民事訴訟法 第310条(控訴審の判決における仮執行の宣言)
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控訴裁判所は、金銭の支払の請求(第二百五十九条第二項の請求を除く。)に関する判決については、申立てがあるときは、不必要と認める場合を除き、担保を立てないで仮執行をすることができることを宣言しなければならない。ただし、控訴裁判所が相当と認めるときは、仮執行を担保を立てることに係らしめることができる。
この条文の基本情報
控訴審の判決における仮執行の宣言とは何ですか?
定義控訴審の判決における仮執行の宣言とは、民事訴訟法第310条に定められた規定で、「控訴裁判所は、金銭の支払の請求(第二百五十九条第二項の請求を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第310条(控訴審の判決における仮執行の宣言)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第310条の条文原文は「控訴裁判所は、金銭の支払の請求(第二百五十九条第二項の請求を除く。」で始まります。
- 民事訴訟法第310条は第一章 控訴に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第310条の前の条は民事訴訟法第309条です。
- 民事訴訟法第310条の次の条は民事訴訟法第310条の2です。
- 民事訴訟法第310条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第310条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第310条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/310
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法310条は、控訴審の金銭判決について、申立てがあれば不必要と認める場合を除き無担保で仮執行を宣言しなければならないと定める。
Q · 控訴審で勝ったら、相手が上告しても先にお金を取り立てられるの?
仮執行宣言の申立てをしておけば上告中でも差押えに進めます。
民事訴訟法310条により、控訴審の金銭支払判決については、申立てがあれば裁判所は不必要と認める場合を除き、無担保で仮執行を宣言しなければなりません。これにより、相手が上告して判決が確定しなくても、確定を待たずに預金や売掛債権を差し押さえられます。ただし宣言は『申立てがあるとき』が要件で、申立てを忘れると裁判所は義務を負いません。上告審で逆転敗訴すれば、取り立てた金銭の返還と損害賠償(260条)を負う点にも注意が必要です。
解説
貸金や売掛金を取りはぐれて、一審で負け、控訴審でやっと勝った。普通ならここで「ようやくお金が取れる」と思う。ところが相手が上告すれば判決は確定しない。確定するまで何年も待たされ、その間に相手が財産を隠す、これが本来の構図だ。民事訴訟法310条は、この時間切れを正面から塞ぐ。控訴裁判所は、金銭支払請求の判決について、あなたが申し立てれば、不必要と認める場合を除き、担保を立てずに仮執行できると宣言しなければならない。「できる」ではなく「しなければならない」。一審の仮執行宣言(259条)が裁判官の裁量なのに対し、控訴審ではこれが原則義務だ。つまり控訴審で勝った時点で、申立て一本入れておけば、相手が上告しても確定を待たずに差押えへ進める。逆にあなたが控訴審で負けた被告側なら、上告しても執行が止まらない現実を最初から覚悟しておく必要がある。
法的な位置づけ
民事訴訟法310条は、控訴審における仮執行宣言を定める規定である。控訴裁判所は、金銭支払請求に関する判決について、当事者の申立てがあるときは、不必要と認める場合を除き、無担保で仮執行をすることができる旨を宣言しなければならない。ただし手形・小切手訴訟に係る請求(259条2項)は除かれ、相当と認めるときは担保提供を条件とできる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.控訴審の口頭弁論終結前に仮執行宣言を申し立てる 勝訴が見込めたら、判決を待つ前に仮執行宣言の申立てを書面で提出する。金銭の支払請求であることを明示し、申立てが記録に乗るようにしておく
- 2.判決に仮執行宣言が付いたか確認する 判決言渡し時に主文へ仮執行宣言が付されたかを確認する。付されていれば確定を待たずに動ける。付されていなければ理由(不必要と認められたか)を点検する
- 3.執行文の付与を受け、相手の財産を調査する 仮執行宣言付き判決は債務名義となる(民事執行法22条)。執行文の付与を受け、相手の預金・不動産・売掛債権を調査する
- 4.強制執行を申し立てて差押えへ進む 管轄の裁判所・執行官に差押えを申し立てる。預金なら債権差押命令、不動産なら強制競売を選択する
- 5.上告審の勝算と返還リスクを天秤にかける 上告審で逆転敗訴すると取り立てた金銭の返還と損害賠償(260条2項)を負う。回収の緊急性と上告審の勝算を比較し、即時執行するか確定を待つか判断する
よくある質問 AI による整理
Q1仮執行宣言とは何ですか?
判決が確定する前でも強制執行を可能にする裁判所の宣言です。民事訴訟法310条は控訴審の金銭判決について、申立てがあれば原則として宣言しなければならないと定めています。
Q2控訴審の仮執行宣言は一審と何が違いますか?
一審の仮執行宣言(259条)は裁判官の裁量ですが、控訴審の310条は申立てがあれば不必要と認める場合を除き宣言が原則義務です。控訴審のほうが付きやすくなっています。
Q3仮執行宣言は申立てがないと付きませんか?
控訴審では『申立てがあるとき』が要件です。勝訴の喜びで申立てを忘れると裁判所は宣言義務を負わず、確定まで執行できなくなります。
Q4仮執行宣言付き判決で何を差し押さえられますか?
預金、売掛債権、給与、不動産などです。執行文の付与を受けたうえで、財産調査をして強制執行を申し立てます。
Q5上告すれば仮執行は止まりますか?
自動では止まりません。敗訴被告は強制執行停止の申立て(403条)を行い、原則として担保を提供しなければ執行は続行されます。
Q6手形・小切手訴訟でも本条は使えますか?
本条は259条2項の請求(手形・小切手訴訟の請求)を明文で除外しています。手形訴訟には別途の仮執行ルールが適用されます。
Q7仮執行宣言はいつ申し立てればいいですか?
控訴審の口頭弁論終結前に書面で申し立てるのが確実です。判決言渡しの段階で申立てが記録に乗っていれば、裁判所は宣言義務を負います。
Q8仮執行の担保はいくら必要ですか?
本条は無担保が原則です。ただし控訴裁判所が相当と認めるときは、担保提供を条件に仮執行を宣言することができます。金額は裁判所が事案に応じて定めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴審で勝ったのに、相手が上告したらお金は取れないんですか?
仮執行宣言が付いていれば、上告中でも強制執行できます。本条は控訴審の金銭判決について、申立てがあれば不必要と認める場合を除き、無担保で仮執行を宣言しなければならないと定めています(310条)。実務のポイント:一審の仮執行宣言(259条)は裁判官の裁量ですが、控訴審ではこれが原則義務に格上げされる。同じ仮執行でも一審と控訴審で温度差があることを、申立て側が意識して『義務でしょう』と押せるかどうかで結果が変わる
Q2仮執行で取り立てたあと、上告審でひっくり返されたらどうなりますか?
取り立てた金銭は返還し、相手が被った損害の賠償義務まで負います(民訴260条2項)。仮執行は勝訴確定ではなく、リスク付きの前借りです。実務のポイント:弁護士は仮執行を勧めるとき、必ず『上告審の勝算』と『相手の財産が今逃げそうか』を天秤にかける。逃げ足の速い相手なら多少のリスクを取って即執行、勝訴が盤石でないなら確定を待つ、この判断こそが回収戦略の分かれ目になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「判決が確定するまで強制執行はできない」と思い込んでいる人が大半だが、それは半分誤り。仮執行宣言が付けば確定前でも執行できる。とくに控訴審の金銭判決では、申立てがあれば原則として付さなければならないと法が定めている。確定を待つ必要があると思っていること自体が、戦場の地図を読み違えている
- 「仮執行宣言は裁判所が勝手に付けてくれる」と期待しがちだが、控訴審では『申立てがあるとき』が要件。あなたが申し立てなければ、裁判所は義務を負わない。勝訴の喜びで申立てを忘れた瞬間、加速装置は永遠にオフのままになる
- 仮執行で取り立てれば一件落着、と思われがちだが、その深刻な裏面を知らない人が多い。上告審であなたが逆転敗訴すれば、仮執行で取った金は返さねばならず、相手の被った損害(原状回復・損害賠償、民訴260条2項)まで負う。仮執行は勝ち確定ではなく、リスクを負った前借りだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 310条:控訴審の金銭支払判決 | 259条:第一審判決 403条:上告中の強制執行停止 |
| 宣言の性質 | 310条:申立てがあれば不必要と認める場合を除き原則義務 | 259条:裁判所の裁量 403条:敗訴被告による停止の申立て |
| 担保 | 310条:原則無担保(相当と認めるとき担保可) | 259条:裁量で担保の要否を判断 403条:原則として担保(供託)が必要 |
| 主導する当事者 | 310条:勝訴原告の申立て | 259条:裁判所・原告 403条:敗訴被告 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は法定の一定額以下の判決等で職権による假執行宣告(389条)と、原告の聲請による宣告(390条、原則担保提供)を定める。確定前執行を認める点で日本と共通するが、担保の扱いがより明文的。
ドイツは判決の仮の執行力(vorläufige Vollstreckbarkeit)を広く認め、708条で無担保で執行できる判決を列挙、それ以外は709条で担保提供を条件とする。日本の無担保原則と近い構造。
フランスは2020年改正以降、第一審判決の仮執行を原則として法律上当然(de droit)とした。当事者の申立てを要する日本とは出発点が逆。
米国は判決が原則として上訴中も執行可能で、敗訴者が supersedeas bond(保証)を提供して自動停止を得る構造。日本の『宣言+停止申立て』とは保護の置き方が反対方向。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先に800万円の売掛金、一審で一部敗訴、控訴審で全額認容の逆転勝訴。相手は上告の構え。ここで仮執行宣言の申立てをしておけば、上告審の結論を待たず相手の預金や売掛債権を差し押さえられる。申し立てなければ、勝訴判決を握ったまま何年も指をくわえて待つことになる
- もし、あなたが控訴審で金銭支払いを命じられた被告側だとしたら? 上告すれば確定はしない。だが仮執行宣言が付いていれば、上告中でも口座を差し押さえられる。慌てて執行停止の申立て(民訴403条)と担保提供を検討する数日間の勝負が始まる
- 離婚の財産分与や養育費の確定金額をめぐる訴訟で控訴審勝訴。相手が引き延ばし目的で上告してきても、仮執行宣言があれば給与差押えに進める。確定を待つ間の生活費が止まる人にとって、この一行は生命線になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 控訴審で勝訴が見込めるなら、口頭弁論終結前に仮執行宣言の申立てを書面で出しておく、金銭支払請求であることを明示2. 判決に仮執行宣言が付いたら、確定を待たず執行文の付与を受け、相手の預金・不動産・売掛債権の財産調査に着手3. 相手の財産が散逸しそうなら、判決前でも仮差押え(民事保全法)を並行で検討4. 仮執行で回収しても上告審で覆ると返還義務(民訴260条)を負うため、上告審の勝算と回収の緊急性を天秤にかける
訴えられた側:1. 控訴審で敗訴し仮執行宣言が付いたら、上告だけでは執行は止まらない、強制執行停止の申立て(民訴403条)を直ちに検討2. 執行停止には原則として担保(供託金)が必要、金額と資金繰りを即試算3. 仮執行で取られた金は、上告審で逆転すれば原状回復・損害賠償を請求できる(民訴260条2項)、その記録を保全4. 執行対象が事業の生命線(運転資金口座など)なら、停止申立ての優先順位を最上位に置く
時効(請求できる期限):仮執行宣言は判決確定前の制度であり、それ自体に固有の時効はない。ただし強制執行停止の申立ては執行が完了する前に動かねば意味を失う。仮執行で回収した金銭の返還・損害賠償請求権(民訴260条2項)は、上告審で本案判決が変更された時から行使でき、一般の消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:控訴審の金銭判決における仮執行宣言は、申立てがあれば『不必要と認める場合』という限定的例外を除き原則として付さなければならず、一審259条の裁量とは性質を異にすると解されている。無担保が原則だが、相当と認めるときは担保提供を条件にできる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全部改正により、旧法下の控訴審仮執行宣言の規律を現行310条として整理。金銭支払請求についての宣言義務と無担保原則、手形・小切手訴訟請求(259条2項)の除外を明文化した。
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