民事訴訟法 第310条の2(特許権等に関する訴えに係る控訴事件における合議体の構成)
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第六条第一項各号に定める裁判所が第一審としてした特許権等に関する訴えについての終局判決に対する控訴が提起された東京高等裁判所においては、当該控訴に係る事件について、五人の裁判官の合議体で審理及び裁判をする旨の決定をその合議体ですることができる。ただし、第二十条の二第一項の規定により移送された訴訟に係る訴えについての終局判決に対する控訴に係る事件については、この限りでない。
この条文の基本情報
特許権等に関する訴えに係る控訴事件における合議体の構成とは何ですか?
定義特許権等に関する訴えに係る控訴事件における合議体の構成とは、民事訴訟法第310条の2に定められた規定で、「第六条第一項各号に定める裁判所が第一審としてした特許権等に関する訴えについての終局判決に対する控訴が提起された東京高等裁判所においては、当該控訴に係る事件につい…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第310条の2(特許権等に関する訴えに係る控訴事件における合議体の構成)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第310条の2の条文原文は「第六条第一項各号に定める裁判所が第一審としてした特許権等に関する訴えについての終局判決に対する控訴が提起された東京高等裁判所においては、当該控訴に係る事件につい…」で始まります。
- 民事訴訟法第310条の2は第一章 控訴に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第310条の2の前の条は民事訴訟法第310条です。
- 民事訴訟法第310条の2の次の条は民事訴訟法第311条です。
- 民事訴訟法第310条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第310条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第310条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/310_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法310条の2は、特許権等の控訴事件で知的財産高等裁判所が5人の合議体(大合議)を構成できると定める。法解釈の統一を要する重要事件が対象で、移送された訴訟の控訴は除外される。
Q · 知財高裁の大合議って、当事者がお願いして組んでもらえるの?
裁判所が自ら決める制度で、当事者に申立権はありません
民事訴訟法310条の2により、特許権等の控訴事件で知的財産高等裁判所は5人の裁判官の合議体(大合議)を構成できます。ただし大合議にするか否かを決めるのは担当の合議体自身であり、当事者に申立権はありません。当事者にできるのは、準備書面で事件の一般的重要性や法解釈統一の必要性を訴え、裁判所が自発的に大合議を選ぶ環境を整えることだけです。大合議判決は法律上の拘束力こそ持ちませんが、実務上は特許実務全体の基準となる事実上の影響力を持ちます。
解説
特許や実用新案をめぐる裁判で第一審の地裁判決に不服があれば控訴する。その控訴先は東京高等裁判所、実質的には知的財産高等裁判所だ。通常、高裁の判決は3人の裁判官で出る。だが本条が定めるのは、その合議体が自ら「この事件は5人で裁く」と決められる仕組み、いわゆる大合議である。なぜこれがあなたに関係するのか。5人合議で出た判決は、その後の特許実務全体の羅針盤になるからだ。均等論の成立要件、標準必須特許の差止めの限界、プロダクト・バイ・プロセスクレームの扱い。これらの「ルール」は、国会ではなく、この5人の裁判官が書き換えてきた。あなたの会社の特許戦略が依拠している前提は、過去のどこかの大合議判決が作ったものかもしれない。
法的な位置づけ
民事訴訟法310条の2は、知的財産高等裁判所における大合議を定める規定であり、特許権等に関する第一審判決への控訴事件について、当該合議体が自らの決定で5人の裁判官による合議体を構成し審理・裁判できる旨を規定する。裁判所法18条が定める高等裁判所の通常の3人合議に対する特則として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1大合議とは何ですか?
通常3人で行う高裁の審理を、特許等の重要事件で5人の裁判官の合議体に拡大して行う制度です。民事訴訟法310条の2が知財高裁の控訴審について定めています。
Q2大合議判決に法的拘束力はありますか?
法律上の拘束力はありません。ただし法解釈の統一を狙って書かれるため、下級審・特許庁・企業実務が事実上従う最高裁判決に次ぐ影響力を持ちます。
Q3大合議と通常部の判決は何が違いますか?
結論より理由付けの射程が違います。大合議は一般的なルールの形で理由を書き、後の事件を広く拘束する事実上の効果と引用価値を持ちます。
Q4知財高裁が5人の合議体を組むのはいつですか?
法解釈の統一が必要な専門的に重要な特許等の控訴事件で、担当の合議体が自ら大合議とする決定をしたときです。件数は限られます。
Q5知的財産高等裁判所とはどんな裁判所ですか?
東京高裁の特別の支部として2005年に設置された専門裁判所で、特許権等の控訴事件と審決取消訴訟を集中的に扱います。
Q6特許侵害訴訟の控訴はどこの裁判所に出しますか?
東京・大阪地裁の専属管轄(民訴6条)を経た事件の控訴は、東京高裁(実際には知的財産高等裁判所)に集中します。
Q7有名な大合議判決には何がありますか?
標準必須特許の差止めを画したアップル対サムスン事件(2014年)、均等論の要件を整理したマキサカルシトール事件(2016年)などがあります。
Q8プロダクト・バイ・プロセスクレームは大合議で扱われましたか?
製法で物を特定するクレームの明確性・技術的範囲は知財高裁大合議で争われ、後に最高裁が判断枠組みを示しました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1大合議って当事者からお願いできるんですか?
制度上、当事者に申立権はありません。5人合議体にするかどうかは、民事訴訟法310条の2が定めるとおり「その合議体」、つまり担当の裁判官たちが自ら決めます。できるのは準備書面で事件の一般的重要性や法解釈統一の必要性を訴え、裁判所が自発的に大合議を選ぶ土壌を作ることだけ。実務のポイント:実務では、知財に強い代理人ほどこの論点は大合議級だと早期に位置づけ、主張を判例化に耐える形で組み立てる。最初から大合議を意識した書面と、ただ勝てばいい書面は構成が根本的に違う
Q25人で裁くと、3人のときと結論が変わるんですか?
結論そのものより、理由付けの射程が変わります。大合議は法解釈の統一を狙うので、判決理由が一般的なルールの形で書かれ、後の事件を広く拘束する事実上の効果を持ちます。民事訴訟法310条の2の趣旨は、専門的に複雑な特許事件で判断のばらつきを抑えることにあります。実務のポイント:大合議判決は知財高裁が自ら大合議判決と明示し、判例集でも別格に扱われる。普通の3人部の判決とは引用価値が桁違いで、契約交渉や特許庁対応の場でも大合議が言っているの一言が効く
間違えやすい点 AI による整理
- 大合議という言葉を聞いたことはあっても、その判決の重みを知らない人が多い。大合議判決は法律上の拘束力こそ持たないが、実務上は最高裁判決に次ぐ影響力を持つ。下級審の裁判官も、特許庁の審査官も、企業の知財部も、すべてが大合議の示した基準に従って動く。ただの一判決ではない
- 「重要な事件なら当事者が大合議を申請できる」と考えがちだが、その問いの立て方自体が誤っている。大合議にするかどうかを決めるのは合議体自身であって、当事者に申請権はない。できるのは、書面で事件の一般的重要性を訴え、裁判所が自発的に動く環境を整えることだけだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象審級 | 民訴310条の2:知財高裁の控訴審(第二審) | 民訴269条の2:地裁の第一審 裁判所法18条:高裁の審判一般 |
| 合議体の人数 | 5人(大合議) | 5人(第一審の大合議) 原則3人 |
| 決定権者 | 当該合議体が自ら決定 | 当該合議体が自ら決定 法定(原則3人) |
| 除外場面 | 20条の2第1項により移送された訴訟の控訴は除外 | 特許権等以外は対象外 刑事は別途構成 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は専門の智慧財産及商業法院に特許事件を集中させる。日本の知財高裁に対応する専門裁判所だが、5人の大合議に直接対応する明文制度は構成が異なる
韓国は特許法院を専門裁判所として置き、重要事件では전원합의체(全員合議体)が法解釈を統一する。日本の大合議と機能的に近い
ドイツは無効と侵害を分離(二元主義)し、連邦特許裁判所と連邦通常裁判所特許部が役割分担。法統一は Großer Senat 等が担う点で発想が近い
米国は CAFC が特許控訴を専属的に扱い、en banc(大法廷)で先例を統一する。日本の知財高裁大合議のモデルの一つとされる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたのスタートアップが大企業に特許侵害で訴えられ、一審で負けた。控訴したらその事件が大合議に回された。これは事件の重要性が裁判所に認識された証拠であり、判決はあなたの業界全体の前例になる。負けても勝っても、その射程はあなた一社を超える
- もし、あなたの会社の主力製品の根拠にしている特許解釈が、来年の知財高裁大合議で覆されたら? 製薬企業が均等論に頼ってジェネリックを排除していたのに、大合議が成立要件を厳格化した瞬間、その防御線は崩れる。判決一本で、事業計画が書き換わる
学説
通説:大合議判決は法律上の拘束力を持たないが、法解釈の統一を目的として理由を一般的ルールの形で示すため、事実上、最高裁判決に次ぐ先例的影響力を持つと理解されている。下級審・特許庁・実務がこれに従う。
改正沿革 AI による整理
- 平成15年(2003年)民事訴訟法改正、平成16年(2004年)4月1日施行 特許権等に関する訴えの専属管轄化(東京・大阪地裁への集中)と併せて新設。専門的に複雑な知的財産事件の控訴審で五人の裁判官による大合議を可能にし、法解釈の統一を図った。翌平成17年(2005年)の知的財産高等裁判所設置とセットで機能する
改正の年表
- 1.平成15年(2003年) 新設:特許権等に関する訴えの専属管轄化(東京・大阪地裁への集中)と併せて新設。専門的に複雑な知財事件の控訴審で5人の大合議を可能にし、法解釈の統一を図った。
- 2.平成16年(2004年) 改正:平成15年改正法が平成16年4月1日に施行。翌平成17年(2005年)の知的財産高等裁判所設置とセットで機能する制度として動き始めた。
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