては高等裁判所にすることができる。
- 2.第二百八十一条第一項ただし書の場合には、地方裁判所の判決に対しては最高裁判所に、簡易裁判所の判決に対しては高等裁判所に、直ちに上告をすることができる。
この条文の基本情報
上告裁判所とは何ですか?
定義上告裁判所とは、民事訴訟法第311条に定められた規定で、「上告は、高等裁判所が第二審又は第一審としてした終局判決に対しては最高裁判所に、地方裁判所が第二審としてした終局判決に対しては高等裁判所にすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第311条(上告裁判所)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第311条の条文原文は「上告は、高等裁判所が第二審又は第一審としてした終局判決に対しては最高裁判所に、地方裁判所が第二審としてした終局判決に対しては高等裁判所にすることができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第311条は第二章 上告に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第311条の前の条は民事訴訟法第310条の2です。
- 民事訴訟法第311条の次の条は民事訴訟法第312条です。
- 民事訴訟法第311条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第311条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第311条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/311
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法311条は上告裁判所を定め、高裁の終局判決には最高裁へ、地裁が第二審としてした判決には高裁へ上告できる。上告審は法律審で事実は争えない。
Q · 一審も二審も負けた。最高裁に上告すれば、もう一度証拠を見てもらえる?
上告先は311条で決まるが、上告審は法律審で事実は争えない
民事訴訟法311条により、上告先は判決を下した裁判所で機械的に決まります。高等裁判所の終局判決には最高裁判所へ、地方裁判所が第二審としてした判決には高等裁判所へ上告します。ただし上告審は法律審であり、事実認定は原則として原判決に拘束されます。争えるのは法令解釈の誤りや憲法違反などに限られ(312条)、「証拠をもう一度見てほしい」という上告は門前払いになります。事実に争いがなければ、控訴を飛ばす飛躍上告(2項)も使えます。
解説
一審で負けた、控訴でも負けた。多くの人はここで「最後は最高裁だ」と最後の望みを託す。だが311条を読むと、その望みの正体が見えてくる。この条文は上告をどの裁判所にするかを定める。高裁が下した判決なら最高裁へ、地裁が控訴審として下した判決なら高裁へ。ルートは判決を出した裁判所で機械的に決まる。問題はその先だ。上告審は法律審であって、事実をもう一度争う場ではない。「証拠をもう一度見てほしい」「証人をもう一度呼んでほしい」は、原則として通らない。さらに2項には飛躍上告という抜け道がある。当事者が事実関係を争わないと合意すれば、控訴を飛ばして直接上告できる。つまり、三審制は三回フルに戦えるという意味ではない。三審目は入口も中身も別のルールで動いている。それを知らずに上告すれば、入口で門前払いされる。
法的な位置づけ
民事訴訟法311条は上告裁判所を定める規定であり、上告審の管轄を判決を下した裁判所の種別に応じて振り分ける。高等裁判所の終局判決に対する上告は最高裁判所が、地方裁判所が第二審としてした終局判決に対する上告は高等裁判所が審理する。第2項は事実に争いがない場合の飛躍上告の上告先を規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決送達日を確認し上告期間を起算 控訴審判決書が届いたら、まず送達日を確認する。上告期間は送達翌日から2週間の不変期間(313条→285条準用)で延長されない。一日も無駄にできない
- 2.争点を事実と法律に仕分ける 判決理由を読み、争点を「事実認定」と「法令解釈」に分ける。上告で戦えるのは法律論(法令違反・憲法違反・重大な手続違反)のみ。事実を争いたいだけなら上告は無意味と判断する
- 3.上告先を311条で確認し上告状を提出 高裁判決なら最高裁、地裁の控訴審判決なら高裁が上告先(311条)。上告状は原裁判所に提出する。相手が最高裁なら312条の上告理由が狭いため、318条の上告受理申立ても併せて検討する
- 4.上告理由書を50日以内に提出 上告提起通知書の送達を受けた日から50日以内に上告理由書を提出する(民事訴訟規則194条)。法令違反や憲法違反を具体的に特定して記載する。徒過すると却下される
よくある質問 AI による整理
Q1上告とは何ですか?
上告は控訴審判決に対する最終の不服申立てです。民事訴訟法311条が上告先を定め、上告審は法律審のため事実ではなく法令違反や憲法違反を争います。
Q2上告はどこの裁判所にするのですか?
311条により、高等裁判所の終局判決には最高裁判所へ、地方裁判所が第二審としてした判決には高等裁判所へ上告します。判決を出した裁判所で機械的に決まります。
Q3飛躍上告とは何ですか?
当事者が控訴しない旨を合意した場合に、控訴審を飛ばして直接上告できる制度です(311条2項、281条1項ただし書)。事実に争いがない紛争で使えます。
Q4上告期間は何日ですか?
判決の送達を受けた日から2週間です(313条が控訴の285条を準用、不変期間)。さらに上告理由書は提起通知書の送達から50日以内に提出します。
Q5上告すれば必ず最高裁が審理してくれますか?
いいえ。上告理由は312条で狭く限定され、多くは口頭弁論なしで棄却・不受理になります。別ルートとして318条の上告受理申立てがあります。
Q6簡易裁判所から始まった事件も最高裁まで行けますか?
原則行けません。簡裁の事件は地裁が控訴審となり、その判決への上告は高等裁判所止まりです(311条1項後段)。
Q7上告と上告受理申立ての違いは何ですか?
上告は312条の憲法違反・重大な手続違反を理由とするもの、上告受理申立て(318条)は判例違反など法令解釈の重要事項を理由に最高裁の裁量受理を求めるものです。
Q8上告理由書を出さないとどうなりますか?
提起通知書の送達から50日以内に上告理由書を提出しないと、上告は却下されます(民事訴訟規則194条)。上告状だけでは不十分です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一審も二審も負けたら、もう最高裁でも勝てないんですか?
勝てる可能性はゼロではありませんが、土俵が変わります。上告審は法律審で、事実認定そのものは争えません。勝てるのは原判決に法令解釈の誤り、憲法違反、重大な手続違反がある場合に限られます(312条)。実務のポイント:実務では「もう一度証拠を見て」という上告はほぼ門前払いです。逆転を狙うなら、二審の判決理由の中の法令解釈のどこが間違っているかをピンポイントで突く必要がある。弁護士が上告を引き受けるかどうかで、脈の有無がだいたい分かることも多い
Q2高裁を飛ばして直接最高裁に行けるって本当ですか?
本当です。飛躍上告(311条2項、281条1項ただし書)といい、当事者双方が上告権を留保して控訴しない旨を合意すれば、地裁判決は直接最高裁へ、簡裁判決は直接高裁へ上告できます。実務のポイント:事実に争いがなく法律解釈だけが問題の企業間紛争で有効です。高裁での1年近い時間を節約できるが、ほとんど使われていない。理由は、敗訴側に「事実を争わない」と合意させるのが難しいから。互いに法律論で早く決着をつけたい例外的な場面でだけ光る制度です
間違えやすい点 AI による整理
- 「最高裁でもう一度、証拠を詳しく見てもらえる」と考えて上告する人が多い。だがその問いの立て方そのものが間違っている。上告審は法律審で、事実認定は原則として原判決に拘束される。争うべきは「事実」ではなく「法令解釈の誤り」や「憲法違反」。土俵を間違えると、中身に入る前に却下される
- 上告できることは知っていても、最高裁が実際にどれだけ受理するかを知らない人は多い。上告理由は312条で極めて狭く限定され、それ以外は318条の上告受理申立てという別ルートになる。多くの上告は口頭弁論すら開かれず棄却・不受理で終わる。「上告した=最高裁が中身を審理してくれる」ではない
- 「上告はすべて最高裁に行く」と思われがちだが、311条1項後段のとおり、地裁が控訴審として下した判決(簡裁から始まった事件)への上告は高裁に行く。すべてが最高裁ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 上告先の決まり方 | 311条:判決を下した裁判所で機械的に決まる | 281条:飛躍上告の前提となる不控訴の合意 318条:最高裁への上告受理申立て(裁量受理) |
| 争える内容 | 上告先のルート(手続的振分け) | 控訴を飛ばすかどうかの合意 判例違反など法令解釈の重要事項 |
| 審理の性質 | 上告審=法律審(事実は争えない) | 312条:上告理由は憲法違反・重大手続違反に限定 318条:最高裁の裁量で受理 |
| 失敗時の帰結 | 上告先を誤れば移送・却下 | 合意不成立なら通常の控訴へ 不受理なら原判決確定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も第三審を法律審とし、上訴利益額の制限や上訴理由の限定を置く点で日本の上告審と近い構造を持つ。
韓国も상고審を法律審とし、대법원が法令違反を審理する。심리불속행(審理不続行)棄却の運用は日本の不受理に類似する。
ドイツの Revision も法律審で、上訴許可(Zulassung)制を採り、原則として法的問題の重要性がある場合に限り連邦通常裁判所が審理する。
米国は連邦最高裁への上訴をほぼ全面的に裁量受理(certiorari)とし、年間ごく少数のみ受理する。日本の上告受理申立て(318条)と発想が近い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 控訴審で負けて判決書が届いた。「最高裁で逆転だ」と意気込むが、上告期間は判決送達から2週間しかない。その2週間で、あなたは事実ではなく「法律のどこが間違っているか」を組み立てなければならない。間に合うか?
- あなたが一審・二審と勝ち続けた。だが相手が上告してきた。慌てる必要はない。上告審は法律審なので、相手は新しい証拠を出せない。あなたが確認すべきは、判決に憲法違反や重大な手続違反がないか、その一点だけだ
- 取引先との契約解釈だけが争点で、事実関係に争いがない。飛躍上告(2項)を使えば、高裁を飛ばして直接最高裁へ行ける。時間も費用も一段省ける
取るべき行動
被害を受けた側:1. 判決送達日を確認、上告期間は送達翌日から2週間(民訴313条が控訴の285条を準用、不変期間)、一日も無駄にできない2. 争点を「事実」と「法律」に仕分け、上告で戦えるのは法律論(法令違反・憲法違反・重大な手続違反)のみ。事実をもう一度争いたいだけなら上告は無意味3. 上告状を原裁判所に提出後、上告理由書を期限内(提起通知書の送達から50日以内、民事訴訟規則194条)に提出4. 相手が最高裁なら312条の上告理由が狭いため、318条の上告受理申立ても併せて検討
訴えられた側:1. 慌てない。上告審は法律審なので相手は新証拠を出せず、事実認定を覆すのは極めて困難2. 相手の上告理由書が届いたら、答弁書で「上告理由に当たらない」「原判決に法令違反はない」と反論3. 多くの上告は口頭弁論なしで棄却・不受理になる。過度な準備コストをかける前に、相手の主張が312条の上告理由に該当するか見極める4. 飛躍上告(2項)を相手から提案された場合は、自分に法律論で勝ち目があるかを基準に応否を判断
時効(請求できる期限):上告期間は判決の送達を受けた日から2週間(民訴313条が控訴の285条を準用、不変期間)。さらに上告理由書は、上告提起通知書の送達を受けた日から50日以内に提出(民事訴訟規則194条)。いずれも徒過すると上告は却下される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:上告審は法律審であり、311条が定める上告ルートの先で、312条以下が上告理由を法令違反・憲法違反等に限定する。事実認定は原判決に拘束されるのが原則で、上告審は法令解釈の統一と違憲審査を主たる任務とする。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民事訴訟法から全部改正され、現行311条として上告裁判所の振分けと飛躍上告を整理。同時に最高裁の負担軽減のため318条の上告受理申立て制度が新設され、上告審の法律審としての性格がより明確化された
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧法から全部改正され、現行311条として上告裁判所の振分けと飛躍上告を整理。同時に最高裁の負担軽減のため318条の上告受理申立て制度が新設され、上告審の法律審としての性格がより明確化された。
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