民事訴訟法 第381条の3(法定審理期間訴訟手続の審理)
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- 前条第二項の決定があったときは、裁判長は、当該決定の日から二週間以内の間において口頭弁論又は弁論準備手続の期日を指定しなければならない。
- 2.裁判長は、前項の期日において、当該期日から六月以内の間において当該事件に係る口頭弁論を終結する期日を指定するとともに、口頭弁論を終結する日から一月以内の間において判決言渡しをする期日を指定しなければならない。
- 3.前条第二項の決定があったときは、当事者は、第一項の期日から五月(裁判所が当事者双方の意見を聴いて、これより短い期間を定めた場合には、その期間)以内に、攻撃又は防御の方法を提出しなければならない。
- 4.裁判所は、前項の期間が満了するまでに、当事者双方との間で、争点及び証拠の整理の結果に基づいて、法定審理期間訴訟手続の判決において判断すべき事項を確認するものとする。
- 5.法定審理期間訴訟手続における証拠調べは、第一項の期日から六月(裁判所が当事者双方の意見を聴いて、これより短い期間を定めた場合には、その期間)以内にしなければならない。
- 6.法定審理期間訴訟手続における期日の変更は、第九十三条第三項の規定にかかわらず、やむを得ない事由がある場合でなければ、許すことができない。
この条文の基本情報
法定審理期間訴訟手続の審理とは何ですか?
定義法定審理期間訴訟手続の審理とは、民事訴訟法第381条の3に定められた規定で、「前条第二項の決定があったときは、裁判長は、当該決定の日から二週間以内の間において口頭弁論又は弁論準備手続の期日を指定しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第381条の3(法定審理期間訴訟手続の審理)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第381条の3の条文原文は「前条第二項の決定があったときは、裁判長は、当該決定の日から二週間以内の間において口頭弁論又は弁論準備手続の期日を指定しなければならない。」で始まります。
- 民事訴訟法第381条の3は第七編に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第381条の3の前の条は民事訴訟法第381条の2です。
- 民事訴訟法第381条の3の次の条は民事訴訟法第381条の4です。
- 民事訴訟法第381条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第381条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第381条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/381_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法381条の3は、法定審理期間訴訟手続で第1回期日から6か月以内に口頭弁論を終結し、1か月以内に判決を言い渡すと定める。攻撃防御方法は5か月以内に提出が必要。
Q · 法定審理期間訴訟手続だと、判決までどれくらいで終わるの?
決定から約7か月半で第一審判決が出る
民事訴訟法381条の3により、決定日から2週間以内に第1回期日が指定され、その期日から6か月以内に口頭弁論を終結し、終結日から1か月以内に判決が言い渡されます。合計で最長約7か月半です。ただし当事者は第1回期日から5か月以内に攻撃防御方法をすべて提出する必要があり、期日変更も「やむを得ない事由」がなければ許されません(6項)。速さの対価として、証拠を出し遅れる自由を失う設計です。
解説
訴訟は何年かかるか分からない、その常識に穴が空いた。法定審理期間訴訟手続を選んだ瞬間、裁判所は時計を渡される。決定から2週間以内に最初の期日、その期日から6か月以内に口頭弁論終結、終結から1か月以内に判決言渡し。合計しても8か月弱で判決が出る。ただしあなたが払う代償は明確だ。攻撃防御方法、つまり主張も証拠も、第1回期日から5か月以内に全部出し切らなければならない。5か月を過ぎて出てきた新証拠は、原則として使えない。しかも期日変更は「やむを得ない事由」がなければ許されない。通常の訴訟なら「顕著な事由」で足りるところが、一段階厳しくなっている。弁護士が急病でも、代わりを立てられるなら変更されない可能性がある。速さは無料ではなく、証拠を出し遅れる自由を売り渡した対価である。
法的な位置づけ
民事訴訟法381条の3は、法定審理期間訴訟手続の進行期限を定める規定である。第1回期日の指定期限(決定日から2週間以内)、口頭弁論終結期限(第1回期日から6か月以内)、判決言渡期限(終結日から1か月以内)、攻撃防御方法の提出期限(第1回期日から5か月以内)および証拠調べ期限を法定し、期日変更を「やむを得ない事由」がある場合に限定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申出前に証拠の棚卸しをする 必要な主張と証拠が第1回期日から5か月以内に全部提出できるかを一覧化する。鑑定、海外在住証人の陳述書、第三者への文書送付嘱託が必要なら、この手続は不利に働く
- 2.第1回期日で提出期間について意見を述べる 3項括弧書きにより、裁判所は当事者双方の意見を聴いて5か月より短い期間を定めることができる。逆にこの意見聴取が、自分の準備スケジュールを手続に反映させる唯一の機会になるため、必要日数を積算して臨む
- 3.4項の争点確認で判断事項を確定させる 提出期間満了までに、裁判所が当事者双方との間で判決において判断すべき事項を確認する。ここで漏れた論点は判決に載らないという前提で、判断してほしい争点をすべて書面化して確認の場に乗せる
- 4.6か月の証拠調べ枠内で立証を完了する 証拠調べは第1回期日から6か月以内(5項)。証人尋問の日程は期日変更が「やむを得ない事由」に限定されるため、代替日程を確保できない前提でスケジュールを組む
- 5.間に合わないと判明したら通常手続への移行を申述する 想定外の争点が浮上した、証拠取得が期限に間に合わないと判明した場合は、381条の4による通常手続への移行を早期に検討する。却下リスクを争うより手続から降りる方が安全な場面が多い
よくある質問 AI による整理
Q1法定審理期間訴訟手続とは何ですか?
当事者双方の申出または同意により、審理期間を法定した民事訴訟の特別手続です。民訴381条の3が各期日の期限を定め、第一審判決まで約7か月半で到達します。
Q2法定審理期間訴訟手続は何か月で終わりますか?
決定日から2週間以内に第1回期日、そこから6か月以内に口頭弁論終結、終結から1か月以内に判決言渡し。最長で約7か月半です。ただし異議申立てがあれば通常手続でやり直しになります。
Q3攻撃防御方法の提出期限はいつまでですか?
第1回期日から5か月以内です(3項)。裁判所が当事者双方の意見を聴いてこれより短い期間を定めた場合は、その期間が期限になります。
Q45か月を過ぎた証拠は使えますか?
原則として時機に後れた攻撃防御方法として却下されうる立場です(157条)。制度が新しく運用は確立していませんが、間に合わないと判明した時点で381条の4の通常手続移行を検討するのが安全です。
Q5法定審理期間訴訟手続で期日変更はできますか?
「やむを得ない事由」がある場合に限られます(6項)。通常訴訟の93条3項が定める「顕著な事由」より一段厳しく、日程調整の余地が実務上かなり狭くなります。
Q6証拠調べはいつまでにしなければなりませんか?
第1回期日から6か月以内です(5項)。裁判所がより短い期間を定めた場合はその期間内。鑑定や海外証人の尋問が必要な事件では、この枠に収まらないおそれがあります。
Q7法定審理期間訴訟手続の判決に控訴できますか?
控訴はできず、異議申立て(381条の7)により通常手続で審理をやり直します。異議が出れば同一審級で審理が続くため、結果的に時間がかかる可能性があります。
Q8審理の途中で通常手続に戻せますか?
戻せます。381条の4の申述により通常手続へ移行できます。証拠が期限内に揃わないと分かった段階での早期判断が鍵になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q15か月を過ぎてから決定的な証拠が見つかったら、本当に使えないんですか?
3項は5か月以内の提出を義務付けており、期限後の提出は時機に後れた攻撃防御方法として却下されうる(157条)。ただし裁判所の裁量が働く余地はあり、実務上の運用は制度が新しいため確立していない。実務のポイント:確実な逃げ道は381条の4の通常手続移行の申述で、これは相手の同意なく一方的にできる。証拠が間に合わないと分かった時点で、却下リスクを争うより手続そのものから降りる方が安全な場合が多い
Q2この手続、誰でも使えるんですか?
当事者双方の申出または同意が必要で、消費者契約に関する訴えと個別労働関係民事紛争は除外されています(381条の2第1項)。つまり企業間紛争や個人間の一般的な民事紛争が主な対象です。実務のポイント:除外理由は情報量と交渉力の格差にあり、弱い側が速さの圧力に押されて不利な同意をすることを防ぐ趣旨。逆に言えば、力が拮抗している当事者間でこそ機能する設計になっている
Q36か月で判決が出るなら、控訴されても早く終わりますよね?
そこが誤解しやすい点です。この手続の判決には控訴ができず、異議申立て(381条の7)によって通常手続で審理をやり直すことになります。異議が出れば同一審級で審理が続き、結果的に通常訴訟より時間がかかる可能性もある。実務のポイント:だからこの手続が本当に効くのは、判決が出れば相手が受け入れる見込みが高い事件、つまり争点が法律論一本で結論が読みやすい類型に絞られる
間違えやすい点 AI による整理
- 「6か月で終わる制度」と理解している人が多いが、6か月は口頭弁論終結までの期間であって、判決言渡しはさらに1か月以内。加えて第1回期日の指定に2週間ある。実際に決定から判決までは最長で約7か月半。しかも判決に不服なら異議申立て(381条の7)で通常手続に戻り、そこから審理がやり直しになる。「6か月で紛争が終わる」ではなく「6か月で第一審の判決が出る」である
- 5か月の提出期限を「目安」だと思っている人がいるが、これは制度の骨格そのものだ。この期限があるからこそ6か月での終結が計算できる。期限後の提出は時機に後れた攻撃防御方法として却下されうる(157条)。通常訴訟なら「まだ弁論が続いているから次回出せばいい」が通用する場面で、この手続では扉が閉まっている
- 「期日変更はやむを得ない事由が必要」という6項を、単なる訓示規定と読む人がいる。だが93条3項が定める通常の基準(最初の期日は当事者の合意、その後は顕著な事由)を明示的に排除して一段上げているのが本項の意味だ。裁判所側の都合による変更もこの制約下に入る。日程調整のしにくさは、当事者が思うより実務的な負担になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定する内容 | 381条の3:各期日と提出期限の法定(2週間 / 5か月 / 6か月 / 1か月) | 381条の2:手続の申出要件と対象事件の除外範囲 381条の4:通常手続への移行 |
| 当事者から見た機能 | 時計に縛られる。期限内に主張立証を出し切る義務が生じる | 入口。双方の申出または同意がなければ手続に入れない 出口。一方的な申述で期間制約から離脱できる |
| 期日変更の基準 | 6項:やむを得ない事由(93条3項を明示的に排除して加重) | — 移行後は通常手続の基準(93条3項)に戻る |
| 期限違反の効果 | 5か月経過後の提出は時機に後れた攻撃防御方法として却下されうる(157条) | 要件を欠けば手続自体が開始しない 移行により期限の制約が解除される |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も適時提出主義を採り、裁判長が準備書状の提出期間を個別に指定する。ただし審理期間そのものを条文で法定する手続はなく、期間設計は裁判長の裁量に委ねられている点が日本の381条の3と大きく異なる
韓国は裁判長が攻撃防御方法の提出期間を定め、徒過すれば失権するという「재정기간」制度を持つ。個別指定型である点で台湾に近く、期間を法律に書き込む日本型とは設計思想が異なる
中国は挙証期限制度を持ち、簡易手続・小額訴訟では審理期間の上限を法定する(簡易手続3か月等)。審理期間を法律で区切る点は日本と共通するが、中国は当事者の同意ではなく事件類型により当然に適用される
ドイツは Stuttgarter Modell 由来の集中審理主義を採り、早期第一回期日または書面先行手続で争点を整理し、遅延した提出は § 296で却下する。審理期間の数値自体は法定されず、失権効による加速という手法をとる
米国は Scheduling Order により裁判所が事件ごとに discovery 期限と trial 日を設定し、期限変更は good cause を要する。期間は裁判所の個別命令で決まり、法律に固定された日数は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先が売掛金800万円を払わない。証拠は契約書と請求書と入金記録だけで争点は単純。法定審理期間訴訟手続に乗せれば8か月で判決が取れる。ただし5か月の提出期限内に、相手が「口約束で減額合意した」と主張してきたときの反証材料まで先回りで揃えておく必要がある
- 被告側についたあなたのケース。原告が法定審理期間訴訟手続を申し出て、あなたも同意した。だが3か月目に、決定的な証人が海外赴任していて陳述書の取得に半年かかると判明する。証拠調べは第1回期日から6か月以内。間に合わない証人は、いないのと同じになる
- もし訴訟の途中で相手が全く新しい主張を持ち出してきたら、期間はどうなる? 延びない。裁判所が通常手続へ移行させる決定(381条の4)を出さない限り、時計は止まらない。5か月の壁は、こちらの準備が整っていようがいまいが同じ場所に立っている
- 第1回期日から4か月半。手元にはまだ鑑定に出していない書類がある。あと2週間で攻撃防御方法の提出期限が切れる。今夜のうちに、出すか捨てるかを決めなければならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 手続申出の前に、必要な証拠が5か月以内に全部揃うかを棚卸しする。鑑定、海外証人、第三者への文書送付嘱託が必要なら、この手続は不利に働く2. 第1回期日で提出期間の意見を求められる場面を想定し、事前に必要日数を積算しておく3. 4項の争点確認の場は、判決で判断される事項を確定させる関門。ここで漏れた論点は判決に載らないと考えて臨む4. 判決に不服の可能性があるなら、異議申立てで通常手続に戻る負担も先に見積もっておく
訴えられた側:1. 相手から申出があっても、同意しない選択肢が常にある。自分の反証準備に6か月以上必要なら、同意しないことが最大の防御になる2. 同意する場合、争点が単純で自分の証拠も揃っているという確信が前提。曖昧なまま同意すると、防御方法を出し切る前に扉が閉まる3. 進行中に想定外の争点が浮上したら、通常手続への移行申述(381条の4)を早期に検討する4. 期日変更は「やむを得ない事由」が必要なので、担当者の出張や繁忙期を理由にした延期は期待しない
時効(請求できる期限):第1回期日の指定は決定日から2週間以内。攻撃防御方法の提出は第1回期日から5か月以内(裁判所が双方の意見を聴いてより短い期間を定めた場合はその期間)。証拠調べは第1回期日から6か月以内。口頭弁論終結も第1回期日から6か月以内、判決言渡しは終結日から1か月以内
学説
立法趣旨説(有力):本条の期間法定は、当事者に審理期間の予測可能性を与えることで訴訟利用を促進する趣旨とされる。3項の提出期限と6項の期日変更制限は期間遵守を担保する装置であり、両者を欠けば6か月終結は実現不能になると説明される
手続保障留保説:期間の固定は主張立証を尽くす機会を制約するため、入口の当事者意思(381条の2)と出口の通常手続移行・異議申立て(381条の4、381条の7)が実質的に機能して初めて憲法32条の要請を満たすと解する立場
運用未確立の指摘:3項の期限を徒過した提出の効果について、157条の却下と直結させるか裁判所の裁量を広く認めるかは、令和4年改正法施行後の事案が乏しく、確立した解釈が存在しないとの指摘がある
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:民事訴訟法等の一部を改正する法律(令和4年法律第48号)により第六編として法定審理期間訴訟手続が新設され、本条が各期日および攻撃防御方法の提出期限を法定した
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